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【島根県】足立美術館を徹底取材!横山大観の作品や日本庭園は必見
島根県安来市(やすぎし)の中心部から8kmほど離れた山あいに、「鷺(さぎ)の湯温泉」という小さな温泉街があります。1970年、足立美術館はこの温泉地に開館しました。
美しい日本庭園と日本画などの素晴らしい美術品が評判を呼び、今や日本のみならず、世界中から観光客が訪れています。
目次
3. 日本庭園ランキング16年連続日本一!フォトジェニックな6つの庭園
4. ランチはここで!日本一の庭園を望める2つのカフェと茶室
- 5.1 「秋の横山大観コレクション選」展示作品から
- 5.2 横山大観だけじゃない!近代の日本画を楽しもう
- 5.3 器に、書に。北大路魯山人の世界を楽しむ
- 5.4 ぜひともおすすめしたい!音声ガイドの声はあのお方
8. 日本庭園と絵画をおみやげに?足立美術館・ミュージアムショップ
1. 足立美術館とは?
足立美術館を作り上げた実業家・足立全康は、この美術館の敷地がある場所(現在の島根県安来市古川)に生まれ、炭の行商や卸商などで身を立てます。47歳で大阪に商機を見出し、繊維問屋や不動産などの事業で成功を収めました。
日本画の蒐集(収集)家としても知られていた足立全康は、多くの人々が絵画を鑑賞できるようにと美術館の開館を決意し、71歳で実家の敷地一帯に足立美術館を建設したのです。
子どものころから美しい庭に憧れていた足立全康は、高名な造園家へ依頼し、美術館に付随する広大な日本庭園を造園しました。理想の庭園に近づけるため、足立全康は広大な敷地を駆け回り、気がついた部分を日々手直ししていきました。
足立全康が91歳でこの世を去った後も、おどろくべき丹念さで維持されているこの庭園。アメリカで発行されている日本庭園の専門誌、「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で16年連続1位を獲得しています(2019年現在)。
5万坪(東京ドーム3個分強)にも及ぶ広大な敷地に広がる日本庭園は、名実ともに「日本一の庭園」とも言えるでしょう。今回は足立全康のエピソードや美術品、庭園について一つずつご紹介します。
2. 足立美術館へのアクセス
足立美術館の最寄り駅はJR山陰本線・安来駅、最寄り空港は米子鬼太郎空港です。
足立美術館へ向かう無料シャトルバスは、JR山陰本線・安来駅から1時間に2本程度出ています。
シャトルバスは安来駅2番バス乗り場から。上記写真の丸印あたりに停車します。路線バスもありますが、こちらは有料です(1日13便・片道大人200円・小学生100円)。
安来駅には特急「やくも」も停車します。岡山で新幹線から「やくも」に乗り継げば、東京からでも昼過ぎには安来に到着できますね(岡山~安来間は2時間強)。
鳥取、島根の良いところは空港がいくつも利用できること。行きと帰りで違う空港を使えば、わざわざ出発地点に戻らなくてもよく、いろいろな観光スポットを組み合わせて回ることができます。
例えばこんなプランはいかがでしょう。
足立美術館の最寄り空港は「米子鬼太郎空港」ですが、西隣にある「出雲縁結び空港」に到着して出雲大社を参拝。足立美術館を存分に楽しんで「米子鬼太郎空港」から帰るという「西から入って東へ抜ける」プラン。東隣には「鳥取砂丘コナン空港」もあるので、鳥取砂丘と組み合わせて回ることもできますね。
それにしても山陰地方の空港は、名前のクセが強い!
温泉と美術館を組み合わせて回りたい方向けに、2017年からは皆生(かいけ)温泉と足立美術館を結ぶ路線バスの運転が始まりました。
※運休する時期もありますのでご注意ください
車でのアクセスは安来IC出口より10キロ弱。約10分で到着します。乗用車400台、大型バス40台用の大駐車場が利用できます。
帰り(安来駅行き)の無料シャトルバス整理券が、チケットカウンター付近で配布されています。最終バス(足立美術館17時15分発)はかなり混み合いますし、バスの定員は28名。早めにとっておくことをおすすめします。
チケットのQRコードをかざして、いざ入館!
3. 日本庭園ランキング16年連続日本一!フォトジェニックな6つの庭園
足立美術館の館内には、美しい庭園が6つもあります。美術品のみならず、四季折々の表情を見せてくれる庭園も必見です。
3.1 歓迎の庭
<写真提供:足立美術館>
第一の庭は、正面玄関にあります。
<写真提供:足立美術館>
「歓迎の庭」のイロハモミジは、紅葉の季節にもなると見事な色づきを見せるそうです。
3.2 苔庭
入口を入ってしばらく歩を進めると現れる「苔庭」は杉苔と白砂を使ったシンプルな作り。谷を流れる水が白砂によって表現され、点々と配置された飛び石や石橋などで立体感があります。
実はこの部分、次の「枯山水庭」の側庭*(そくてい)という位置づけですが、大阪万博の日本庭園などを手掛けた庭師、小島佐一によって作られたというだけあり、見応え十分です。
*「側庭」 - 『前庭から勝手回りの庭や主庭へと、庭の各部分を結んでお互いの連絡をつける庭である。幅のない狭いスペースだけに左右の壁や垣根が重要な要素となる。』
-日本大百科全書
それにしても、手入れされた苔の見事なこと!
下には保水性を高めるために、炭が埋め込まれているそうです。水滴などで穴があいたり、鳥が掘りかえしたりして苔が傷んだ際には、すぐに張り替えできるようにスペアの苔も準備されているのだとか。
足立美術館の専属庭師の方は7人。観覧者から見える場所では極力作業をされないそうで、日によっては、朝5時から出勤する時もあるのだとか。
雨の日に行かれた方は、橋などに使われる石を見てみてください。岡山県新見市・小坂部(おさかべ)川の川石は、濡れると黒くつやつやと輝きます。背景の木々に「もや」がかかった独特の雰囲気も、雨の日だからこそ楽しめる風景です。
足立全康の銅像が指さす方向には、さらに雄大な日本庭園が。
銅像の隣には「庭園日本一」の表記があり、「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」連続日本一を示す数字が年々更新されています。
3.3 枯山水庭
水をイメージさせる白砂は一気に広がり、背後の山もあって一気に視界が広がります。
山から流れる滝の水が険しい渓谷を経て、白砂の海へそそぐ様子がイメージされています。水を使わず、これだけの世界を作り上げられるということにおどろきます。
後ろに控える勝山は、この地域を治めた毛利軍が本陣をおいた場所。向かい側には、尼子軍の本陣がある「月山」もあります。壮絶な歴史を重ねてきた山々は、見た目にも歴史にも、この庭園の借景になっているというわけです。
<枯山水庭(秋)><写真提供:足立美術館>
足立美術館の庭園は、季節ごとに景色が変わるのも特徴。訪れた季節は5月でしたが、モミジやカエデが色づく秋もいいですね。紅葉の鮮やかさもまた、庭師の技術・努力の賜物です。
<枯山水庭(冬)><写真提供:足立美術館>
足立全康の教えに従い、足立美術館は365日年中無休。常に落ち葉ひとつないように、毎日開館1時間前から庭園の掃除をされるそうです。大雨の日も例外ではありません。
「庭園日本一」の称号は、徹底した管理の上に成り立っているようです。
3.4 生の額絵
枯山水庭前のロビーから右に曲がると、ちょっとした仕掛けがあります。窓枠を額縁に見立て、池庭の風景がそのまま絵画のように映し出されているのです。
「生の額絵」から四季を見てみましょう。どっしりと伸びたクスノキの背後に見えるなだらかな芝生や、緑に生える荒々しい石。まるで一枚の絵のようです。
<夏の池庭の風景><写真提供:足立美術館>
<秋の池庭の風景><写真提供:足立美術館>
<冬の池庭の風景><写真提供:足立美術館>
緑の芝生が雪に覆われると、こんなにも印象が違うんですね。
3.5 亀鶴の滝
枯山水庭を通り過ぎ、庭園の奥へ進む手前に「亀鶴の滝」の写真撮影スポットがあります。ここだけは屋外にあり、はるか彼方から「ゴゴゴ......」という滝の音が聞こえてきます。
足立全康の「ここに水の動きがあれば」というひらめきを基に、1978年に開曝(かいばく)しました。
まっすぐで荒々しい滝は、足立美術館が所蔵する横山大観作『那智乃瀧』をモチーフにしています。雨が降ると山に霧がかかり、横山大観の絵のような風景になるのですが......。この日は直前で霧が晴れてしまいました。残念!
<横山大観『那智乃瀧』(1915年)><画像提供:足立美術館>
こちらが本物の『那智乃瀧』。本館で見ることができます。
※年4回展示替えを行うため、展示されていない期間もあります
3.6 白砂青松庭
この「白砂青松庭」も横山大観作『白沙青松』をイメージした庭で、屋外から見ることができます。白い砂丘の右側には黒松、左側には赤松が配置され、独特のコントラストを生み出しています。地元の川砂できれいに洗った白砂を、年に1回補充することで白さを保っているのだとか。
足立美術館の園内には、約800本の赤松が植えられています。太くなりすぎて庭園のバランスが崩れてしまった際にすぐ交換できるよう、別の場所にスペアの松が400本以上も用意されているという徹底ぶりです。
庭の左側には小さな渓流からできた池があり、松を美しく映し出しています。
<横山大観『白沙青松』(1937年)><画像提供:足立美術館>
こちらが横山大観作の『白沙青松』。展示されていたら、作品と庭園を見比べてみましょう。
3.7 池庭
濃い緑の木々と池が調和した「池庭」。木の影が映る池に、鮮やかな鯉が泳いでいます。中央部に生えるひときわ大きい松は、松江市内の中学校が移転する際に譲り受けたそうです。
足立美術館が開館してからも形の良い松を探し求めていた足立全康。関連会社の慰安旅行に出た時も外の木々ばかり眺め、「全然骨休めにならない」とこぼしたのだとか。あげくの果てに、「いま形の良い松が見えた!」と言っては社員旅行を中断し、次の駅で列車を降り、社員全員で松を探したのだそうです。
ここまでこだわっていたからこそ、今の足立美術館があるのですね。
赤松は不要な枝をきれいに切り揃え、古い葉を手で揉み落とし、仕上げにその赤い幹を竹ぼうきでこすり落とすことで新鮮な幹の色が出るそうです。
もちろんすべてが手作業。「絵画のような庭園」は、人の手で丁寧に守られているのです。
「摘み落とし」とよばれるこの作業、7月中旬から9月半ばにかけて見ることができます(その年によって異なる可能性があります)。きれいに剪定され、すっきりとした印象の赤松を見たい方はこの時期が一番。ただし、剪定作業は午前中で終了する場合もありますので、お出かけの際はご注意ください。
庭園内ではなかなか植物に近づけませんが、この池庭では比較的近くで赤松を見ることができます。決して触らずに、近くで眺めてみてください。
3.8 生の掛軸
<写真提供:足立美術館提供>
庭園と山々を眺めることができる上記写真の「生の掛軸」も、足立全康が考えついたもの。壁の後ろの素晴らしい庭園を掛軸のようにして鑑賞するために、何と足立全康は、自らトンカチを持ち出し、壁に穴を開けたそうです。成功を収めた人物ならではの行動力と言えるのではないでしょうか。
4. ランチはここで!日本一の庭園を望める2つのカフェと茶室
足立美術館の館内には、2つの喫茶室(カフェ)と茶室があります。
4.1 喫茶室 翆
<写真提供:足立美術館>
枯山水庭が目の前にあり、じっくり眺めることができるのは「喫茶室 翆(みどり)」です。この喫茶室からの庭は変化に富み、見る人を飽きさせません。ちなみに足立全康は「入口から三番目の席」に腰掛け、外を眺めながら庭作りの策を考えていたとか。
ここで提供されるのはこだわりのコーヒー、「ADACHIブレンド」。生豆の段階で質の悪い豆を手作業で取り除く「ハンドピック」と呼ばれる行程を入れるなど、庭園に負けず劣らず手間暇がかかっています。クセのない、すっきりした味わいをお楽しみください。
カフェメニューが主なので、ランチタイムはその他の時間より、やや空いているそうです。
4.2 喫茶室 大観
<写真提供:足立美術館>
池庭を眺めながら食事をいただけるのは、喫茶室「大観」です。こちらは昼の時間が人気。
限定メニューの名物・ビーフシチューをいただきましょう。ほろほろに柔らかく煮込まれた牛肉と、ほろ苦いデミグラスソースと相性がピタリと合い、もはや舌で感じるひとつの芸術作品のようです。
軽く力を入れただけですっとフォークが肉に入る、その感触も楽しいですね。
ビーフシチューは限定販売のため、いつもあっという間に売り切れてしまうそうです。この日も午前11時過ぎに品切れとなってしまい、来館者がおどろいていました。どうしても食べたいという方はお早めに!
4.3 茶室「寿楽庵」
もう1軒ご紹介したいのが、茶室「寿楽庵」。
<写真提供:足立美術館>
その窓からは、白砂青松庭を「生の掛軸」のように臨むことができます。
抹茶を楽しむ器も数十種類あり、出される際に説明を受けることができます。この日私がいただいた器は、島根県大田市の「森山窯」。陶芸館にも展示がある陶芸家・河井寛次郎の故郷だけあって、何となく影響を受けた感じだなぁ......と、相席した方々が盛り上がっていました。
お湯を沸かしているのは、部屋の奥にある純金の茶釜。さすがに近づくことはできませんが、格子窓から写真撮影することはできます。この茶釜で点てたお茶を飲むと、長寿、金運アップなどのご利益があり、願いごとが叶うのだとか!
5. その数120点以上!豊富な横山大観のコレクション
白砂青松庭のすぐ横にある入り口から階段を上がり、足立美術館の本館2階に入っていきます。
<横山大観特別展示室><写真提供:足立美術館>
足立美術館のもう一つの目玉は、本館2階に展示されている日本画家・横山大観のコレクション。横山大観は1868年(明治元年!)に茨城県水戸市に生まれ、90歳で世を去るまで7,000点以上の作品を残したと言われています。そのうち約120点の横山大観作品が、ここ足立美術館には所蔵されています。
足立全康と横山大観作品の出会いは1947〜1948年の頃。空襲の焼け跡が残る大阪でのことでした。自転車で大阪市内を走っていたときに、バラック建ての骨とう品店に売られていた横山大観の絵画『蓬莱山』に出逢い、心を奪われたのだとか。
その後足立全康は、横山大観の作品を購入するために商売に精を出し、実業家として名を馳せるようになります。それでも横山大観の作品を初めて購入するのには、10年以上かかったというのですから、その苦労は計り知れません。
5.1 「秋の横山大観コレクション選」展示作品から
足立美術館の展示は、四季に応じて年4回入れ替わります。2019年8月31日~10月30日に開催された「秋の横山大観コレクション選」展示作品から、いくつか作品をご紹介しましょう。
<横山大観『紅葉』(1931年)上段・右隻 下段・左隻><画像提供:足立美術館>
秋季の展示で注目だったのは、何といっても横山大観『紅葉』。昭和6年に描き上げた六曲一双の屏風絵を観に、毎年秋に来館される方も多いのだとか。
足立美術館の玄関にはこの『紅葉』の陶板が展示されており、ファンの多さを伺わせます。
5.2 横山大観だけじゃない!近代の日本画を楽しもう
足立美術館の本館には、さまざまな近代日本画も展示されています。これからの季節に展示される作品を主にご紹介します。
<竹内栖鳳『獅子』(904年)><画像提供:足立美術館>
竹内栖鳳(たけうちせいほう)は動物を描く前に、何日も地面に這いつくばり、ひたすら生き物の観察を続けることもあったとか。「動きのみならず、その匂いまで描く」と評されています。
足立美術館では2019年8月31日~11月30日まで以下の展覧会を開催しています。
秋季の足立美術館は紅葉の日本庭園が見ものですが、絵画からもその季節感を感じてみてください。
・[小展示室]足立美術館名品選Ⅲ 「動物画」
⇒橋本関雪『玄猿白鶴図』榊原紫峰『柿栗鼠図』などを展示
・[大展示室]〈改元記念〉名画でふり返る「明治・大正・昭和の日本画」
⇒横山大観『無我』『曳舟』 竹内栖鳳『江南春寺静』などを展示
・[大観室]秋の横山大観コレクション展
⇒横山大観『紅葉』『龍躍る』などを展示
5.3 器に、書に。北大路魯山人の世界を楽しむ
新館への地下通路入口近くの陶芸館では、北大路魯山人の作品を展示しています。明治から昭和にかけて活躍した北大路魯山人は、陶芸家の枠に捉われず、数々の作品を残しました。
<北大路魯山人『椿鉢』(1940年頃)> <画像提供:足立美術館>
北大路魯山人は、「器は料理の着物」と語り、両者を一体で考えていたそうです
料亭「星岡茶寮」や、会員制の「美食倶楽部」(あの人気グルメ漫画に登場した倶楽部のモデルと言われています)を自ら主催するなど、ジャンルにこだわらない活躍を続けました。
<北大路魯山人『雲錦鉢』><画像提供:足立美術館>
この作品は、鉢の縁を超えるように紅葉が一面に咲き乱れています。
いろいろな角度から鉢を観察してみてください。紅葉の枝が外側と内側でぴたりと重なり、立体的に見える角度があるのです。
実は今、苔庭の裏側でひっそりと工事が進んでいます。2020年4月1日には、この場所に「魯山人館」がオープンする予定。国内でも類を見ない規模の、魯山人専門展示館です。完成が楽しみですね!
また、陶芸館から地下通路を通った先には、現代日本画を展示している新館もあります。
5.4 ぜひともおすすめしたい!音声ガイドの声はあのお方
日本庭園や展示作品を解説する音声ガイドは、1台500円で利用することができます。
落ち着いた低音で足立美術館を案内してくれるのは何と、声優・銀河万丈氏。銀河氏はお宝鑑定番組のナレーションやハリウッドスターの吹き替え、あの宇宙アニメの名脇役(演説が有名)など、多方面で活躍されている方です。冷静沈着な声での案内は、作品や庭園の魅力をより引き立たせてくれます。
あえて言おう、絶対借りるべきだと!
※音声ガイド機器貸し出し(日本語版・英語版)1台500円、北京語版300円
6. 足立美術館を周る際の所要時間
足立美術館の日本庭園は、そのほとんどが館内からの観賞となります。少し離れて広い範囲を見渡しながら、日本庭園を楽しみましょう。
また、本館では横山大観をはじめとする近代日本画、北大路魯山人らの陶芸、林義雄らの童画、平櫛田中の木彫など、新館では現代日本画家の作品を展示しています。全館を回るにはだいたい2時間以上必要ですが、わずかな時間で風景がガラリと変わる庭園を何時間も眺めている方もおられるそうです。
それぞれのポイントの足元には、このような看板があります。しっかり確認しながら進みましょう。
7. 足立美術館の展覧会情報
足立美術館では、季節ごとにテーマを変えて展覧会を行っており、違う作品を楽しめるようになっています(それだけ所蔵作品も多いのです!)。
2019年度、2020年度の展覧会の予定は以下の通りです。
7.1 冬季の展覧会(2019年12月1日~2020年2月29日)
冬季の展覧会も見逃せません。横山大観の連作『海山十題』のうち、足立美術館所蔵の作品は季節ごとに展示作品が変わります。
・[大展示室]「日本画のテーマ」巨匠が愛した美
⇒横山大観『春風秋雨』『霊峰夏不二』川合玉堂『雪降る日』などを展示
・[小展示室]足立美術館名品選Ⅳ 「榊原紫峰」
⇒榊原紫峰『梅花群雀』『雪中棲小禽』などを展示
・[大観室]冬の横山大観コレクション展
⇒横山大観『乾坤輝く』『海潮四題・冬』などを展示
7.2 2020年度の展覧会
・魯山人館開館記念展 美の創造者 北大路魯山人 −新収蔵品を含む名品を一挙公開−
※開催期間:2020年4月1日(水)~6月30日(火)
・足立美術館 開館50周年記念 横山大観の全貌 −名画100点にみる至高の芸術−
※開催期間:2020年9月11日(金)~10月25日(日)
季節ごとに展覧会に出かける予定の方は、後述のおすすめチケット情報もぜひご覧下さい!
2019年度展覧会 - 足立美術館公式ページ
https://www.adachi-museum.or.jp/archives/news/6777
8. 日本庭園と絵画をおみやげに?足立美術館・ミュージアムショップ
この写真は新館のミュージアムショップです。
足立美術館の本館と新館にはミュージアムショップがあり、日本画や日本庭園をモチーフにした文具や絵葉書など、種類も豊富にそろっています。美しい風景をお家に持って帰りましょう。
<横山大観『紅葉』 クリアファイル(390円・税込) メモ帳(550円・税込)>
美術館では看板絵画が見られないこともありますが、ミュージアムショップでなら、365日名作に逢えますね!
<足立美術館オリジナルマスキングテープ (540円・税込)>
足立美術館では日本画や日本庭園だけでなく、子どものために書かれた絵画「童画」も豊富に展示しています。
「キンダーブック」などで挿絵を描かれていた林義雄の作品、『いないいないばぁ』をモチーフにしたマスキングテープをタブレットの裏側に貼ってみました。仕事でタブレットを使うたびに、子どもの表情に戻れそうです。
9. 足立美術館のお得なチケット情報と基本情報
足立美術館の通常の入館料は以下の通りです。
・大人2,300円 大学生、1,800円 高校生 1,000円、小中学生 500円
コンビニエンスストアで事前購入券を購入すれば、それぞれ100円引きになります。
セブンイレブン(マルチコピー機端末)、ローソン、ミニストップ(Loppi)、ファミリーマート(Famiポート)のコンビニチケット番号は024 2372です。
また、子どもにやさしいのも足立美術館の特徴。学校が休みの土曜日には、小学生・中学生・高校生の入館料が無料になります(要学生証提示。公立学校の休みが基準)。
季節ごとに変わる庭園の景色を見に、年に何度も訪れる方もいるそうですが、そんな方にうれしいのが「2年間パスポート」。価格は6,000円で、2年間何度でも入館できるこのパスポート、3回の訪問で軽々元が取れてしまう上に、同行の方も2名まで半額になるという、超・太っ腹チケット!
これから足立美術館に行かれる方は、展示期間やお得情報を見逃さず、じっくり楽しんできてください!
足立美術館の基本情報
- 住所:島根県安来市古川町320
- 営業時間:【4月~9月】9:00~17:30、【10~3 2月】9:00~17:00 新館への入場(本館と新館の連絡通路)は閉館15分前まで
- 料金:大人2,300円、大学生 1,800円、高校生 1,000円、小中生 500円
- 駐車場:無料(普通車約400台、大型バス40台)
- 定休日:年中無休(新館のみ展示替えのため休館日あり 2019年11月4日〜11月5日、2020年1月22日)
- 車でのアクセス:山陰自動車道 安来IC出口より9.7km、料金所を出て5つ目の信号を左折、県道45号線(安来木次線)を直進約10分
- 電車のアクセス:JR山陰本線「安来駅」下車、シャトルバス約20分
- 皆生温泉観光センター・米子駅より直行バスあり(朝1便のみ)※運休時期あり
- HP:https://www.adachi-museum.or.jp/
【島根一口メモ】
島根には足立美術館以外にもさまざまな観光スポットがあります。下記でその観光スポットを効率よくまわれる格安ツアーからちょっとリッチなツアーまで、たくさんのツアーを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。ひとりや恋人、友人、家族だけで旅行を楽しみたい方はお得かつ手続きがとっても楽なフリープランもおすすめです。
<日数と費用>(関東発目安)
●旅行日数:2~3日間
●ツアー費用:約30,000円~約100,000円
Ranking島根記事ランキング
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宮武 和多哉
- 香川県生まれ。北海道・稚内から与那国島まで路線バスを乗り継ぐなど、国内を迷走する人。駅弁コレクター・再現調製人として、テレビ出演しアイドルに再現駅弁を振る舞ったことも。令和元年にoleolesaggyより名義変更、関連著書に「秘境路線バスをゆく」等