世界遺産ベトナム・フエの建築物を1日かけて巡ろう

世界遺産の町フエ。ホイアンのように町並みが世界遺産となっているわけではなく、市街地に点在する阮長時代に建てられた建築物が世界遺産に登録されています。古き建築物は当時の時代背景をよく投影していて非常に興味深いものがあり、ついつい時間をかけて見学してしまいます。しかし、旅行者の多くはフエに滞在する時間は1日ないし日帰りとなるので、効率よく回る必要がありそうです。そこで、今回は初めてのベトナム旅行でこれは押さえてほしいフエの世界遺産をご紹介します。

目次

皇族・皇帝の居城。阮朝王宮

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まずはこちらは絶対に押さえておくべき名所。フォン川を渡って旧市街に入った目の前に広がる広大な敷地は、すべて阮朝王宮の跡地となっています。とはいえ、ベトナム戦争で大破してしまったため、現在王宮は外回りのみ現存。肝心の本堂は現在芝生となっています。入口付近では復旧後の王宮を3D映像で見ることができます。

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王宮内にある閲是堂では1日2回10時と15時にフエに伝わる宮廷音楽を鑑賞することができます。この阮朝王宮に伝わる伝統音楽は皇族たちも愛でていたとされ、こちらも実はユネスコの世界無形文化遺産に登録されています。時間を見計らって訪れるといいでしょう。王宮跡地は見る場所は限られていますが、跡地周辺にも博物館や美術館といった観光スポットがあり、こちらも時間に余裕があれば見ておきたいところです。

阮朝王宮

美しさはNo.1!12代皇帝カイディン帝廟

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森林の奥地に造られたこの陵墓は、12代皇帝カイディン帝のもの。今から100年ほど前となります。石段に昇り龍、本堂前には兵馬俑のような人と馬の石像は中華を思い起こさせますが、同皇帝はフランスによって擁立された皇帝のため、建築は西洋風の煌びやかさと優美さを感じることができます。

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カイディン帝自体がフランスの美術を愛していたとされていて、生前から計画されていたこの陵墓を作るために、国民から20%もの税金を徴収していたという話もあります。内部は御覧のように金色に包まれた装い。細かい装飾は壁面だけではなく天井にまで施されているから驚きです。ちなみ、阮朝皇帝は13代で終焉を迎えますが、陵墓があるのはカイディン帝までとなります。

カイディン帝廟

カイディン帝と対比を。2代皇帝ミンマン帝廟

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いまから200年前に遡る2代皇帝ミンマン帝。こちらは同皇帝の陵墓となります。カイディン帝と比べて非常に敷地が広く、当時のミンマン帝政権のすごさを物語っています。カイディン帝との違いは、ミンマン帝は西洋文化をすべて捨てて、一貫して中国を宗主国として文化を受け入れていました。現在もあちらこちらに残るベトナム寺院の入口にある三門は紫禁城に倣ったものと言われています。

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支柱、天上、壁面、石碑などどれをとっても中国を感じることができるのが、ミンマン帝廟の最大の特徴。石碑には中国漢字で文字が掘られていて、昔のベトナムが漢字圏であったことを知ることができます。最奥部に行くと墳丘をうかがうことができ、厳かに閉じられた大門の奥には、ミンマン帝の遺体が眠るお墓があると言われています。1年に何度かこの大門が開かれるそうですが、本当に遺体があるかは不明のようです。

ミンマン帝廟

緑豊かな別荘風。4代皇帝トゥドゥック帝廟

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4代皇帝トゥドゥック帝陵。こちらの陵墓は同皇帝が存命中にすでに完成されていました。歴代13代皇帝の中でも、もっとも平和の時代をおくっていた皇帝の一人とされていて、陵墓敷地内をみてもその様子や雰囲気をうかがうことができます。入場してまず目の前に飛び込むのは美しい湖。湖に沿って湖畔を歩いて行くと、木造の小屋が見えてきます。当時トゥドゥック帝はここで日向ぼっこをしたり、ボートに乗って釣りに興じていたと言われています。

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他の廟とは打って変わってのどかかつ平和な空間が広がるトゥドゥック廟ですが、歴史の最後に過ちを犯してしまったようです。同皇帝は廃仏を唱えたため、フランスから反感を買いました。その後フランスとスペインの連合軍がフエに侵攻し、トゥドゥック帝はフランスに対し、多額の賠償金やキリスト教の自由化を認めざるを得なくなりました。また、死去する前には清仏戦争も勃発。平和な時代が途端に崩れてしまいました。

トゥドゥック帝廟

建築物の対比を楽しんで

ここで紹介した建築物・廟はすべて世界遺産に登録されています。時代によって中国が宗主国であったり、フランスの保護下であったりするため、それは建築美にも如実に表れています。これらの廟を見学する際は、事前に同皇帝の時代背景を少し学んでおくと、より有意義な時間をおくれるでしょう。

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古川悠紀

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