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トルコのラマザン期間中に食べるイフタルメニューを紹介
目次
ラマザンとは
イスラム教を信仰する国では、今年は5月6日から6月3日までが、ラマザン(ラマダン)です。イスラム陰暦にのっとり、毎年2週間程度早まっていきます。
ラマザンとは断食をする月間のことで、この期間は、食事はもちろん水、タバコなどの嗜好品を夜明けから日没まで口にすることはできません。唾ですら意識的に飲み込むことは、タブーだそうです。断食だけでなく、禁欲という意味もあり、あらゆる欲を捨て去らなくてはいけません。
初めの数日は本当に苦しく、頭がぼーっとしますし、慣れるまで本当に苦しいのだとか。
ラマザン中の注意
断食と聞いて、何も食べられない?と思う方もいると思いますが、前述した通り、日の出から日没までが食べれません。ですので、この時期、日没前は家路に急ぐ人たちで、街はひどい渋滞になります。空腹で気が立っている人も多いので、車の運転などは要注意!無用な喧嘩に巻き込まれることもあります。
イスタンブールなどの都市部は、断食をしない人も多いので、レストランなどは問題なく開いています。地方などはこの限りではなく、日中のサービスを停止しているところもあるので気をつけないといけません。また、断食している人の前で、むやみやたらに食べるのも失礼に当たるので注意したほうがいいでしょう。
イフタルをご紹介
イフタルとは、ラマザン中の日没後の最初に摂る食事のことを言います。ちなみに、日の出前に摂る食事はサフルと言います。つまり、断食と言いつつも、日に二度の食事は摂れるわけです。断食中なので、慎ましやかな食事かと思いきや実は違います。こちらでご紹介するのは、レストランのイフタルメニュー。
どのレストランも、この時期はイフタルメニューがあり大変賑います。まず、胃に優しいものからということで野菜や、ナツメヤシ、前菜などで始めます。しばらくすると、スープが運ばれてきます。これだけでお腹いっぱいになりそうですが、ギャルソンがどんどん持ってきます。
右上の手のひらサイズお団子のようなものは、挽き割り小麦の生地に中にひき肉が入ったものを揚げたイチリキョフテという料理。そして、薄いエトゥリエキメキというトルコピザ。
タヴックシシ:チキングリルなども、どんどん盛られていきます。正直、食べるのが追いつかないのですが、ギャルソンも人数をさばかないといけませんので、待ってはくれません。
スープを飲んでいるうちに、あっという間にお皿は山盛りに。手前は、白チーズが入ったスボレイというペストリー。奥には、お肉のドネルやピラフも。チキンもいつの間にか追加で盛られていました。これでも、少なめに盛ってもらった方で、トルコ人男性などはもっと凄かったです。
さらに盛られた、羊肉を柔らかく煮込んだ、タンドゥルケバブ。ほろほろと崩れて柔らかく美味です。他にも肉料理があったのですが、もう撮るのを忘れてしまいました。多すぎ!
こちらは、チーキョフテ。チーは生、キョフテはハンバーグという意味で、昔は生肉にスパイスや挽き割り小麦などを混ぜたものでしたが、最近は生肉が禁止されたため、ジャガイモなどで代用されています。スパイシーなのですが、野菜に巻いて食べると美味しい一品です。
そして、やっとデザートですが、こちらはビュッフェ形式。甘いものに率先して群がっているのが、トルコ人らしいです。男性も女性も大の甘党ばかりなのです。
三人分ですが、この量でも少なめ。皆さん、何度もおかわりしていました。
この白いのは、ギュルラッチというお菓子で、ラマザンの時期に食べる特別なもの。薄い米粉の皮を甘い牛乳でふやかし重ねたもの。食用のバラ水をかけているので、ほんのりバラの香りがします。トルコのスィーツの中では、比較的あっさりしていて好きです。
赤いのは、カリンの甘煮。後ろは、さくさくっとした蜜入りのスィーツ。
ストゥラッチ:ライスプディングです。焼き目がしっかりついてて、中は濃厚なミルクと甘さでチャイとよく合います。
最後に一言
イフタルメニューの数々はいかがでしたでしょうか?お店によって多少変わりますが、量の多さは似たり寄ったり。レストランほどでなくても、家庭でもこの時期は作る料理の量が増えます。そして、空腹にどか食いばかりの月間ですので、ラマザンって実は痩せずに太ってしまいます。ラマザン中にご旅行された方は、一度こうしたイフタルメニューを楽しんでみるのも面白いと思います。ただし、少食の方にはお勧めしません。
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河合亜希子
- 1998年よりトルコ・イスタンブール在住。トルコ雑貨のお店Anatolian Art店主。コラムやコーディネートも担当。