エジプトの歴史を肌で感じることが出来るカイロ発祥の地「オールド・カイロ」を楽しもう！

エジプトは観光大国として有名ですが、日本からは距離が遠いことや治安の面で不安だったりとなかなか行きづらい場所と言えます。そんな行きづらい国にせっかく行くのですから余すところ無く回りたいところですが、なにせ超定番のピラミッド以外にあまり情報がなったりもします。そんなわけで今回はまだ知られていない、特に歴史好きの人には必見のスポットを紹介したいと思います。

オールド・カイロとは

現在の首都はもちろんカイロですが、それ以前にアラブ人が住みだして最初の首都となったフスタートというエリアを含めて、文化的にも歴史的にも珍しい地区を指します。
特に、宗教的に見てもエジプトは人口の90％がイスラム教徒という有数のムスリム国家ですが、ここオールド・カイロにはイスラム教が広がる前から存在している原始キリスト教の流れをくむ「コプト教」の信者もまだ数多く住んでいて、街全体も不思議な雰囲気となっています。

オールド・カイロへの行き方

カイロのやや南に位置しており地図でいうとこのあたりになります。

観光する場合に適した最寄り駅はMar Girgis（マルギルギス）という駅で、カイロの中心である新市街のNasser（ナーセル）駅からは、地下鉄の1号線を使って乗り換えなしで行くことが出来て便利です。

また、カイロの地下鉄はテロ防止のため入り口で簡単な荷物検査をやっていますので、大きな荷物を持っての移動は気をつけましょう。
ちなみに料金は3エジプトポンド（約20円）と激安です。

ホームや電車などは思ったよりもきれいで近代的でしたが、車両の中は案の定ボロボロだったので過度な期待はしていけませんね...。

聖ジョージ教会

駅を降りて左に行くと円柱の形をした珍しい建物が見えますが、これは古代ローマ時代のゲオルギオスという聖人にちなんだ聖ジョージ教会。

ギリシャ正教会なので、階段のところにある2つの旗は1つがエジプトでもう1つはギリシャの国旗になっていました。

中に入ると東欧などによくあるキリスト教のイコン（平面の画像）が並んでいるため、ここがエジプトだということを忘れさせてくれます。

天井を見上げるとイエス・キリストの絵が書いてあり、正面の祭壇前では何人かお祈りをしている人も見かけました。

こちらに顔がない絵も飾られていましたが、うっすら奥に顔が見えていて、わざとなのか壊れてこの様になっているのか謎です...。

ムアラッカ教会

聖ジョージ教会から出て5分ほど南に歩くと十字架の付いた門が見えてきますが、こちらもムアラッカ教会というコプト教の教会。

よく見るとアラビア語の文字も書かれてあってヨーロッパのそれとは全然違う雰囲気がします。

門をくぐると開放的でヤシの木やサボテンなどの植物が植えられている中庭に出ました。この教会は英語名で「The Hanging Church」といい、ローマ時代に造られたバビロン城の門の一部が床に使われて、その上に階段と身廊（本堂）があるため吊っているように見えるのだとか。

中へ入ると内部は木造で作られていて、石材で出来ている教会と違い、どこか暖かく居心地がよい感じがしました。

壁の透かし彫りのデザインがアラビアチックな装飾で独特なたたずまいでした。また、上の天井がアーチ状をしていますがこれはノアの箱舟をイメージしていて木が組まれているんだそうです。

アムル・イブン・アル＝アース・モスク

ムアラッカ教会から北に10分ほど少し歩くと、今までのキリストチックな町並みからエジプトでよく見るいつものアラブな雰囲気のするお土産物屋が並ぶ通りにでるのですが、そうするとひときわ目立つ大きなモスクがあります。これは642年にイスラム王朝の将軍「アムル・イブン・アル＝アース」がエジプトを征服した際に建てられたもので、アフリカ大陸における最古のモスクとしても有名。

由緒あるモスクのためか、昼間にもかかわらずたくさんの人がお祈りに来ていました。旅行者でももちろん中に入ることは出来ますが、タンクトップや半ズボンなどあまり肌を露出するような服は禁止です。

このモスクは中庭が広いのでそれを囲むように塀があり、まわりを1周したら結構時間がかかりましたが、裏側は人もあまりおらずのんびりと過ごすことが出来ます。

まとめ

カイロと言えば、車の渋滞＆排気ガス、また人が多くて埃っぽいし、モスクから流れる大音量のアザーンといった騒々しい印象があるかと思いますが、このオールドカイロはゆったりした時間が流れて住んでいる人もみんな比較的のんびり過ごしています。
またこの地区はイスラム教の他に、キリスト教、ユダヤ教という3つ異なった宗教の建物がある珍しいエリアなので、ピラミッドなど一般的な観光に飽きてしまった人などにもオススメです。是非、この機会に歴史あるこの場所を堪能してはどうでしょうか？