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【カンボジア】迫力満点のショーやパフォーマンスを楽しもう!
カンボジアといえば、なんといってもアンコールワットに代表される遺跡群が有名です。
一方で、「遺跡以外には何を観たらよいの?」と戸惑う声も聞こえてきます。
心配はいりません!遺跡のほかにも、見どころはしっかりありますよ。特に、遺跡観光前後の夜に楽しめるショーやパフォーマンスは充実しています。
カンボジアを訪れたら一度は観ておきたい伝統舞踊から前衛的なコンテンポラリーダンスまで、観光客の方々がよく訪れるプノンペン、シェムリアップで体験できるものを一挙にご紹介します。
躍動感溢れるカンボジアの姿を感じてみてください。
目次
- 優美な宮廷文化と素朴な民衆文化が織りなす「伝統舞踊」
- シルエットの美しさを心ゆくまで堪能したい「影絵芝居」
- カンボジアの夜をアクロバティックに彩る「サーカス」
- アンコール王朝が現世に蘇る「パフォーマンスショー」
- カンボジアの若いセンスが光る「コンテンポラリーダンス」
- おわりに
優美な宮廷文化と素朴な民衆文化が織りなす「伝統舞踊」
アンコール遺跡群を訪れたなら、併せて鑑賞しておきたいのが伝統舞踊。アンコール王朝時代に宮廷内で発達したとされる古典舞踊と、農民や漁民の暮らしの中から生まれた民俗舞踊の両方を楽しめるショーは必見です。
Cambodia Living Arts 【プノンペン】
Cambodia Living Arts(以下、CLA)は、プノンペンで伝統舞踊ショーを公演する団体。レストランで食事をしながらダンスを鑑賞するショーが多い中、専用会場で行われるCLAのショーはパフォーマンスに集中したい方におすすめ。
古典舞踊では、優美でたおやかな天女アプサラの舞が有名ですが、神々と魔物の対決をモチーフとした演目などもよくみられます。
しなやかな手指の反りとゆったりとした動きが特徴的なクメール古典舞踊。手足の動きや顔の表情などを組み合わせると4,000以上もあるといわれる「型」に従い、バラエティ豊かな感情を表現していきます。
民俗楽器で奏でられる伝統音楽と、きらびやかな衣装も見もの。
一方の民俗舞踊では、収穫を祝うダンスや、農作業の合間に芽生える男女のロマンスなど、カンボジア民衆の素朴な暮らしの一コマが表現されます。
アンコール遺跡の周りで踊り子たちが舞っていた様子を思い浮かべながら楽しんでみましょう。
URL:https://experience.cambodianlivingarts.org/
その他の伝統舞踊ショー
※いずれもディナーを楽しみながら鑑賞できるタイプのショーとなっています。
- Kulen Restaurant 【シェムリアップ】
https://www.koulenrestaurant.com/shows.php - Crystal Angkor Restaurant 【シェムリアップ】
http://www.crystalangkor.com/ - Amazon Angkor Restaurant-Theatre 【シェムリアップ】
https://www.amazon-angkor.com/ - Por Cuisine Restaurant 【シェムリアップ】
https://www.porcuisine.com/
シルエットの美しさを心ゆくまで堪能したい「影絵芝居」
カンボジアの一大伝統芸能である「スバエク」は、牛皮に透かし彫りを施した人形を使った影絵芝居。
ライトの当たったスクリーンの裏手で役者が人形を操り、セリフを話します。村の寺院の敷地内などに設置したシアターで、一般大衆が楽しめる芸能として発展してきました。
Kok Thlok 【プノンペン】
Kok Thlokは、内戦中に失われたカンボジアの伝統芸能を復興しようと、カンボジアの地方の村々で巡業公演をしている団体です。プノンペンでは、観光客も体験できるショーを定期的に開催しています。
スバエク・トーイ(小型芝居)、スバエク・トム(大型芝居)、スバエク・ポアール(着色人形芝居)といった複数の種類がありますが、メジャーなものはスバエク・トーイとスバエク・トム。
スバエク・トーイでは、人間や動物を象った関節が動くタイプの人形を使います。2m×1.5mほどの小さなスクリーンには人形操者の姿は見えないため、観ていると人形の世界に入り込んでしまったような感覚を覚えるでしょう。
語られるのは、庶民の素朴な暮らしの中で繰り広げられる小さな冒険や戦いなど。身近な物語が共感をそそります。
スバエク・トムでは、12m×4mほどの大きなスクリーン上に大きな浮き彫り人形を映して使います。
役者も人形を掲げて舞台上に現れ、ダイナミックに動くのが特徴的。
演目には、インドの叙事詩「ラーマーヤナ物語」のカンボジア版「リアムケー物語」など、スケールの大きい題材が扱われることが多くなっています。
スバエクで演じられる物語は口承で代々伝えられてきたといわれており、地域や公演者によって少しずつ異なるもの。役者のアドリブが混ざることで、笑いが巻き起こる瞬間があるのも楽しいものです。
HP:http://www.kokthlok-cambodia.com/
その他の影絵芝居ショー
- Sovanna Phum Art Association 【プノンペン】
https://www.facebook.com/sovannaphumshadowpuppettheatre/
カンボジアの夜をアクロバティックに彩る「サーカス」
カンボジアでサーカス鑑賞というと少し意外な感じがするかもしれませんが、シェムリアップには名物サーカス団があります。
Phare, the Cambodian Circus 【シェムリアップ】
2013年から公演を開始したPhare, the Cambodian Circusは、シェムリアップから西方に160kmほど離れたところにあるバッタンバン州のアートスクールPhare Ponleu Selpak(PPSA)専属のサーカス団。
PPSAのパフォーミングアートクラスで10年にわたって訓練を積んだパフォーマーたちが繰り広げる、本格的な舞台です。
倒立、バク転、バク宙などの曲芸を織り交ぜたアクロバティックな演技はもちろん、現代社会が抱える問題をテーマとして取り上げたストーリー展開も見ものです。
ハラハラするような技も難なくクリアするパフォーマーたち。衣装や身近な小道具を使った演出は華美ではないものの、自在に舞台を操り、ショーを盛り上げます。
写真は、「白金(原題:White Gold)」という米を題材にした演目からのワンシーン。カンボジアの暮らしに欠かせない主食としての米が、ある時には私利私欲や嫉妬の対象になるといった、人間性の核心を突くようなテーマの下、巧みな技芸を交えたパフォーマンスが展開されました。
演目は定期的に更新されるため、事前にホームページでチェックしておきましょう。
アンコール王朝が現世に蘇る「パフォーマンスショー」
偉大なアンコールワット建立の歴史や、アンコール帝国の風習・信仰などに興味がある方におすすめしたいのがSmile of Angkor。
大きな舞台にレーザー照明、映像、音響を駆使し、アンコール王朝時代を再現した壮大なパフォーマンスショーです。
Smile of Angkor 【シェムリアップ】
絶大な力を持った王のもとで、何千人もの労働者が力を尽くし、アンコールワットが建造されるまでの様子。神々と交信しながら国を治め、自らの権力を神格化していった王の様子。自然の恵みに感謝しながら田を耕し、一大農業王国の建設に寄与した一般民衆たちの暮らし。
神々、王、人間が一堂に会して繰り広げるエンターテインメントです。
アンコール遺跡を訪れ、遺跡周辺の空気感を肌で感じた後で鑑賞すると、当時の様子をより生き生きとイメージすることができるでしょう。
HP:http://www.smileofangkor.info/
カンボジアの若いセンスが光る「コンテンポラリーダンス」
伝統芸能やアンコール王朝時代を舞台にしたショーはもう鑑賞済みという方は、カンボジアの若者の感性が詰まったコンテンポラリーダンスはいかがでしょう?
New Cambodian Artists 【シェムリアップ】
New Cambodian Artistsは、シェムリアップを拠点に活動する、女性のみで構成されるコンテンポラリーダンスカンパニーです。
現代のカンボジアを生きる女性の視点で創作された実験的なダンスは、伝統舞踊の型を取り入れつつも、まったく新しい世界を見せてくれるもの。
内戦のような重い歴史と向き合うものから、アーティストとして生きるダンサー自身のアイデンティティと深く向き合うものまで、バラエティに富んだ複数の演目が披露されます。
現代的なサウンドを背景に、シンプルな衣装に身を包み、体一つで表現の限界に挑戦していくダンサーたち。縦横無尽に舞う彼女たちの息遣いが聞こえるほどの小さな専用劇場で、間近で鑑賞できるのが魅力でもあります。
「私だったらどうするだろう?」
幕が閉じた後に鑑賞者の胸の内にも様々な問いが残る、テーマ性の強い作品の数々。名だたる遺跡に囲まれ、歴史に向き合う時間には事欠かないカンボジア旅行の合間に、あえて自分の生き方に向き合う機会を持ってみるのもよいのではないでしょうか。
HP:https://newcambodianartistsorg.wordpress.com/
その他のコンテンポラリーダンスショー
- Silver Bell 【プノンペン】
https://www.facebook.com/silverbellcambodia/
おわりに
神聖な空気を纏ってたたずむ遺跡群を巡っていると、自然と厳かな気分になるもの。
遺跡を前に静かなひとときを過ごした後は気分を一新し、エネルギッシュで迫力満点のショーやパフォーマンスに触れてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、カンボジアの静と動の両面をご堪能ください!
※2021年3月に更新しています。
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HARU
- カンボジア・プノンペン在住のフリーランスライター。カンボジアの観光、アート、カルチャー関連の記事を各種メディアに寄稿中。取材・インタビューを交えながら、現地在住者ならではの視点で旅行に役立つ情報を発信していきます!