【たびこふれ美術館】第11話:コロナに負けるな!バーチャル美術館で楽しむ芸術の世界

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バチカン美術館公式サイト バーチャルツアーより>

ちょっとお久しぶりになりました。たびこふれ美術ライターのやすおです。

さっそくですが、新型コロナウイルスの猛威で世界は大変なことになっていますね。命を落としかねないこのウイルスがここまで広がるとは正直私は思っていなかったんですが、未だ留まるところを知らず広がりを見せています。

いよいよ日本でも非常事態宣言が出されるまでになりました。お仕事のある方、必要な用事のある方など外出が必要な方もいらっしゃるとは思いますが、可能な限りの外出は控えていただき、これ以上の感染拡大に歯止めがかかればと思います。

早く終息に向かいますように・・・

・・・

ただ、やっぱり何もなくおうちの中にいるのもそれはそれで大変なもの。

そこで!

今回の記事は、外に出ることが出来ない今、こんなときこそ活躍する"各美術館のバーチャルツアー"をご紹介いたします!

普段の美術館は多くの人で混んでいますよね?

普段の美術館は体力がいりますよね?

普段の美術館はお金がかかりますよね?(笑)

そんな美術館のお悩みを一挙に解決してくれるバーチャルツアーを、実は最近いろんな美術館で公開しています!

こんな時は美術鑑賞なんて行けない?

いえいえ、こんな時だからこそ、バーチャルツアーで美術館を楽しんじゃいましょう!!

目次

バチカン美術館

>>>「バチカン美術館公式サイト バーチャルツアー」について詳しくはこちらから

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バチカン美術館公式サイト バーチャルツアーより>

まず最初は私の大好きなバチカン美術館から!

世界で一番小さな独立国家であるバチカン市国が世界に誇る巨大な美術館で、主に古代ギリシャからルネッサンス時代までを中心に集められています(もちろん他にもたくさん!)。

そして、この美術館の1つの特徴は「壁画が多い」ことです。

ここはもともとキリスト教の最大の聖地として成長を遂げてきたカトリックの本拠地。そのため、各部屋は美しい絵画で彩られているのですが、この時代の絵画は壁に直接描く「フレスコ画」が主流で、壁と一体化しているのです。

要するに壁と一体化しているため持ち運びできない、

門外不出の作が必然的に多いのです!!

そんないつまで待っていても来日することがない作品も、バーチャルツアーならお手軽に見学に行けちゃいます。

そんな中で私の一番のオススメは、システィーナ礼拝堂です!

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バチカン美術館公式サイト バーチャルツアーより>

クリックするとそこはもうシスティーナ礼拝堂・・・

現地でもないのになんかドキドキ(笑)

15世紀の後半から宗教的施設とローマ教皇執務室という二つの役割を持つこの礼拝堂は、現在ローマ教皇を選出する「コンクラーヴェ」の行われる間としても知られています。

そんな華々しい場にふさわしく、内部はルネッサンス時代に活躍したたくさんの画家によって描かれたフレスコ画によって彩られています。

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バチカン美術館公式サイト バーチャルツアーより>

最も有名なのはミケランジェロの作品群。

上の画像も、人間生きていれば一度はどこかで目にするであろう、旧約聖書の天地創造の一場面「アダムの誕生」です。

真ん中の絵の中の右手、紫色の布で覆われたおじいさんが神様で、左手の裸の男性は最初の人類であるアダム。アダムと神様が指を合わせようとしていますが、アダムの指にはあまり力が入っていないような感じ・・・、まだアダムは神様が作った土人形なのです。

そこに今、神様が命を与えて人間になる・・・そんな決定的瞬間を描いたのが、この「アダムの誕生」です。

でもイタリアに行かれて実物をご覧いただいた方、そんな細かいところまで見ましたか?

そんなことないと思います。この絵は天井部に描かれたものなので結構距離があり、そこまで細かく見られないのです。

・・・ていうか天井を見上げる首が痛くて限界(笑)

でも、このバーチャルツアーなら、拡大もできるし、角度も変えられるのでお好きなだけこの名画を眺めていただくことが出来ます。

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バチカン美術館公式サイト バーチャルツアーより>

ご覧ください、この臨場感!

これは先ほどのミケランジェロが描いたもう一枚の作品、最後の審判。さっきの絵は旧約聖書でこちらは新約聖書なので、雰囲気が異なります。

世界の終わりにイエスが再臨し、死者を蘇らせて、今までの彼らの行いを元に天国か地獄かに振り分けていくシーンです。

画面左下をご覧いただくと、土の中から人間が出てきているのがわかると思います、今イエスの呼びかけによってムクムクと動き出す死者たち。そして、善い行いをしたものはイエスの手の動きに合わせて画面左上の天界に登っていき、悪い行いをしたものは画面右下に連れていかれ地獄行き・・・地獄を守っている蛇が体に巻き付いているおじさんがなんとも恐怖です。

この絵の前は実際に行ってみると通勤電車の中と錯覚してしまうほど混んでいるので、正直なところゆっくり見学するという感じではないのですが、バーチャルツアーであればお客さんはあなただけ。

気の向くまま絵の細部まで見学することができます。

また、上の写真のように見上げるように見られるのが「迫真に迫る!」という感じです。

実物の絵画の高さは約14mもありますので、この見上げる角度がとても臨場感があって私のお気に入りです。

他にも世界中から集められた美術品の数々と、壮麗なバチカンの建物をご自宅からお楽しみください☆

ルーブル美術館

>>>ルーブル美術館 オンラインビューイングについて詳しくはこちらから(YouVisit
>>>ルーブル美術館 バーチャルツアー(公式サイト)

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ルーブル美術館 オンラインビューイング(YouVisit)より>

お次は、フランス・パリのルーブル美術館。

世界一の来場者数を誇る(なんと年間1,000万人!)この美術館は、古代ギリシャなどのヨーロッパに留まらず、エジプト・アッシリアなどから始まる世界から、ナポレオン時代ぐらいまでのフランス絵画を中心に、世界中の芸術品が集められています。

そんな素晴らしいルーブル美術館は無料でオンラインビューイングとバーチャルツアーを提供してくれています。

オンラインビューイングとは館内をクリックのみでどんどん進んでいって、作品を鑑賞するソフトで、バーチャルツアーはより作品に近づいたり、作品の説明を見たりすることが出来る内容のようです(日本語はないけど涙)。

今回はオンラインビューイングの方をレポートさせていただきます!

・・・

ルーブル美術館と言えば、外のガラスのピラミッド!

というわけで、ここのオンラインビューイングではなんと美術館の外部から映像が準備されています。青空の下にそびえる透明なピラミッドが何とも美しいですね。

では、これから館内にレッツらゴー♪(←古い)

まずはルーブルの三大貴婦人のうちの一人、「サモトラケのニケ」を探してみましょう。

画面を切り替えたり、画面を回してみたり、行ったり帰ったり・・・

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ルーブル美術館 オンラインビューイング(YouVisit)より>

・・・あった!

さすがルーブル美術館。

館内すべてがデジタル化されているわけではないにしろ、かなりの量があるので目的地を探すだけでも大変・・・。

そして、ここまできた後はこれ以上近づけるわけではなく、上の画面内右下の作品の画像をクリックして写真を眺めるスタイルのよう。・・・うーん、これだとネットで画像を拾って眺めるのとあまり変わらないのでは・・・(;^_^A

ただ、置かれている環境を知ったりするのにはいいのかもしれませんね。たしかに、まさかこんな階段の踊り場に置かれているとはなかなか思いませんよね(笑)

では、もう一つの貴婦人「モナリザ」を探してみましょう!

また画面を移動して、戻って進んで360度をぐるぐる回して・・・

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ルーブル美術館 オンラインビューイング(YouVisit)より>

・・・あった!

もはや、そもそもモナリザがどこにあるのか知らないと探せないレベル・・・(;^_^A

そしてオンラインビューイングだというのに、モナリザの周りには見慣れた人だかり!いろんな意味で臨場感たっぷりな内容です(;^_^A

ただ、この視点からはモナリザは遠いのですが、下の画像のように後ろのヴェロネーゼの描いた「カナの婚礼」なんかはかなり近くから見えるような位置で撮影されています。

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<「カナの婚礼」 / ルーブル美術館 オンラインビューイング(YouVisit)より>

イエスが洗礼の後初めて起こした奇跡の瞬間。結婚式なのにワインが足りないと困っている家庭に訪れ、樽に入ったお水をワインに変えてあげるという新約聖書にある一説を絵にしたものです。

ヴェネツィアルネッサンスの巨匠、ヴェロネーゼの描いたものですので、色彩がとても美しいのが魅力と言われています。

ふむふむ。人が入っていることにより絵の大きさが感じられていいですね。

ただ、やっぱり絵画自体を見たい場合であれば、画像を検索してその絵画だけを画面いっぱいに見るほうがきれいに見えますね・・・

・・・

ということで、わかりました!

このオンラインビューイングは、一つ一つの絵をじっくり鑑賞するためのものではなく、あくまでも「オンライン」で美術館の中を「ビューイング」ことが目的なのです!

美術館の中を何気なくお散歩するようにオンラインを進めていくと、

「あ、この作品こんなとこに飾ってるんだ~!」

「この作品こんなに大きかったんだ~!」

「へ~、建物と作品とすごくあってる~!」

と本当に現地でしか体験できないことが体験できるようになっているのです☆

確かに絵画をただ見たいだけだったらネットにいくらでも転がっているので、そのような切り口ではなく、臨場感を持って、現地に行けない今だからこそ!という思いで見ると、とても価値のあるものなんだと思いました♪

IJC MUSEUM

さて、最後にご紹介するのは、日本の...というか日本になく、海外にもない、世界のどこにも存在しない美術館です。

その名も、「IJC MUSEUM(IJCミュージアム)」。

>>>「IJC MUSEUM(IJCミュージアム)」の公式サイトはこちらから

この美術館は全日空(ANA)の手掛ける、オンラインにのみ存在するクラウド美術館で、その名の通り、サイトにアクセスすると空に浮かんだ美術館が画面上に現れます。

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IJCミュージアム公式サイトより>

ANAが手掛けるだけあって、後ろにANAの飛行機が飛んでいるところがカワイイ(笑)

この美術館はご覧いただいたらわかるように、すべて英語の表記となっております。

このサイトは、近年増加する訪日外国人向けに作られたサイトになっており、「IJCミュージアム」という名前になっていますが、美術館はあくまでもこのサイトの中の一つのコンテンツで、そのほかにも日本の観光地やお買い物、伝統などが楽しめるようになっています。

IS JAPAN COOL?(日本ってかっこいい?)

Is Japan Cool?=「IJCミュージアム」ということのようです☆

ではさっそく、この中の美術館を覗いてみましょう!

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IJCミュージアム公式サイトより>

トップ画面の「ENTER」を押すと動画が始まり、目の前の円盤型の物体がどんどん形が変わり美術館が出来上がっていきます!

この出だしで既に

「YES!JAPAN IS SO COOL!」

と叫びたくなるのは私だけ?(笑)

そして中に到達するとこんな感じ。

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IJCミュージアム公式サイトより>

この美術館の展示品はすべて「現代アート」となっており、最初に出てくる作品は2016年に文化勲章も受賞された草間彌生さんの「かぼちゃ」です。

恐らく美術に特に興味がないという方でも一度はどこかで目にしたことがあろうこのかぼちゃは、瀬戸内海に浮かぶ直島に実物が展示されています。

そのかぼちゃを高画質、360度の角度から眺められるようになっている試みは、まさにバーチャル美術館ならでは。

だってこのかぼちゃ、真上から見たことありますか?

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IJCミュージアム公式サイトより>

現地に行ってもこんな角度からは見えません!(笑)

こうやって、自分の好きなように360度画像を回しながらかぼちゃを眺めていると、本当に何かに取り憑かれたような気持ちになってきます。

草間彌生さんの作品によく出てくるこのドット柄は、

「耳なし芳一が幽霊から身を守るために全身を経で埋め尽くした様に、彼女が恐怖する幻覚や幻聴から身を守るために、作品全体を水玉(ドット)で埋め尽くす儀式でもある」

とよく説明されます。

幼いころから幻覚や幻聴にさいなまれていた草間さんが、それらから逃れるために描き始めたドット...という意味が、じっと眺めているだけで感じられてくるのが作品の素晴らしいところ、恐ろしいところだと思います。

訪日外国人向けに作られたサイトなので作品の説明もすべて英語表記となっていますが、ネット上でご覧になっているはずなので、気になった作品はその場でググれば(Googleで検索すれば)OKです♪

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IJCミュージアム公式サイトより>

さて、この美術館には草間彌生さんを含めた7組のアーティストたちが作品を出品しています。

そして、私が個人的に面白いな~と思ったのが、第4室に展示されてあるTABAIMO(束芋)さんによるインスタレーションです!

そもそも、インスタレーションとは音や光・映像・空間などを用いて空間全体を作品として体験させる表現方法の一つをいいます。

現地に足を運ばないと体験できない美術のジャンルであるとともに、常設展示でない限りは展示期間が終われば解体されてしまう期間限定の作品であるインスタレーションこそ、こういった360度現地にいるような体験ができ、永続的に存在することができるバーチャル美術館にぴったりなんだと思います!

作家によっては展示室の前に、プロフィールや作品の説明の動画があるので、作品について学んでから展示室に入ることができます(動画は日本語♡)。

TABAIMOさんもどうしてインスタレーション作家になったのか、今回の作品「teleco-soup」について思いを語ってくれています。

では展示室の中へ!

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IJCミュージアム公式サイトより>

内部に入るとそこは暗闇の空間。

映像が映し出される大きなポールが目につきます。そしてそこを上がって上の階に入ると、四面を映像に囲まれた空間に出て、移り行く映像を見ながら鑑賞者である視点が自動的に動いていくように鑑賞していきます。

音楽もこの場面では歪んだ弦楽器のような音、この場面では水中の中にいるようなブクブクした音...というように、場面ごとに切り替わっていきます。

・・・

先に言っておきますが、「こういうメッセージがあるんだ!なるほど!」と明確にわかるようなものは一切出てきません。

ただ、TABAIMOさんの描くアニメーションのある意味荒々しさと、音楽との融合、おどろおどろしいにもつながる表現のいくつもは、導入の動画で説明される「soup=生命の産まれる有機的なもの」のようなイメージを私は持ちました。

「・・・結局なんやったん?」となる内容かもしれませんが、インスタレーションとはそもそもこういうものが圧倒的に多いです。

そこから何かを感じることこそがインスタレーションの醍醐味!だと思って、ご覧くださいませ。

もしかすると新しい第六感が芽生えるかも・・・!☆

バーチャル美術館を体験してみよう

いかがでしたでしょうか?バーチャル美術館!

このコロナで身動きの取れない中、こういったコンテンツを使って好奇心を探ってみるのはいかがでしょうか?

今回ご紹介した以外にも、たくさんの美術館がオンラインのコンテンツを配信しています。

東京国立博物館

メトロポリタン美術館

オルセー美術館

コートールド美術館・・・

最初は、ご自身の興味のある方面の美術館から探ってみてもいいかもしれませんね!

早くコロナが治まりますように・・・

それまでは、今日からどうぞバーチャル美術館を存分に楽しんでくださいね!

私は・・・

360度回しすぎて酔っちゃったのでまた明日にします(笑)

山上やすおのホームページはこちら

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山上やすお

国内外の添乗員として1年の半分ほどを現地で過ごすかたわら、日本にいるときには各地で美術のカルチャー講師をしています。博物館学芸員資格保有。「旅に美術は欠かせない!」の信念のもと、美術の見方、楽しみ方を記事にしていきます。

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