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バレンシアにある小粒でも味わい深いミュージアム7選
バレンシアには大小さまざまなミュージアムがあります。日本のガイドブックで紹介されているのは県立美術館、IVAM近代、陶器美術館、火祭り博物館、そして芸術科学都市にある科学博物館あたりでしょうか。今回はあまり知られていない小さなミュージアムにスポットを当ててご紹介いたします。
目次
- 3.火祭り職人同業者組合博物館 Museo del Artista Fallero de Valencia
- 4.聖週間(セマナ・サンタ)美術館 Casa Museo Semana Santa Marinera
バレンシアの産業に関するミュージアム
1.米博物館 Museo del Arroz
バレンシアの郷土料理と言えば、スペイン料理を代表するパエリアです。パエリアの発祥地=米どころ。稲作は8世紀頃にイスラム教徒がもたらしたと言われています。バレンシア南部にあるアルブフエラ湖周辺やスエカ、クジェラには田んぼが広がっています。稲作の歴史やお米、精米や農耕具に触れることができるのが米博物館。ミュージアムのアクティビティでは、パエリア教室を開催することもあるそうですよ。
米博物館公式HP:https://www.museodelarrozdevalencia.com/ (スペイン語のみ)
2.絹博物館 Museo de la Seda
14~18世紀にはバレンシアでは絹産業が盛んで、18世紀に最盛期がありました。バレンシアの絹の歴史を学ぶことができるのが絹博物館です。それ以外にも、ゴシック様式とバロック様式が融合した古い建物が使われているので、マニセス焼きの陶器がほどこされた床は一見の価値があります。スペインでもっとも豪華だと言われるバレンシアの民族衣装は、絹産業が盛んだった証といえます。
<絹の生地が美しい民族衣装店>
絹博物館公式HP:https://www.museodelasedavalencia.com/ (スペイン語、英語、バレンシア)
バレンシアのお祭りに関するミュージアム
3.火祭り職人同業者組合博物館 Museo del Artista Fallero de Valencia
バレンシアといえば世界遺産の火祭りが有名ですが、実は火祭り博物館は2つあるのです。日本で紹介されている火祭り博物館には、毎年一般投票で選ばれて1位になったニノット(オブジェの一部を構成する人形)が飾られています。もうひとつは、バレンシア市の端に位置する火祭り職人(最終日に燃やすオブジェをつくるアーティスト)の工房が集まる一画にある職人たちの同業者組合の建物に併設された博物館。少々古いのですが、火祭り博物館とは違った展示なので、こちらも興味深いです。
<オブジェの中がどうなっているかを見ることができる>
火祭り職人同業者組合博物館公式HP:http://www.gremiodeartistasfalleros.es/Museo (スペイン語、英語、バレンシア語)
4. Casa Museo Semana Santa Marinera
復活祭(イースター)前の1週間は聖週間(セマナ・サンタ)とよばれ、スペインではこちらを重視して厳か、かつ大掛かりに祝います。バレンシアでは海辺のカバニャル地区が盛大に祝うことで知られています。同地区にある聖週間(セマナ・サンタ)美術館では、信徒たちがプロセシオン(宗教行列)に使う聖像などが収められているほか、KKKを思い出させる信徒団の衣装の展示などを見ることができます。
聖週間美術館公式HP:http://www.semanasantamarinera.org/index.php/museo (スペイン語・英語・バレンシア語)
バレンシアの歴史に関するミュージアム
5.バレンシア歴史博物館 Museo de Historia de Valencia
バレンシアは、今からおよそ2200年前にローマ人によってつくられた町です。町が築かれた当時から現在までの歴史に触れることができるのが歴史博物館。旧貯水場を改築したレンガ造りの建物が使われています。
バレンシア歴史博物館公式HP:http://mhv.valencia.es/es (スペイン語、英語、バレンシア語)
6.バレンシア先史博物館 Museo de Prehistoria de Valencia
さらに昔のバレンシアを歴史を探るのなら、先史博物館があります。前回の記事でご紹介したイベロ人の集落跡、la Bastida de les Alcussesをはじめとするバレンシアにある遺跡から発掘されたものがあれこれと展示されています。
バレンシア先史博物館公式HP:http://www.museuprehistoriavalencia.es/ (スペイン語、英語、バレンシア語、フランス語)
バンカハ財団は美術ツウも喜ぶ穴場
7.バンカハ財団展示室 Fundacíon Bancaja
そして、最後にご紹介したいのがバンカハ財団(Fundacíon Bancaja)の展示室です。バンカハは、今はほかと合併してしまいましたが、バレンシアでもっとも大きな金融機関でした。ここでは数か月おきにテーマを変えて美術品の展示をしています。穴場と言われているだけあって、何年も前にニューヨークから来たバレンシア出身の画家ソロージャの一大コレクションは再訪するほど素晴らしかったです。去年はピカソの知られざるコレクションの展示を見逃したことが残念。バレンシアにお越しの際は、どんな展示があるのかチェックしてみてくださいね。
バンカハ財団展示室公式HP:https://www.fundacionbancaja.es/exposiciones/ (スペイン語、バレンシア語)
ほかにも闘牛博物館(Museo Taurino)、軍史博物館(Museo Histórico Militar de Valencia)、自然科学博物館(Museo Municipal de Ciencias Naturales)、バレンシア州手工芸センター(Centro de Artesanía de la Comunidad Valenciana)などなどいろいろあります。加えて数ある教会もキリスト教芸術のミュージアム的役割を果たしています。
どこもこじんまりしたところばかりなので、ちょっと空き時間ができた時に寄ってみるのはいかがでしょう?
写真提供: ©TVCB,Valencia.Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。