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【ロンドン】夏の定番、リージェンツ・パークのオープン・エア・シアターで野外観劇(2020年版)
2020年の8月の終わりに、まだまだコロナで不便な状況が続く中ではありますが、屋外で簡易版ミュージカルの観賞を楽しむことができました。
目次
ロンドン屈指の屋外劇場、オープン・エア・シアター
今回訪れたのは、ロンドン中心部(北西側)、リージェンツ・パーク(The Regent's Park)内にある、オープン・エア・シアター(Open Air Theatre)。毎年、屋外での鑑賞に適した5月から9月にかけて、お芝居や音楽、コメディ、映画などが上演されている野外劇場です。
1932年創設の劇場で、座席数は1,240席。美しい王立公園の中という立地で行われるプロダクションは、どれもクオリティに定評があり、過去にも多くの上演作でさまざまな演劇賞を受賞しています。今年はコロナ対策ということで、8月半ばから6週間のみ開場となりました。
劇場の様子
オープン・エア・シアターは、広大なリージェンツ・パークの中で、インナー・サークルと呼ばれるエリアにある、クイーン・メアリーズ・ガーデンズ(Queen Mary's Gardens)内に位置しています。
ガーデンの入り口にある、ジュビリー・ゲート(Jubilee Gates)。
当然ながら、上演中の写真や映像の撮影は不可でしたが、開演前の会場の様子は撮影OKということで、撮らせてもらったのがこちらの写真です。
このほか、メイン会場の外側には、漏れてくる大音量を聞きながら大型スクリーンでパフォーマンスが楽しめる芝生観賞エリアもありました。
コロナ禍だからこその演出が粋なミュージカル
この夏のメインとして上演された演目は、ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』のコンサート版(Jesus Christ Superstar: The Concert)。イエス・キリストの最後の7日間を、ロックミュージックで綴る人気ミュージカルの世界が、90分間休憩なし、ノンストップの歌とダンスによって、凝縮版として再現されました。
演者たちが最初に登場した際には、全員がマスクをつけており、振り付けの一環として皆が一斉にマスクをはずす、など、今だからこそ楽しめる演出も。
ステージ上の段差も巧みに利用して、パフォーマンスに熱が入れども、役者たちが常に社会的距離を保っていたのも印象的でした。小道具も役者間で共有が行われることはほぼなく、かつ、小道具の一部がマイクになっていたり、マイクスタンドを道具やセットとして活用したりと(最後にはマイクスタンドを使った十字架にキリストがかけられていました!)、現在あるさまざまな規制を逆手にとった、うまいなあ、と思わせる演出も多くありました。
歌やダンス、オーケストラ&バンドによる演奏が、圧巻のパフォーマンスであったことは、言うまでもありません。
劇場での安全面の取り組み
今回劇場で取られていたコロナ対策には次のようなものがありました。
- チケットは最大4名までのグループで予約(オンライン購入のみ)
- 「グループ」は同じ世帯の人々、または「サポート・バブル(2世帯による支援集団)」に属する人々のみで構成されていなければならない
- 座席は全席指定で、他グループとの間に十分な距離が保てるよう空席で隔てられている
- 入場前に検温。37.8℃以上を記録したり、少しでもCovid-19の症状がみられるようであれば入場拒否
- 劇場敷地内は一方通行で、上演中も含め、常にマスクを着用
- 軽食・ドリンク類の販売は通常より少ない品数で展開。支払いは非接触型ICカードによる決済のみ(現金不可)、など
会場内で配られていたカードのとおり、こんな状況下でも、まさに「THE SHOW MUST GO ON!」なのです。
オープン・エア・シアターへの行き方
最寄り駅は、シャーロック・ホームズでも有名な、地下鉄のBaker Street駅。ここから徒歩約10分の距離です。
駅を出たら、目の前の大通り、Marylebone Roadを東へ向かいます。世界的に有名な観光名所、「マダム・タッソー館(Madame Tussauds)」(蝋人形館)を通り過ぎたら、ヨーク・ゲート(York Gate)からリージェンツ・パークの中へ。その先のヨーク・ブリッジ(York Bridge)を渡り、インナー・サークルへと歩を進め、あとは道なりに行けば、ジュビリー・ゲートの向こうに広がるクリーン・メアリーズ・ガーデンが見えてきます。オープン・エア・シアターはガーデン内、左手奥にあります。
リージェンツ・パークの地図。
ボーティング・レイク前で出会ったガン。人馴れしていて、近寄っても逃げません。
リージェンツ・パーク内のもう一つの庭園、アヴェニュー・ガーデンズ。
ロンドンでも、社会的距離とともに、マスクの着用も定着しました。
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ハル・リーチ
- 音楽、映画・演劇・TV、サッカーなど、UKカルチャーをこよなく愛す。2001年よりロンドン在住。以来、会社員&ものかき業を継続中。