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毎年のヘイズに悩ませられるマレーシア
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毎年起こるヘイズ
モンスーンの時期になると、大体インドネシアのカリマンタン島やマレー半島などでの森林焼きが原因で、ヘイズが起こる。
今年も小規模では数万箇所と言われるほどの野焼きが確認されて、特に降雨量も少なかったためにものすごい酷さだった。毎年ヘイズは発生しているものの、こうした最悪の状態になったのは、1997年から数回ほどだ。AQI数値の見方は50〜100はやや不良、100以上で不健康レベル、100〜200で非常に不健康、300以上は危険レベル。500になると、非常事態となる。
今年は8月ごろから徐々にヘイズが確認されるようになって2ヶ月近く続く。マレーシアとシンガポールで世界最悪の空気状態となったほどだ。なので特に今年は空気清浄機がものすごい売り上げを見せたのではないであろうか!
学校もAQI180からAQI200を超える日が続いたので閉鎖となり、ペナン空港ではフライトにも影響が出た。主にインターネットや新聞、テレビで、屋外活動はさける、屋内では扇風機やエアコンを常時つけるように呼びかけていた。
子ども、妊婦、高齢者、心臓や肺疾患、ぜんそくや皮膚病の人はリスクが高まるために、更なる注意が必要だ。外出する時は出来るだけ避けて外から帰ったら、シャワー浴びること、1日に最低コップ8杯の水を飲む事も呼びかけられていた。毎日ガスで覆われていて、私自身もなんとなく呼吸が重苦しい気分。なにより外出して間近に見えるはずのビルも見えないと閉塞感も相まって気分が落ち込んでしまうほどだ。
今年のヘイズ社会現象として、今まででは一般知識化されていなかったPM2.5(微小粒子状物質)についても情報網で話題となった。これまでは、AQI数値だけが騒がれていたので、また新しい数値だ。一般市民には、マスクはなんでも良いわけではない、N95の企画をクリアした微粒子用マスクを着用するという常識が新たに広まった。
何が問題か?
ヘイズは、環境問題を軽視している企業によって引き起こされていると問題視されている。
自然資源省によると、インドネシアのカリマンタン島のほかにも、衛星によるマッピングでマレー半島でもパハン州、トレンガヌ州、ペナン州にて大規模な森林焼きがよく確認されて、森林局は定期的なパトロールをしたようだ。そしてマレーシア企業が海外で行なっている東南アジアに公害をもたらすほどの野焼きは取り締まると国会でも確定したほど。一戸建で庭があるうちはごみを庭で焼くうちもあるので、こんな時期には、ゴミや枯葉焼きは避けるように呼びかけられている。見つかったら罰金などは特になし。
今年は、大気汚染指数がシンガポールの発表とマレーシアの発表では異なり、マレーシアの数値の方が少ないために、マレーシアは意図的に低くしているのではないか、とも騒がれた。これに対しての政府の言い分は「マレーシアは、24時間のある平均値を出しているから」と述べている。それでもインターナショナルスクールでは、生徒の健康に関わるために、独自に高価な検査機を購入して自前で汚染状況を観測している学校も増えたのも今年の特徴。政府の発表する数値の倍以上の数値が出るときもあるので、政府を信用していないのだ。
また、独自でアプリケーションを入れている人も多い。人気のアプリケーションは、Airvisualで、これは公的な観測値のみではなく、モニター登録をしていることが個人や企業からの数値も繁栄されているので、信頼が寄せられているらしい。アプリからマスクや空気清浄機購入にもリンクされている。
もう10月、空気はかなり改善されて綺麗になった。旅行者の方には、大体毎年9月の初旬というのは避けたほうが無難かもしれない気もする。