2018年12月にオープン、ノーベル賞作家「ソルジェニーツィンの家博物館」

今回は、グーグルマップに載っていない博物館を紹介します。その名は、ソルジェニーツィンの家博物館です。

2018年12月11日は、ノーベル賞作家のソルジェニーツィンの生誕100周年でした。生誕100周年の日の銅像の除幕式にはプーチン大統領も参加しました。銅像は、タガンスカヤ駅から徒歩で行けるところにあります。

銅像の除幕式後、ソルジェニーツィンが住んでいた家が博物館になり、見学できるようになりました。ソルジェニーツィンは、この家に1970年から1974年までと、1994年から2002年まで住んでいました。つまり、国外追放される前と、帰国が許されて帰国した後に住んだことになります。

目次

ソルジェニーツィンって、どんな人?

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ソルジェニーツィンは、もともと数学の教師でした。ある日、スターリンを批判した手紙が検閲官に見つかり、強制収容所に収容されました。その中で出会った囚人から聞いた話や、自分が収容所で体験したり、見たりしたことをもとに、「イワン・デニーソヴィチの一日」という話を書き、1970年にノーベル文学賞を受賞しました。他には、「収容所群島」「ガン病棟」などの著作があります。

70年の受賞式に参加せず、74年の受賞式に参加しました。しかし、その後、国外追放となり、94年まで外国で生活していました。94年に、ロシアへの帰国が許され、アメリカからウラジオストクに入り、その後、シベリア鉄道で町の様子を見ながらモスクワまで帰りました。この帰国の様子は、日本のテレビでも放送されました。2008年に8月3日に亡くなり、お墓は、モスクワ市内のドンスコイ修道院の墓地にあります。

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博物館の中はどうなっているかな?

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入口から入り、3階を目指します。

ツアー開始時刻より早く着いた場合は、その時間までソルジェニーツィンに関するビデオを見て待ちます。ツアーの時間になるとその時集まった人たちで見学をします。

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本などを売っている売店もあるので、ツアー開始時刻まで時間があるときは、売店を見ることもできます。もちろん、ツアー終了後に見ることもできます。

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ツアー開始は、1階からです。

入り口とは別の階段を下りていくと、ソルジェニーツィンが住んでいた家につながります。

ソビエト時代は、ソルジェニーツィンは迫害されていた作家だったため、協力してくれた人々の写真が台所の左壁にずらりと並んでいました。

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協力してくれた人の中には、有名なチェリスト奏者のムスティスラフ・ロストロポーヴィチもいました。このラジオは、ロストロポーヴィチからプレゼントされたものです。

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ロストロポーヴィチは、自分のダーチャ(別荘)にソルジェニーツィンをかくまってもいました。

ソルジェニーツィンが収容所で着ていた服の展示があります。夏も冬もこの1枚だったようで、夏はこれでは暑いし、冬はこれでは寒いです。

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さらに、原稿をタイプしたものやタイプライターなどの展示もあります。

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また、亡命中のアメリカの部屋を再現した部屋もありました。

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ソルジェニーツィンの作品は、世界のさまざまな言語に翻訳されていて、日本語の本も博物館内にありました。

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どうやっていくの?

基本的にロシア人に道を尋ねると、皆さん親切に教えてくれますが、今回は、グーグルマップなどにも博物館の場所が載っていないので、道行くロシア人に訊いても「知らない」と言われてしまう可能性が高いです。

そのため、道が分からなくなってしまった場合は、「バレエ用品のお店のグリシコはどこですか?」と訊くと、いいと思います。なぜなら、グリシコの入り口の向かい側が、ソルジェニーツィンの家博物館の入り口です。グリシコなら、グーグルマップにもしっかり載っています。

また、ソルジェニーツィンは、強制収容所のことを世界に知らせたため、ソビエトを裏切った人と思っているロシア人もいます。ロシア人のソルジェニーツィンに対する印象は賛否両論あるため、ソルジェニーツィンという名を聞いただけで嫌な顔をする人もいます。そのため、「グリシコはどこですか?」と訊く方がスムーズにいくと思います。博物館の学芸員さんたちは、ソルジェニーツィンのことをよく思っている人なので、博物館内では思う存分ソルジェニーツィンに関する話をすることができます。

ソルジェニーツィンの家博物館

  • 住所:Tverskaya St, 12, стр.8, Moskva, 125009
  • 電話番号:+7 495 692-04-01
  • 最寄り駅
    プーシキンスカヤ駅(紫の地下鉄)から330m
    トヴェルスカヤ駅(緑の地下鉄)から350m
    チェーホフスカヤ駅(灰色の地下鉄)から490m
  • 休館:月曜、火曜
  • 営業時間:
    水・金~日曜:12~19時(ツアー開始時刻:13時、15、17時)
    木曜日:14~21時(ツアー開始時刻:15時、17時、19時)
    ※木曜日だけ開館時間が違うため、気を付けてください。
    ※事前予約は必要ありませんが、基本的に自由に見学することができません。ツアーの時間が決まっていて、その時間のみ見学できます。ガイドはロシア語のみです。ツアー開始時刻より早く博物館に到着した場合は、ソルジェニーツィンに関するビデオを見て待つことになります。
  • 入館料:200ルーブル(写真撮影可)、第3週(15日がある1週間)の日曜日は無料
  • ホームページhttp://domrz.ru/solzhenitsyn-museum/

ソルジェニーツィンの銅像

  • 住所:Ulitsa Aleksandra Solzhenitsyna, 13
  • 最寄り駅:
    タガンスカヤ駅(茶色の地下鉄)から400m
    マルクシスツカヤ駅(黄色い地下鉄)から420m
    タガンスカヤ(紫の地下鉄)から580m
  • ※グーグルマップに銅像の明記はありませんが、ヤンデックス(日本のヤフーみたいなもの)には銅像の明記があります。

ソルジェニーツィンの墓地があるドンスコイ修道院

  • 住所:Ulitsa Donskaya, 1-3, Moskva, 115419
  • 電話番号:8(495)952-14-81
  • 最寄り駅:シャボロフスカヤ駅(オレンジの地下鉄)から990m
  • 営業時間:7時30分~19時(敬虔な信者が集まる教会のため、女性は、スカーフ、スカートを着用して教会内に入らなければなりません。)
  • ホームページ:http://donskoi.org/
    ※ソルジェニーツィンとは、関係がありませんが、修道院の塀を隔てた隣のドンスコイ墓地には、日本人墓地もあります。

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チェブラーシカ

高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。

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