フレッチャロッサやイタロで快適移動!イタリア高速列車の切符購入や乗り方解説

日本からイタリアへ行く場合、多くの方がミラノかローマ、フィレンツェから入国するのではないでしょうか。そこから各都市を移動するのであれば、高速列車を使うのが便利です。

今回は、その3都市を結ぶ便利な高速列車「フレッチャ」と「イタロ」について解説すると共に、日本から切符を購入する方法や列車の乗り方までをご紹介します。日本からイタリアの列車を予約できるWebサイトについても解説しますよ。

なお、この記事ではフィレンツェからローマへ行く場合、そしてフレッチャロッサに乗ることを想定して解説しています。

目次

1. 新幹線のイメージで!イタリア各地を観光できる高速列車

せっかくイタリアへ行くのだからアレもコレも見てみたい!という気持ちになるのは当然でしょう。でも、移動が多くなって行程に無理が出るのはしんどいな......と不安に思う方もいらっしゃるはず。

しかしイタリアは高速列車が充実しているので、少々の距離なら日帰りで色々な土地に行ってみることは十分可能ですし、日程に余裕がある場合は行きたい場所に次々と移動することもできます。日本で言うと、新幹線のイメージが近いでしょう。

旅行者の方が不安を感じるのは、高速列車に乗るのに必要な切符の購入方法かもしれません。実際に駅のカウンターで購入すると思わぬ行列ができていたり、言葉がうまく通じなかったりして余計なストレスがかかりがちです。

色々な場所に行ってみたいけど今回は我慢しよう......と思うのはもったいないので、事前に高速列車の切符を購入できる方法を知ってみましょう。

2. イタリアの高速列車を予約するには

「Trenitalia(トレニタリア)」と「Raileurope(レイルヨーロッパ)」という2つのサイトでは、日本語でイタリアの高速列車を予約できます。まずはこの2サイトがどう違うのかをご紹介しましょう。

まず、Trenitaliaは旧国鉄の運営となっており、こちらのサイトで提示されている料金が公式の料金となります。一方のRaileuropeは、ヨーロッパを走る列車の切符、鉄道パス販売サイト 。イタリア以外に伸びる線路も網羅していて、フランスの高速列車TGVなども合わせて検索できます。ただし、Raileuropeは一定金額以上購入しないと手数料がかかります。

後述しますが、イタリアを走る列車の一つ「イタロ」はNTV社の車両であるためか、Trenitaliaでは切符を検索できません。イタロにどうしても乗りたい!という方はRaileuropeを利用しましょう。

高速列車予約サイトで切符を買うときの基本手順

さて、実際に高速列車の切符を予約する手順について、基本的な部分を解説します。これはTrenitaliaとRaileuropeに共通します。

  • 1. 予約サイトで条件を入力(往復か、日程、出発地と行き先、人数など)
  • 2. 検索結果から時刻と列車、座席情報、価格を確認して選択
  • 3. 乗客情報を入力(姓名は漢字無効、英字のみ)
  • 4. メールアドレス、電話番号など必要情報を入力
  • 5. 支払情報を選択して購入(クレジットカードまたはPayPal)
  • 6. 予約完了!切符はeメールで届きます

※編集部注:2019年8月時点で確認した手順です。変更される可能性がありますので、必ず公式サイトをご確認ください。また、TrenitaliaとRaileuropeでは一部手順が異なり ます。

切符を予約すると、登録したメールアドレス宛に予約確認のメールが届きます。そこに車両番号や座席番号が表示してあるので、このメールを印刷しておくか、スマートフォンに残しておきましょう。

【参考】

3. イタリアの高速列車、価格はいくらぐらいから?

高速列車の概要や予約サイトの手順をご紹介してきましたが、切符の価格はいくらぐらいからなのでしょうか?実際に、以下の条件で価格を検索してみました。

※編集部注:掲載価格は2019年7月以前のものです。価格は変更される可能性があります。

設定した条件

記事執筆時(※2019年7月以前)から1カ月先の土曜日で、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からローマ・テルミニ駅まで、朝の8時台に出発。往路のみ。

【Raileuropeでの結果】

イタロ...格安料金2等車:3,300円/格安料金1等車:5,000円/変更可能2等車:8,300円/変更可能1等車:12,400円
フレッチャロッサ...格安2等車:4,600円/格安1等車:5,300円/変更可能2等車:7,000円/変更可能1等車:9,900円

【Trenitaliaでの結果】

フレッチャロッサ...超格安2等車:3,926円/超格安1等車:4,583円/変更可能2等車:6,172円/変更可能1等車:8,798円
※ライター注:イタロの料金は表示されません。

手数料も高速列車選びでは重要なポイント

TrenitaliaとRaileuropeとでは料金に差があると分かりますが、ここからさらに「手数料」が上乗せされるため、検索結果だけではどちらがお得かは判断できません。

「Raileurope」は手数料が1,500円、「Trenitalia」は 、「.com」ドメインの本家サイトと「.jp」ドメインのサイトがあり、「.jp」ドメインで予約をした場合、手数料がおよそ1,050円かかります。そのため、英語がある程度できる方、なるべく安く済ませたい方は「.com」ドメインで切符を予約しましょう。
※ライター注:trenitalia.jp/は為替によって多少変動があり、小数点2桁まで表示されます。

乗りたい列車やグレードに併せて予算を変えよう

今回の検索結果を手数料込みで比較すると、グレードと列車の組み合わせで最安値に違いがありました。

まず2等車で行く場合なら、最安値は「Raileurope」で列車はイタロを選択したときの4,800円、1等車で行く場合は「Trenitalia」でフレッチャロッサを選択したときの5,633円となります。

イタロの1等車は6,500円となるため、どうしてもイタロに乗ってみたい!という方は1,000円ほど予算を上げてみるのも良いでしょう。また、1等と2等ではサービスも料金も変わりますが、スケジュールが変更される可能性が低い場合は、なるべく早い時期にお得な価格で1等車を予約してみると、優雅な気分になれそうですね。

とはいえ、イタリアの2等車は日本における新幹線のグリーン車よりも快適なように感じられます。広々していてサービスもいいので、2等でも十分満足できるでしょう。

4. イタリアの高速列車はどんなものがある?

イタリアには、「フレッチャロッサ(Trenitalia社)」と「イタロ(NTV社)」という2社の高速列車があります。これらの違いについて、簡単にご紹介しましょう。

フレッチャロッサとは

フレッチャロッサ-切符-乗り方-01.JPG
<撮影:yukaco>

フレッチャロッサは旧国鉄Trenitaliaの高速列車です。有名な列車ですが実は一種類ではなく 、詳しく分けると「フレッチャロッサ」「フレッチャルジェント」「フレッチャビアンカ」というカテゴリーが存在します。

フレッチャ 、というのは矢という意味で「フレッチャロッサ」は赤い矢 、「フレッチャルジェント」は銀の矢、「フレッチャビアンカ」は白い矢という意味です。この中でもっとも高速なのがフレッチャロッサです。日本で言うと、新幹線「のぞみ」のようなものでしょうか。

Trenitaliaの車両のうち、一部デザインは映画バック・トゥ・ザ・フューチャーにも登場した「デロリアン」やマセラティ、初代フォルクスワーゲン・ゴルフなどをデザインした、イタリア工業デザインの父と呼ばれる巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによるものです。

列車界のフェラーリとも呼ばれるNTV社のイタロ

一方、フレッチャロッサとほぼ同じルートで走っているのがNTV社の「イタロ」です。「イタロ」は、エレガントな車体カラーとホームで一際目を引くデザインが特徴的。こちらはイタリアにおける私鉄の立ち位置と考えると、分かりやすいかもしれません。

「列車界のフェラーリ」という異名まであるのですが、これには理由があります。なんと、設立者の中にはフェラーリの元会長ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏もメンバーに含まれているのです。イタリアデザインや車好きな方は魅力的なポイントですね。

フレッチャロッサとイタロのどちらもデザイン性が高いため、一度乗り比べてみるのも面白いと思います。

高速列車のストはそのときの状況によるかも

ちなみに、イタリアの公共交通機関ではしばしばストが起こります。

Trenitalia系よりもNTV系の方はストが少ない、という意見を聞いたことがあるのですが、私が7日間イタリア滞在したとき、たまたま全てTrenitalia系の長距離列車に乗って移動していました。ですが列車の遅れは一度も発生せず、発着時間も正確でした。

そのため、どちらの会社がストに遭いにくいかは状況によるため、一概には言えないのではないかな、と感じています。なお、イタリアの鉄道ストについては、運行状況が分かるサイトやイタリア観光庁のお知らせなどから確認できます。

【参考】

【関連記事】

5. いざ乗車!高速列車の旅へ

フレッチャロッサ-切符-乗り方-02.JPG
<撮影:yukaco>

切符の予約を完了したら、いざ列車へ!今回はフィレンツェからローマへのルートを想定しています。
まずはフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅へ向かい、ゲートで予約完了メールを印刷したもの、またはスマートフォンを見せます。そのままローマ・テルミニ駅行きのプラットフォームに向かいましょう。

プラットフォームへ来たら、切符の記載内容にしたがって該当車両が到着する場所で待ちます。列車が到着したら、新幹線と同じ要領で席を探して座ります。ちなみに、車両は「CARROZZA」 という表記です。たとえば、3号車であれば「CARROZZA 003」と切符に書かれています。

よくあることなのですが、空いているからと予約していない席に座っている人がいます。しかし、「ここは私の席ですよ」とアピールすれば、だいたいすぐ移動してくれるので、自分が席を間違っていないか確認した上で聞いてみましょう。もし、自分が間違っていた場合でも違う席だよ、と優しく教えてくれる人が多いですよ。

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<撮影:yukaco>

無事に席へ座ることができれば、ワゴンサービスがやってきます。ミネラルウォーターやジュース、コーヒーなどが選べる上に、おつまみも「塩味」か「甘いもの」かを選べます。イタリア語で「ドルチェ?サラーテ(サラート)? 」と聞いてくることが多いので、甘いものを選ぶときは「ドルチェ」、塩味を選ぶときは「サラーテ」と言えばOKです。

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<撮影:yukaco>

私はこのとき、列車移動が多いプランにしたのでワゴンサービスを何度か受けた結果、バッグの中におやつがゴロゴロ転がっている状態になりました(笑)。

イタリアの高速列車はコンセントがある!

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<撮影:yukaco>

イタリアの高速列車では、日本の新幹線と同じく車掌さんが巡回します。ここで、予約完了メールを印刷したもの、またはスマートフォンでメールの画面を車掌さんに提示しましょう。スマートフォンの場合、車掌さんが来たときに画面を見せるだけでOKとなるため、スムーズですよ。

車内は移動音も静かで快適ですが、イタリア人は普通に列車の中でも電話でお喋りを楽しんでいる人が多いという特徴があります。ここは日本との違いですね。日本では、電車の中で通話することはマナー違反となるため、不思議な感じです。

【関連記事】

フレッチャロッサ-切符-乗り方-06.JPG
<撮影:yukaco>

それから、イタリアの高速列車にはだいたいの場合コンセントが付いています。これは1等でも2等でも同じです。変換アダプタを持っていけば、車内でPCやスマホを触っていても大丈夫。移動中にバッテリーを充電できるのは、旅行者にとってありがたいですよね。

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<ローマ・テルミニ駅に到着!撮影:yukaco>

イタリア旅行で高速列車を活用すれば、ちょっと遠方の場所へもすぐに向かえて便利!日本の新幹線にも負けないくらい快適なので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?

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yukaco

17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。

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