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絵本のような風景に出会える♪ オランダの『3色の田舎町』

記事投稿日:2019/03/24最終更新日:2019/03/24

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オランダには赤、白、緑をシンボルカラーにする3つの田舎町があります。『赤い町』として親しまれるハールザイレンス (Haarzuilens)、『白い町』と呼ばれるトールン (Thorn)、『緑の町』ザーンセスカンス (Zaanse Schans) の、3色の田舎町をご紹介します。

目次

☆『赤い町』 ハールザイレンス Haarzuilens

☆『白い町』 トールン Thorn

☆『緑の町』 ザーンセスカンス Zaanse Schans

☆『3色の田舎町』は主要都市からの小旅行におススメ!

『赤い町』 ハールザイレンス Haarzuilens

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ハールザイレンスは、ユトレヒト郊外にあるデ・ハール城 (Kasteel de Haar) の城下町です。15世紀の城主ファン・ザイレン家の紋章が、白地に赤の3本柱であったことから、お城の扉や鎧戸などが赤と白に塗られています。

城下町のハールザイレンスに暮らす人々は、デ・ハール城主に敬意を表して、家屋の窓枠や鎧戸を赤と白に統一するようになりました。やがてハールザイレンスには、赤のアクセントカラーが目を引く愛らしい家々が建ち並び、『赤い町』と呼ばれるようになりました。

オランダで最も美しい中世のお城

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13世紀に建造されたデ・ハール城は、オランダで最も大きく、最も美しいお城と讃えられています。17世紀にルイ14世の攻撃を受けて荒廃したものの、19世紀の城主エチエンヌ・ファン・ザイレンによって現在の形に修復されました。エチエンヌの妻の実家である、フランスのロスチャイルド家が修復資金を提供しました。

1892年から15年の歳月を費やし、ネオ・ゴシック様式のデ・ハール城が完成しました。修復事業を指揮したのは、アムステルダム中央駅や、アムステルダム国立美術館の設計で名を上げた建築家ピエール・カイペルスです。インテリアの木彫装飾やテーブルウエアなどのデザインも、カイペルスが手がけました。

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デ・ハール城は、ファン・ザイレン家が滞在する1ヶ月間を除いて、内部を見学することができます。ステンドグラスやレリーフが美しい壮麗な大広間、贅沢な雰囲気を醸し出すダンスホールや騎士の間、浴室や寝室、台所などが一般公開されています。

豪華な美術品や調度品も見応えがあり、ロスチャイルド・コレクションからの寄贈品として、徳川将軍家の婦人が所用していた駕籠も展示されています。葵の御紋が入り、豪華な蒔絵で装飾された駕籠は、日本国内でもなかなか目にすることのできない貴重な一挺です。

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35ヘクタールの庭園には、ヴェルサイユ宮殿を彷彿とさせるフランス式庭園や、イタリア式庭園などが整備されています。お城の隣のチャペルでは結婚式を挙げることができ、さらに城内では一年を通じて様々なイベントが開催されています。『赤い町』ハールザイレンスの散策とあわせて楽しんでみてください。

『赤い町』information

◆ハールザイレンス

http://www.haarzuilens.net

アクセス:ユトレヒト中央駅からDen Haag行きSprinterで9分, Vleuten駅下車。Kockengen行きバス127番で6分, Haarzuilens Brink下車。

◆デ・ハール城 Kasteel de Haar

https://www.kasteeldehaar.nl

住所:Kasteellaan 1, 3455 RR Haarzuilens
アクセス:ユトレヒト中央駅からKasteel De Haar行きバス9番で35分, Kasteel De Haar下車徒歩6分。
開園時間:11:00-17:00, 庭園は9:00-17:00, 定休無, 1月1日休館
入城料:大人17ユーロ/4-12歳11ユーロ/ミュージアムカード無料
庭園のみ:大人6ユーロ/4-12歳4ユーロ/ミュージアムカード無料

『白い町』 トールン Thorn

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マーストリヒトから約36kmのトールンには、白い壁の家々が軒を連ね、『白い町』の愛称で親しまれています。かつては小さな公国として、独自の法律と貨幣を持つほどに繁栄した町です。

『白い町』を出現させたフランスの窓税

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<18世紀末のトールン修道院を再現した模型。左の尖塔は後に取り壊された教区教会、右の尖塔は19世紀末の修復で形を変える前の修道院教会>

トールンの歴史は、トールン修道院 (Thorn Abbey) が設立された10世紀に遡ります。ユトレヒトの司教アンスフリードとその妻によって設立された修道院は、貴族の子女たちの教育の場として発展し、12世紀には主権を有する公国として神聖ローマ帝国に承認されました。

しかし1797年のフランス軍の侵略によって公国は廃頽し、貴族階級の住人は国外に逃亡してしまいます。トールンには使用人として雇われていた貧しい人々が残されました。

フランスの統治下では、窓の大きさによって税金を納めなければならなかったため、貧しい住人たちは窓をレンガで塞ぎました。さらに、レンガの繋ぎ目を隠したり、家屋の修復費を浮かせるために、外壁が白一色で塗りつぶされるようになったのです。

千年の建築様式が混在する修道院教会

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町の中心に建つ修道院教会 (Abdijkerk Thorn)は、大部分が14世紀に建造されたものですが、10世紀の修道院設立時に遡る箇所も残されています。18世紀にバロック様式に改装されたインテリアは、堅牢な概観からは想像もつかないような、純白の空間です。

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ひときわ目を引く教会の塔は19世紀末に、前述の建築家ピエール・カイペルスによって設計されました。12世紀のロマネスク様式の土台の上に、ゴシック様式の尖塔が堂々とそびえます。修道院教会はオランダの『国家遺産トップ100』に選出されています。

トールンの町と周辺のみどころ

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『トールン博物館』には、トールン修道院長の修道服や、地元で出土した発掘品などが展示されているほか、町の史跡を巡るオーディオツアーもあります。

修道院を核として発展したトールンには15以上の礼拝堂があり、中でも1673年に築かれた『菩提樹の下の礼拝堂 (Kapel onder de Linden)』が有名です。

トールンではブドウが栽培され、ワインが製造されています。オランダで本格的にワインの生産が始まったのは1970年代と歴史が浅く、国内でもオランダ産ワインはなかなか手に入りません。オーセロワやピノ・ノワール、ドルンフェルダーなのど品種から造られるトールンワインは、テイスティングルームで味わうことができます。

トールンは自然に囲まれ、南部を流れるマース川や周辺の人造湖のクルーズも楽しめます。小さく愛らしい『白い町』と、広大なオランダの自然を満喫してみてください。

『白い町』information

◆トールン

https://vvvmiddenlimburg.nl/nl/thorn-witte-stadje-midden-limburg

アクセス:マーストリヒト駅からRoermond行きStoptreinで15分, Roermond下車。Weert行きバス73番で25分, Thorn Centrum下車。

◆修道院教会 Abdijkerk Thorn

http://www.abdijkerkthorn.nl

住所:Kerkberg 2, 6017 HA Thorn
営業時間:10:00-17:00, 月曜12:00-17:00 (11月-3月は土・日曜12:00-16:00)
入場料:大人3ユーロ/13-17歳1.5ユーロ/ミュージアムカード無料

◆菩提樹の下の礼拝堂 Kapel onder de Linden

http://www.abdijkerkthorn.nl/tips-adressen.php

住所:Kapel 4, 6017 RB Thorn

◆トールン博物館 Gemeentemuseum Het Land van Thorn

https://www.museumhetlandvanthorn.nl

住所:Wijngaard 14, 6017AG Thorn
開館時間:11:00-17:00(11月-3月は11:00-16:00) 月曜休
入館料:大人3.1ユーロ/13- 18歳 1.55ユーロ/ミュージアムカード無料

◆ワインセラー&テイスティングルーム

住所:Bogenstraat 12A, 6017AV Thorn
営業時間:金・土曜14:00-16:00(4月1日-9月30日は日曜も営業)

『緑の町』 ザーンセスカンス Zaanse Schans

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アムステルダムの北西12kmに位置する『緑の町』は、2018年10月の記事『アムステルダム近郊!愛らしい風車村』でご紹介したザーンセスカンスです。緑色に塗られた木造の伝統家屋が、周辺の風車や牧草地とともに牧歌的な風景を織り成します。

ザーンセスカンスにある緑の家々や産業風車は、保存・管理を目的としてザーン地方各地から移築されたものです。オランダ黄金時代の産業を支えたザーン川を眺め、17、18世紀の町を散策できるスポットとして人気があります。

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Kalverringdijk通りに並ぶ11軒の緑の家は全てオランダの国家遺産に登録されています。

『緑の町』information

◆ザーンセスカンス

https://www.dezaanseschans.nl

住所:Schansend 7, 1509 AW Zaandam
アクセス:アムステルダム中央駅からバス391番 (15分間隔)で45分
営業時間:9:00-17:30, 定休無し
※各施設の営業時間と入場料はHPでご確認ください。

3色の田舎町』は主要都市からの小旅行におススメ!

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『赤い町』ハールザイレンス、『白い町』トールン、『緑の町』ザーンセスカンスはそれぞれ、ユトレヒト、マーストリヒト、アムステルダムの近郊にあります。三都市を訪れる際はぜひ、長閑な風景が広がる3色の田舎町まで足を延ばしてみてください。

※施設の詳細やアクセス方法など掲載内容は2019年2月現在のものです。

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Kayo Temel
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記事投稿日:2019/03/24最終更新日:2019/03/24

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