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近ごろインド映画が熱い。『バジュランギおじさんと、小さな迷子』を観て感涙。
こんにちは!映画ガールと申します。
私の趣味は映画鑑賞です。有名作品から白黒映画、隠れた名作など幅広く紹介できればと思っています。どうぞよろしくお願いします!
目次
作品紹介
今回ご紹介したい映画は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』という作品です。
馬鹿がつくほど正直者でお人よしなインド人の青年パワンと、声を出せない迷子のパキスタン人の少女シャヒーダーが出会い、少女を国に帰すため国境や宗教を越え、人間愛についてダイレクトに問いかけてくる笑いあり、涙ありのインド映画。(本国インドで2015年に公開、日本では2019年公開されました。)
見どころはたくさんありすぎて・・・
本編は159分という非常にボリュームがある作品ですが、インド映画ならではの軽快な音楽やダンスシーン、インドとパキスタンの対立ある歴史、宗教の違いなどの社会的問題がベースになっており退屈することなく魅了されます。本作の鍵となる迷子の少女、シャヒーダー役は5,000人のオーディションの中から選び抜かれた弱冠6歳の女優、ハルシャーリー・マルホートラの愛くるしい姿は必見。
インドからパキスタンへ向かう道中の自然の風景が壮大でとても綺麗!ロケはインド各地で撮影され、大都市のデリーをはじめ、パキスタン国境付近のパンジャーブ、ラジャスタンのタール砂漠カシミールの山岳地帯など。
スケールの大きさを体感できるので、今後、復刻上映されたらぜひ映画館での鑑賞をおすすめします。
私が胸打たれたシーン(ネタバレあり)
パワンは迷子のシャヒーダーを放っておくことができず、家族と住んでいる家に連れ帰ることになるのですが、インド人とパキスタン人が一緒に生活するとなると真っ先に問題になるのが宗教の違い。
パワンも家族もヒンドゥー教徒なので食事は菜食、しかしシャヒーダーはパキスタン人、まだ子供なので野菜だけでは物足りず、外に出てタンドリーチキンを食べるし、みんなでサッカー観戦をしていても自国のチームを応援して浮いてしまったり・・・。
パキスタン人ということが知れたら追い出されてしまうので、パワンは頭を抱えつつ何とかシャヒーダーの素性を隠し通そうとします。(宗教の違いは諸説ありますので、割愛します。)
結局、隠し通すことはできずパワンの父は大激怒。遠い国からやってきて喋ることもできない、帰り方も何も分からず迷子になっているシャヒーダーを、とにかく家から追い出せという非情な発言に、パワンの婚約者であるラスィカーはまだ子供なのに、と反論します。
パワンの父はシャヒーダー個人ではなく、パキスタンという国を憎み、嫌っています。「昔、パキスタンはインドに対して酷いことをした。それは絶対許されることではない」というセリフに対して、ラスィカーは「この子には関係ないことだ。現に困っている人がいるのに、生まれ育ちが違うだけで見捨てるのか」と言います。
困っている人がいたら手を差し伸べる、それに理由はいらないだろうという人間的に当たり前な考え方ではあるとは思いますが、私はこのシーンがとても刺さりました。これは外国人に対してだけでなく、同じ国で生きる人々の間にも当たり前、常識であってほしいと思ったからです。
疫病が蔓延し世界的に混乱している今だからこそ、人間力の真価が問われる時なのではないか。
この映画は人間の根底にある情緒をストレートに揺さぶってくるので、なんてことのない日常シーンでも涙してしまうところが多かったです。
最後に
「映画は人生を豊かにする」といわれているのは単なる娯楽的側面からだけでなく、自分と違う暮らしや生き方が描かれ、それをどう思い感じるか、想像力を培うことができる。その想像力は私たちの苦手、悩みとする人間関係に活かされるのではないかと思っています。
昨今の自粛体制で時間を持て余している方、これを機に普段は見ないようなジャンルの映画、長編映画などを見て過ごしてみてはいかがでしょうか。
>>『バジュランギおじさんと、小さな迷子』の詳細・予告編はこちらから(シネマトゥディ)
※公式サイト(http://Bajrangi.jp)は乗っ取りに遭っているようです。ご注意ください
その他、私のおすすめするインド映画
- 『きっと、うまくいく』
- 『バーフバリ』
- 『シークレットスーパースター』
etc.
>>参考:誰も観たことのない映画体験をつくるシアタープロデュースチーム「ドゥイット・シアター(Do it Theater)」公式サイトはこちら
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映画ガール
- お酒の国、高知県出身。旅行会社勤務。どこにでもいる平凡な女性。主に海外映画を観るのが趣味。どんな時も映画のある人生を送りたいです。私の旅行におけるマストポイントは美術館や博物館などの文化的、歴史的建造物・施設めぐり。イギリス旅行での大英博物館やセントポール大聖堂の見物、ハーマジェスティーズシアターで念願であったオペラ座の怪人を観劇できた事は一生の思い出です。