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【京都・京丹後】夫亡き後、妻が無農薬野菜を作り続けている理由

記事投稿日:2021/01/06最終更新日:2021/01/06

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京都府の中部に位置する京丹後市に、女性だけで無農薬野菜、無化学肥料野菜を作っている「自然耕房 あおき」があります。無農薬野菜を作っている農家は全国にたくさんありますが、青木美恵さんにはドラマチックな物語がありました。今回は、それをお伝えしたいと思います。

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<「自然耕房 あおき」の青木美恵さん>

目次

青木さんが京丹後で農業を始めた理由

青木さんはもともと京都の人ではありません。大阪に住み、ご主人もサラリーマンでした。ある時、ご主人が「(無農薬、無化学肥料で)農業をやりたい」と奥さんの美恵さんに懇願しました。美恵さんはご主人の熱意を承諾し、ご主人は脱サラして、ご夫婦で京丹後市に移住しました。

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突然のご主人の死

京丹後に移住後、さまざまな苦労はありましたが、どうにか農業も形になり、安定しかけてきた矢先、ご主人が急逝されました。今から5年前のことです。美恵さんは大変なショックでしたが、もともと美恵さん自身は農業に興味があったわけではなく、「これを機にここ(京丹後)を引き払って、地元である大阪に帰ろう」、そう思っていたそうです。

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自然耕房 あおきを設立

農業を辞めて、大阪に帰ろうと思っていた美恵さんに、「お願いだから辞めないで、ここで続けてほしい」と頼む人たちがいました。それが、青木さんの野菜を買っていたお客さんたち、そして京丹後の地元の人たちでした。

美恵さんは言います。「主人が一番大事にしていたこと、それは<土づくり>でした。土が野菜を作るのだと。土の中の微生物やミネラルが野菜を育てる。野菜も土の栄養を受けて自分の力で育っていきます。でも豊かな土を育てるには、とても時間と根気が要ります。簡単にはいい土はできない。私がここで農業を続けて欲しい、といわれたことは、この土を絶やさないで欲しいということだったんだと思います。」そして美恵さんは地元の人たちの力を借りて株式会社 自然耕房あおきを設立し、社長に就任します。

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こだわりがないところがこだわり

美恵さんに「自然耕房 あおきさんのこだわりはなんですか?」と尋ねたところ、「こだわりがないことが、こだわりでしょうか。」と答えられました。

「あくまで自然に、野菜自身の力で育つようにしています。昔は、農薬も化学肥料もありませんでした。手間もかかるし、たくさんの量も採れない。でも自然に任せた方が、しっかり味のする野菜に育つんです。ミミズや微生物が土の中で生き生きと活動している、そんな土の中で野菜は自然のサイクルに沿ってゆっくり時間をかけることにより、大地の力をたっぷり吸収しながら育つんです。私たちはそれを、手間を惜しまないで、その成長を待ってあげる。私たちがやっていることは、最新技術や効率化とは正反対のものです。化学肥料は、速く大量の野菜を作ることはできるかもしれないけど、化学肥料を使い続けていると、土が痩せてくるんです。」

今回、そこで育っている野菜(レタスとからし菜)を試食させてもらいました。味がとてもはっきりしていました。からし菜などは、とても主張していました。

美恵さんは言います。「ここで野菜を育てるようになってわかったのですが、この町では、高級なレストランでなくても、町の大衆食堂でも美味しいお米、野菜が食べられます。たまに実家に帰ってごはんを食べると美味しくないんです。先日も、東京に行って朝、喫茶店でモーニングを食べたのですが、サラダの野菜が、味がしないんです。目をつぶって食べたら何のお野菜かわからないほど。ここで育つ野菜は目をつぶって食べても、何の野菜かが、すぐわかります。」「京丹後の気候は寒暖の差が激しく、甘く濃い野菜が育ちます。冬は雪が多く積もるので、葉物野菜は冬はやむを得ず、ハウスで野菜を作りますが、やはり外(路地)で育つ野菜とは違います。ハウスで作った野菜は柔らかいんです。路地ものは雨、陽、風を浴びて強く育ちます。」

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「自然耕房 あおき」がめざしていること

自然耕房 あおきの畑は5ヘクタールあり、年間約150種の野菜を作っています。

青木美恵さんに今後のビジョンを伺いました。

「野菜だけじゃなく、他のもの・・・例えば鶏とかも育ててみたいですね。あとは、やはり経営を安定させたい。そして次の世代に残していきたいです。」

自然耕房 あおきのトマトジュースをいただきました。

正直、筆者はトマトが苦手なのですが、味がしっかりした濃くて甘い、豊かなトマトジュースでした。

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美恵さんの言葉で印象に残っている言葉です。

「自然には逆らえないんです。自然に逆らうと、野菜はちゃんと育ってくれないんですね。」

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自然耕房 あおきの情報


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シンジーノ
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