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チーズ大国フランス!現地での食べ方やおすすめチーズを紹介します

記事投稿日:2020/12/07最終更新日:2020/12/07

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出典:Pixabay(CC 0)

フランスの食卓では、毎日チーズを欠かすことがありません。町へ出ればチーズ専門店がコンビニのごとく点在しており、スーパーではチーズコーナーが幅広いスペースで並べられています。筆者もこれまでチーズを求めて何度もフランスへ足を運び、数々のチーズを食べてまいりました。

この記事では、世界中のチーズを食べ歩きながら旅をしている、C.P.A.(NPO法人チーズプロフェッショナル協会)の認定資格を持つ筆者ならではの視点で、チーズ大国フランスにある素晴らしいチーズたちのこと、おいしい食べ方や現地での楽しみ、筆者のおすすめチーズについて語ってまいりたいと思います。楽しいチーズの世界へ、一緒にまいりましょう!

目次

<1. フランスにはチーズが何百種類もある!?>

<2. フランスでメジャーなチーズを3つ紹介!>

<3. フランスではチーズをこう食べる!>

<4. ライターおすすめ!フランス産のチーズ5選>

1. フランスにはチーズが何百種類もある!?

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<写真はイメージです。Photo by Alana Harris on Unsplash

フランスでは、一つの村に対して一つチーズがあると言われるほど、それぞれの地域でチーズ文化が根付いており、皆さんチーズが大好きです。チーズと聞けば、まずはヨーロッパ、中でもフランス!と思い浮かべる人も多いと思いますが、実はフランスのチーズは500種類とも、1,000種類あるとも言われています(編集部註:資料によってチーズの種類の記載にバラつきがあるため、正確な数は不明)。

1.1 フランスに膨大な種類チーズがある理由

フランスには500、いや1,000種類ものチーズがあると書きましたが、実際のところはもっとあるのではないか?と筆者は思います。チーズが豊富にあるその理由としてはフランスの歴史、土地や環境が挙げられます。

チーズは中近東で最初に作られたとされ、その後西ヨーロッパに渡り、その次にイタリア、フランスへと伝わりました。そこからヨーロッパにおけるチーズ文化が根付いていったとされていますが、いまだ正確なチーズの発祥地については、さまざまな見解があります。

土地や環境の観点でいうと、フランスは西に大西洋、南には地中海が広がっています。全体的には温暖でありつつ、土地ごとの多様な気候がさまざまな個性を持った形や味わいのチーズを生んでいるのです。

1.2 覚えておきたいチーズのタイプ

フランスでメジャーな、または筆者おすすめのチーズをご紹介する前に、まずはチーズの主なタイプについて特徴を理解しておきましょう。これらの分類はフランス以外の国でも使えるので、ぜひ覚えてみてくださいね(タイプを表現する単語などは、国によって異なることがあります)。各タイプの有名なチーズとして紹介しているものの中には、フランスでも日常的に食べられているものがありますので、それらについては後ほど詳しく説明します。

【フレッシュタイプ】
チーズを製造する過程で熟成をしていない、水分を抜いただけのフレッシュなチーズです。代表チーズはクリームチーズやモッツァレラ、マスカルポーネなど。フランスではフロマージュ・ブランがとても有名です。「白いチーズ」という意味を持つフロマージュ・ブラン(フランス語:Fromage Blanc)は、ヨーグルトのような見た目で、質感はとてもなめらか。優しい味わいがします。

【セミハードチーズ】
チーズを作る工程の中で水分を38~46%に保ってある非加熱圧搾チーズ。日本でいう「プロセスチーズ」の原料になっているチーズとしても有名ですが、しっとりしていて穏やかな風味のものが多いので、刺激的なチーズが苦手な方には最もおすすめのチーズです。代表チーズはフランスとスペインの国境にあるバスク地方のオッソーイラティ、ゴーダなど。

【ハードチーズ】
水分を38%以下にした加熱圧搾チーズです。セミハードよりもさらに水分を少なくしてあるので組織は締まって固くなり、うまみもぎゅっと凝縮されたものが多いのが特徴です。代表チーズにはコンテ(フランス語:Comté)やボーフォール(フランス語:Beaufort)、パルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレット(フランス語:Mimolette)などがあります。

【白カビチーズ】
チーズの表面に白カビをまとわせたチーズです。フランスでの代表チーズはカマンベール(※後述)やブリー・ド・モー(フランス語:Brie de Meaux)など。表皮は白カビで覆われ苦味を感じるものの、中はまろやかでクリーミーな舌触りのチーズが多いので、穏やかな風味のものも多いですが、熟成が進んでいくと風味も強くなり、独特の深い味わいが生まれます。

【青カビチーズ】
チーズの内部に青カビを入れ熟成させたチーズです。塩分が高く、舌にピリッと来る刺激があり、独特の香りとあいまって上級者向けのチーズと言われていますが、中には穏やかな味わいのものもあります。代表チーズはイタリアのゴルゴンゾーラや、フランスのロックフォール(フランス語:Roquefort)など。

【ウォッシュチーズ】
チーズの表面を塩水やお酒などで洗って(ぬぐって)、より独特な風味の個性を出したものを指します。穏やかなものから強烈なものまでさまざまですが、共通して中身はコクが強く、濃厚なうまみがあります。エポワス(フランス語:Epoisses)やピエ・ダングロワ(フランス語:Pie d'Angloys)などが代表的なフランスのウォッシュチーズです。

【シェーブルチーズ】
山羊のミルクを使ったチーズで、ほどよい酸味と独特な山羊の香りが特徴的です。組織がホロホロしていて崩れやすい、繊細なものが多いという特徴があります。フランスのシェーブルチーズはヴァランセ(フランス語:Valençay)やサント・モール・ド・トゥレーヌ(フランス語:Sainte-Maure de Touraine)などが有名です。

2. フランスでメジャーなチーズを3つ紹介!

続いての項目では、フランスで主に食べられているチーズを3種類ご紹介します! フランスでは、シェーブル、ハード、白カビがよく食べられており、日本でもチーズ専門店などで購入できるものも多いですよ。

2.1 フランスでメジャーなチーズ:シェーブルチーズ各種

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<写真はイメージです。Photo by Anita Peeples on Unsplash

現在のフランスではA.O.C(Appellation d'Origine Contrôlée、原産地呼称統制)という認証制度により、特定の生産地や製造方法を守るワインやチーズなどが存在します。これは、国がそれらの品質を保証する(編集部註:食品偽装を取り締まる法律が前身とされています)もので、チーズだけでも10種類あります。

特にフランスのロワール川流域では、繊細で風味豊かなシェーブルチーズが数多く生産されています。これらは繊細で爽やかな味わいが特徴。先ほどチーズのタイプで紹介したヴァランセやサント・モール・ド・トゥレーヌも、ロワール地方のチーズです。はちみつやドライフルーツと一緒にいただくのがおすすめであるほか、同じくロワール産の白ワインと合わせると素敵なマリアージュを楽しめますよ。

日本では、チーズ専門店または通販で購入可能です。

2.2 フランスでメジャーなチーズ:コンテなどのハードチーズ

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<コンテ。写真はイメージです。Photo by Aliona Gumeniuk on Unsplash

フランシュ・コンテ地方で作られているこのチーズは、ハードタイプで「フランスで最も愛されているチーズ」とも言われています。その表現に違わず、フランスのスーパーやデパートの店頭などでは必ず見かけるチーズのひとつ。どこかナッツのような味わいと香りが鼻腔をくすぐり、うまみ成分もたっぷりです。そのまま食べても非常においしいコンテですが、グラタンやチーズフォンデュに使ってもおいしいですよ。

2.3 フランスでメジャーなチーズ:カマンベールなどの白カビチーズ

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<写真はイメージです。Photo by Camille Brodard ~ Kmile Feminine Creative Designer on Unsplash

皆さんもご存じと思われる白カビチーズのカマンベール。実は、本家本元とされる品種もあります。こちらは「カマンベール・ド・ノルマンディー(フランス語:Camembert de Normandie)」と言って、A.O.C登録されています。カマンベール・ド・ノルマンディーの味わいは風味が豊かで塩味も効いており、香りも強め。

日本でよく見かけるカマンベールはパッケージの裏側を見てみると、原産国がフランスではないものをよく見かけますが、これはカマンベールという呼称がA.O.C登録された時期が遅く(1983年)、その頃には既に世界各地でカマンベールという名前でチーズが作られているためです。

けれども「本物の」カマンベールを食べたことがまだない方は、ぜひ一度そのままを一切れ、食べて欲しいと思います。フランスでも、チーズ専門店に行くと手に入りやすいでしょう。

3. フランスではチーズをこう食べる!

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<サラダに盛り合わせるだけでも、そのままとは異なるチーズの風味を楽しめます。写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

これまでは、さまざまなタイプのチーズについて、そのまま食べるときのおすすめを交えながら説明しましたが、チーズは料理の食材としても重要な存在。フランスでも、チーズは多彩な形で食べられています。この項目で紹介したチーズの使い方を参考に、いつもと違うタイプのチーズもチャレンジしてみませんか?

3.1 シェーブルチーズはサラダに!

ヤギの乳でできたシェーブルチーズは、個性的な香りと風味が特徴。その個性を最大限に引き出すため、サラダにするとよいでしょう。シェーブルチーズのなかでも「クロタン・ド・シャヴィニョル」というチーズで作るのがおすすめです。

ルッコラやベビーリーフなどお好みの葉野菜をオリーブオイルで和え、焼いたバゲットにスライスしたクロタン・ド・シャヴィニョルと一緒に乗せるだけ。焼いたバゲットで少し溶けたクロタン・ド・シャヴィニョルが香ばしく、とてもおいしいですよ。

3.2 セミハードタイプのチーズは溶かしてアリゴに

セミハードタイプのチーズは、もちろんそのまま食べることもありますが、もともとチーズ自体に癖が少ないものが多いので、お料理に使うことも多いです。中でもこれから寒くなる時期におすすめなのが、オーベルニュ地方の郷土料理アリゴ。お肉料理などの付け合わせによく見られるマッシュポテトが、チーズによって伸びるバージョンです(編集部註:トルコアイスのように、よく伸びます)。

作り方は、マッシュポテトにセミチーズを加え、練り上げながら作るというものですが、その練り上げている様がかっこいい、または面白いということから、フランスのレストランではパフォーマンスとしても人気です。最近では、日本でもサイドメニューに増えてきました。本場フランスでは、ライオルというチーズを使いますが、ゴーダやチェダーで応用してもOKです。

3.3 余り物のチーズはホットサンドやクレープに

フランスの朝食として定番のクロックムッシュ。こちらはいわゆるホットサンドですね。材料はシンプルに、チーズとハム、そしてパンです。卵を加えてクロックマダムにしたり、ホワイトソースを加えたりとアレンジはさまざまですが、もともとは1990年にフランスのオペラ座で作られていたホットサンドとして有名です。

フランスでは、日本と比べて3分の1のお値段くらいでチーズを購入できるので、惜しむことなくお料理に使えてうらやましいと感じることも。私もパリ滞在時、早朝にクロックムッシュやチーズを入れたクレープを頬張りながら、バスに駆け込んでいたころを思い出します。

※編集部註:チーズだけでなく、フランスの食文化についてご興味のある方は、関連記事も合わせて読まれることをおすすめします

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4. ライターおすすめ!フランス産のチーズ5選

最後の項目では、チーズ大好きな筆者がおすすめしたいフランス産のチーズを、5種類紹介していきます。日本のチーズ専門店や通販で買えるものもありますので、お家でフランスのチーズとワインのマリアージュを楽しんでみたい、という方もぜひご覧くださいね。

4.1 ライターおすすめのチーズ :サント・モール・ド・トゥーレーヌ

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<写真の中央やや右にある、細長い筒状のチーズがサント・モール・ド・トゥレーヌです。※写真はイメージです。Photo by Elisa Michelet on Unsplash

まず紹介したいのがサント・モール・ド・トゥーレーヌというチーズ。この記事で幾度となくシェーブルチーズを紹介してきましたが、その中でもこのチーズが筆者のお気に入りです。サント・モール・ド・トゥレーヌは細長い形が特徴的で、この形状を保つため真ん中には藁が一本通してあります。外側には炭がまぶされていますが、これは食べても問題ない炭ですので、ご安心ください。

炭は雑菌の抑制や水分の蒸発を防ぐ目的でつけられていますが、見た目もかっこいいですよね。先ほどクロタン・ド・シャヴィニョルを用いたサラダを紹介しましたが、クロタンがなかった場合筆者はサント・モール・ド・トゥレーヌを野菜に乗せてよく食べていました。味わいは爽やかで少し酸味がありますが、熟成とともに酸味も穏やかになります。

4.2 ライターおすすめチーズ:サンマルスラン

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<写真はイメージです。出典:Adobe Stock

続いては、フランスを訪ねたときに筆者が必ず食べるチーズ、サンマルスラン(サンマルセラン、サン・マルスランとも)です。こちらはドーフィネ地方で作られる牛乳製のチーズで、上の写真では容器から出した状態ですが、本来は陶器に入って売られていることが多いです。これは、チーズ自体がとても繊細で、熟成していく過程でとろりとその形状を崩していくため。

おすすめの食べ方はそのまま、賞味期限ぎりぎりのあたりでスプーンにすくって召し上がってみてください。穏やかな味わいはチーズ初心者の人にも受け入れられると思いますので、やわらかい皮とトロトロの中身の食感を味わってみてほしいです。

4.3 ライターおすすめのチーズ:モン・ドール

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<写真はイメージです。出典:Adobe Stock

モン・ドール(フランス語:Mont d'Or)は、フランスとスイスの国境にある山脈が黄金の山(モン・ドール)と呼ばれており、それにちなんで名づけられたチーズ。実は期間限定で作られるチーズで、製造期間は毎年8月15日から3月15日と定められており、日本でモン・ドールが食べられるようになるのは9月の半ばごろからになります。

モン・ドールはウォッシュタイプのチーズなのですが、一般的なウォッシュタイプのチーズと比べ、味わいも香りもとても穏やか。普通のカマンベールよりも大きいため、一人で食べるには少し多すぎるかな?と思います。ジャガイモやパンにつけてチーズフォンデュのように召し上がっていただくのが一番オーソドックスですが、チーズの味わいをダイレクトに感じるのならば、やはりそのままがおすすめ。

冷蔵庫から30分常温に戻し、とろとろ具合が増したころが食べごろです。ぜひ、大切な人と分け合って召し上がっていただきたいですね!

4.4 ライターおすすめのチーズ:パヴェダフィノワ

続いては、少しマニアックなパヴェダフィノワをご紹介。日本ではチーズ専門店や通販などで手に入ります。フランス語で「石畳」の意味を持つこちらのチーズは、筆者大好物の白カビクリーミーチーズ。フランスチーズとしての歴史は浅いですが、素晴らしい存在感を放っています。

見た目は立方体で、熟成が進むとまるでおなかが出たお父さんのようにたぷっと膨らんでいきます。工場製のチーズなのですが、「ウルトラフィルトレーション法」という技法を使って作られており、特殊なろ過システムを使ってミルクが濾されていくので、ものすごく滑らかな舌触りです。ミルクっぽい、かつ癖があまりないチーズなので、こちらも初心者の方に向いているチーズと言えます。

4.5 ライターおすすめのチーズ:エポワス

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<写真はイメージです。出典:Adobe Stock

オレンジ色が鮮やかな、個性あふれるウォッシュチーズのエポワス。表皮の鼻をつく刺激臭がととても強烈です。マール・ド・ブルゴーニュという地元のお酒で表面を洗い流しており、納豆と同じリネンス菌が働いているので、納豆のような香りがします。この刺激的な香りから上級者向けチーズと思われがちですが、その香りに次第に魅了されていってしまう人も少なくありません。

強烈な香りの表皮とは反対に、中身の部分は非常になめらかで繊細な味がします。クリーミーな質感に濃厚なコクが広がり、一度食べると病みつきになっていくかもしれません。エポワスは非常に人気のあるチーズなので、その製法をまねて作ったチーズ、ラミ・デュ・シャンベルタンや、同じ製法で作った4分の1サイズのトゥルー・デュ・クリュも筆者が強くおすすめするチーズのひとつです。

これだけたくさんのチーズを見ていると、チーズの香りがどこからともなく薫ってくるような気分になりますよね。フランスチーズの魅力は果てしないです!

私もフランスを訪れるたびに、新しいチーズの魅力に出会い、感動と喜びをもらっています。 ここでは紹介しきれなかったチーズも数多く存在しており、それらについても、これから日本のチーズ売り場や、または現地などで、皆さんの五感で感じ取っていただき、今までよりももっとチーズに興味を持っていただけたら幸いです。

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片岡優香
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記事投稿日:2020/12/07最終更新日:2020/12/07

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