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【ギリシャ】ティロス島へプチアイランドホッピング
あまり観光地化されていないマイナーな島へ行くのが好きなんですが、前回のバカンスではエーゲ海のティロス島へ行ってみました。ティロス島はドデカネス諸島に属し、ロドス島とコス島の間辺りに位置します。
目次
ティロス島へのアクセス
ティロス島には飛行場はないため、ピレウス港から長時間かけてフェリーで行くか、もしくはロドス島やコス島まで飛行機で行って、そこからフェリーに乗り換えます。
私たちはシミ島に滞在していたので、そこからフェリーに乗って行きました。所要時間は約1時間半。フェリーの種類によって所要時間は変わってくるのですが、ロドス島からは約2時間45分、コス島からは約2時間半です。
ティロス島に到着し、まずはレンタカーを借りました。車もフェリーに乗せて行こうか迷ったのですが、約90ユーロとチケットが高かったのでレンタカーに。レンタカーは確か30ユーロぐらいでした。ティロス島にはタクシーはないらしく、バスは運賃1.6ユーロ。島を回るのに安いのはバスですが、私たちは家族4人だし、時間のロスや移動の手間を少なく......と考えると車があった方がいいという判断。車やバイクだとバスで行けない場所も見られるのがいいです。
ティロス島は港周辺が一番観光地っぽく、お店も多いです。なので、日帰り旅行の限られた時間でもこの辺りで食事や観光をし、ちょっと遠くの観光スポットやビーチへはバスで行くというのも手ですね。複数の場所をゆっくり観光したい場合は、1泊はした方がいいです。
廃墟の村、ミクロ・ホリオ
とりあえず、レンタカーに乗り込んで出発。
まずは気になっていた廃墟の村、ミクロ・ホリオへ行ってみることにしました。「小さな村」という意味のこの村は1940年頃から過疎化して、住民たちは港町であるリヴァディアへ移ったそうです。現在は廃墟となった家々と古い城塞があるだけですが、廃墟の外観はそのままにリノベーションしたカフェバーがあり、人気のスポットとなっています。廃墟好きな方におすすめです。
廃村と言えど、教会は廃墟化していないのはギリシャらしいですね。
カフェバーの営業は日が落ちる夕方からなので、風景を楽しみつつちょっと休憩してから次の目的地へ出発することに。
ちなみに「小さな村」に対し「大きな村」メガロ・ホリオもあります。メガロ・ホリオは港から北西へ7kmほどで、ミクロ・ホリオはその途中に位置します。今回メガロ・ホリオへは時間がなさそうだったので行かなかったのですが、エーゲ海の島らしい可愛らしい村です。
小型ゾウの博物館、エレファントミュージアム
ティロス島は、ヨーロッパで最後のゾウの生息地としても知られます。ゾウの化石などを展示している博物館が2020年オープンしたばかりだと聞いていたので、見に行ってみました。ここができる前は、メガロ・ホリオのタウンホールで展示されていたそう。
ゾウが見つかったハルカディオ洞窟の標識。洞窟も入口の部分は見ることができます。
博物館の入口。入館は無料でしたが、管理人(?)の女性がいろいろ説明をして下さいました。
ティロス島のメガロ・ホリオのはずれにあるハルカディオ洞窟で発掘されたのは、小型のゾウの化石。ティロス島は元々は現在のトルコである大陸の一部でしたが、そこから移動して島となりました。島という狭い場所に閉じ込められた生き物の中で、ゾウは環境に適応し生き残るために体を小さく進化させたと考えられています。
<人間とのサイズ比較。ティロス島のゾウは右から5番目で、体高は約170cm>
このように小型化したゾウ、ドワーフエレファントは地中海の多くの島々で生息していたことがわかっていて、ギリシャではクレタ島、ドデカネス諸島(ロドス島、ティロス島、アスティパレア島、カソス島)、キクラデス諸島(デロス島、ナクソス島、パロス島、キトノス島、ミロス島、セリフォス島)で化石が発見されています。特筆すべきは、ティロス島のゾウ(Palaeoloxodon tiliensis)はヨーロッパで最後まで生き残ったドワーフエレファントだという点。絶滅したのは新石器時代の紀元前4000年頃と見られ、完新世(地質年代において約1万年前から現在)まで生き残っていたということになります。
また、ハルカディオ洞窟では土器や石器、人骨も発見されていて、少なくとも新石器時代初期には人類が生息していたことがわかります。
エレファントミュージアム(Μουσείο Ελεφάντων/ The Elephant Museum)
- 開館時間:8:00~14:45(土日休館)
- 入館料:無料
ティロス島のビーチ
食事をする前に、ちょっと泳いで行こうということでビーチへ向かいました。
ティロス島のビーチは整備されていないところがほとんど。目を見張るほど素敵なビーチというわけでもないのですが、手つかずの素朴な海を楽しめます。
エリストスビーチ
メガロ・ホリオの南3kmのところにあるエリストスビーチは、島で一番長いビーチです。砂と小石が混ざった浜。人は少なかったですが、キャンピングスポットらしいのでその時によるかも?バスで行けるのでアクセスは悪くないです。
プラカビーチ
こちらはバスでは行けないようですが、ここも長く延びるビーチでなかなか綺麗でした。遠くの端っこの方はヌーディストに人気だそう。ビーチのそばにはクジャクがいて、たまにビーチを歩いていたりもするようです。
<クジャクの親子>
今回時間がありませんでしたが、もう少し先へ行くと島の観光スポットのひとつアギオス・パンデリモナス修道院があります。7月25日から3日間はお祭りが開かれるので、この時期に滞在していたらぜひ行ってみてください。
おわりに&次回予告
ティロス島のような小さい島でも、やはり日帰りではかなり駆け足になってしまいました。宿泊すればミクロ・ホリオの夜景も楽しめたでしょうし、他のビーチや修道院なども回れたでしょう。
印象としてはコロナ禍でなくてもあまり多くの人は訪れなさそうな感じで、のんびり過ごすのにぴったりな、素朴な島のひとつです。
次回後編は島での食事ですが、ここでコロナ禍の影響を強く受けることに...。さて、ティロス島ではどんなものが食べられるのでしょう?
>>後編『【ギリシャ】ティロス島で出会えた!珍しいシクラメンの葉っぱ料理』はこちらから
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。