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モスクワでコンサートやバレエ鑑賞を楽しもう!
「モスクワの観光スポットで行きたいところは?」と訊かれたら、おそらくトップ10には入ってくると思われるボリショイ劇場。音楽やバレエに興味がある人は、ボリショイ劇場へ行ってみたいと思うのではないでしょうか?
今回は、ボリショイ劇場やモスクワ市内の主なコンサートホールの情報をお知らせします。モスクワ市内には、本当にたくさんのコンサートホールや劇場がありますが、今回はほんの一部の紹介です。
目次
- ボリショイ劇場
- スタニスラフスキーとネミローヴィチ・ダンチェンコ劇場
- チャイコフスキーコンサートホール
- モスクワ音楽院
- フィラルモニヤ2
- ザリャディエコンサートホール
- クレムリン大宮殿コンサートホール
- ドーム・ムージキ
- やむを得ず、キャンセルする場合
ボリショイ劇場
ボリショイ劇場の公式ホームページにアクセスすると、歴史のある建物と、隣にある新しいステージの会場と、噴水の地下にあるベートーヴェンホールの3つのチケットを購入することができます。
ネットから購入できますが、演目によってはチケットに名前を登録し、当日、本人確認を行うものもあります。また、大人気の年末年始の「くるみ割り人形」の公演については、劇場の切符売り場でパスポートを持参して、1人2枚までしか買うことしかできなくなりました。ある一定期間窓口で販売した後、残席をネットで買えるようになりますが、そのころの残席は必ずしもいい席が残っているとは限りません。日本から年末年始の演目のチケットを買おうとすると、ネットで残席を買うことになります。また、ダフ屋に回ってしまったものは、ものすごく高い値段になってしまいます。そのため、できるだけ、公式ホームページをチェックしてそこから買うようにした方がいいです。
旅行日程と観たい演目がうまくいかず、公演を観に行くのを諦める人もいると思いますが、火曜日、水曜日、金曜日の午前中に開催しているボリショイ劇場の内部ツアー(ロシア語か英語)に参加して中に入ることもできます。ただし、内部ツアーも公演がない7月、8月の時期は行っていません。11時からと11時半からの2回で、1回につき20名までなので、少し早めに行って並んだ方が確実です。年々料金が値上げしていて、2020年3月15日現在で、外国人は2,000ルーブル(約3,060円)となっています。
さて、ボリショイ劇場の中ですが、コートを預ける冬場は、購入した座席によって、劇場の入り口が分かれています。上の階を購入したときは、劇場横の裏口みたいな所から入り、自分の座席の最寄りのクロークにコートを預けます。そのため、帰りに受け取るのは、待ち時間が短くてスムーズです。入り口こそ分けられていますが、中に入ってしまえば、1階から7階まで自由に行き来ができます。パルテールに入る入口と同じ階には、定期的に展示物が変わる特別展示室があります。過去の公演の衣装や写真などが展示されています。
その展示室で、オペラグラスを借りることができます。
2,000ルーブルを預けて、借ります。終演後、30分以内に返却すれば、預けた2,000ルーブルが戻ってきます。そのため、実質無料で借りることができます。地下1階の売店では、2,350ルーブル(約3,600円)でオペラグラスを購入することもできます。売店は公演時間も開いていますが、それ以外でも、11時から5時まで開いています。公演のない7月、8月の期間も売店は開いているので、お土産を買うことはできます。
ロシア帝国時代の貴賓室や、第2次世界大戦の犠牲者の記念碑なども特別展示室と同じ階にあるので、開演前や休憩中に見学するといいです。
そして、ブッフェは最上階にあります。
このきらびやかなホールは一見の価値があります。パルテールからの景色、最上階からの景色、天井、シャンゼリアとどこを見ても美しく、何度行っても写真を撮りたくなります。
ボリショイ劇場には、新館と言われる新しいステージの会場もあります。
そこは、ボリショイ劇場よりも小さく、入り口もクロークもみんな同じ場所です。オペラグラスは、ボリショイ劇場と同じシステムで、実質無料で借りられます。新館にも売店がありますが、公演の時しか開いていません。
噴水の下にあるベートーヴェンホールは、床が可動式になっていて、演目によって座席の増減ができます。
ボリショイ劇場 基本情報
- 住所:Theatre Square, 1, Moscow, 125009
- 電話番号:8 (495) 455-55-55
- URL:https://www.bolshoi.ru/
- 最寄り駅:アホートヌイ・リャト(赤い地下鉄)、ティアトラリナヤ(緑色の地下鉄)、プローシャチ・レヴァルーツィー(青い地下鉄)
スタニスラフスキーとネミローヴィチ・ダンチェンコ劇場
地下鉄駅からも近く、中心部にあるこの劇場は、ボリショイ劇場よりも料金が手頃で、仕事帰りに立ち寄るロシア人も多く、気楽に行けます。チケットは、劇場の公式ホームページから購入することができます。メールで届いたEチケットを印刷して持って行きます。
大道具や衣装は少しシンプルですが、歌唱力は高いので、滞在中に観たい演目、特に、日本ではあまり上演されないロシアの作品などがあれば、出かけてみるといいです。ホールもそれほど大きくないため、後ろの方の席でも舞台がよく見えます。しかし、ロシア語上映のオペラの場合は、ロシア語、英語の字幕すら出てこないため、あらすじを予習しておく必要はあります。
この劇場にも、定期的に変わる展示室があります。
スタニスラフスキーとネミローヴィチ・ダンチェンコ劇場 基本情報
- 住所:Ulitsa Bol'shaya Dmitrovka, 17, Moscow, 125009
- 電話番号:8 (495) 723-73-25
- URL:https://stanmus.ru/
- 最寄り駅:トヴェルスカヤ駅(緑色の地下鉄)、プーシキンスカヤ駅(紫色の地下鉄)、チェーホフスカヤ駅(灰色の地下鉄)
チャイコフスキーコンサートホール
地下鉄のマヤコフスカヤ駅の出口を出ると、すぐ横にあるホールです。目抜き通りのトヴェルスカヤ通りに面しています。
チケットを公式ホームページで購入すると、ピンコードのお知らせが届きます。ホールについたら、ターミナル(入り口付近のドアのところに係員が立っています)でピンコードを伝えると、レシートみたいなチケットが出てきて、それで会場に入れます。ボリショイ劇場と同じように、コートは座席によって預ける場所が変わります。
このホールにも第2次世界大戦の犠牲者の碑があります。
トイレは、複数階にありますが、地下1階のトイレが数も多く、きれいなのでおすすめです。
トイレの前に喫煙所もあります。ロシアでは、決められた場所での喫煙しか許されていません。決められた場所以外で喫煙をすると、警官が近づいてきて罰金と言われることもあります。
チャイコフスキーコンサートホール 基本情報
下記のホームページからチケットを買えるだけでなく、コンサートのライブ映像(時差が6時間あるため、日本からライブで見るのは難しいと思います)、過去のビデオ映像なども見ることができます。ビデオを見るためには、メールアドレスなどの登録が必要ですが、旅行中に鑑賞して感動した演奏会を帰国後に見るという楽しみも演目によってはあります。または、お目当ての演奏家の過去の演奏をいつでも見ることもできます。
- 住所:Tverskaya St, 31/4, Moscow, 125047
- 電話番号:8 (495) 232-53-53
- URL:https://meloman.ru/
- 最寄り駅:マヤコフスカヤ駅(緑色の地下鉄)
モスクワ音楽院
チャイコフスキー国際コンクールの時に、ピアノ部門の会場になる大ホールがあります。パルテールは1人ずつの椅子ですが、2階席、3階席は長椅子で、クッションもやや硬めです。大きい人が隣に来ると窮屈になる場合もあります。また、エレベーターもありますが、トイレは1階にしかないため、上の階の座席だと休憩時に上ったり下りたりがやや大変です。
ロビーには、モスクワ音楽院の歴史が分かる展示物もあるので、開演前や休憩時間に見学することをおすすめします。少しですが、1階のロビーではお土産とCDを販売しています。
モスクワ音楽院 基本情報
- 住所:Bol'shaya Nikitskaya Ulitsa, 13/6, Moscow, 125009
- 電話番号:8 (495) 629-94-01
- URL:www.mosconsv.ru/
- 最寄り駅:ビブリオチェーカ・イメニ・レーニナ駅(赤い地下鉄)、アホートヌイ・リャト駅(赤い地下鉄)、アルバーツカヤ駅(青い地下鉄)
フィラルモニヤ2
地下鉄駅からバスに乗って行かないとならないため、交通の便は不便ですが、シンプルでいいホールです。ロビーの壁は、ロシア出身の作曲家のセルゲイ・ラフマニノフに関するものが描かれています。
フィラルモニヤ2 基本情報
- 住所:Ulitsa Olimpiyskaya Derevnya, 1, Moscow, 119602
- 電話番号:8 (495) 232-04-00
- URL:https://meloman.ru/
- 最寄り駅:ユーゴ・ザパット駅(赤い地下鉄)下車後、バス227か667に乗車。オリムピスカヤ・ジリェヴニャの停留所で下車。
ザリャディエコンサートホール
2017年にオープンした、ザリャディエコンサートホールもあります。2019年のチャイコフスキー国際コンクールのガラコンサートはこのホールで行われました。
ザリャディエコンサートホール 基本情報
- 住所:Ulitsa Varvarka, д. 6, стр. 4, Moscow, 109012
- 電話番号:8 (499) 222-00-00
- ホームページ:https://zaryadyehall.com/
- 最寄り駅:キタイ・ゴーラト駅(オレンジと紫の地下鉄)
クレムリン大宮殿のコンサートホール
クレムリンの中にあるコンサートホールです。ソビエト時代は、共産党の大会議などが行われた所で、ロビーには、ソビエト連邦共和国の15の共和国のマークが今でも描かれています。
クレムリン大宮殿 基本情報
- 住所:Moscow, 103132
- 電話番号:8 (495) 620-78-46
- URL:https://kremlinpalace.org/
ドーム・ムージキ
クラシックからポップスまで、幅広いジャンルのコンサートを行っているホールです。大中小さまざまなホールがあります。
ホール前の道路に面したところには、作曲家のショスタコーヴィチの銅像もあります。
ドーム・ムージキ 基本情報
- 住所:Kosmodamianskaya Naberezhnaya, 52, стр. 8, Moscow, 115035
- 電話番号:8 (495) 730-10-11
- URL:https://www.mmdm.ru/
- 最寄り駅:パヴェレツカヤ駅(緑色の地下鉄)
やむを得ず、キャンセルする場合
キャンセルをする場合など、ほとんどないと思いますが、人間何があるか分かりません。手続きの煩雑さなどを考えると、そのままあきらめてしまうかもしれませんが、キャンセルの規定があることをここではお知らせします。
公演の10日前までであれば100%、5日前までであれば50%、3日前までであれば30%の返金となります。
公演の前日と前々日はキャンセルできないことになっています。
しかし、病気や親族(配偶者、親、子)の不幸などで行けなくなった場合は、公演の9日前以内であっても公演前までに手続きをすれば、100%返ってきます。
必要書類は、
- パスポートの写真があるページのスキャン
- 診断書又は死亡証明書とその翻訳(ロシア語訳または英語訳)
- 申請書
申請書の書式は劇場によって違い、ロシア語のみの用紙しかない場合もあります。
緊急事態に、これだけの書類を集めて、メールを送ってという手続きを実質できるとは思えませんが、キャンセルができることを知っているのと知らないのとでは、対応が変わってくるため、一応お知らせします。
また、このキャンセルの対応となるチケットは、公式ホームページで購入した場合に限ります。ダフ屋に回ったチケットを購入した場合は、キャンセルの対象にならないため、お気を付けください。
モスクワでは、毎晩、どこかでコンサートをしているので、旅行の際はプログラムなどもよく見て計画を立てると思い出が増えます。
気をつけてほしいことは、ロシアのコンサートは開演ぴったりに始まることはありません。10分以上遅れることが多いです。だからと言って、ぎりぎりに会場に着くように行かないでください。ホールに入るのに荷物検査があり、冬はコートを預けたりと、日本のコンサートホールよりも入場に時間がかかります。
たいてい、ロビーは1時間前に開き、ホールは10分前に開くため、初めての会場の場合は早めに行って、いろいろ探検することをおすすめします。プログラムは、ホールのドア付近で係員が売っています。劇場や演目によって値段が変わってくるので、値段を訊いて購入してください。おつりを用意していないこともあるので、細かいお金で渡すとスムーズです。
また、休憩も20分くらいとたっぷりあります。そのため、終演が遅くなり、ホテルへ戻るのも遅くなります。モスクワ地下鉄は夜1時まで運行しているため、公共交通で帰れますが、治安などには十分お気を付けください。オペラなどは、演目によって、終演時刻が大きく変わってくるので、チケットを購入する前に演奏時間を調べておいた方がいいです。
ロシアのコンサート会場や劇場では、いろんな人がいて、マナーの悪い人がいるのも事実です。空席があれば、購入したチケットでない場所にすぐに座ろうとする人もいます。自分が購入した座席にすでに座っていた!なんてこともまれにあります。そういう時は、毅然とした態度で、はっきり伝えましょう。ロシア語が難しければ、係員さんに手伝ってもらってでも、意思表示をはっきりしたほうがいいです。パルテールなどの料金の高い座席の時は、後方の座席にいる人たちよりもマナーがいい人が多いように感じました。
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チェブラーシカ
- 高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。