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台南に新たなリノベスポットが誕生!昭和を感じる「戎館」へ
歴史の街として知られる台湾南部の街、台南。
新たな命を吹き込まれたリノベ建築が、街のあちらこちらに点在しています。(リノベ=リノベーション、建物の大規模な改修のこと。)
古跡めぐりやリノベカフェめぐりを目的に訪れる人も多い台南に、この度新たなリノベスポットが誕生しました。
日本にもゆかりの深い「戎舘」をご紹介します。
目次
台南に2人目のえびす様
今回ご紹介する「戎舘」は、中国語では「ロングァン」と発音し、日本語では「エビスカン」と発音します。
<正面入り口には「YEBISU KAN」の文字が>
「エビス」というのは、公式サイトやパンフレットにも描かれているように、七福神のひとりであり商売繁盛の神様であるえびす様に由来しています。
日本統治時代を経た台湾では、日本文化の溶け込む懐かしい建築物を、あちこちで見かけることができます。同じく中正路沿いにある「旧日本勧業銀行台南支店」も昭和に建てられた建築物ですが、実はここにもえびす様がいるのです。場所はどっしりとした柱の上部。機会があったらぜひ探してみてくださいね。
戎館の歴史と台湾ソーセージ
それでは戎舘の歴史について、簡単にご説明します。
台南に最も早く出現した映画館は「臺南座」と「大黒座」という映画館でした。
戎舘が「戎座」としてオープンしたのは1915年のことです。木造建築の洋画専門映画館で、現在の場所ではなく民生路一段の細路地に位置していました。1934年、戎座は老朽化のため現在の場所に移転し、翌年の1935年に「戎舘」と名称を改め、営業を再開しました。
当時、戎舘は「宮古座」、「世界館」、「大舞台」とともに、台南の4大映画館として親しまれていたそうです。
戦後間もない1945年、戎舘は「赤崁戯院」に改名されますが、1961年、人々から惜しまれながら閉館を迎えました。
<戎舘の2階では建物の歴史が紹介されています>
映画館としての役目を終えた後、建物はいろいろな会社や飲食店の手に渡ります。
そして1990年、「黒橋牌」というソーセージの老舗メーカーの入居により、建物は転機を迎えます。「黒橋牌」は台南で創業したメーカーで、「黒橋牌」のソーセージと言えば、台南人のほとんどが子供の頃にこのソーセージをおやつに食べた記憶があるほど有名です。
その「黒橋牌」のオーナーは、この建物が歴史あるあの戎舘であることを知り、何とかリバイバルさせたいという思いから、台湾元3000万元(日本円で約1.1億円)を支出してリニューアル工事に踏み切ったのです。ついに工事は無事終了し、2021年1月8日に復刻版戎舘がオープンしました。
新しくなった戎館へ早速潜入
建物に入る前に、まず目にはいるのがこちらのチケット売り場。
映画館としての役目を終えた今もなお、こうして当時の面影を伝えています。
それでは早速館内へ。
館内はそれほど大きくはありませんが、どことなく懐かしさを感じるレトロな雰囲気にリノベされています。
おいしそうな香りが漂う1階フロアには、スイーツやドリンクのお店と、台湾の名産品を取り扱う物販コーナーがあります。そのなかにはもちろん、黒橋牌のお店も。
お店のいちおしは焼きたてのソーセージですが、ここでしか買えない戎館オリジナルのポークジャーキーなどの加工食品も販売しています。
<階段を上がった右手が読書コーナー>
戎舘時代の街並みがレリーフで再現された階段。その先はギャラリー空間になっています。
<モノクロムービーを上映するミニシアター>
戎舘の歴史を紹介するコーナーや、レトロなミニシアター、それにちょっとした読書コーナーもあるので、観光で歩き疲れたときの休憩スポットとして立ち寄るのもよさそうです。
また、1階で買った食べ物はこちらのイートインコーナーで食べることもできます。
※イートインコーナーでの飲食はミニマムチャージ80元で、他店商品の持ち込みは禁止です。
気軽に海外旅行ができなくなってしまった今日この頃ですが、次の台南旅行ではぜひこの戎舘に足を運んでみてくださいね。
戎舘
- 住所:台南市中西區中正路220號
- 電話:06-2295248
- 営業時間:11:00~20:00
- Facebookページ:戎舘 Yebisu Kan
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ロータス
- ニーハオ!!2007年より台湾在住! 台湾の老街(ラオジエ)での雑貨散策とB級グルメ食べ歩きが得意。 南国のんびり暮らしのブログを発信中。