【世田谷】駅から徒歩3分!等々力渓谷を散策して自然の力に癒される

街角を曲がったら、いきなり異空間。そんな経験ができるのが世田谷区にある等々力渓谷(とどろきけいこく)です。初めて訪れた人は、住宅地の真ん中にこれほど豊かな自然が残されていることに驚きます。「等々力」という地名は一説によると、この渓谷を流れる水や滝の音が周囲に「轟き渡っていた」ことに由来するとか。都内23区内唯一の渓谷、等々力渓谷を歩いてみました。

目次

等々力渓谷ってどんなところ?

等々力渓谷は、武蔵野台地の南端を谷沢川(やざわがわ)が浸食してできた、延長約1kmの渓谷です。渓谷内には30箇所以上の湧水地があり、この多量の湧水が深い谷を作ったと言われています。

谷の両崖には、シラカシやクヌギなどの大木が高々と枝を伸ばし、湧水が窪地にたまってできた湿地帯には湿生植物が点在しています。等々力駅近くの「ゴルフ橋」から下流の「矢川橋」辺りまでの川沿いは、遊歩道が整備されて世田谷区立等々力渓谷公園になっています。また、等々力不動尊敷地を含む渓谷一帯3.5ヘクタールの地域は、平成11年(1999年)に文化財指定を受けた「東京都指定名勝」です。

東急大井町線『等々力駅』から歩いて3分!

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等々力渓谷を存分に楽しむなら、駅から歩いてみるのがおすすめです。最寄り駅となる東急大井町線『等々力駅』は、世田谷の私鉄沿線らしい風情のある小さな駅。

駅前スーパーの敷地に立つ保護樹を目当てに豆腐店のある角を曲がると、すぐ先にゴルフ橋があります。橋のたもとには渓谷へ下りる階段が設けられていて、10mほどの高さを下ると、そこはいきなり緑深い谷。都内の住宅街に残された大自然、等々力渓谷です。

等々力渓谷の歩き方

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ゴルフ橋の入口を下りたら、谷沢川沿いの遊歩道を歩きます。

等々力渓谷は、武蔵野の自然がそのまま残る雑木林に覆われており、うっそうとした緑の回廊になっています。ゴルフ橋付近では少し淀んでいた水も、下流へ行くほど澄んできます。これは渓谷の至る所にある湧水が川へ流れ込んでいるため。

木漏れ日の中、川のせせらぎを聞きながら歩く道は、緑陰のおかげでひんやりと心地良い散歩道になっています。渓谷の周囲には5世紀初頭に築かれたという野毛大塚古墳や、古墳時代から奈良時代にかけて構築された横穴墓群が点在しているので、歴史好きなら案内板を頼りに探索してみるのも良いでしょう。

等々力渓谷公園のほぼ真ん中、深い谷をまたいで玉沢橋が架かっています。この橋の上は環状8号線。首都圏を走る環状道路の真下に昔ながらの緑と川がある不思議さが、等々力渓谷の魅力です。

ゴルフ橋

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ゴルフ橋という橋名は、昭和の初め頃この地に総面積8ヘクタールの広大なゴルフ場「等々力ゴルフコース」があったことに由来します。

当時のゴルフ橋は木造橋でしたが、昭和36年(1961年)に現在のアーチ鋼橋に架け替えられました。緑の渓谷に赤い橋梁が良く映えるゴルフ橋は、等々力渓谷の中でも人気の撮影スポット。ゴルフ橋付近には、武蔵野台地の地層がむき出しになった崖があり、粘土層やローム層が堆積する地層の断面を見ることができます。

利剣の橋

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谷沢川を等々力不動尊側へ渡る所にかかるのが、「利剣の橋」。橋を渡った向こうには、不動の滝があります。

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利剣の橋のたもとには、茶屋「雪月花」が店を構えています。茶屋では抹茶と干菓子を始め、飲み物やソフトクリームなどがいただけます。

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中でも「雪月花」のくずもちは、土日限定の人気スイーツ。木漏れ日が差し込む縁台に座り、お茶を飲みながらひと休みするのも良い気持ちです。

不動の滝

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かつてはその水音が周囲に轟いたと言われる「不動の滝」。滝修行も行われる霊場ですが、今はかなり水量が減って小さな流れになっています。それでも滝の周辺では、崖の至る所から水が湧き出ています。

崖に生えたシダを伝って水滴が流れ落ちる様子を見ていると、ストレスも洗い流されていくようです。不動の滝から階段を上ると等々力不動尊の本堂へ至ります。

日本庭園

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利剣の橋から少し下流へ行くと、斜面を利用して階段園路をめぐらせた日本庭園が。庭園の中に建つ書院は、休憩所として開放されています。書院の中には等々力渓谷の説明パネルが展示されており、無料サービスのお茶も用意されています。軒下には縁台も用意されているので、座って庭を眺めながらくつろぐことができます。

等々力不動尊

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等々力のお不動様と親しまれる等々力不動尊は正式名を瀧轟山明王院(りょうごうざんみょうおういん)と称し、その名を聞くだけでもこの寺が滝音の轟く場所だったことがうかがえます。

境内には、本堂の他に大師堂や舞台、展望台、週末に営業するカフェも。緑豊かな等々力不動は、花の寺としても知られています。境内には150本の桜が植えられており、春には花祭り、秋には紅葉を楽しみに多くの人が訪れます。

展望台

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等々力不動尊の本堂横には、展望台が設けられています。広々とした展望台は、崖にせり出す形で設けられているので眺めは抜群。展望台の上からは、緑豊かな等々力の森と木々の間に弁天池のある庭を見下ろすことができます。等々力の森は自然のままの雑木林。秋になればこの展望台から、見事な紅葉を楽しむことができます。

等々力渓谷に車で訪れるなら逆ルートで回るのもおすすめ

今回ご紹介したのは上流のゴルフ橋から下流へ向かうルートですが、車で等々力渓谷を訪れるなら、下流からさかのぼる逆ルートも便利です。等々力不動尊は目黒通りに面しており、正門横に駐車場があるので車を置くことができます。境内に入ったら本堂脇の階段から不動の滝へ下りる他、地蔵堂を回って下流の矢川橋から歩き始めるコースもあります。駐車場は16時半に施錠されるので、時間には注意してください。

世田谷の住宅街に奇跡のように残された大自然、等々力渓谷。時と共に街はその姿を変えてしまっても、谷底へ下りれば昔からの流れと木々が出迎えてくれます。自然のパワーに癒されてリフレッシュできる散歩道、等々力渓谷をぜひ一度訪れてみてください。

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