アメリカのスーパーマーケットは日本とこんなに違う!~10の違いをピックアップ~

最近は日本でも広いスーパーマーケットが増えましたが、アメリカのスーパーマーケットはとにかく天井が高くて広い。入口に近い売り場で買い忘れがあったことを、そこから大分離れてから気づいたとき、また戻るのが面倒になるほどです。なので、私は、あらかじめ買うべきものを、入口に近いところに置いてあるものから順番に紙に書き並べることにしています。広さはもちろんですが、アメリカのスーパーマーケットは、置いてある商品の一品目ごとの種類の豊富さに驚かされます。アメリカを訪れるなら、日本とはちょっと違うスーパーマーケットをぜひ覗いてみて下さい。

目次

その1 パンが主食だから種類もいっぱい

やはり主食がパンのアメリカ。パンの売り場はすごいです。通路の端から端まで、日本では見たことも聞いたこともないような色々な種類のパンが、所狭しと並んでいます。

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アメリカでは、日本人が好んで食べる白い食パンを「ホワイト」といいますが、栄養価が低いのであまり人気がありません。柔らかいという点で、どちらかというと、高齢者に好まれるようです。

アメリカでは、ホールウィートと呼ばれる全粒粉パンやマルチグレイン、ライ麦パンなどの穀物系のパンが人気です。ホールウィートパンに使われる全粒粉とは、小麦の表皮、胚芽、胚乳を粉にしたもので、小麦が丸ごと摂れて栄養価が高いですが、普通の小麦粉は胚乳の部分だけを粉にしたもの。いってみれば、小麦粉は白米で、全粒粉は玄米のようなもの。私が好きな15グレインズは、お米でいうと、十五穀米といったところでしょうか。アメリカの都市部には、健康意識が高い人々が多いので、栄養のない白パンがあまり食べられないのにも納得です。

パン売り場には、食パンだけでなく、ホットドッグ用やハンバーガー用のパン、バゲットやガーリックバターが塗られたガーリックトースト用のパンなども売っています。

その2 シリアルの売り上げ高は莫大

夫婦共働きが一般的なアメリカでは、朝ご飯は手軽に食べられるシリアルでということが多いですが、その種類もまた半端ではありません。パンにも引けをとらないこの売り場の大きさ。通路の端から端まで、ずらーっとシリアルの箱が並んでいます。ちなみにこの写真は、通路の一部で、本当はもっともっと長いのです。

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通路の途中に、バナナが吊り下げられているのが見えますね。当然、果物売り場にもバナナは売っているのですが、ご親切に、シリアル用にここにも置いてあります。バナナを買い忘れても、果物売り場まで行かなくて済みますね。

アメリカのシリアル業界は、1年間の売り上げがなんとおよそ85億ドル(約9,000億円)というビッグビジネスです。日本でもお馴染みのケロッグ社、ペプシコ、ゼネラルミルズ、ポストホールディングスの4社で、この売り上げのほとんどを独占しています。

ところで、最近のアメリカの若者の間では、ミルクをかけて朝ご飯にというより、シリアルをお菓子のようにポリポリといった食べ方が増えているようです。

その3 切り売りハムとチーズのデリコーナー

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アメリカのほとんどのスーパーには、ショーケースの中に並んだ色々な種類のハムやチーズの塊を、切り売りしているコーナーがあります。「1ポンド欲しい」などのように必要な量を伝えると、しゃぶしゃぶ肉をスライスするような機械で薄く切り、精肉店ですき焼き肉を買うときのように秤の上に載せて重さを量り、袋に入れ、バーコードのついたシールを貼ってくれます。高級スーパーやイタリア系のお店だと、こういう感じのお店には生ハムや高級チーズなど、ワインといっしょに頂くグルメ商品が売られていますが、普通の大衆的なスーパーの中のこういったお店では、サンドイッチに使うハムやターキー、チーズが並んでいます。

もちろん、パックに入ったハムやチーズの売り場もあり、こちらもまた驚くほど種類が豊富です。やはり、サンドイッチを食べる機会が日本に比べてずっと多い国ですから、どこの家庭でも、ハムとチーズは冷蔵庫の中に常備されているようです。

その4 野菜や果物はバラ売りの量り売り

野菜や果物は、日本のようにカゴに盛ってあったりパックに入っていたりせず、1個単位で売られているものが多いです。好きな数だけ、そこら辺に設置してあるビニール袋に入れます。バナナは、欲しい数だけ房から引きちぎっても大丈夫です。バラ売りといっても、日本のようにりんご1個いくらというのではなく、ほとんどが量り売りです。

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札に書かれたlbというのは、ポンドのこと。1ポンドは約453.6グラムです。写真の黄色い安売りの札の付いたりんごは、1ポンドで1ドル99セント。1個の値段ではありません。りんご1個だと0.6ポンドほどでしょうか。緑の札は1ポンドで3ドル99セント。どちらもオーガニックのものです。普通のりんごももちろん売っています。重さは、会計の時にレジで量るようになっています。以前、私は、美味しそうなメロンに2ドルという札がついていたので、2ドルだと思って喜んで買ったら、1ポンド2ドルということで、結局10ドル以上払ったのを覚えています。

その5 栄養価の高いものや安全なものなど卵も色々

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日本の普通のスーパーに行ってびっくりするのは、卵の種類が1~2種類しかなかったりすること。しかし、アメリカのスーパーでは、卵にはサイズがあって、種類も豊富です。やはり、パンやシリアル、ハム、チーズなどと同様、卵はアメリカの家庭にはなくてはならないもの。ブレックファーストでの需要が大きいのです。

卵のパッケージには、飼育用のケージに入れられず、開放的な環境で育った鶏が産んだ卵という意味の"ケージフリー"や、1日のうち数時間、外で運動をする時間を与えられた鶏が産んだ"フリーレンジ"、安全な餌を与えられた鶏が生んだ"オーガニック"、オメガ3が豊富など、複数の表示があるものがほとんどです。健康に気を使った商品がいっぱい。お値段は、日本より高くなっています。

その6 ヨーグルトはニューヨーク州の認定スナック

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ヨーグルトの売り場も、結構広く取られています。この写真はほんの一部で、この3倍以上あります。2013年、2014年と、生産されるヨーグルトの量が全米でトップだったニューヨーク州では、2014年に、アンドリュー・クオモ知事が、ヨーグルトを州のスナックとして認定する州法を制定しました。ヨーグルトサミットなるものも開催されるなど、ヨーグルトに対する力の入れ方はすごいです。なので、スーパーマーケットに並ぶヨーグルトの種類も半端じゃありません。濃厚なギリシャタイプのものから、さらっとしたもの、果物が入ったものや低カロリーのものなど、色々あります。

その7 何でもある冷凍食品売り場

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繰り返しになりますが、共働きが一般的で、平日は手抜き料理で済ますことが多いアメリカ人。冷凍食品の種類も半端でなく、通路の端から端まで、ものすごい種類の冷凍食品が並んでいます。それもこの通路だけでなく、裏の通路もその向かいも冷凍食品売り場です。

ピザやパスタ、ブリトー、魚のフライ、ローストチキン、ワッフル、パンケーキ、各種付け合わせ野菜からデザート、パンまで、何でも揃っています。メイン料理と付け合わせといった一食分のディナーが1つの容器に入っていて、レンジでチンするだけで晩御飯が出来上がりという、TVディナーと呼ばれる便利なものもあります。飛行機の機内食のような感じです。

その8 アイスクリームの種類がこんなにあるとは

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アイスクリームが大好きなアメリカ人、この通路は、端から端まで全部がアイスクリームです。箱入りのアイスキャンディーからハーゲンダッツなどのカップやバケツ入りのものなど、これだけアイスクリームの種類があるのですよ。すごいですね。日本のアイスクリーム売り場とは、全く比較になりませんね。

その9 人種のるつぼアメリカだから各国の食材が揃う

アメリカにはあらゆる国からの移民が暮らしているため、色々な国の食材を売っています。もちろん、日本のお醤油や味噌だってあります。このスーパーには、日本のカレールーやインスタントラーメン、インスタントうどん、インスタント味噌汁、パン粉、中華料理の炒め物用ソースやチリソース、韓国のキムチラーメンなどが置いてあります。

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アジア系だけでなく、他にも、メキシコ料理のシーズニングやアフリカのクスクスなど、ありとあらゆる国の商品が並んでいます。

その10 アメリカのレジではベルトコンベアに商品を載せる

アメリカのレジは、日本のようにレジかごをキャッシャーに渡して、キャッシャーが値段を読み取った商品を別のかごに入れるといったやり方ではなく、自分で商品をどんどんベルトコンベアに載せなければなりません。自分の商品と前後のお客さんとの商品が混ざらないよう区別するために、長い棒を置いて仕切りを作ります。キャッシャーがスキャナーで読み取った商品は、店員さんがお店の袋に入れてくれるか、または自分で持ってきたエコバックに入れたりします。

最近は、新型コロナウイルスの影響で、他人に商品を触らせたくないので、私は専らセルフレジです。セルフレジでは自分でバーコードをスキャンしますが、バーコードのない商品や読み取りが悪い場合は、商品番号または商品名をタッチパネルで打ち込みます。スキャンした商品をベルトコンベアの上に置くと、流されて奥の袋詰めエリアにたまるようになっています。時々、前のお客さんがのろのろと袋詰めをしているのに、次のお客さんの商品がどんどん押し寄せるということもあります。

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ところで、アメリカのスーパーでは、買い物をしながら、精算が済んでいないお菓子やジュースを開けて食べたり飲んだりする人をたまに見かけます。日本では考えられないことですが、ここでは誰からも文句を言われません。見かけても、そっとしておきましょう。

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ナツコ・H

世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。

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