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美味しくて安い!チリのワインの魅力をご紹介します
チリの友人たちは本当によくワインを飲みます。友達の家に行くとき、手土産といえば、まずワイン。誕生日パーティなどではみんながワインを持っていくので、「かぶったか?」などと思いがちですが、心配ご無用、数時間経てば空になったボトルばかりが机の下に並んでいます。
日本でもワインの輸入量はチリ産がフランス産を抜いてトップだということをご存知ですか?チリのワインは美味しくて安い!今回はチリのワインをテーマに書かせていただきます。
目次
チリ人はどんなふうにワインを飲むか
<写真は我が家でのホームパーティ。机の上には7本ものワインボトルが!>
チリの友人たちの傾向を見ていると、レストランやバーで注文するのは生ビールが圧倒的に多い気がします。ワインはボトルを買って、家で飲むもの。普通のスーパーでもかなりの売り場面積を割いてワインを売っていますから、食料を買うついでにワインも買う的な感じ。安いものは一本1,500ペソ前後(日本円で210円くらい)なので、1.5リットルのコカ・コーラと大差なかったりします。スーパーで売っているワインはほぼ100%がチリ産!チリ人はチリワインに誇りを持っていて、「(隣国)アルゼンチンのワインは飲めたものではない」というコメントを幾度となく聞きますし、欧州に引っ越した友人が、チリの物で恋しいものNo.1も、もちろんチリワインだそうです。
ワインはどこのスーパーでも売っていますが、ツーリストにお勧めなのは首都サンティアゴのコスタネラセンターに入っているJumbo(ジュンボ)という大きいスーパーのワイン売り場。銘柄に分かれて売っているのでわかりやすく、ゆっくり見られるので、一つ一つ手にとって、ワインのラベルを見比べるのも楽しいですよ。コスタネラセンターは2012年にオープンした、南米大陸で一番高いビルで展望台もあるので、ぜひ観光がてら行ってみてください。
ワインとAsado(アサード:南米式バーベキュー)
ワインのおつまみと言えば??やっぱり肉かと。
ホームパーティの定番がアサードです。アサードは南米各国で食べられますが、国や場所によってアサードのやり方が違います。この写真は、アルゼンチンのパタゴニア式。
アルゼンチンでは6時間くらいかけてじっくり焼いていきます。
私が住むチリ南部の伝統的なやり方はこんな感じ。
同じ丸焼きですが、棒にさして、ぐるぐる回しながら焼きます。こうすることで、ある程度火力が強くても焦げないので、丸焼きでも2時間くらいあればジューシーなお肉ができあがります。肉が焼けるのを待っている間にはビールや、ワイン片手に談笑。肉が焼けると、それをつまみにさらにアルコールが進みます。
肉はシンプルに塩で食べることが多いですが、チリのもう一つの定番がぺブレ!ぺブレはトマト・玉ねぎ・コリアンダー・青唐辛子を細かく刻んだものに塩とオイルを混ぜた、ソースとサラダの中間みたいなもので、肉に良く合い、かつ、肉の脂っぽさが中和される気がして個人的に大好きです。
このようなダイナミックなアサードを食べてみたい人は、1~2月、夏の観光シーズンに、チリ南部の街や村で開かれるFeria Costumbristaを探してください。田舎の自治体が主催のお祭りで、地元で獲れた肉や魚介類を使ったごはんや毛糸製品、フォルクローレなどの出し物もあるので楽しいですよ。かなりローカルなので、英語のHPが見つかりませんでしたが、参考までに載せておきます。
ぶどうの産地はどこにある?
さて、ワインといえばぶどう。ぶどうの産地は首都サンティアゴから北に約500km、エレキヴァレーから始まります。それより北は砂漠地帯になるのでぶどうの生産には適していません。エレキヴァレーや、少し南にあるリマリヴァレーでは、マスカット種のぶどうの栽培が多く、輸出用のブドウや、ピスコという白ワインを蒸留したブランデーのようなお酒の生産が盛んです。ピスコはアルコール度が35~40度と強く、チリではコーラで割って飲んだり、ピスコサワーというカクテルにされて飲まれています。ピスコは日本ではあまり売っていないので、お酒が好きな人へのお土産にいかがでしょうか。
ぶどうの生産は首都サンティアゴから南に約500kmまで続きます。それより南だと今度は雨が多くなり、安定したぶどうの栽培が難しくなります。ぶどうの生産の条件は、適度に乾燥し、一日の寒暖の差が大きい気候、そして長い日照時間。これを備えているのがサンティアゴを挟んで南北に500kmくらいの地域ということですね。
ワイナリーツアーに行ってみよう
サンティアゴから1~2時間南に行った地域では見学ツアーを企画しているワイナリーがたくさんあります。実際に南米チリの強い日差しの元、ぶどうが育っている様子を見れば、日本へ帰ってからもチリワインがさらに美味しく感じられるかもしれません。
見学ツアーはブドウ農園、蔵の見学、試飲が一般的で、英語かスペイン語のガイドが付きます。日本語で予約をしたい場合は、アンデスニッポンツーリストに相談してみることをおすすめします。もちろん、ワインナリーツアーもありますし、希望に応じて日本語通訳を頼むこともできます。
日本で買えるプレミアムチリワイン
本場チリで美味しいワインを飲んでみたいけれど、チリまで行くのは遠すぎる...。直行便はなく、片道約30時間かかりますから、確かに日本から気軽に行ける国ではありません。でも日本で一般的に売っているチリワインは、安くて美味しいけれどスペシャル感に欠ける...。ワイン好きの中にはそう思っている方も少なくないのでは?
チリの本当に良いワインを日本に届けたいという思いでワインを輸入している会社が宮城県にあります。チリに8年住み、チリワインに惚れ込んだオーナーが始めたブエンモストという会社です。チリには、まだ知られていないけれど、スタイリッシュで個性的な美味しいワインを作り上げている中小ワイナリーがたくさんあります。オーナーはチリ在住時からワイナリー見学を重ね、独自のルートでプレミアムワインを見つけ出して日本に紹介しています。チリの素晴らしいワインを飲んでみたい方は、HPをのぞいてみてください。
最後に
今、南半球のチリでは夏真っ盛り。フェリアでは今年獲れたぶどうが売られています。チリのぶどうは渋みがなくて本当に甘い!このぶどうが今年もおいしいワインになるのかなーと楽しみです。ワインはチリの大切な産業の一つ、ぜひチリワインを飲んでチリを応援してください。
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IZUKAWAUSO
- 日本青年海外協力隊員。チリ南部の田舎暮らしも8年半になります。趣味は旅行(特に屋台めぐりと温泉)と料理。地元の週末フリーマーケットでおにぎりと味噌汁売ってます。