ドイツに来たら見てほしい!おとぎ話のように美しいお城5選

ドイツ旅行では世界遺産のお城や宮殿巡りをしたいという方も多いはず。というのもドイツには、まるでディズニーアニメに出てくるようなお城がたくさんあるからです。 今回の記事では、メルヘンの国とも呼ばれるドイツへ来たらぜひ見てほしい、美しいお城を5つご紹介したいと思います。

目次

<ドイツはどうしてお城が多い?>

<ドイツで見るべきお城1:ノイシュバンシュタイン城>

<ドイツで見るべきお城2:ホーエンツォレルン城>

<ドイツで見るべきお城3:エルツ城 (Burg Eltz)>

<ドイツで見るべきお城4:シュヴェリーン城>

<ドイツで見るべきお城5:ヴァルトブルク城>

ドイツはどうしてお城が多い?

ドイツ-お城-01-Photo by Daniel Seßler on Unsplash
<ドイツにあるお城の種類の一つ、「レジデンツ」。写真はイメージです。Photo by Daniel Seßler on Unsplash

そもそもなぜ、ドイツにはお城が多いのでしょうか? その歴史背景をみてみましょう。 神聖ローマ帝国時代には、外敵からの攻撃を防ぐために山に築かれた城塞を意味するBurg(ブルク)と呼ばれるお城がその数2万以上もあったと言われています。ハンブルクやローテンブルクなど、多くのドイツの地名に「~ブルク」と名付けられているのは、昔その地域に攻防用のお城があったことを意味しているため。

日本のお城にも行政府として機能していたものや、城柵(じょうさく)と呼ばれる軍事的な拠点として築かれたものなどがありますが、その点ではブルクと日本のお城の用途は似ていると言えます。 中世以降、ドイツでは争いが減少したことから16世紀以降に宮殿を意味するSchloss(シュロス)や、17世紀以降に建てられた居城を意味するレジデンツ(Residenz)と呼ばれる軍事目的を持たない宮殿建設がごく一部の貴族のなかで流行。これは君主制が終わる1918年ごろまで続き、以降は一般市民との平均化が進み、宮殿ラッシュは終わりを迎えました。

戦争を経て破壊されてしまったブルクが改修されながらシュロスに姿を変え、今なお残されているお城や、中世の雰囲気そのままに宿泊できるホテルとして運営されているお城がドイツにはあります。

ドイツで見るべきお城1:ノイシュバンシュタイン城

ドイツ-お城-02-Photo by  Alex Vasey on Unsplash
<写真はイメージです。Photo by Alex Vasey on Unsplash

一つは、日本人観光客に一番人気とも言われるノイシュバンシュタイン城をご紹介します。美しく洗練された姿とは裏腹に、その裏には悲しい物語がありました。

ノイシュバンシュタイン城の概要

日本人に大人気なノイシュバンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)。なぜ人気が高いかというと、有名テーマパークにあるお城のモデルになったと言われるため。このお城はドイツ三大美城のうちの一つでもあります。 オーストリアとの国境近く、ドイツ南部のバイエルン州フューセン市に美しく佇む、真っ白なノイシュバンシュタイン城は1869年から17年の歳月をかけ、バイエルン国王ルートヴィヒ2世によって建設されました。他の古城と比較してかなり新しいお城です。

冒頭でご説明した軍事目的のブルクではなく、宮殿であるシュロスの代表とも言えるであろうノイシュバンシュタイン城は、完全にルートヴィヒ2世の趣味であり、夢の城を築くために国の借金を積み重ねて作られました。 危機感を募らせたバイエルン政府は、最終的にルートヴィヒ2世を統治不能として軟禁し、彼はその後謎の死を遂げています。 ノイシュバンシュタイン城は真っ白な外観から「白鳥城」とも呼ばれ、日本の世界遺産である別名「白鷺城」と呼ばれる姫路城と、観光友好交流協定を締結しました。

>>>参考:Invest in bavaria-姫路城とノイシュヴァンシュタイン城の友好協定締結(外部サイトへ遷移します)

ノイシュバンシュタイン城の建築様式

見た目は石造りのように見えますが、実際は鉄骨組のコンクリートやモルタル構造のため、耐久性は低いとされています。外観はロマネスク様式、城内は後期ゴシック様式で、中世の騎士社会に強い憧れを抱いていたルートヴィヒ2世は後述するヴァルトブルク城などを見学し、築城の夢を膨らませていたようです。 また、彼はワーグナーなどの音楽をはじめオペラや芸術を愛し、実用性や城の耐久性よりも自己の中世に対する憧れを具現化するため、驚くことに建築家ではなく画家に城を建てさせました。

ノイシュバンシュタイン城の見どころ

城の内装も細部まで手が込んでおり、装飾過多な部屋の数々を見学することができます。狂王ルートヴィヒ2世こだわりの細部は一見の価値あり。彼の愛したドイツの作曲家・ワーグナーの作品「タンホイザー」、「ローエングリン」などの場面を見つけることができるでしょう。

絶景ポイントはペラート峡谷に掛かるマリエン橋(Marienbrücke)からの眺め。山頂にそびえ立つ城と自然との融合は見事のひと言。ドイツが世界に誇る豪華な白亜城と言えます。ぜひルートヴィヒ2世が具現化した「中世のイメージ」に浸ってみてくださいね。

ノイシュバンシュタイン城の基本情報

  • 名前:ノイシュバンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)
  • 住所:Neuschwansteinstraße 20, 87645 Schwangau
  • 開館時間:【4月1日~10月15日】9:00~18:00【10月16日~3月31日】10:00~16:00
  • 休業日: 12月24日、25日、31日、1月1日
  • HP:公式HP
    ※最新情報は公式サイトをご確認ください

  • Googleマップ:

ドイツで見るべきお城2:ホーエンツォレルン城

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

青空、夕日、霧。どの背景ともマッチする天空の城、ホーエンツォレルン城(Burg Hohenzollern)。ノイシュバンシュタイン城とほぼ同時期に建てられたためよく比較されますが、全く違った魅力がここにはあります。

ホーエンツォレルン城の概要

ホーエンツォレルン城は南ドイツ・テュービンゲンにある、ドイツ三大名城のうちの一つです。シュヴァーべン地方の標高885メートルのケーゲル山頂にそびえる、別名「天空の城」。

ホーエンツォレルン城はかつてのドイツ皇族、プロイセン王家であるホーエンツォレルン家一族発祥の地。その歴史は11世紀までしか遡れず、初代ホーエンツォレルン城は1423年に廃城となり、ノイシュバンシュタイン城とほぼ同時期の1867年に現在の姿に再建されました。

ホーエンツォレルン城は、「ブルク(Burg)」という名の通り貴族の城塞でありながら、遠方から眺める山頂の霧と交わる雄大な姿は、まさに天空の城そのもの。

ホーエンツォレルン城の建築様式

ホーエンツォレルン城は、ネオゴシック様式で再建されています。1819年に後の国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世が皇太子時代、祖先が遺した廃城を目の当たりにし再建を決断。 彼が中世の美しい芸術を好む人物であったことから、当時ネオゴシック様式で人気の建築家・フリードリヒ・アウグスト・シュトューラーに城の再建を依頼し、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世没後、1867年に完成しました。

ホーエンツォレルン城の見どころ

城の内部は、ガイドツアーで見学できます。城内ではプロイセン王家の歴史的な遺産の数々も見られます。 家系図が張られたエントランスホールの壁をはじめ、「ブルーサロン」と呼ばれる青色の王妃の部屋、中でも地下壕の宝物殿に展示されているフリードリヒ王の遺品や、ダイアモンドの王冠は必見。山の上にあるお城のためアクセスが少々大変ですが、手間をかけても訪れる価値あるお城と言えます。

ホーエンツォレルン城の基本情報

  • 名前:ホーエンツォレルン城 (Burg Hohenzollern)
  • 住所:72379 Burg Hohenzollern
  • 営業時間:10:00~18:00
  • 休業日:12月24日
  • HP:公式HP
    ※最新情報は公式サイトをご確認ください

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ドイツで見るべきお城3:エルツ城 (Burg Eltz)

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

3つめはノイシュバンシュタイン城、ホーエンツォレルン城と並ぶドイツ三大名城に含まれる最後のお城として、深い森に囲まれ中世の姿そのままに残るエルツ城をご紹介します。エルツ城は一度も陥落したことのない、難攻不落の城としても有名です。

エルツ城の概要

エルツ城は、ドイツ西部のコブレンツ(Koblenz)近郊モーゼル川を代表するお城だと言われています。 1072年、アイフェル山地の山奥に築城されて以来、戦で陥落することなく変わらぬ姿として残されている、とても運の良いお城という特徴も。ユーロが導入される前のドイツ貨幣、500マルク札にデザインされていました。 約800年以上経った現在も、なんと城主エルツ家伯爵による個人所有です。ちなみにエルツ氏自身、現在も週に1日程度来ているのだそう。

エルツ城の建築様式

12世紀に建てられたエルツ城にある「プラット・エルツ」が現存する最古の建物と言われ、ここにはロマネスク様式が残されています。エルツ城の城主であるエルツ家は、1268年に3家へ分かれて城を共同所有し、「リューベナッハ・ハウス」、「ローデンドルフ・ハウス」、「ケンペニッヒ・ハウス」とそれぞれの居住施設を建設しました。

ケンペニッヒ・ハウスには、螺旋階段の塔にルネサンス期の建築様式が見られる部分もあるなど、幾度となく増改築を繰り返しているため、ロマネスク様式やバロック様式など様々な建築様式が混在しています。このような点からも、ドイツにある他のお城とはまた異なる魅力があると言えるでしょう。

エルツ城の見どころ

エルツ城内部は、約40分程度の有料ガイドツアーのみで見学可能です。残念ながら写真撮影禁止ですが、城内ではバナーホールと呼ばれるチャペルとして使用されていたホールや、寝室、キッチン、狩猟部屋などを見学することができますよ。 実際に居住していた人々の生活を垣間見ることのできる、貴重な機会と言えるでしょう。

エルツ城の基本情報

  • 名前:エルツ城 (Burg Eltz)
  • 住所:56294 Wierschem
  • 営業時間:(2020年4月1日~11月上旬) 毎日9:30~17:30 
  • 休業日:なし
  • HP:公式HP
    ※最新情報は公式サイトをご確認ください

  • Googleマップ:

ドイツで見るべきお城4:シュヴェリーン城

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

「北のノイシュバンシュタイン城」、「湖上の宝石」などと呼ばれるシュヴェリーン城 (Schloss Schwerin)。フランスのお城をモデルにしたと言われています。港町ハンブルク郊外の落ち着いた街並みもまた魅力的です。

シュヴェリーン城の概要

ハンブルク空港から100キロほど離れた7つの湖の町、Stad der Sieben Seenと呼ばれる湖水地帯にある古都、シュヴェリーン。北のノイシュバンシュタイン城と呼ばれるシュヴェリーン城は、湖に囲まれるシュロス島(Schlossinsel)にひっそりと佇んでいます。 岸から見ると、まるで湖の上に浮かんでいるように映る優美な古城。その歴史は深く、10世紀に防衛目的として築城されてから幾度となく増改築を重ね、1853年ごろに現在のような外観になりました。

シュヴェリーン城の建築様式

シュヴェリーン城はフランスのロワール地方のシャンボール城をモデルとして建てられたと言われており、ネオルネッサンス様式やバロック様式、ロココ様式などが混ざり合った建築です。 一方、城内は木材を多用したバロック様式で、ドイツらしい質実剛健な造りとなっています。

シュヴェリーン城の見どころ

内部は城の主であったフリードリヒ・フランツ2世の王座の間や大公妃の間などの見学が可能。また、シュヴェリーン城は現在も州議会で使用されています。そのため一部エリアは見学できませんが、それ以外の部屋でも見学をすると1時間程度かかるほどの広さ。 なかでもメクレンブルク大公の「王座の間」はイタリアの大理石や彫刻、装飾品で埋め尽くされており、当時の豪華絢爛さを感じることができます。

時間があれば、湖の周遊観光への参加もおすすめ。湖から眺めるシュヴェリーン城は格別です。都会の喧騒から離れ、ゆっくり緑と城の調和を楽しむのも良いでしょう。庭園は無料で入場できるので、お城の裏にある庭園から湖を眺めるのも素敵ですね。

シュヴェリーン城の基本情報

  • 名前:シュヴェリーン城(Schloss Schwerin)
  • 住所:Lennéstraße 1, 19053 Schwerin
  • 営業時間
    【4月15日~10月14日】火~日曜 10:00~18:00、【10月15日~4月14日】火~日曜10:00~17:00

  • 休業日:月曜
  • HP:公式HP
  • Googleマップ:

ドイツで見るべきお城5:ヴァルトブルク城

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<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)

最後にご紹介するのは、ユネスコ世界文化遺産にも登録された中世城塞であり、宗教改革の中心人物であるルターの聖地と呼ばれるヴァルトブルク城(Wartburg)。ノイシュバンシュタイン城を築城したバイエルン国王ルートヴィヒ2世は、このヴァルトブルク城を参考にしたと言われています。

ヴァルトブルク城の概要

若き日のバッハやルターが過ごした街として知られるアイゼナハ。1999年にユネスコ世界文化遺産として登録されたヴァルトブルク城は、ドイツのほぼ中部にあるテューリンゲン州アイゼナハ郊外の山頂にあり、1067年にテューリンゲンの伯爵ルートヴィヒ・デア・シュプリンガーが城塞として築城した言われています。

ドイツ史上最も重要で、最もドイツらしいと呼ばれる世界遺産・ヴァルトブルク城は、ドイツ人の中でも人気ナンバーワンの城として慕われています。

ヴァルトブルク城の建築様式

ヴァルトブルク城が現在の外観になったのは、ルートヴィヒ・デア・シュプリンガーの息子であるルートヴィヒ1世が、皇帝フリードリヒ・バルバロッサの妹、ユタと結婚し、ヴァルトブルク城を居城として住むようになった1170年頃に、後期ロマネスク様式で建設されたと言われています。

ヴァルトブルク城の見どころ

ヴァルトブルク城では、13世紀初めごろに寄宿していた宮廷恋愛詩人らの間で、負けた方が広間で命を落とすという詩歌の歌合戦が行われていました。その舞台であった「歌合戦の間」にあるフレスコ画は必見。ワーグナーの「タンホイザー」も、実はこのエピソードを題材としています。

また1521年、宗教改革の指導者マルティン・ルターが命を狙われヴァルトブルク城に身を隠しながら、ラテン語で書かれた聖書をドイツ語に翻訳したと言われる「ルターの部屋」を見学することもできます。

ラテン語で書かれた聖書は、当時エリート階級である一部の人しか読むことができませんでしたが、それをドイツ語に翻訳し、一般の人にも読めるようにしたことはルターが行った貢献の中でも大きなものでした。「ルターの部屋」は机と椅子、ストーブのみの生活最低限に必要なもののみの非常に簡素な作りとなっています。

またヴァルトブルク城には、隣接の古城5つ星ホテル「ロマンティック ホテル アウフ デア ヴァルトブルク」があり、宿泊が可能です。室内から見渡す限りの深い森を眺めながら、中世騎士時代のロマンチックな雰囲気を味わってみませんか?

ヴァルトブルク城の基本情報

  • 名前:ヴァルトブルク城 (Wartburg)
  • 住所:Auf der Wartburg 1, 99817 Eisenach
  • 営業時間:ガイドツアー見学可能時間【4~10月】8:30~17:00 【11~3月】9:00~15:30
  • HP:公式HP
    ※最新情報は公式サイトをご確認ください

  • Googleマップ:

ロマンティック ホテル アウフ デア ヴァルトブルクの基本情報

  • 名前:ロマンティック ホテル アウフ デア ヴァルトブルク (Romantik Hotel auf der Wartburg)
  • 住所:Auf der Wartburg 2, 99817 Eisenach
  • HP:公式HP
  • Googleマップ:

ドイツのお城とひと言で言っても、建設目的も違えば時代背景や建築様式も異なる、それぞれの個性が詰まったユニークなお城ばかり。実際に訪れると、当時の時代にタイムスリップしたような気分になるかもしれません。見学の際には、ぜひその時代の人になったつもりで古城の雰囲気を楽しんでくださいね。

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