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オーストラリアの世界遺産・カカドゥ国立公園をめぐる大人の冒険へ出かけよう!
カカドゥ国立公園とは、オーストラリアのノーザンテリトリーにある約2万平方kmの敷地面積を持つ広大な国立公園です。ユネスコの世界遺産の中でもまだ38件(2018年時点の世界遺産の総数は1,092件)しか認定されていない、自然遺産と文化遺産を備えた複合遺産に選ばれおり、4万年以上前から暮らすアボリジニの人たちの文化と、オーストラリアの大自然を体験することができます。
目次
- 野生動物たちに囲まれたラグジュアリーなクルーズ体験
- はるか昔から現在まで脈々と続く、アボリジニの文化
- カカドゥ国立公園を上空散歩。広大な大地を感じる
- 期間限定の人気プログラム! アボリジニの人たちと楽しむスペシャルランチ
- 最後に
野生動物たちに囲まれたラグジュアリーなクルーズ体験
カカドゥ国立公園を楽しむアトラクションとして人気が高いのが、イエロー・ウォーターをボートでめぐる「イエロー・ウォーター・クルーズ」です。
広大な湿地帯は、野生動物のパラダイス。さまざまな種類の鳥やイリエワニを間近に見ることができました。
<大きく美しいシロハラウミワシ。>
<翼を広げたヘビウ。>
<水草の上を歩いているトサカレンカクの親子。かわいい!>
私は、サンセット・カナッペ・クルーズの回に乗船したのですが、ラグジャリーなジャングルクルーズといった感じ。ガイドさんの話しも面白いし、船内ではアルコールとフィンガーフードも提供されます。
料理の中にはカンガルーの肉やワニ肉を使ったものなどもあり、オーストラリアらしさもたっぷりで、どれもおいしい!
<夕日をバックに悠々と泳ぐワニは、なんとも気持ちよさそうです。>
クルーズは、さまざまな時間帯に開催されていますが、動物たちがよく見えておすすめなのは、早朝と夕方の回だそう。幻想的な景色を眺めながら、優雅な時間を過ごすことができますよ。
イエロー・ウォーター・クルーズ
はるか昔から現在まで脈々と続く、アボリジニの文化
少なくとも4万年以上前からオーストラリアで狩猟や採取をしながら生活してきたと言われているアボリジニ。カカドゥ国立公園には古代のアボリジニたちが描いた壁画が多く残されています。
ガイドさんと一緒に向かったのが、アボリジニの神話に登場する「雷男(ナマルゴン)」をはじめ、さまざまな壁画が今なお色鮮やかに現存している、「ノーランジーロック」といわれる岩山。
エックスレイ・ペインティングと呼ばれる、まるでレントゲンの画像のように骨格を浮き彫りにした手法が用いられています。
アボリジニの人々は文字を持たず、絵を通じて文化を継承してきたと言われています。アボリジニの人たちの描く絵は現在も受け継がれており、カルチャーセンターやアートギャラリーなどでも見ることができます。
そこで向かったのが、アボリジニの文化体験をすることができる「ワラジャン・アボリジナル・カルチュラルセンター」。センターでは、壁画で見たようなペインティングや、植物を用いたカゴやアクセサリー作りに挑戦。出来上がった作品は、お土産として持ち帰りました。
センター内には、アボリジニの人たちが作った作品も展示販売されており、アボリジナル・アートの購入を考えている人にもおすすめです。
カカドゥ国立公園で宿泊した「メルキュール・カカドゥ・クロコダイル・ホテル」にも、アボリジナル・アートを展示するギャラリーが併設されていました。それぞれの絵には、さまざまなストーリーがあり、そうした話を聞くのも面白かったです。
それぞれの部族ごとに伝わる神話を独特の技法で描くアボリジニ・アートは、国際的にも高い評価を得ています。どれも一点物なので、ぜひお気に入りを探してみてください。
ワラジャン・アボリジナル・カルチュラルセンター
メルキュール・カカドゥ・クロコダイル・ホテル
カカドゥ国立公園を上空散歩。広大な大地を感じる
カカドゥ国立公園は、日本の四国ぐらいの大きさがある広大な公園です。その大自然を上空から楽しむことができるのが「カカドゥ・エア」の遊覧飛行です。
空から見下ろすと、多種多様な自然が広がっていることを実感できます。
<迫力満点の巨大な滝。>
<切り立った崖と、広がる緑の大地。>
1時間の遊覧飛行で見えた建物といえば、宿泊していたホテルくらい。滝あり、崖あり、緑ありで、見ていて全く飽きません。この場所がいかに豊かな自然にあふれているのかがよく分かりました。
カカドゥ・エア
期間限定の人気プログラム!アボリジニの人たちと楽しむスペシャルランチ
5月にカカドゥ国立公園を訪れるという方にぜひおすすめしたいのが「テイスト・オブ・カカドゥ」と呼ばれる特別なプログラムです。
普段は入ることができないアボリジニの人たちが暮らす特別なエリアで、アボリジニの人たちと一緒に食事を楽しめます。
まずは、食材の採取するところからスタート。木の幹から水が出たり、貴重なタンパク源となる虫を掘り出したりと、驚きの連続です。
特に驚いたのが、お尻が緑のアリ、グリーンアンツの味。「ライムみたいだよ」と言われて食べたのですが、本当にそんな味わい。辛くて酸味があって、唐辛子のような辛さと、柑橘系の爽やかさを感じました。
材料が揃ったところで、調理開始。野外で火を起こし、食材を焼いていきます。
かなり火の勢いが強いのと、魚を火の遠くにぶら下げていたのが印象的でした。木が燃えて炭ができたら、食材を炭の中に入れて蒸し焼きにしていきます。
焼き上がった食材は、炭をはらって頂きます。
これが、驚くほどおいしい。自然とともに暮らしてきたアボリジニの人たちの知識に驚き、とても感動したランチ体験でした。
テイスト・オブ・カカドゥ
最後に
カカドゥへの旅は、本当にこの場所でしか体験することができない貴重なものばかり。自然や動物が好き、歴史や文明に興味があるという人はもちろん、ワイルドな絶景を見るためだけにでも行く価値ありだと思います。
※写真:村尾昌美
取材協力
ノーザンテリトリー政府観光局:https://northernterritory.com/jp/ja
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美濃羽佐智子
- 出版社勤務を経てフリーランスとなり、2011年から3年間をタイのバンコクで暮らす。エディター・ライターユニットTom☆Yamのメンバー。共著に『タイ行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)ほか。