愛知の美しいアウトドアフィールド。新城が誇る「山の絶景」BEST5

都会や工業のイメージが先行し、アウトドア要素に乏しいように思われる愛知県。しかし、岐阜、長野そして静岡との県境を作っている奥三河エリアには、隔絶した大自然が広がっています。

中でも新城市(しんしろし)は、愛知県のメジャーな山々が並び立ち、滝や棚田、秘境渓谷や奇岩など景色変化に富んだアウトドアフィールドです。今回はそんな新城で、一度は訪れてほしい「山の絶景」をランキング形式でまとめてみました。

目次

第5位:まるでトトロの森!?緑に包まれる神秘の滝「阿寺の七滝」

阿寺の七滝

まず紹介したいのは、巣山高原からを水源とする阿寺川上流「阿寺の七滝」。七つの段をもち、階段状に流れていく佇まいが優美です。自然林に溶け込むようなロケーションとなっており、夏にはマイナスイオンに満ちた癒しスポットに!

滝の龍神は雨乞いの神として信仰され、有名な陰陽師・安倍晴明が修行した滝としても密かに知られています。

阿寺の七滝

もちろん滝も素晴らしいのですが、同じく注目してほしいのが滝周囲の手付かずの自然。

まるでジブリのトトロの世界に入ったかのような、ミステリアスな雰囲気を放つ空間は必見です。光の明暗一つもとても絵になり、写真撮影もはかどります。

阿寺の七滝

  • 住所:愛知県新城市下吉田ハダナシ
  • アクセス:新城市街から車で駐車場まで約1時間、駐車場から片道徒歩45分

第4位:これで標高300m!?三河が誇るパノラマ縦走路「宇連山南尾根」

宇連山南尾根

標高1,000mを超える山がほとんどない愛知県ですが、マニアなハイカーの間で有名な場所が「宇連山(うれさん)南尾根」。鳳来湖の西側に位置する宇連山の登山コースの一つで、愛知県民の森から入山できます。

その魅力は、標高300m前後ながら、まるで日本アルプスの尾根を縦走している感覚が味わえる大パノラマ。そのスケール感から"愛知のアルプス"との呼び声も高いです。

宇連山南尾根

アスレチックの岩尾根が続き、周囲に木々がないこと、そして数々の山々が並び立つ新城だからこそ見られる絶景と言えるでしょう。

途中には展望所も設けられ、三ツ瀬明神山の山並みを一望。特に気温が上がりすぎない初夏には、山肌の新緑が美しく、本当に気持ちの良い場所です。

宇連山南尾根

  • 住所:愛知県新城市門谷鳳来寺
  • アクセス:鳳来峡ICから県民の森(モリトピア愛知)まで車で約10分。県民の森から片道徒歩約30分〜1時間。

第3位:地元愛とともに受け継がれる。日本の原風景「四谷千枚田」

四谷千枚田

自然と人の暮らしが共生している点も、自然豊かな新城の特徴。その代表格と言えるスポットが「四谷千枚田」です。鞍掛山の南山麓、標高約200m〜420mにかけて約420枚もの棚田が展開しています。

田植えが終わり、稲が育ってくる6月以降には、緑一色に染まる鮮やかな空間。山に抱かれるロケーションは、鞍掛山を水源とする湧き水を、田に段々と伝わるように活用した適応のカタチです。

四谷千枚田

そんなこの四谷千枚田、実際に地元の耕作者の方々だけでなく、地元の宝として大事に伝承されているのもポイント。それを象徴するのは、鳳来寺小学校の生徒が作成した張り紙でしょう。

元気いっぱいに書かれた千枚田への愛着や、観光客へのおもてなしの言葉は、訪れる人をほっこり癒してくれます。

四谷の千枚田

  • 住所:愛知県新城市四谷
  • アクセス:新城市街から車で約30分

第2位:まるで屋久島、苔むす森の世界観!?明神山麓の秘境「乳岩峡」

乳岩峡

「愛知にこんな秘境があったのか!?」と思わせてくれる場所があります。それは鳳来湖の東側に位置する三ツ瀬明神山の山麓「乳岩峡(ちいわきょう)」。

乳岩と呼ばれる岩山がトレードマークになっており、渓谷美と奇岩が織りなすパノラマは見る人を圧倒します。なお乳岩の中から振り返った風景は、まるでピカチュウのようなシルエットだと密かに話題です。

乳岩峡

そんな「乳岩峡」の醍醐味は、屋久島の苔むす森を彷彿とさせる、神秘的な渓谷の風景。

透明度の高い水や、緑が濃い原生林、渓流に転がる礫岩と、そこに繁茂する苔など。手付かずの自然と、ひたすらに心洗われる静謐な時間が流れています。

乳岩峡

  • 住所:愛知県新城市川合乳岩
  • アクセス:鳳来峡ICから車で10分、新城ICから車で40分。駐車場から片道徒歩約1時間で乳岩。

第1位:圧倒的な鳳来ブルーと山並みが展開。異国感漂う岩峰「上臈岩」

上臈岩

最後に紹介したい新城のとっておきのスポットは「上臈岩(じょうろういわ)」。第4位の南尾根と同じく、宇連山山麓に位置している岩峰(がんほう)です。東尾根と北尾根が交わる地点から30分ほど歩くと、辿り着くことができます。

眼下にはエメラルドブルーの鳳来湖と、三ツ瀬明神山の雄大な山脈が広がる絶景。「これが標高1,000m以下の世界なのか!?」と疑わしくなるほどダイナミックです。

上臈岩

そして上臈岩の中心部・中の上臈(なかのじょうろう)から東側の景色も圧倒的です。

まるでアマゾン川の一風景のように、両岸を緑に彩られながらダイナミックに伸びていく鳳来湖。太陽の光が水面にキラキラと輝き、緑を一層鮮やかに照らし出してくれます。

異国情緒漂う"秘境の風景"。愛知の自然のポテンシャルの高さを思わせてくるスポットと言えるでしょう。

上臈岩

  • 住所:愛知県新城市川合西山
  • アクセス:鳳来峡ICから県民の森(モリトピア愛知)まで車で約10分。県民の森から片道徒歩3時間から3時間半。

美しい自然風景が点在する奥三河「新城」の魅力

新城

いかがでしたでしょうか?今回は奥三河・新城が誇る「山の絶景」に焦点を当ててみました。ひとえに"山"と言っても、それは山頂だけでなく、山麓の樹林帯や滝、棚田まで実に様々。

一見、何ということはなさそうな場所でも、心洗われる自然の表情を読み取ることができます。また、随所に自然と人の共生が感じられるのもポイントです。

少し体力がいりますが、ぜひ新城の自然を満喫してみてはいかがでしょうか?次回は「知多半島・離島×海」をテーマにご紹介します。

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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