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【東京】湯島天神で勝運アップを祈願!見どころや参拝方法について解説
湯島天神、と聞いて思いつくのは何でしょうか? 菅原道真公? 学問の神様? 合格祈願? そんなイメージが強い湯島天満宮ですが、実は学問以外にもさまざまなご利益があるのです。今日はそういった湯島天神の知られざる魅力に迫っていきます!
目次
- 3.1 男坂
- 3.2 女坂
- 3.3 ガス灯
- 3.4 文具至宝碑
- 3.5 新派の碑
- 3.6 「講談高座発祥の地」碑
- 3.7 筆塚
- 3.8 菅公一千年祭碑
- 3.9 菅家遺戒碑
- 3.10 奇縁氷人石(きえんひょうじんせき)
- 3.11 小唄顕彰碑(こうたけんしょうひ)
- 3.12 撫で牛
- 3.13 本殿
- 3.14 王貞治氏の「努力の碑」
- 3.15 宝物殿
- 3.16 包丁塚
- 3.17 表鳥居
1. 湯島天神の特徴・歴史・御祭神・ご利益
まずは湯島天神の特徴から見ていきましょう。
1.1 特徴
湯島天神と聞いてまず思いつくのは菅原道真公という方が大半だと思いますが、菅原道真公がどんな人かご存知でしょうか? 詳しくは知らないかも......という方もいるかと思いますのでここでおさらい。
菅原道真公は承和12年、西暦でいうと845年に生まれた平安時代の貴族であり、学者であり、詩人であり、政治家です。
出世を重ねて醍醐天皇の時代には右大臣まで上り詰めたものの、左大臣の藤原時平に虚偽の告訴をされて福岡の太宰府へ左遷。現地でその生涯を終えてしまいます。
その死後に天変地異が多発したことから祟りをなしたと言われていますが、現在は学問の神様として広く親しまれています。
ちなみに湯島天神と道真公との関係ですが、室町時代に地域の住民の声によって道真公が祀られることになったようです。また、道真公にちなんで梅と梅祭りが有名になりました。
そんなストーリーから湯島天神は合格祈願のイメージが先行してしまいますが、江戸時代にはこの一帯は江戸の盛り場として栄えました。あまり知られていませんが、幕府公認の富くじを境内で売っていた、宝くじ普及の地でもあるのです。
1.2 歴史
湯島天神自体はもともと、天之手力雄命(あめのたぢからおのみこと)を祀る神社として1500年以上前の古墳時代に創建されました。
この神様は力や勝負事を司る神様で、そのご利益で宝くじの発祥の地となったのかも知れませんね。
境内は、あの歌川広重の「江戸百景」などの画題にもなりました。江戸時代以降の湯島天神と周辺は繁華街で、毎月10日、25日の縁日には遠方からも含め多くの人でにぎわったそうです。
1.3 ご利益
先述の菅原道真のご利益である学業上達に加え、天之手力雄命のご利益である勝運、強運アップ(試験合格・仕事運・スポーツ・就職・選挙・宝くじ運)や縁結び、結婚運アップのご利益があると言われています。
学生さんの志望校合格や就職希望の会社の内定祈願はもちろん、社会人の方でもここぞ! というときに突破力が必要な時は参拝してみてはいかがでしょうか?
1.4 どれが正しい名前?
ちなみに湯島天神は湯島天満宮、湯島神社とさまざまな名前を持っていますが、一体どれが正しい名前なのでしょうか?
正式名称は「湯島天満宮」。古い名前が湯島神社で、現在の通称が「湯島天神」。公式ホームページも「湯島天神」という記載がありますので、現在では「湯島天満宮」もしくは「湯島天神」と呼称するのが正解です。
2. 湯島天神へのアクセス
湯島天神へのアクセスは電車が便利!なぜなら最寄駅が5駅もあり、どこからでも徒歩圏内なんです。
もちろん車での来訪もOK。無料駐車場はないので、近くのコインパーキングをご利用ください。(駐車場の詳細は本記事の最後にある基本情報を参照)。
3. 湯島天神の見どころと参拝作法
さて、早速湯島天神を巡っていきます。今回筆者が巡った通りにご紹介しますが、ほかにもさまざまな巡り方があると思うので、自分なりの巡り方を見つけてくださいね。
3.1 男坂
まず筆者は男坂の方から湯島天神に訪問することにしました。石段が三十八段あり、女坂に比べると急です。
3.2 女坂
男坂を登るのが辛い! という方はすぐ脇にある少し緩やかな女坂から登るのがおすすめです。梅まつりの時期には男坂・女坂両方に白梅が咲きます。
3.3 ガス灯
男坂を登りきったすぐ左手(女坂の場合は真正面)に見えるのがこのガス灯。漢字では「瓦斯灯」と書きます。文明開化のシンボルで明治時代を象徴するものでした。現在は東京ガス株式会社の協力を得て点灯しています。
3.4 文具至宝碑
その隣にあるのが文具至宝碑です。
中国から渡来した紙・筆・墨・硯は、文房四宝として寺子屋の時代から文化を育てる文具として大きく貢献してきました。その文房四宝を称えるため、 11月3日の文化の日を文具の日と定め、平成時代を迎える際に学問の神様である湯島天神にこの碑を建立しました。
3.5 新派の碑
さらにその隣にあるのが新派(しんぱ)の碑。
新派というのは、明治二十一年に始まった日本の演劇の一派の呼称であり、歌舞伎とは違う現代劇として発展しました。歌舞伎を「旧派」と呼ぶのに対し、この現代劇は「新派劇」と呼ばれるようになりました。
この記念碑はもともと新派劇創立九十年を迎えた昭和52年11月1日に松竹株式会社と水谷八重子氏により新橋演舞場玄関脇に建てられたものですが、舞場の改築にあたって劇団新派(明治の劇団)と縁の深いこの湯島天神に移動されたのです。
3.6 「講談高座発祥の地」碑
さらにその隣にあるのが、「講談高座発祥の地」碑。講談の「高座」発祥の地とされる境内に、講談師で人間国宝の一龍齋貞水氏が記念碑を建てられたそうです。
それでは手水舎でしっかり身を清め、中に入っていきましょう。
3.7 筆塚
そのまま本殿を背に右側へ向かうと広がるのが梅園です。梅の時期になると白・赤・ピンクの梅が咲き乱れるのだとか。この梅園で最も目を引くのが、上記写真右の筆塚でしょう。ちなみに筆塚とは使い古した筆の供養のために、筆を地に埋めて築く塚のこと。この筆塚は「婦系図」の作者である泉 鏡花のもので昭和17年に建てられました。
3.8 菅公一千年祭碑
筆塚の向かいにあるのがこの菅公一千年祭碑。この記念碑は明治35年の菅原道真一千年記念大祭のときに建てられたものです。当時の文字で書かれているため、なんと書いてあるかは読めませんが......。
3.9 菅家遺戒碑
菅家遺戒碑は菅原道真が公家の家訓をまとめて書いたものだと言い伝えられていますが、現在では偽物であるという説も浮上しているようです。
3.10 奇縁氷人石(きえんひょうじんせき)
写真左が奇縁氷人石です。むかし迷子を探す際に名を書いた紙を石の右側に貼って探し、迷子を見つけた際は、その子の特徴を書いた紙を反対側に貼って知らせた「迷子しらせ石標」のことです。迷子だけでなく男女の仲も取り持ったと言われています。ちなみに、写真の右にある三角の形をした背の高い石碑が前項で紹介した菅家遺戒碑です。
3.11 小唄顕彰碑(こうたけんしょうひ)
小唄の功労者を顕彰した記念碑です。小唄とは三味線音楽の一種で三味線のつま弾きを伴奏とする短い歌曲のことです。
3.12 撫で牛
菅原道真(天神様)と牛は深い縁があったとされています。例えば遺言には「自分の遺骸を牛にのせて人にひかせずに、その牛の行くところにとどめよ」とあり、その牛は、黙々と東に歩いて安楽寺四堂のほとりで動かなくなり、そこを御墓所と定めた、と書かれています。
ちなみに境内ででは上記の2種類の撫で牛がおり、参拝客は自分の体の悪い部分を撫でていくため、撫で牛と呼ばれています。
ちなみに撫で牛の目の前、狛犬の隣には湯島天神の揚げ饅頭を買うことができます。
一個150円(2019年10月18日現在)でできたてのお饅頭を食べられます。参拝のついでにぜひ食べて帰ってくださいね。
3.13 本殿
続いて本殿。この本殿は権現造の建築様式で純木造です。ちなみにご存知の通り、現在の建築基準法では、防火地域では新たに木造物を建築することは認められていないのですが、万全の防災設備をととのえ、(財)防災性能評定委員会の一年にも及んだ審議の結果、建設大臣認定第一号として特に木造建築が許可されました。
3.14 王貞治氏の「努力の碑」
本殿のすぐ右隣に位置するこの記念碑はプロ野球選手の王貞治選手が、昭和52年9月3日に後楽園球場において通算本塁打七五六号を達成し、前人未踏の世界記録を樹立し、政府が初の「国民栄誉章」を贈った記念に建てられたものです。
この参集殿は、結婚式や宴会を行うことができる施設。隣の社務所にてお守りのお求めや御朱印を授与できます。
3.15 宝物殿
この宝物殿内では写真を撮ることはできませんが、道真公の生涯を表す作品が多く展示されており、一見の価値ありです。特に宝くじの元となった「富突(とみつき)」の現物を見られることは珍しく、ぜひ境内を出る前に周ってみることをおすすめします。
3.16 包丁塚
表鳥居のすぐ近くにあるこの塚は、包丁によって調理された鳥獣魚介類を慰霊する為に建立されました。
3.17 表鳥居
都内で最も古い鋳造の鳥居で、都指定文化財に指定されました。
足元に小さなかわいい狛犬がいます。こんなに小さな狛犬も神社の魔除けのために日々神社を守っています。ちなみによく神社の鳥居などに飾られている注連縄(しめなわ)は、御神前や境内地、御神木、岩など、神聖で清浄な場所を示す為に張るものです。
特に、祭事神事においては神聖な場所を区別するために使用します。
ちなみに迷ってしまったら本殿の目の前にあるこちらの電子ガイドを使うとよいでしょう。境内の案内だけでなく、周辺情報も調べることができますよ。
4. 湯島天神のお神札とお守り
次にお神札とお守りを紹介します。
4.1 お神札
昔は、危険や災難からから身を守るため、石、骨、鏡、剣といった呪物を携帯することにより神様の力で心身が守られていると信じられていました。これが「お神札」や「お守り」の起源です。
「お神札」は、さまざまな災厄から身を守ってくれるもので、神棚にお祀りしたり、門口や柱に貼ったりします。
4.2 お守り
「お守り」は、お神札を小型化したもので、神社名が記された木片や紙片をお守り袋に入れて、常に身につけられるように作られています。
湯島天神ではさまざまな御守を取り扱っていますが、中でも特筆すべきはこの入試突破ハチマキ。このハチマキを頭につけて勉強をがんばれば、天神様が見守ってくれることでしょう。
5. 湯島天神の絵馬
湯島天神には多くの絵馬が常に吊るされています。合格祈願だけでなく、みなさんさまざまなお願いをしているようです。
6. 湯島天神のおみくじ
境内に面白いおみくじを発見しました!この獅子舞おみくじでは、お金を入れると獅子舞がくじを運んできてくれます。獅子舞の動きが機敏で見ていて面白いです。ぜひ一風変わったこのおみくじを試してみてください。1回200円です。
7. 湯島天神の御朱印・御朱印帳
湯島天神にはかわいいキティちゃんバージョンと、湯島天神の梅をあしらったオリジナルバージョンの2つの御朱印手帳があります。また御朱印は2種類から選べ、ゴム印の物(300円・税込)と手書きの物(500円・税込)から選ぶことができます。
8. 湯島天神の年中行事
<画像:湯島天満宮提供>
湯島天神年中行事の中でも人気の行事の一つが毎年2月〜3月に開催される「梅まつり」。300本の梅が境内に咲き乱れ、参拝客を楽しませます。昭和33年から開催されたこのお祭りも今年でなんと62回目。期間中は約40万人が訪れるとのこと。
<画像:湯島天満宮提供>
もう一つは偶数年の5月25日に行われる「湯島天神例大祭」。奇数年は「陰祭り」と呼ばれており、どちらも梅祭りと同様、湯島天神を盛り上げる一大イベントとなっています。
湯島天神の魅力にはこの他にもさまざまな魅力があるので、ぜひ実際に足を運んでみてくださいね。最後に基本情報をまとめますので、ぜひ参考にしてください。
湯島天神の基本情報
- 住所:東京都文京区湯島3-30-1
- 営業時間
◎祈祷受付時間:9:15~16:30
◎社務所受付時間:8:30〜17:30 - 料金:入場無料
- 駐車場:なし
【近辺のコインパーキング】
◎タイムズ湯島天神第一
◎タイムズ湯島天神第二
※どちらも8:00~24:00は20分200円、24:00~8:00は60分100円
※年末年始は特別料金あり
- 定休日:なし
- アクセス
<電車の場合>
【東京メトロ】
◎千代田線「湯島駅」より徒歩2分 (3番出口)
◎銀座線「上野広小路駅」より徒歩5分(A4出口)
◎丸の内線「本郷三丁目駅」より徒歩10分(出口5)
【JR】
◎山手線・京浜東北線「御徒町駅」より徒歩8分(北口)
【都営地下鉄】
◎大江戸線「上野御徒町駅」より徒歩5分(A4出口)
<車の場合>
◎首都高速環状線神田橋から約5分
◎首都高速上野線上野から約4分 - HP:http://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm
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