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レトロな街並みが残るバラット地区はガイドブックには載らないイスタンブールの穴場スポット
東洋と西洋が交差する世界唯一の都市、イスタンブール。
トルコ共和国最大のこの都市は、ローマ帝国やオスマン帝国時代には帝都として栄え、街には至るところにその遺構が残されています。古今東西の様々な文化が入り交じり、長く深い歴史を歩んできたイスタンブールは最近ではすっかり観光地化されましたが、実はいまも昔の面影を残す地区が残されているのです。
この記事では、イスタンブール旧市街にあるバラット地区の魅力についてご紹介します。
目次
バラット地区とは?
イスタンブールはボスポラス海峡によってアジアとヨーロッパにわかれる大都市です。ヨーロッパ側はさらに金角湾によって新市街と旧市街にわかれ、それぞれのエリアにはまったく違うイスタンブールの顔があります。
バラットは旧市街の金角湾沿いにあり、急な坂道の途中にある地区。
オスマン帝国時代、バラットには多くのユダヤ人が暮らしていました。金融業や商業を得意とした彼らはイスタンブールの経済を支えながらここに住んでいましたが、時代が流れるとともに、彼らは新市街のガラタやペラ、アジア側のクズグンジュクに移り住み、バラットは長い間荒廃したまま放置されていました。
しかし、政府の援助もあり、バラットは徐々に当時の輝きを取り戻しつつあります。
いま歩いてみると、二階部分の窓が張り出しになっている昔ながらの家を見ることができます。
現在バラットにはイスタンブールへ出稼ぎにきた、比較的貧しい層の人たちが多く住んでいるといわれています。観光地とはまた違った、イスタンブールの飾らない住民の素顔や暮らしぶりをみることができるのも、バラットならではです。
ユニークな街並みや建物を探そう!
バラットを歩いていると、変わった建物や日本ではなかなか見られないような急な坂があります。パステルカラーに彩られた急坂に建つ住宅や、ビビットな色遣いが目を引く建物など、街の角を曲がるたびに新しい発見がある、そんなエリアです。カメラ片手に、散策してみるのもいいですね!
個性的でかわいらしいお店がたくさんある!
バラットは、歩いているだけで何十年か前にタイムスリップしてしまったかのような感覚に陥る、どこかノスタルジックでレトロな地区です。イスタンブールのほかの場所では味わうことができないバラットの魅力が最近徐々に広まり、地元の人やときには外国からの観光客も姿を見せるようになりました。そのため、住宅地のなかには、ところどころに小ぢんまりした個性的なお店や、店主の趣味趣向が凝らされたかわいらしいカフェなどが増えてきているのです。
例えば、アンティークな商品をコレクトしている店主が開いた、見た目も少し派手な「メゾン・バラット」や、アーティスティックな若者が集う雰囲気抜群のカフェ「クックライフ・バラット」、色ガラスや植物に心癒されるカフェ「ポップス・バラット」などは、いま密かに話題となっているお店です。お気に入りのカフェやお店を探しながら散策を楽しめるのも、バラットの魅力のひとつです。
ギリシア正教の名残ある建物も忘れずにチェック!
昔ながらの街並みを残すバラットで、忘れてはならないのが「コンスタンティノープル世界総主教座」です。1453年にオスマン帝国のメフメト2世がコンスタンティノープル(現イスタンブール)を攻略してから、この街はイスラム教の街となり、アヤソフィアに置かれていたギリシア正教の総主教座は1601年以降この地に落ち着いたのです。総主教座が併設された高校はいまでも取り壊されることなく、バラットのシンボルのように堂々と建っています。
おわりに
バラットでは、ガイドブックに載っているような有名な観光地では決して見ることができない、イスタンブールの意外な一面を見ることができます。住人の生活のプライバシーもあるので、節度を守りながら、街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。いままで発見できなかったようなイスタンブールの新たなる魅力を発見できるかもしれません。
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- トルコ・イスタンブルについて書いています。旧市街、モスク、マルマラ海、ケバブ、バクラヴァ、アザーン、ハマムが大好き。