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【山形】九兵衛旅館は僕にとって大切なリピート宿
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
僕は色んな宿泊施設に泊まりたい派なので、基本的に同じ宿泊施設に連泊したり、何度も足を運ぶことはあまりないのですが、山形県鶴岡市の湯田川(ゆたがわ)温泉の九兵衛旅館(くへえりょかん)だけは今回4回目のリピート利用。僕にとってとてもお気に入りの宿なのです。どうして何度も宿泊するようになったのかを案内します!
目次
- まずは湯田川温泉の紹介をします!
- そして湯田川温泉は環境省指定の国民保養温泉地に指定されています!
- さらに湯田川温泉は源泉かけ流し宣言の温泉地です!
- その湯田川温泉でお気に入りの宿が「九兵衛旅館」です!
- お気に入りその1 九兵衛旅館の大浴場が一番のお気に入りです!
- お気に入りその2 九兵衛旅館の館内はコンパクトでとても清潔感があります!
- お気に入りその3 九兵衛旅館の部屋はとても落ち着けます!
- お気に入りその4 九兵衛旅館の料理はいつ泊まっても美味しいんです!
- 九兵衛旅館のオススメ点をおさらい
- 九兵衛旅館の詳細
まずは湯田川温泉の紹介
湯田川(ゆたがわ)温泉は、山形県鶴岡市の中心部から路線バスで約25分、車やタクシーで約15分の距離。古都・鶴岡の奥座敷と呼ばれる湯の里でもあります。こぢんまりとした宿が並ぶ小さな温泉街ですが、開湯1300年の歴史を誇る古湯です。湯田川温泉観光協会のHPによると、温泉街のメインストリートは1本のみ。そこに8軒の宿が集中しています。
共同浴場は2軒。特に共同浴場は昔ながらのお湯を楽しむことを目的とした浴場です。
また、前述の湯田川温泉観光協会のHPによると『毎分約1000リットルと豊富な湧出量を誇る硫酸塩泉(旧泉質名:含石膏芒硝泉)。浴槽の温度は40~41℃。熱すぎずゆっくりと御入浴いただけるほどよい温度です。温泉水に含まれる硫酸イオンは、体内に酸素を取り込む作用、脳波のアルファ波を引き出す作用があり、身も心もリフレッシュします。』とあります。
そして湯田川温泉は環境省指定の国民保養温泉地に指定されています!
湯田川温泉は環境省指定の国民保養温泉地に指定されています。『「国民保養温泉地」とは、泉質や自然環境など保養地として優れた温泉地の整備・育成を目的とする制度で、湯田川温泉は、平成13年に指定を受け、名実ともに国のお墨付きの名湯として認定されました。』と湯田川温泉観光協会のHPに記載があります。
さらに湯田川温泉は源泉かけ流し宣言の温泉地です!
『平成29年6月20日湯田川温泉にて「第13回源泉かけ流し全国温泉サミット」が開催され、「湯田川温泉源泉かけ流し宣言!」が宣言されました。湯田川温泉のすべての温泉浴槽は源泉かけ流しです。』と源泉かけ流しを宣言している温泉地でもあります。
その湯田川温泉でお気に入りの宿が「九兵衛旅館」です!
僕がお気に入りの宿が九兵衛旅館(くへえりょかん)です。お気に入りの理由を書き出してみました。
- お気に入りその1 九兵衛旅館の大浴場が一番のお気に入りです!
- お気に入りその2 九兵衛旅館の館内はコンパクトでとても清潔感があります!
- お気に入りその3 九兵衛旅館の部屋はとても落ち着けます!
- お気に入りその4 九兵衛旅館の料理はいつ泊まっても美味しいです!
お気に入りその1 九兵衛旅館の大浴場が一番のお気に入りです!
九兵衛旅館には大浴場が2つ、貸切風呂が1つあります。また、全13室の部屋の内、何と5室に温泉を引いた風呂が設置されています。なので大浴場が混んでいることはほとんどありません。また姉妹館「珠玉や(たまや)」の3つの貸切風呂も利用できます。
山の湯:利用時間は男湯14時00分〜19時40分/女湯20時00分〜翌日10時00分
山の湯には内湯とその内湯のガラスの向こう側に露天風呂があります。僕の場合、九兵衛旅館に到着すると山の湯が最初に男湯になっていますので、山の湯で身体を洗い流し、内風呂と露天風呂を交互に入り、身体をリラックスさせます。内湯と露天風呂が一体感になっていますので、とても開放的です。もちろん源泉かけ流しです。
※注:男性が露天風呂(この山の湯)に入れるのは九兵衛旅館に到着後、夕食までの間です。
<写真提供:九兵衛旅館>
<写真提供:九兵衛旅館>
早い時間はこのように明るい露天風呂です。よく見るとウサギが2羽います。内風呂側にもウサギが2羽います。浴槽の四隅でウサギが出迎えてくれます。
<写真提供:九兵衛旅館>
夜の帳が下りるとこのような雰囲気になります。
川の湯:利用時間は女湯14時00分〜19時40分/男湯20時00分〜翌日10時00分
川の湯には露天風呂がありませんが、壁側に大きな水槽があり、そこに金魚がゆらゆらと泳いでいます。僕の場合、夕食を済ませ、真っ先に川の湯に入ります。毎回、金魚を眺めるのが楽しみです。
※注:女性が金魚が見えるこの川の湯に入れるのは九兵衛旅館に到着後、夕食までの間です。
<写真提供:九兵衛旅館>
金魚も大きい子もいれば、小さい子もいます。水槽がとても大きいので金魚の動きを見ているのも楽しいひとときです。
<写真提供:九兵衛旅館>
僕の場合、ついつい長湯してしまいます。僕一人しか入っていないことがほとんどなので、独り占めということが多いです。
<写真提供:九兵衛旅館>
貸切風呂:利用時間は14時00分〜翌日10時00分
宿泊者専用の貸切風呂があります。予約不要で無料なのが何よりも嬉しいサービス。入口のドアにかかっている札を「入浴中」に裏返すと利用中になり、中からも鍵がかけられるので安心して利用できます。こちらの貸切風呂も源泉かけ流しです。
<写真提供:九兵衛旅館>
<写真提供:九兵衛旅館>
内湯だけですが、貸切風呂としてはとても大きな檜風呂なので、ゆっくり入浴することができます。もちろん一人での利用もできます。手前には身体を洗うスペースがあります。
姉妹館・珠玉や(たまや)
珠玉やは湯田川温泉のメインストリートに位置し、珠玉やの後方に九兵衛旅館があります。珠玉やも全8室の小さな宿ですが、ロビーは古民家の梁を使ったモダンな雰囲気で九兵衛旅館とは違った趣があります。姉妹館・珠玉やは九兵衛旅館から徒歩1分。珠玉やには貸切風呂が3つあり、空いていればいつでも入れます。九兵衛旅館で空き状況を確認してから向かいましょう。もちろん、珠玉やの貸切風呂も全て源泉かけ流しです。
姉妹館・珠玉やの貸切檜風呂<あさつゆ>
このサイズで貸切風呂なのです。貸切風呂としてはかなり大きなサイズだと思います。手前には身体を洗うスペースがあります。
<写真提供:九兵衛旅館>
姉妹館・珠玉やの貸切檜風呂<ゆうぎり>
こちらも檜風呂です。プライベート空間が広がります。手前には身体を洗うスペースがあります。
<写真提供:九兵衛旅館>
姉妹館・珠玉やの貸切展望風呂<まんてん>
露天風呂ではありませんが、窓を開放すればまさに展望風呂です。晴れた空気の澄んだ日には正面に鳥海山を見ることができます。手前には身体を洗うスペースがあります。
<写真提供:九兵衛旅館>
お気に入りその2 九兵衛旅館の館内はコンパクトでとても清潔感があります!
九兵衛旅館の外観です。九兵衛旅館はメインストリートから少し中へ入ったところにあります。なので、初めて行くと必ず素通りします(苦笑)。九兵衛旅館の手前には共同浴場の「田の湯」があります。なお、駐車場はメインストリート側にありますので、車を駐車し、荷物を持って玄関まで移動します。(玄関前まで車で乗りつけできません)
九兵衛旅館はプライベート感を重視しているため、玄関外でのお出迎えは行っていません。このまま「こんにちは〜」と入っていきます。
玄関に入ると「いらっしゃいませ〜」と出迎えてくれます。
靴はここで脱いで預けます。
玄関入って左側にフロントとお土産処があります。お土産処は小さなショップといった感じで山形と庄内の厳選されたものが販売されています。この控えめなお土産処には好感が持てます。
チェックインはロビーで座って行います。通常ならウェルカムドリンクがサービスされるのですが、新型コロナウィルスの影響で、室内の冷蔵庫に入れていますので自室でどうぞとのこと。新型コロナウィルス対策も万全な宿です。
ロビーからはお庭が見渡せます。外はテラスになっていますので、天気が良ければ外に出て寛ぐこともできます。なお、館内にはスリッパがありません。素足で畳や木の触感を楽しめる宿でもあります。部屋に足袋も置いています。
ロビー奥の「いろりの間」です。ここで談笑することもできます。
「宿ゆかりの作家コーナー」です。女将さんは鶴岡市出身の作家・藤沢周平さんとご縁があるそうです。湯田川温泉も藤沢周平さんの小説の舞台になっています。
「図書コーナー」です。映画のポスターが置かれています。
「図書コーナー」は、藤沢周平さんの書籍が並んでいます。
館内は全室禁煙です。1箇所のみ喫煙コーナーがあります。
お気に入りその3 九兵衛旅館の部屋はとても落ち着けます!
今回泊まった部屋は「時の館」3階の立秋です。
部屋はこんな感じです。いつもこのクラスの標準和室に泊まっています。内風呂はなく、トイレと洗面所が窓側にあります。部屋は清掃が行き届いていていつ泊まっても清潔感があります。歴史ある宿ですが、館内は完全にリニューアルされていますので、ジャパニーズ・モダンな雰囲気です。
とてもシンプルな部屋ですが、僕にはこれで十分です。他にも、メゾネットやベッド付きや温泉付きの個性あふれる部屋がありますので、公式HPで確認してみてください。
窓側に洗面所とトイレがあります。洗面は陶器でできています。明るいので朝の身支度にはありがたいです。
お気に入りその4 九兵衛旅館の料理はいつ泊まっても美味しいんです!
2020年8月宿泊時の夕食 ※注:内容は季節によって変わります。
お品書きです。最近の旅館にはお品書きを置いていますが、九兵衛旅館のお品書きは日付と旅館の印が押されています。
最初にだだちゃ豆を別注文(別料金)でいただきました。ちょうど旬のだだちゃ豆は濃厚でとても美味しくいただきました。だだちゃ豆は山形県鶴岡市の特産品です。「だだちゃ」とは"おやじ"という意味。その昔、鶴岡の殿様が大の豆好きで、その日の豆が美味しいと「今日の豆はまーんず美味(うめ)のーお。どこのだだちゃ(おやじ)が作った豆だや」と言ったことから鶴岡の枝豆をだだちゃ豆というようになったそうです。
とうもろこしの和風ムースです。季節の野菜でつくる九兵衛旅館名物の和風ムースです。この日はとうもろこしのムースでした。濃厚なとうもろこしの味がとてもインパクトが強かったです。冷たいので暑い日にはピッタリのスタートです。
前菜は、チーズ豆腐、黒バイ貝旨煮、子持ち昆布西京味噌漬け、フルーツトマトと花もずく酢です。
庄内浜鮮魚お造りは、真ゾイ、本鮪、活生蛸です。このように大根で覆っていました。
大根を広げると氷を敷き詰めたガラスの器に刺し身が現れました。演出がとても素敵です。大根にも模様が切り抜かれていて、見た目でも楽しませてくれます。もちろん刺し身は新鮮そのもので美味しかったです。
由良産口細カレイの南蛮だれです。揚げたてのカレイにピリ辛の南蛮だれを合わせているそうです。口細カレイなんてなかなか口にすることができない魚。料理もさることながら、可愛い器も見逃せませんね。
地野菜のなすそうめんです。庄内産の丸茄子や米茄子を細く切って吉野葛をまぶしてゆであげました。おだしとともにお召し上がりくださいとのこと。茄子の食感にびっくり。表現しにくい食感なのです。細く切ってと書いてありますが、そこそこ食べごたえがありました。なお、おだしは冷たかったです。
大豆と庄内豚の八丁味噌角煮です。「大豆と八丁味噌の自然な甘さをお楽しみください」とのこと。庄内豚はとても柔らかく脂が乗ってジューシーなので、角煮にピッタリです。ここに八丁味噌で味付けするとは考えたものだなと感心しました。大豆の食感も角煮と相まって美味しかったです。
バフン雲丹と庄内産紅海老、サザエのなめらか茶碗蒸しです。上に雲丹が乗っているので一口目は雲丹の香りが楽しめ、二口目は海老の食感が楽しめ、最後にサザエのコリコリ感を楽しむことができました。
ご飯物は、白米と味噌汁だと思っていましたが、焼き鯛茶漬けが出てきたのには意表を突かれました。料理長の発想力には毎回感服しています。ご飯は少なめに盛り、薬味をたっぷりと使い、鯛の塩焼きを乗せ、お出汁を注いで、スルスルといただきました。正直、ご飯まではお腹いっぱいで食べられないだろうと思っていましたが、この手でこられると食べないと損だ!と思い、完食してしまいました。ご飯はお櫃で持ってきてくれるので、おかわりをいただくこともできます。薬味、鯛の塩焼き、お出汁を調整しながら食べると何通りもの食べ方ができます。
ほうじ茶で一服。
デザートは特製あんみつ、庄内麩のフィユタージュです。アイスは宇治抹茶アイスとバニラアイスがありました。僕は両方とも...。アイスも含めてすべて自家製だそうです。フィユタージュは折り込みパイ生地だそうです。ミルフィーユをイメージしてください。
ごちそうさまでした。もう食べられない!
2020年8月宿泊時の朝食 ※注:内容は季節によって変わります。
もちろん朝食のメニューにも日付と旅館の印が押してあります。こういうところで旅館の質が出ると僕は思っています。
はーい、いきますよ!
右上が「イカのまち酒田のいか刺し」、その左の緑の液体が「小松菜の野菜ジュース(山形県産リンゴジュースとヨーグルト入り)」、右真ん中が「あつあつ豆腐を庄内産花塩にて(毎朝豆乳からつくる出来立てのお豆腐)」、上の真ん中が「玉子焼きと焼き物」、左上が「フレッシュサラダ」、中央右が「漬物」、真ん中が長芋煮」、左が「孟宗と山うどのけんちん」、下の右が「岩海苔のお味噌汁」、真ん中が「特別栽培つや姫(おかゆにしてもらいました)、左が「郷土料理の塩納豆」です。
なお、左上の「フレッシュサラダ」には自家製黒胡麻ドレッシングをかけて食べました。野菜は新鮮なのでそのまま食べても美味しいのですが、濃厚なドレッシングをかけるとまた野菜の旨味が引き立ちました。
右真ん中の「あつあつ豆腐」ですが、温かく豆腐の味そのもの。逆にこの豆腐は時間が経つと一気に風味が落ちていくだろうなと思いました。だから出来立てを出してくるのでしょう。
僕は結構な確率で朝はおかゆを食べています。家でおかゆなんてなかなか食べられませんからね。今、絶賛発売中の「つや姫」もいい感じでおかゆになっていました(笑)。
デザートは「自家製デザート コーヒーブランマンジェ 季節のフルーツとアングレーズソース」です。真ん中の白いババロアみたいなのがコーヒーブランマンジェです。色が白いのが不思議。味と触感はババロアみたいな感じです。アングレーズソースは、デザート皿の上に敷くソースみたいなものだそうです。真ん中の白いソースですね。
朝食もお腹いっぱいです。なお、夕食、朝食ともに専用の個室でいただきます。一人での宿泊でも個室対応になりますので、滞在中はプライベート感満載です。
九兵衛旅館のオススメ点をおさらい
●温泉が何よりも肌に合っていて、演出がどこの宿の温泉よりもいい。
●チェックイン14時、チェックアウト11時と最大21時間の滞在が可能。
●館内を素足で歩ける。それは清掃が完璧に行き届いているから。なお、館内は真冬でも裸足で歩けます。
●スタッフの案内はプライベート感を重視してくれ、チェックイン時の部屋への案内のみ。余計なサービスはありません。スムーズな対応で放置してくれます。
●部屋での滞在を楽しめるように、それぞれ趣向の異なる部屋が用意されています。宿泊費も高いとは思いません。
>>九兵衛のお部屋(3つのタイプのお部屋からお選びください)の詳細はこちらから
●部屋にはあらかじめブルーレイレコーダーが設置されていますので、僕は観たい映画のDVDを持参しています。もちろん、館内はWi-Fiの利用もできます。
●館内は浴衣以外に作務衣も用意されています。浴衣は常にはだけないように気をつけないといけませんが、室内着としては作務衣の方が寛げると思います。
●一人での宿泊も可能です。小規模の宿はできるだけ宿泊人数も稼ぎたいところですが、その中でも一人での宿泊を受けてくれるのはとてもありがたいことです。
●料理がとても美味しい。これはとても重要なことです。
★個人的に料理の中でオススメなのが1月~2月にかけての期間限定で出される『寒鱈の膳』の特別プランと5月の期間限定で出される『孟宗の膳』の基本プランです。
>>九兵衛のお料理プラン(四季折々の庄内の味覚を堪能してください)はこちらから
●スタッフは多分地元の方を採用していると思います。若手も多いので完璧なサービスとはいきませんが、一生懸命さが伝わってきます。
九兵衛旅館の詳細
九兵衛旅館(くへえりょかん)
●住所:山形県鶴岡市湯田川乙19
●TEL:0235-35-2777
●九兵衛旅館HP:http://www.kuheryokan.com
●姉妹館・珠玉やHP:http://www.kuheryokan.com/tamaya/
●湯田川温泉観光協会HP:http://www.yutagawaonsen.com
※大浴場(貸切風呂も含む)では写真撮影ができませんので、浴室の画像は九兵衛旅館より提供していただきました。
※当記事と画像は、2020年8月に宿泊した時のものです。詳細につきましては、公式HPを参照してください。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。