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日本とは準備や流れが違う!?イタリアで誕生日パーティーをしてもらった話
海外で自分の誕生日を過ごす経験は、なかなかできないことかもしれません。ですがもし留学中などにその日を迎えるのであれば、現地の友達に祝ってもらってはいかがでしょうか?しかし!イタリアなどヨーロッパでの誕生日パーティーは、日本とは違うその土地ならではの準備をしなければなりません。
そこで、イタリアで誕生日パーティーを開催した私が、実際に行ったパーティーの準備や手順、注意しなければならないことについて紹介します。
目次
1. イタリア式誕生日パーティーの特徴
<写真はイメージです。Photo by Alasdair Elmes on Unsplash>
イタリアなどヨーロッパの誕生日パーティーは、実は日本とはけっこう違っています!日本で誕生日を祝う場合、多くは家族や周囲の友人と共に、誕生日の人を祝うパーティーをするのがメインでしょう。
事前に誕生日の人の好みをまわりが確認して、サプライズで祝ってあげることもあるかと思います。また一緒に食事をすれば多くの場合、祝う側がご馳走してあげるのではないでしょうか。
一方イタリア では、自分が周囲の人から誕生日を祝われるためには、なんと自らパーティーを開催します。誕生日を迎える本人がすべての準備をして、最後に料理もご馳走してあげるという場合が、多いのです。
そして主催者側に対し、周囲の友人がプレゼントを渡したりしてお祝いします。イタリアの誕生日パーティーは、基本的にこんな形で成り立っています。
よく、海外ドラマや映画などで、子どもが誕生日パーティーを開くために友達を自宅に招待するシーンがあったりしますが、それをイメージしてもらえば分かりやすいと思います。どうしてこのようになったのか、細かいことは分かりませんが、このような文化の違いが見られるのはとても面白いですね。
2. イタリア式誕生日パーティーの流れ
<写真はイメージです。Photo by Lidya Nada on Unsplash>
では、実際にイタリア式の誕生日パーティーはどんな流れで進むのでしょうか。実際に私がローマに1年間留学した中で開いた、イタリア式誕生日パーティーについて紹介します!
2.1 招待する友達を選び、声をかける
<写真はイメージです。Photo by Eric Nopanen on Unsplash>
自分の誕生日パーティーには、一人でも多く友人を呼びたいもの。しかし主催者はご馳走する場合が多いので、なかなかにお金がかかってしまいます。そのため全員を招待しきれないと判断したら、ある程度招待する人を選ぶ必要があるかもしれません。
ちなみに当時の私には、食事をご馳走できるほどのお金はありませんでした。そこで大学の友人とのパーティーはバーで開催し、1人10ユーロのワンドリンクとスナックのプランを予約。また、ホームステイ先の家族とのパーティーでは、ピッツァを何枚か注文しました。これについてはまた後ほど解説します。
次に、呼ぶ人を決めたら海外版LINEとも言える「WhatsApp 」でチャットグループを作り、「○月○日が誕生日だから、その日にパーティーをします。参加できる人は返信ください!」と伝えます。
そうすると友人たちが「参加できるよ!」とか「ごめん、この日は忙しい......」とか連絡をくれます。ちなみに私の誕生日は6月なので、大学の試験期間と被ってしまい、試験勉強を理由に参加できない人もいました。
2.2 店を選び、料理を予約する
次に、友達と祝うバーの選別・予約や、家で食べるピッツァの注文をしました。イタリア人の親友に「予約は電話より直接の方が良い。 規模感も分かるし、プランとかも丁寧に教えてくれるから」とのアドバイスを受け、よく行っていたバーを予約しに行きました。
店員さんに「誕生日パーティーを開きたい」と伝えると、「時間帯はディナー?それとももっと遅いバー?」といったことや、「この人数だったら座席はこんな感じだけど大丈夫?」「人数が多いならこのプランでいいんじゃないかしら?」など、丁寧にアドバイスしてくれました。こうした店でパーティーを開くのはよくあることで、店員さんも慣れている様子。初めての私には助かりました。
また、ケーキをお店で注文すると高くついてしまいます。そのため私は、ケーキをお菓子屋さん(イタリア語でPasticeria / パスティッチェリア)で購入して持ち込みました。私がパーティーを開催したバーの「ティー・バール(T Bar)」では、持ち込み料1人2ユーロで、ケーキの保存、切り分け、お皿やフォークの提供まで行ってくれました。
ここで、パーティーの予約をする際に、役に立つかもしれないイタリア語の表現 をいくつかご紹介します。
- Vorrei fare una festa del compleanno.(誕生日パーティーを開きたいのですが。)
- Veniamo alle 8 di sera.(夜の8時に来ます。)
- Saremo in 20.(20人です。)
- Fino a quando potrei cambiare il numero delle persone?(何日まで人数の変更ができますか。)
ティー・バールの基本情報
- 名前:ティー・バール(T Bar)
- 住所:Via Ostiense, 182/A, 00154 Roma RM, イタリア
- 営業時間
[月-木]8:00~翌02:00 [金]8:00~翌3:00 [土]10:00~翌3:00 [日]10:00~翌2:00 - HP:http://www.tbarostiense.it/
3. 当日の流れ
私は1回目の誕生日パーティーをバーで、2回目をホームステイ先の家で開催しました。この項目では、それぞれ当日の様子について紹介します。
3.1 バーでの誕生日パーティー(深夜)
<撮影:ゆうさん>
その年の誕生日は日曜日だったのですが、イタリアの場合日曜日の夜は家にいる人が多く、この日に多くの友達を呼ぶのは難しいと判断しました。そこで、土曜日の深夜11時半頃にバーに集まってもらうことに。 「もっと早い時間に来てもらえばよくない?」と思われるかもしれませんが、イタリアでは、誕生日より 前に誕生日を 祝われると不幸が訪れるとされているのです!
実は、私もある友人に「君のパーティーには行けないけれど、おめでとうだけ先に伝えさせて!」と連絡したら「今言われると縁起が悪いから、誕生日を迎えた後にしてくれ」と言われた経験がありました。ちなみに誕生日の翌日・翌々日に祝うことは、特に縁起が悪いとはされていません。このあたりのことを、日程調整する際に覚えておくと良いかもしれませんね。
風習は地域によっても違いがありますが、私の友達も、11時半には「招待してくれてありがとう」「もうすぐで誕生日だね」と一切「おめでとう」という言葉を言わず、0時ぴったりに祝ってくれたのが印象的でした。
拍手が終わり、みんながひととおりお酒を飲み、ケーキを食べ終えた後、友達からプレゼントをもらいました。私が好きなサッカーチームであるインテル ナツィオナーレ・ミラノ(インテル)のユニフォームや、イタリア語の書籍、Tシャツやポーチなど、どれも宝物です。
<インテルのユニフォーム。帰国後もテニスをする時に着ています。撮影:ゆうさん>
その後はバーを出て、近くの公園でシャンパンを2本空けて飲み直し。「誕生日のスピーチをしろ!」と号令があったので、留学生活を支えてくれた仲間に1年間の感謝を伝えて最高の時間を過ごしました。 最後は特に仲の良い友達と別のバーで飲み直して、朝の4時くらいに帰宅しました。
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3.2 家でのパーティー(昼)
<ステイ先の親戚 に作ってもらったケーキを前にご満悦。撮影:ゆうさん>
朝4時に帰ってきた私ですが、次の日にもホームステイ先でパーティーが控えていたので、朝10時に起きて支度し、予約しておいたデリカテッセン を受け取りに行きました。大きなピッツァ3~4枚とコロッケなどを頼んで40ユーロ程度と、バーでのパーティーに比べるとずっとリーズナブルですね(笑)。
それ以外にも飲み物を買って、親戚が集まり始めた午後2時頃からパーティーの開始です。みんなといろいろな思い出を話しながら、のんびりと時間を過ごしました。家でのパーティーもまたとても楽しいですよね。1年間お世話になってきた人たちとの時間は、一生忘れられないものになりました。
4.イタリアの誕生日に関するちょっとした豆知識
最後の項目では、イタリアの誕生日に関する豆知識をさらっと紹介したいと思います。
4.1 お祝いの歌はあの歌!
ケーキのロウソクをふーっと消すとき、日本では「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー(Happy Birthday to you)」を歌いますよね?
実はイタリアでも同じ歌を歌いますが、歌詞はちょっとだけ違います。キーワードは「お誕生日おめでとう」のイタリア語である「タンティ・アウグーリ・ア・テー(Tanti Auguri a te )」です。リズムは全く同じなので、このフレーズだけ覚えておけば、きっと突然誰かが歌い始めてもついていけるでしょう!
4.2 ホームパーティーは少し遅刻するくらいでOK
イタリアでの誕生日のマナーには、「これが絶対に正解!」とは言えるものはありません。ホームパーティーに呼ばれた場合は、スタート時間に遅れて到着するくらいでちょうどいいと思います。
イタリアは時間に対する価値観が日本とは違うな、と私は思っているので、必ずぴったりに着かないと無礼にあたるというわけではないのです。この点に迷ってしまう場合は、同じパーティーに呼ばれている友人や、周りのイタリア人に直接相談してみるのが良いと思います。
4.3 プレゼントは無くならないものを?
これは完全に私の主観です!私がイタリアで誕生日プレゼントをもらったときに印象的だったのが、みな口をそろえて「これを見て、イタリアでの生活や俺(私)たちのことを思い出してほしい」と言っていたこと。
もちろん、私が留学生で1年で帰国してしまうという点もあるかと思います。それでも、そうした言葉を全員が口にしていたことは、今でもよく覚えています。
ですから無くなってしまうものよりは、ずっと使い続けることができるものの方が、プレゼントとして適しているかもしれませんね。今でもインテルのユニフォームを着た写真を送るたびに、友達はすっごく喜んでくれます(笑)。
イタリア式の誕生日パーティーについて、私の経験をもとに紹介させていただきました。イタリアに留学や長期滞在しており誕生日パーティーを開くことになった、またイタリアでパーティーを開きたいと考えている人にとって、役に立てば嬉しいです。
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ゆうさん
- イタリア・ローマ大学に1年留学。イタリア各地の魅力を学生ならではの視点から紹介できたらと思っております。南米一人旅を敢行するほど旅が大好きです!