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ウィーンはワインの季節!オーストリア特有のワイン用語解説【初級編】
イタリアやフランスほど有名ではないものの、通には絶大な人気を誇るオーストリアワイン。古くはローマ人も栽培をしていたブドウを使ったオーストリアのワインは、さっぱりした飲み口の「緑色」の白ワインが有名です。
そんなオーストリアのワインを楽しむ際に、知っておくと便利な、オーストリアンワイン用語の解説です。今回は、レストランなどで気軽にワインを注文するときに便利な、オーストリア人ならだれでも知っている、ワインに関する言葉や習慣をご紹介します。
<ワイン居酒屋ホイリゲにて>
目次
白ワイン?赤ワイン?
イタリアやフランスでは、赤ワインがメジャーですが、オーストリアでは断然白!生産量の三分の二を白ワインが占めています。
ブドウ品種でいえば、白が22種類、赤が14種類ありますが、どちらもオーストリア固有の品種、グリューナー・ヴェルトリーナーとツヴァイゲルトが人気です。
地方によって多少偏りがあり、ウィーン近郊の産地は白が多く、ハンガリーに近いブルゲンラント州は赤、ウィーンより南のシュタイヤーマルク州では「シルヒャー」という名で知られる、美味しいロゼワインが有名です。
アルプスのワイン?
アルプスの小国として知られるオーストリアですが、ワインは山岳地帯で生産されているわけではありません。国土の東半分は、ドナウ川の流れる丘陵地帯や、ハンガリーに近い平野で、オーストリアのワインの大半はこの辺りで生産されています。逆に、アルプスの方になると、ワイン生産量はほとんどありません。
また、首都ウィーンの面積の1.2%がワイン畑として使われていて、世界で類を見ない、「首都でワインが生産されている国」でもあります。
<首都ウィーンとドナウ河を背景に広がるワイン畑>
気軽なワインの飲み方
まずは、オーストリア人ならだれでも知っている、普段着のワインの飲み方を解説します。
オーストリアのワインにも、高級ワインとテーブルワインがあり、誕生日などの特別な日にはちょっといいワインを、普段の食卓にはテーブルワインを、と使い分けます。
テーブルワインは、地元のワイン農家から安く買ってくることが多いのですが、これを自宅で飲む場合、多くの人が「クシュプリツター」(G'sprizter)にします。
<一番右が白ワインのクシュプリツター>
「クシュプリツター」とは、「炭酸水割」という意味。ワインと炭酸水を一対一の割合で混ぜ、テーブルワインの味の粗を消し、さっぱりした味わいとなりますので、普段の食卓では、この飲み方がとてもメジャーです。もちろん、高級ワインはワイン自身の味を楽しむので、炭酸で割らず、そのまま飲みます。
ワイン居酒屋や普通のレストランなどでも、炭酸水割ワインはどの店でも注文可能。あまりワインにはこだわらないけれど、オーストリア人らしい飲み方をしてみたい方は、ぜひお試しください。
ワイングラスと量の基本
普通クシュプリツターは、上の写真のようなマグカップ形のガラスのグラスに入って出てきますが、ワインのみを注文した場合は、ワイングラスが使われます。
ワインを注文する際に使われる、量の表現は、以下のようになっています。
- フィアテル(Viertel):1/4L=250ml
- アハテル(Achtel):1/8L=125ml
- ゼヒツェーンテル(Sechzehntel):1/16L=62.5ml
通常、しっかり飲みたい人は1/4リットル、少しだけ飲んでみたい人は1/8リットルですが、ほんのちょっと味見してみたい人のために、ワインバー等では1/16リットルを注文できるところもあります。珍しいワインや、ちょっとお高いワインを味見してみたいときは、この飲み方がオススメですよ。
モストとシュトルム
9月10月のブドウ収穫の時期になると、急に話題になるのが、モストとシュトルム。この期間限定の、ワイン生産地でしか飲めない飲み物です。
モスト(Most)というのは、ワインを作るために絞ったぶどうジュースで、シュトルム(Stur)は、このモストが発酵を始めた、ぶどうジュースとワインの中間の飲みもの。まさにオーストリアの秋の風物詩ですので、ワイン産地では秋のワインやシュトルム祭りが行われます。
<左がモストで、右がシュトルム。どちらもワインよりかなり濁っています>
シュトルムは甘くて飲みやすいですが、アルコール分ももちろんあり、発酵途中ですので、飲みすぎるとおなかを壊すこともあります。
ただし、ウィーン以外の地域でモストというと、リンゴや洋梨を発酵させて作るフルーツワインで、アルコールが入っていることがあります。注文する際に、モストの種類を聞き、ブドウであればアルコールなし、ほかの果物であればアルコールなしと判断してください。
まとめ
オーストリア独特のワイン用語解説、いかがだったでしょうか?今回の記事に登場するワイン用語は、特にワイン好きでなくても、オーストリア人なら日常的に使う言葉です。軽くレストランに入ったときなど、メニューでも見かけることがよくありますので、予習しておくのもいいかもしれませんね。
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。