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ポンペイ遺跡と一緒に見たい!もう一つの世界遺産エルコラーノ遺跡とは
ナポリ近郊へ旅行するなら、セットで訪れてみたいのがポンペイ遺跡。そして、ポンペイと共に世界遺産に登録されているエルコラーノ遺跡(ヘルクラネウム)があります。またポンペイの周りには、その他にもいくつかの有名な遺跡群があります。 広大なポンペイ遺跡に比べ、エルコラーノ遺跡は規模が小さいものの保存状態が素晴らしいという特徴があり、どちらも深い歴史が刻まれた素晴らしい遺跡群です。二つとも見学できれば最もいいのですが、限られた旅行期間内に広い遺跡を二つとも周るのは、かなり時間がかかります。 それぞれの特徴を知り、旅行プランに合った遺跡めぐりをしてみてくださいね。
※掲載写真はイメージです。クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC 0)に基づき掲載しています
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目次
1.ポンペイとエルコラーノの違い
79年8月24日、ヴェスヴィオ火山の噴火によって、ローマ都市のポンペイやエルコラーノの街々が溶岩や灰の下に埋没しました。その後発掘が進み、広大なポンペイ遺跡をはじめリゾート地だったエルコラーノ遺跡が発見されていきました。どちらの遺跡も、当時の生活の様子が刻まれているとても貴重な遺跡群です。 これらはユネスコで「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」として、世界遺産登録されています。
1.1 ポンペイとエルコラーノの規模を比べると
前述の通り、ポンペイとエルコラーノはどちらも歴史を肌で感じられる魅力的な遺跡群ですが、面積や町並みには大きな違いがあります。 古代ローマ時代の町並みを残すポンペイ遺跡の面積は世界遺産として登録された面積約98.05ヘクタールのうち、各施設合計で約84.59ヘクタールと広大な敷地。一方、エルコラーノ遺跡の面積は各施設合計で約10.81ヘクタール。ポンペイに比べ、こじんまりとした面積です。
1.2 ポンペイとエルコラーノの位置関係について
ナポリからエルコラーノへの距離は、南東へ約11km。ポンペイへは南東へ約29kmの距離に位置しています。遺跡までの列車「ヴェスヴィオ周遊鉄道(チルクムヴェスヴィアーナ鉄道)」を利用した場合、エルコラーノはナポリから約20分、ポンペイは約45分の距離にあります。
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2.ポンペイ遺跡の概要
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ポンペイの大都市が溶岩の下に埋まってしまったのは、79年8月24日のこと。ヴェスヴィオ火山の噴火により、一昼夜に渡り降り続けた火山灰や火砕流の結果、大都市はあっという間にその姿を消しました。 当時のポンペイには、約2万人もの市民が暮らしていたと言われます。悲劇としか言いようのない突然の噴火ですが、火山灰が都市を覆い尽くしたことによって、建物や壁画の劣化が食い止められ、素晴らしい保存状態で都市や町並みが保存されることになりました。
3.エルコラーノ遺跡の概要
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ヴェスヴィオ山の噴火によって、ポンペイ同様に壊滅したエルコラーノの町。これまでの解説でも触れていましたが、エルコラーノはギリシャ名で「ヘルクラネウム(ヘラクレスの町)」と言います。伝説によると、ヘラクレスが築いた町と言われているのだそう。 約2万人の人口をかかえていたポンペイと比べ、エルコラーノの人口は約4000人。貴族の別荘地や保養地として栄え、規模はポンペイよりかなり小さいのですが上流階級の人々が暮らしていたことから、町並みはより洗練されています。 またポンペイよりも保存状態が良く、屋根の一部が残っているほか建物の装飾や壁画も綺麗に残されています。
4.実際にポンペイとエルコラーノへ行った時の感想
<写真はイメージです。Photo by Pixabay(CC 0)>
ここからは、私が実際に二つの遺跡を訪れてみた感想になります。どちらもツアーには参加せず、個人でゆっくりと見てまわりました。写真が無く恐縮ですが、それぞれの雰囲気を感じていただけたらと思います。
4.1 大都市ポンペイと、リゾート地エルコラーノ
ポンペイが巨大な商業都市であったのに対し、エルコラーノは別荘や邸宅が立ち並ぶ比較的こじんまりとした町。ポンペイ遺跡の方は、じっくり見ようと思うと1日あっても足りないほどで、見学の際はポイントを絞ってまわらないといけません。
一方、エルコラーノは半日あれば見てまわることができます。ポンペイのような大きな神殿や劇場、大運動場などはありませんが、エルコラーノの長所はなんといっても建物の保全。この町は溶岩流と泥に埋もれていたため、大きな破壊を免れてとても保存状態が良いのです。 装飾やモザイク画などもとても良い保存状態で残っており、古代ローマ時代の人々がどのような生活をしていたか、その様子をはっきりと感じることができます。
そのため、もしポンペイを2日ほどかけてじっくり観光する時間を取れるのであれば、ぜひエルコラーノ遺跡の方へも足を運んで頂き、古代ローマ時代の生活がどのようであったのか、都市に住む人々から上流階級まで、生活の様子をしっかりとチェックしてみて欲しいと思います。
5. ポンペイ遺跡とエルコラーノ遺跡見学時の注意点
カラっとして湿気の少ないイタリアですが、7月や8月の日差しはかなり強め。遺跡内は日陰のある場所が少ないので、熱中症や日焼け対策は必須です。十分な水分補給をして、帽子やサングラスなどを持参して充分に体調管理をしてくださいね。夏のシーズンの服装は、関連記事も参考にしてみてください。 私も事前に調べて日焼け対策などは行っていたのですが、困ったのはトイレ。遺跡内には最低限の休憩所とトイレしかありません。入り口と出口には大きなトイレがありましたが、こちらも混んでいました。 遺跡内には見所が多く、つい色々とまわりたくなってしまいますが、大まかな時間配分を決めてから見学するほうが安心です。
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噴火によって時が止まった町並みの中に立つと、まるでその時代にタイムスリップしたような錯覚になります。その場所に行かないと体験できない、貴重な遺跡の世界を体験してみましょう!
ポンペイ遺跡の基本情報
- 名前:ポンペイ遺跡(Pompeii)
- 住所:Via Antonio Morese, 1, 80045 Pompei NA,
- 営業時間
[4/1~10/31] 9:00~19:30(最終入場18:00)/ 土日は開園時間が8:30
[11/1~3/31]9:00~17:00(最終入場15:30)/ 土日は開園時間が8:30 - 休館日:1/1、5/1、12/25
- 入場料:16ユーロ
※営業時間などの最新情報は、公式サイトをご確認ください - 公式サイトはこちらから
エルコラーノ遺跡の基本情報
- 名前:エルコラーノ遺跡
- 住所:Corso Resina - 80056 Ercolano (NA) | Scopri come arrivare
- 営業時間
[4/1~10/31]8:30~19:30(最終入場18:00)
[11/1~3/31]8:30~17:00(最終入場15:30) - 休館日:1/1、12/25
- 入場料:13ユーロ
- 公式サイトはこちらから
※開園時間等、施設詳細は変更される場合があります。各公式サイトにてご確認ください
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La luce del Sud
- 人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。