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ローマっ子の海といえばここ!ローマ郊外の町オスティアの楽しみ方
ローマというと内陸にある都市で、なかなか海のイメージはないかもしれません。ですが、市街地から車で30分ほど行ったところには、オスティアという海辺の町があります。ここには、ビーチがあるほか港や小さな商業施設、歴史的な遺跡もあります。
そんなオスティアについて、なぜか魅力にハマり6、7回も訪れてしまった私が解説していきます。
目次
- 1. そもそも、イタリア人にとっての海とは?
- 2. ローマっ子たちが集う海の町オスティアとは?
- 3. イタリア流ビーチの使い方を解説!
- 4. のんびりした風景に癒される!オスティアの港
- 5. オスティアへ来たら、歴史を感じられる遺跡にも注目!
- 6. オスティアへのアクセス
- 最後に
1. そもそも、イタリア人にとっての海とは?
<イタリアを代表するリゾート地であるアマルフィ海岸。写真出典:BUONO!ITALIA>
最初に、イタリア人にとって海とはどんな存在なのでしょうか。イタリア半島は地中海にぐるりと囲まれていることから、日本のように海は比較的身近な存在と言えます。ですが、イタリア人の方が夏になると海に繰り出しまくっていると思います。
というのも彼らは海と日差しが大好き 。イタリアへ行くと、ときどき真っ黒に日焼けした男女を街中で見るかもしれませんが、彼らは大抵わざわざ海に行って日焼けしています。イタリアを含む南欧では、「夏に海へ行くこと」、「夏に日焼けして真っ黒になること」は半ば常識のようなもので、シミができることを気にする人はほぼいません。
そのため日本人女性が、日傘を差してとにかく日に焼けないようにしているのを見たときは、「なんでそんなことしてるんだ?」とでも言わんばかりです。そんなときは、都度「一般的に日本では、女性は色が白い方がよしとされる傾向にあるんだ。」と説明する必要があるほど。
<もう一つの高級リゾート地・タオルミーナ。こちらは大人向けの静かな場所です。写真出典:BUONO!ITALIA>
イタリアでは5月頃から海へ行く人が増える
イタリアには日本のような海開きは存在しませんが、4月最終週から5月1週目にかけては、5月1日にあるメーデーの休日を利用し、海へ短いバカンスへ出かける人もちらほらいます。この辺りの時期から、徐々に海に繰り出す人が増えているように感じます。
ちなみに、私もイタリア人に倣って、夏は毎日のように海に行っていたら、全身真っ黒に焦げてしまい、別人のようになりました(笑)。イタリアの太陽は日本よりも強烈なので、必ず肌を傷めない程度には日焼け止めをつけておきましょう。
2. ローマっ子たちが集う海の町オスティアとは?
イタリア人における海の認識について解説したところで、さてローマっ子御用達の海辺であるオスティアとは、どんな場所なのでしょうか。
まず、オスティアとはラテン語で「テヴェレ川の河口」を意味するOs(河口)+tia(テヴェレ川)という単語の組み合わせからできており、文字通りローマ市内を流れるテヴェレ川の河口部にある町です。オスティアは紀元前7世紀頃からローマ人が入植し、皇帝お抱えの外港として非常に発展したと伝えられています。
ローマっ子のリラックスには欠かせない!オスティアのビーチ
<オスティアの砂浜に降りて一枚。この日は秋晴れで、歩くのがとても楽しかったです。写真出典:BUONO!ITALIA>
そんなオスティアですが、現在は非常に整備され、ビーチリゾートとしての機能が充実しています。駅からとぼとぼ海の方向に歩くと、すぐに長い海岸線に着くはずです。夏になれば、多くのローマっ子がこの浜辺で日光浴を楽しみます。
ただし、海はあまり綺麗ではないため、泳ぐ人はあまり多くありません。みんなコテージやパラソルを借りて、日焼けをしたりお酒を飲んだりしながらワイワイ楽しんでいます。
また、夏以外の時期は、ビーチ周辺で散歩をしたり、ランチをしたりして楽しむ場所に早代わり。ローマに最も近い海だからか、秋冬でもそれほど閑散とした雰囲気はなく、大半のレストランも営業しています。治安的な意味でも安心できるでしょう。
私は生まれてからずっと海の近くに住んでいたため、ときどき海が恋しくなると、友達の車でオスティアに出かけて、散歩を楽しんだものです。ローマでホームステイを開始して一週間、後に大親友になる、ステイ先の同年代の孫と初めて出かけたのもオスティアでした。
<イタリア各地のビーチでは、パラソルの花が咲きます。写真出典:BUONO!ITALIA>
3. イタリア流ビーチの使い方を解説!
さてこの記事を読んで、「私もイタリアのビーチで日光浴したい!」と思ったあなたに、イタリアでのパラソルやイスの借り方を伝授いたします。基本的にはどのビーチであっても有料で、時間制限はありません。
「イスが空いている!」と思っても、勝手に座ってはいけません。しっかりと入り口が設けられ、そこで利用料を払うと、「あそこのパラソルとイスを使って」と案内してもらえるはずです。
持ち物の管理は預けられる施設がある場合を除き、全て自己責任となりますので、最小限にとどめましょう。貴重品以外でビーチへ行くのに持っていきたいものとしては、強い日差しを避けるためのサングラスや帽子、飲料水など。のんびり読書を楽しみたい方は読もうと思っている本もお忘れなく。
4. のんびりした風景に癒される!オスティアの港
<柵をのぼりたい、いとこ(5歳)を優しくいさめる私の親友。こんなのんびりした風景も見られるのが日曜日のオスティアです。写真出典:BUONO!ITALIA>
古代ローマ人達が使っていた港とは別の場所ですが(後述)、オスティアには今でも港が残っています。オスティア周辺住民の私有船が置かれており、いわばマリーナのような感じです。そのため、同じラツィオ州にあるチヴィタ・ヴェッキアのように、大型客船は泊まりません。
写真の港ゾーンは、ローマに住むホームステイ先のホストと、一度だけ訪れました。広い駐車場が完備され、小さな商業施設もあるなど、想像以上に栄えていますよ。ただ、日曜日に訪れるようなおでかけスポットですので、平日に行っても閑散としているでしょう。
港に船でも持っていない限りは、ただ海を見ながらダラダラ過ごすのがオスティアの醍醐味。おしゃべりが大好きなイタリア人と一緒だと、することや見るものが無くても延々と話し続けられます。小さな草むらにビニールシートを敷いて寝っ転がり、お昼寝やおしゃべりを楽しむ......。イタリアの日曜日はとても長閑(のどか)です。
5. オスティアへ来たら、歴史を感じられる遺跡にも注目!
さて、オスティア最後の見どころは遺跡です。この町には「古いオスティア」という意味のオスティア・アンティカ(伊:Ostia Antica)と呼ばれる遺跡があります。
ここはビーチから離れた内陸にあるのですが、実はもともとはオスティア・アンティカがある場所が海岸線でした。というのもテヴェレ川から流れる土砂の堆積によって、徐々にこの場所は海から離れたのです。港としての機能が別の場所に移されて以降、商業都市・海洋都市として栄えたオスティア・アンティカは、都市というよりは住宅街として生まれ変わることとなりました。
この遺跡は、ナポリ付近にあるポンペイ遺跡とも少し似ていますが、こちらは火山灰の影響は受けておらず、古代ローマの建築物の状態としては良く、非常に重要な場所とされています。もしも「フォロ・ロマーノ以外に、ローマの遺跡が見たい」という場合には、是非オススメしたいスポットです。
6. オスティアへのアクセス
<ローマ・テルミニ駅にて 。地下鉄B線は青のマークが特徴です。写真出典:BUONO!ITALIA>
最後に、オスティアへのアクセスについて紹介しましょう。まず、エウル・マリアーナ(Eur Magliana)駅まで地下鉄B線で向かいます。
着いたら改札の外には出ず(重要!)、同じホームでクリストフォ・コロンボ(Cristoforo Colombo)行の電車を待ちます。15分に1本程度しかないので、B線のラウレンティーナ(Laurentina)行に乗らないように注意してください。
電車に乗ったら、リド・チェントロ(Lido Centro)駅で降り、そこから徒歩10分程度でビーチに行けます。地下鉄と同じローマの交通機関の切符が使えるので、料金の心配はいりません。
また、遺跡のオスティア・アンティカに行きたい場合は、途中のオスティア・アンティカ(Ostia Antica)駅で下車し、徒歩5分です。
最後に
ローマ郊外には、意外な楽しみ方ができるスポットが多くあり、オスティアもその一つ。もし、イタリア滞在中に海が恋しくなったら、是非オスティアに行って潮風を感じてください!
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ゆうさん
- イタリア・ローマ大学に1年留学。イタリア各地の魅力を学生ならではの視点から紹介できたらと思っております。南米一人旅を敢行するほど旅が大好きです!