たびこふれ

丹波篠山がこんなに素敵なところだとは知りませんでした。

記事投稿日:2019/02/14最終更新日:2020/10/12

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こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
突然ですが、あなたは丹波篠山(たんばささやま)ってご存知ですか?

まず頭に浮かぶのは黒豆でしょうか?

私が"丹波篠山"と言われてイメージするのは落語家の桂文珍さんです。子どもの頃「ヤングおーおー!」という関西系のテレビ番組がありました。その番組では当時の若手落語家4名(月亭八方、桂きん枝、林家小染、桂文珍)が"ザ・パンダ"というグループを作って賑やかにやっていました。その中で桂文珍さんは他のメンバーから「丹波篠山の山奥から下りてきた田舎モン!」といじられていました。私はそれを聞いて「丹波篠山ってきっとすごい田舎なんだろうなぁ」と思いました。私も広島の田舎モンだったので親近感を持ったことを覚えています(笑)

あれから数十年、今回私は生まれて初めて、丹波篠山という場所に降り立ちました。

結論から言いますと、丹波篠山は想像していた以上にとっても素敵で魅力に溢れた町でした。

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目次

丹波篠山という土地

現在この街は兵庫県篠山市といいます。以前は多紀郡篠山町という地名だったそうです。昔より丹波篠山の名で親しまれていましたが、「丹波国の篠山」という位置づけだったようです。それが1999年4月1日に篠山市となりました。

そんな土地ですが、昨今、篠山市を丹波篠山市に変えようという動きがあり、今回日本で初めて市名を変えるか否かについて住民投票が行われました。結果は市名変更賛成派が反対派を上回りました。同時に行われた市長選挙で市名変更賛成派の酒井隆明氏が当選し、2019年5月1日に「丹波篠山市」に変えることを表明されました。

今回の取材の目的はこの市名変更に関するお話を伺うことと、改めて丹波篠山という"町の魅力"を探るというものでした。※2019年1月現在は篠山市ですが、この記事では基本的に丹波篠山(市)で表記したいと思います。

まず市役所を訪ね、酒井市長にお話を伺いました。

酒井市長インタビュー

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Q1「市名を篠山市から丹波篠山市に変えたいと思われた理由は何でしょうか?」

A1「ひとことで言うと、私たちの街のブランドを未来に渡って繋いでいきたい、という思いからです。」丹波篠山の農産物は黒豆、栗、お茶、お米などがありますが、それらのほとんどはここ篠山市で作られたものです。ただ全国的には丹波篠山というイメージが強く、近隣に新しく丹波市(旧氷上郡)が誕生したこともあり、全国的にはわかりにくく混乱をきたしているという点や、篠山という漢字も単独では読みにくいということもあり、以前よりなじみのある「丹波篠山」を市名にしたいと思いました。

Q2「丹波篠山の魅力をひとことでいうと何でしょうか?

A2「魅力はたくさんありますのでひとことで、となると難しいですが・・・」と前置きされた上で、「丹波篠山は都市開発の波に飲み込まれることなく、往時のまま受け継いできた趣のある街並み、美しい風景、そして人にどっぷり浸れるところ」でしょうか。

Q3「酒井市長が個人的に薦めたい丹波篠山ベスト3を教えてください。」

A3「まずひとつめは「城下町の佇まい」です。武家屋敷、商家、農村集落などが良い状態で保存され、美しく独特の雰囲気を醸し出しています。観光地に訪れて、歴史的建造物の隣に高層ビルが建っているのが目に入って残念な思いをなさったことはないでしょうか?この街の中心にある篠山城跡に上り、ぐるっと360度見渡してみてください。高いビルがひとつもないんですよ。今の日本にこれほど当時のまま残された町は珍しいのではないでしょうか。街の姿が残ったこの理由としては、駅(JR篠山口駅)と町の中心が離れていたことが功を奏した面もあると思います。またJR篠山口駅までの複線電化が遅れて、結果的に他の都市に見られるような開発の波が届かなかったことも、昔の情緒が残された理由のひとつだと思います。そしてなにより大きいのは農業の盛んなこの土地で農地を守ろうとする地元住民の方々の熱い思いがあったことです。それらの結果、丹波篠山は日本でもまれにみる美しい景観が残る土地になったのです。
ちなみに私たちの街は下記に選定(認定)されています。

  • 重要伝統的建造物群保存地区選定(2004年)
  • 都市景観大賞(都市空間部門)受賞(2014年)
  • 美しい日本の歴史的風土100選(2007年)
  • 日本100名城認定(篠山城)(2006年)
  • ユネスコ創造都市ネットワーク加盟都市
  • 日本遺産のまち

私たちは美しい景観を守るという意識を強く持っています。保存地区以外に於いても近代的な建物や派手な色使いの看板で街の景観に支障をきたすことのないよう意識しています。
篠山市役所では「景観室」という部署を新たに設けてこの美しい街並み、風景を後世につないでいけるよう心掛けているのです。

おススメのふたつめは今田(こんだ)町の立杭(たちくい)です。今田町は丹波焼のふるさとですが、この辺りの山の紅葉が素晴らしいんです。丹波篠山は盆地ですので四方を山に囲まれています。しかし街の中心辺りの山は杉や檜など人工的に植林した針葉樹ですので紅葉はほぼ見られません。今田の立杭は自然の広葉樹ですので、特に新緑と紅葉の季節は素晴らしい。ぜひ皆さんにもご覧いただきたいですね。

そしておススメの3つめはお米です。丹波篠山は黒豆が全国的に有名ですが、私としてはこの土地のお米が好きです。甘くて瑞々しい。お米自体が美味しいので食べ方としては白米が一番ですが、当地特産の山の芋(普通の長芋の4倍も粘りが強いんです)を掛けて食べるのも好きです。これはぜひ食べていただきたい。私が保証します。

Q4「丹波篠山には美味しい食べ物がたくさんありますが、その中で市長が個人的にお薦めの食べ物は何ですか?」

A4「ひとつだけに絞るのはこれまた難しいですが、1番と言われたら「黒枝豆」でしょう。黒豆は昔より作られていますが、「黒枝豆」が盛んに作られるようになったのは比較的最近のことです。以前は田んぼの畔など隙間で作られていたのですが、政府の減反政策の時、転畑して、黒枝豆を作るようになりました。よく居酒屋の突き出し等で供される枝豆とは似て非なる食べ物です。大きくて柔らかく、そして甘い。人気グルメ漫画で取り上げられて人気に火がつきました。黒枝豆が旬を迎える毎年10月に開かれる「味祭り」では、高速の丹南篠山口インターチェンジ出口から渋滞となるほど多くの方がお越しになります。

Q5「丹波篠山ご出身の酒井市長の子供の頃の思い出を聞かせてください。」

A5「子どもの頃は毎日川で魚を採っていましたね。川でなければ山で虫採りとか(カブトムシ、クワガタ等)今の川はコンクリートで護岸され、危ないからと子供を川に寄せつけないように仕向けていますが、とても残念です。私としては川は子どもの遊び場としてあの頃の美しい環境を取り戻したいと思っています。」

Q6「最後に2019年、市が一番力を入れようとしているポイントをお聞かせください。」

A6「丹波篠山市を日本全国に大きくアピールしていきたいと思います。丹波篠山の魅力(街並み/文化/食べ物)により磨きをかけ、たくさんの方々に丹波篠山に来ていただけるようにしたいと思っています。」

酒井市長はとても気さくな方で、答えにくい質問にも真剣に考えてくださり、丁寧にお応えいただきました。インタビューは当初30分間の予定でしたがお忙しいにも関わらず1時間を超えてたくさんのお話を聞かせていただきました。酒井市長の丹波篠山に対する熱い気持ちをしっかりと受けとめました。

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酒井市長、ありがとうございました。

では、いよいよ丹波篠山の街に繰り出してみましょう!

丹波篠山の観光の見どころ

こちらで城下町の全体像がおわかりいただけます。

>>丹波篠山 城下町マップはこちら

見どころ1. 篠山城跡

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・篠山城の歴史(市パンフレットより抜粋引用)
篠山城は徳川家康が関ヶ原の戦い後の1609年、大坂城の包囲と西日本の諸大名を抑える拠点とする為に築いた城です。築城工事は西日本15か国20諸侯の大名に夫役を命じた天下普請で、指揮を執ったのは城造りの名手・藤堂高虎らでした。篠山城は、突貫工事により1年足らずで完成しました。ただし天守閣は家康の命令で築かれていません。大書院(おおしょいん)は築城とほぼ同時に建てられ約260年間にわたって藩の公式行事などに使用されましたが 、1944年に火災により焼失。その後地元の多くの人々の長年の願いにより、2000年復元再建されました。

大書院は京都の二条城の二の丸御殿に匹敵するほどりっぱな書院です。二条城は将軍が上洛した時の宿所になった第一級の建物ということから大書院は一大名の書院としては破格でした。
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堂々と鎮座する大書院は見事でした。大書院とは今でいう市役所のような行政の中心施設ですね。京都の二条城は写真撮影禁止など厳しい制限がありますが、こちらの大書院は写真撮影OKなのがうれしいですね。

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大書院で一番格式の高い「上段の間」です。二条城で大政奉還が行われた"あの間"にそっくりです。ここも写真が自由に撮れるのがうれしいところです。

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城内では、甲冑を着て写真撮影することができたり、お城ウェディングもできるそうです。映画やテレビのロケ地としても頻繁に使われているそうですよ。

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お城の見晴らし台からは丹波富士と呼ばれている高城山(標高462m)がひときわ目を引きます。この山には室町~戦国時代、八上城(やかみじょう)という山城があったそうです。そして酒井市長が仰っていた通り、どこを見渡しても高層ビルはひとつも見えませんでした。

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お城の外堀内には篠山小学校があり、とてもハイカラでレトロな印象を受けたので伺ったところ、1873年に建てられたそうです(なんと築145年!)明治時代の雰囲気が色濃く漂っていました。この渡り廊下、すごく情緒ありますよね~

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【篠山城跡】

  • 入場料:大人400円、大学・高校生200円、中学・小学生100円
  • 入館時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
  • 休館日:月曜日(祝祭日の場合は開館・翌日休館)・年末年始(12/25~1/1)

>>篠山城大書院の更に詳しい情報はこちらから

 
見どころ2. 御徒士町(おかちまち)武家屋敷群 / 安間(あんま)家資料館

重要伝統的建造物群保存地区は篠山城跡を中心に近世から近代にかけて建てられた武家屋敷、町家、寺院など城下町の特徴を残しています。城の西側(現:西新町)にある通り沿いが御徒士町(おかちまち)武家屋敷群です。御徒士とは藩主の警護にあたった武士のことで、御徒士の屋敷が10数棟立ち並び当時の面影を残しています。御徒士の平均的禄高は12石3人扶持(現在の貨幣価値では約100万円)程度だったようで、生活は楽ではなく、庭で畑作をしたりもしていたようです。御徒士の生活の様子を見ることが出来るのが「武家屋敷安間(あんま)家資料館」です。

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安間家で使われていた食器や家具です。右のガイドさんが手に持っておられる木製のものはなんと!枕だそうです。痛そう~。その他にも炭を使う江戸時代のアイロンなどがあってなかなか面白かったですよ。

【武家屋敷 安間家資料館】

  • 入場料:大人200円、大学・高校生100円、中学・小学生50円
  • 入館時間:9:00~17:00(受付終了16:30)
  • 休館日:月曜日(祝祭日の場合は解散・翌日休館)年末年始(12/25~1/1)

>>武家屋敷 安間家資料館のさらに詳しい情報はこちらから

見どころ3. 河原町(かわらまち)妻入商家群

城下町の南東に位置する河原町は商家の町で江戸時代から昭和期の町家や蔵が約700mにわたって立ち並ぶ通りです。家の間口が平均3間、奥行き20~60間と間口が狭く奥行が深いのが特徴です。京都にもよく見られますが、これは間口の大きさによって税金が決められていたことが影響しているそうです。家の造りは妻入り式が主で、河原町妻入商家群と呼ばれています。

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私が河原町をいいなあと感じたのは、お土産屋さんとかグッズショップといった観光地然とした雰囲気がないことです。家屋の多くは現在もお住まいですので、俗化していないところが良いと思いました。ところでこの本屋さんを見てください。今はジオラマでしか見られないようなとっても懐かしい本屋さんです。

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河原町妻入商家群の入口付近に小さなお店(森本商店)があるのですが、そこもお土産屋さんというよりは地元のお店という感じでした。

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そしてこのお店で評判の商品がこちらの小西のパンです。

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いつもは午前中で売り切れてしまうほど人気商品だそうです。この日訪れたのはちょうどお昼近くでしたがラッキーでした。3個入りで550円。パンはふわふわで軽く、豆の量がハンパないほど多いんです。味つけも甘すぎずあっさりして、食べ飽きない優しい味でした。お茶か牛乳と合いそうです。そしてもうひとつはこちらの「黒豆甘納豆チョコ!」どうですか?新商品らしいですが、さっそく人気だそうです。

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どんな味を想像されたでしょうか?和と洋の甘さドッキング。しつこい?中途はんぱ?これが意外(失礼!)にも美味しいんです。豆が美味しいのはもちろんですが、チョコが洗練されたコクがあり舌触りも品があり、スイーツという言葉も合いそうです。伝統的だけど新しいというなんともバランスが良いのです。お土産に買って帰りましたが、職場でも好評でした。

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そして商品の棚の下には・・・

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猫店長!(笑)桶に入ってるっていうのがまたいいですネ!

この他、城下町の北部には「二階町」を中心とした商店街があり、ここが現在の城下町エリアのメインのショッピング通りとなります。これが「ザ・昭和!」な雰囲気なのです。(良い写真が撮れなくて残念!)個人的にはこの通り、とっても懐かしい気持ちになれるので大好きです。古き良き時代が今も現役で息づいています。コンビニやチェーン店は皆無です。夕方5時には店は閉まり、朝も10時くらいから開き始めるそうです。昔はみなそうでしたよね。

このように城下町エリアと言っても江戸~明治~大正~昭和と歴史を刻んださまざまな顔を見ることができるのが丹波篠山の魅力のひとつでもあるでしょう。

見どころ4.  まけきらい稲荷

ここも必見!"まけきらい稲荷"

外国人に圧倒的に人気なのが、京都の伏見稲荷ですが、ここ丹波篠山にも必見のスポット発見!

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その名も「王地山平左衛門稲荷神社」別名、まけきらい稲荷です。江戸時代の大相撲力士 王地山平左衛門を祀っています。まけきらいとはなんともユニークな名前ですが、その由来は以下のようです。(市公式サイトより引用)

「篠山藩主青山忠裕公が老中であった約170年前の文政年間の頃、毎年春と夏に、江戸両国の回向院広場で、将軍上覧の大相撲が催されていた。ところが、いつも篠山藩のお抱え力士たちは負けてばかりであった。ある年の春場所のこと、篠山から来たという王地山平左衛門ら8名の力士と行司1名、頭取1名の 一行10名が現れ、土俵に上がると連戦連勝してしまった。負けずきらいのお殿様は大変喜んで、その者達に 褒美をやろうとされたが、どこにもいない。後で調べてみると、なんと全員が領内のお稲荷さんの名前だった。そこで、それぞれに、幟や絵馬などを奉納して感謝したという。」

場所は篠山城跡の東側、王地山公園内にあり、今では招福除災・商売繁盛勝利守護、それに合格成就の神として地元で広く信仰されているそうです。ちなみに地元高校生のデートの場所としても人気だそうですヨ。

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どうです?なかなか見ごたえありますね。記念にお守りも買いました!

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どうか、負けませんように!!

>>まけきらい稲荷の公式情報はこちら

見どころ5. 大国寺(天台宗 安泰山)

丹波篠山の城下町から車で約20分の場所にある「国の重要文化財」のお寺があります。

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大化年間(飛鳥時代)の頃、空鉢仙人が国家安泰を祈願され、自作の薬師如来像を安置し、開創されたと伝えられています。現在の本堂は室町時代に唐様と和洋の折衷様式で建築されました。大国寺は紅葉の名所としても知られ、シーズン中には多くの人が訪れるそうです。

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また最近ではコスプレの聖地、ロックバンドのプロモーションビデオ撮影、パワースポットとして若者の間でも話題を博し参拝客は増えているそうです。こちらが行列ができるパワースポットです。

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2本の赤い柱の間から手を入れて手のひらを下にかざすと温かく柔らかい気が感じられるというのです。私も実際試してみたら、確かに左下の方から生暖かい空気を感じました。住職のコメントが書かれています。

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「感じなかった方は、住職まで」というのが面白いですね。典型的なお寺というよりとても柔軟性のある楽しいお寺でした。

【大国寺】

  • 住所:兵庫県篠山市味間奥162
  • 入山料(入山志納金):お一人300円
  • 本堂内拝観料(入山料含む):大人800円、小中学生250円
  • 時間:8:00~17:00(16:30まで受け付け)

>>大国寺公式サイトはこちらから(紅葉の様子もご覧になれます)

見どころ6. 丹波焼の里

立杭(たちくい)陶の郷(すえのさと)(丹波立杭陶磁器共同組合パンフレットより抜粋引用)

丹波焼は、平安時代末期に発祥したとされ、瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつに数えられています。桃山時代までは「穴窯」が使用されていましたが、1611年ごろ半地上の「登り窯」が導入され、同時期に取り入れられた蹴りロクロ(日本では珍しい丹波独特の左回転ロクロ)により、産地の発展を遂げました。当初は壺や甕(かめ)などが主製品でしたが、江戸時代以降、茶器類に多くの名品を生みました。窯が開かれてからおよそ800年。陶器ならではの温かみがあり、素朴な「生活用器」を焼き続けています。
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私は焼き物にまったく詳しくありません。丹波焼きと言われても、例えば備前焼きのように「こんな感じの陶器ですよね」といういわゆる典型的なイメージがありませんでした。丹波焼は、元々は赤茶けたような色ですが、、、

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焼きの技術の向上や作家の創造性を尊重する考え方から赤茶けた色だけでなく、青、赤、緑などカラフルなものまであります。

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「陶の郷」の敷地内に「窯元横丁」という施設があります。そこには約50軒の窯元の作品が小ブースの集合体となってまさに横丁のように集まっています。訪問客は窯元を1軒づつ回らなくてもここに来れば自分の好みの窯元の作風がわかり、その後で個別に各窯元に行けばよいというとても便利で親切な施設です。窯元横丁を見て回ると、丹波焼とはこういうものと一言で括れないほど、とても自由でクリエイティブな焼き物でした。

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私は、焼き物といえば、変化や改革を嫌い、古来の伝統を守り続けることを第一に考えるという印象を持っていました。もちろん丹波焼にもそういう伝統を守る意識はあるそうですが、父から子へ伝承されるというよりも、子は親だけでなく、他の専門の学校や窯元で技術を学び、知見を広め、伝統を受け継ぐだけでなく、自分らしさを出すという考え方も大事にされているそうです。とても柔軟で懐の深い焼き物のようです。「陶の郷」では陶芸体験もできます。(出来上がりまで約2か月要)この辺りでは小学校4年で陶芸の授業があるそうです。焼き物が日常に溶け込んでいるんですね。

ここには現存稼働する最古(明治28年構築)の登り窯を観ることができます。

登り窯とは?

丘の斜面に作られており、窯が傾いているように見えるので"〝登り窯"と呼ばれています。最近は技術向上により電気で焼くことも多いそうですが、登り窯は昔ながらに薪で焼かれます。

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>>丹波焼 立杭 陶の郷 公式サイトはこちらから

見どころ7. こんだ薬師温泉「ぬくもりの郷」

温泉の少ない丹波篠山で評判の温泉施設です。1999年に出湯した「こんだ薬師温泉」は湯量、泉質、湯音ともに優れた温泉です。地下1,300mから効能豊かなお湯が毎分615リットルも湧き出し、特に露天風呂の大きさは圧巻だそうですが、時間がなくお風呂に入れなかったのが残念です。地元の人が職場の人たちと宴会と入浴で利用することも多く、地元に根づいた温泉のようです。館内は広く開放的でとても温かい雰囲気に包まれていました。次回はゆっくり訪れたいところです。

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館内には薬師如来さまが祀ってありました。

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大きな露天風呂の様子はこちらからご覧ください。

>>こんだ薬師温泉「ぬくもりの郷」公式サイトはこちらから

【こんだ薬師温泉「ぬくもりの郷】

  • アルカリ性単純弱ラドン温泉
  • 入浴料:大人700円、小人(6~11歳)300円、幼児(5歳以下)無料
  • 営業時間:午前10時~午後10時
  • 定休日:毎週火曜(祝日は営業)

見どころ8.丹波篠山とデカンショ節

(篠山市、デカンショ祭振興会パンフレットより抜粋引用)

丹波篠山には「デカンショ節」という江戸時代から続く民謡があります(市指定無形民俗文化財)。明治31年(1898年)篠山出身の遊学生たちから旧制一高(現東大)の学生たちに伝わりました。「丹波篠山 山家の猿が 花のお江戸で芝居する♪」で始まる歌は、たちまち多くの学生や若者から全国に広まりました。歌詞には、篠山城や特産物、丹波杜氏など数多くの歴史文化関連資産が歌いこまれ、有形無形の文化を伝えています。デカンショ節は時代ごとの風土や名所、名産品などを歌詞に盛り込み歌い継がれてきた民謡として「日本遺産」第一号に認定されました。デカンショの語源は諸説あり、もともとは「デッコンショ」と囃されていたことから「どっこいしょ」が転化したものという説が有力ですが、これといった意味はなく、素朴な囃子ことばに他なりません。

「♪デカンショ デカンショで半年暮らす あとの半年寝て暮らす」

>>日本を語るストーリーが全国で待っている「日本遺産」とは

丹波篠山の冬グルメと言えば・・・「ぼたん鍋」

猪肉(いのししにく)と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?脂が多い?獣肉?臭い?私もそういうイメージを持っていました。脂っこくて胃に持たれそうなくどいイメージ。

日本の猪肉の3大猟場は天城(静岡)、郡上(岐阜)、そして丹波篠山だそうです。中でも丹波篠山が有名なのは、ここがぼたん鍋(獅子鍋)発祥の地だからだそうです。丹波篠山特産の栗などを食べるので肉が美味しいそうです。(どんぐりを食べて育つスペインの高級豚イベリコ豚みたいですね)

猪というと最近は山から里に下りてきて田んぼや畑を荒らす害獣として毛嫌いされる傾向がありますね。私の田舎の広島県でも昔は猪が里に下りてくることはほとんどありませんでしたが、今は里に下りてきて、農家の方々を困らせています。

私が「丹波篠山では猪が山から里に下りてきて田畑を荒らすなど悪影響はないのですか?」と聞いたところ「ここでは猪が里に下りてくるという話は聞いたことがないですね~」丹波篠山の山には猪のエサが豊富にある。だから里に下りてくる必要がない、ということのようです。丹波篠山の自然の豊かさを象徴するようなお話ですね。

今回食べたのは「猪肉のしゃぶしゃぶ」と「ぼたん鍋」です。

お店は立杭「陶の郷」の中にある「獅子銀」さんです。

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まずは猪肉のしゃぶしゃぶから。

えっ?猪肉のしゃぶしゃぶ?しゃぶしゃぶって肉の味がわかる繊細な料理ですよね?猪肉で大丈夫?

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そんな心配をよそにしゃぶしゃぶ鍋は着々と作られていきます。

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ひとくち口に入れます。「ん?」「!!!」「・・・おいしい・・・」

そうなんです。ぜんぜん獣臭くない、重くない、逆にさっぱりしている。しゃぶしゃぶした肉は塩かポン酢でいただきますが、ポン酢で食べるとき、たっぷりのネギを肉で巻いて食べるんです。

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「猪肉って脂が多いんじゃないの?だってあの白い部分って脂でしょ?」

獅子銀の溝畑社長さん曰く、この白い部分はいわゆる脂肪ではないそうです。では何か?答えはビタミンB2です。猪は野生です。山では動物性たんぱく質を食べていないからだそうです。さらに獅子銀さんで出される猪肉は3歳の雌のみ。
猪肉のカロリーはなんと牛肉の30%。そしてコラーゲンたっぷり。低カロリー低脂肪でコラーゲンたっぷり。それが猪肉の特徴だったのです。驚きました。

「さすがに猪肉のしゃぶしゃぶは赤いままではなく、しっかり火を通して食べないといけないんですよね」と尋ねたところ、「猪は野生なので何を食べているかわからないでしょう。だから、火を通して60度以上にしてから食べるんです。60度以上に加熱すると菌が死んでしまうので安心なんです。」なるほど~。

驚いたのは、猪肉を煮込んでもアクが出てこないんです。想像以上に猪の肉ってヘルシーのようです。

酒井市長のお話にも出てきました丹波篠山の特産「山の芋」。獅子銀ではこの山の芋をすり鉢ですりおろし、ピンポン玉くらいの大きさにまとめて鍋に入れます。これが・・・激ウマです。驚きの旨さ!おもちのようにもっちりふわふわです。さすが、普通の山芋の4倍の粘りを持った「山の芋」恐るべし!

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さらに、すり鉢に残った山の芋を溶いて鍋に入れると・・・

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う~っ!言葉はもう要りませんね、高級中華のふかひれスープのような・・・(例えが正しいかどうかはさておき)バカウマです。

ちなみに猪肉のしゃぶしゃぶは丹波篠山のどのお店でも食べられるわけではなく、恐らく丹波篠山ではこの獅子銀さんだけのようです。肉に自信が無ければできないことですよね。獅子銀さんでは猪を一頭買いしているそうです。

ちなみにこの鍋の量、2人前なんですって。「ええ~っ この量で2人前???」思わず声を上げてしまいました。(写真を撮る時、タバコを置いてサイズ比較させればよかった。)かなり多く東京では4人前といってもおかしくないほどの量です。野菜もたっぷりです。

さて次はいよいよ真打登場!「ぼたん鍋」です。

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ぼたん鍋の方がしゃぶしゃぶよりもさらに野菜たっぷりです。この細切り大根を見てください。

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そしてぼたん鍋にはこんにゃくと豆腐(黒いのは黒豆豆腐です)が入ります。

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しゃぶしゃぶで結構お腹も膨れていましたので「この後に味噌の鍋は重いだろうなあ」と不安でした。今回街をご案内いただいた市役所の職員の方と一緒に食べたのですが、その方曰く、「ぼたん鍋はあっさりしているので(しゃぶしゃぶ食べた後でも)全然食べられますよ」
「ぼたん鍋があっさり?嘘でしょう~?」

・・・これが嘘ではありませんでした。

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ぜんぜん食べられました。味噌スープが思ったほどくどくなくさっぱりしていました。そして野菜がたっぷりなので意外にスルスルと食べることが出来るのです。獅子銀の溝畑社長が仰っていました。

「私は数ある鍋ものの中で肉と野菜がベストマッチングするのは断然ぼたん鍋だと思います。野菜が猪肉の旨みをしっかり吸って、肉だけでなく野菜がこれまた旨いんです。」溝畑社長のお言葉、全面的に同意します。食べてみてわかりました。

断言します!「ぼたん鍋は(猪のエキスを吸い込んだ)野菜こそが美味しいのです!」

そして確かに野菜は猪肉の旨みを吸って美味しかったのですが、野菜も丹波篠山産だからこそより美味しいのだと思います。特に個人的にネギがだんとつ美味しかったです。甘くてジューシーです。

ちなみにぼたん鍋の名の由来は、肉を盛りつけた姿がぼたんの花のようだった、とか、肉の色がぼたんの花の色に似ていた、とか諸説あるそうです。昔は確かに獣肉独特の臭さを消すようにと味噌や山椒で煮ていたそうですが、今は猪肉の処理方法が良いので臭みはほとんどないそうです。猪の狩猟の期間も厳密制限されていて11月15日に解禁されるそうです。(冷凍肉もあるのでお店では1年中ぼたん鍋は食べることができるそうです)

私のぼたん鍋のイメージを根底からひっくり返した逸品。丹波篠山に訪れた時はぜひ味わってみてください。

>>獅子銀さんのお店情報、その他のメニューはこちらから

篠山城下町ホテル NIPPONIA

今回の丹波篠山取材の中でも特に楽しみにしていたもののひとつが宿です。

篠山城下町ホテル NIPPONIA(ニッポニア)

(NIPPONIAオフィシャルガイドより抜粋引用)

NIPPONIAとは、日本各地の古民家を、その歴史性を尊重しながら宿泊施設や飲食店、店舗としてリノベーションし、複合宿泊施設として再生していく取組みのことを言い、ホテル名ではありません。ネーミングの由来は「ニッポニア・ニッポン」日本を象徴する鳥と呼ばれるトキの学術名です。トキと同じように日本の歴史的な古民家や町並みも宝物であり、大切に守り育てていかなければ消えていってしまう。日本の古民家をホテルとして再生し、新たな価値を提供したい。その土地に古くから根付く暮らしや文化を次代につなげたい。NIPPONIAの名前にはそんな思いが込められています。

篠山城下町ホテルは「町全体をひとつのホテル」として見立てた宿泊施設です。篠山の城下町内に点在する7つの棟15室(2019年1月現在)を擁しています。コンセプトは「400年の歴史の中に溶け込むように泊まる」です。

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JR篠山口駅から神姫グリーンバスで篠山営業所行きに乗車し約15分。篠山本町バス停で降り、お寺を背にまっすぐ歩きます。

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風情のある通り(西町通り)です。

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いい感じの表示です。「東洋一」ってとこがいいですよねえ。歩くこと50メートルくらいでホテルに着きます。

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こちらが篠山城下町ホテルのメイン棟"ONAE"です。(写真を撮ったタイミングが昼夜混在しておりますが、どうぞお気になさらずに。。。)

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時代劇のワンシーンみたいですね。

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チェックインはこちらの間で座って行います。

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スタッフの方がNIPPONIAのコンセプト、丹波篠山の街事情、おすすめポイントなどをしっかり時間をかけて説明してくれます。

篠山城下町ホテルの特徴としては、ホテル内に自動販売機はありません、売店もありません、ホテルのロゴが入ったグッズなども売っていません。それは、篠山の町にあるお店で買ってほしいという意図があるからだそうです。

"町との共生" その土地(町)に溶け込むように過ごす体験ができる。それがこのホテルの魅力でしょう。

私が泊まったのは、ロビーやレストランがあるメイン棟のONAEです。こちらは元銀行頭取が明治時代から3代にわたってお住まいだった築140年の邸宅です。古民家というのでどちらかというと農家に近いイメージを持っておりましたが、お金持ちの邸宅という雰囲気でした。ONAE棟には5部屋あるのですが、私が泊まった102号室はなんと・・・

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離れのお部屋でした。いったん屋外に出て通路をまっすぐ進むと・・・

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部屋の入口(玄関)の左には中庭があって・・・

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玄関を入ると・・・

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「ん?」

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「んんん???」

そう、102号室はなんと元「蔵」だったお部屋でした。

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蔵だっただけあって天井が高いです。右手の階段を登るとロフトになっています。

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ベッドの部屋の奥には細長い間があり、机があります。その机の上には何か置いてあるようです。

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おおっ、村上春樹は外国人にも人気ですからね。

この間の窓からはこんな風景が、、、

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・・・もうほとんど一軒家ホテルでした。気分は明治の文豪です(笑)

ただ古さを守っているだけではありません。機能的にもきちんと備わっています。

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お風呂も洗い場があり、洗い椅子があって家と同じように入ることが出来ます。(わが家のお風呂より数段良い(笑))

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冷蔵庫(お水サービス)、電気ポット、珈琲、お茶サービス、セーフティボックスもあります。

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私が感動した2つのこと

今回、篠山城下町ホテルNIPPONIAに泊まって「いいなぁ」と感じた点はたくさんあるのですが、中でも心温まるおもてなしとして心に残ったことが2つあります。

①ホテルスタッフの手書きの散策マップをプレゼント!
市役所が作られているマップもとても良い出来なのですが、そこに更にホテルスタッフならではのイチオシスポット、散策プランなどが手書きで書き加えられたものをチェックイン時にいただけます。ガイドブックやマップは街歩きにとても役立ちますが、そこに更に口コミの個人的なおススメが加わると好印象ですね。たとえばこんな感じのマップです。あったかいでしょう?

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手作りマップ以外にもチェックイン時に女性スタッフから

②個人的おススメスポットを教えてもらえました。

それは2つあって、ひとつはホテルONAE棟近くの「篠山市営駐車場から見る星空」です。街灯が少なく、晴れていると星がとってもきれいに見えるそうで、スタッフの方も休憩時間や仕事終わりに行って星空を眺めるそうです。(私も行ってみましたが、ちょうどその日は曇っていて星空は見えず。残念!)もうひとつは「御徒士町武家屋敷群の通りから見る夕陽の素晴らしさ」です

こちらも夕暮れ時に時間が取れなくて実際にきれいな夕陽を見ることは叶いませんでしたが、昼間に訪れた時、こういう風情ある通りに夕陽が差したらさぞかしきれいだろうなあって思いました。こういう情報ってとってもありがたいですよね。

ちなみに篠山城下町ホテル NIPPONIAの部屋にはテレビも電話もありません。ご一緒にお泊りの方と良い時間を過ごして欲しい。という思いからそうしているそうです。そういう過ごし方がぴったりのホテルだと思いました。

篠山城下町ホテル NIPPONIAの夕食

このホテルの魅力はお部屋だけにとどまりません。もちろん素泊まりでも受け付けてもらえるのですが、宿泊客の約8割が食事をホテルで召しあがるそうです。丹波篠山は特産物が多く(黒豆、栗、松茸、山の芋、魚、猪、牛など)食材の宝庫です。篠山城下町ホテルNIPPONIAの食事はそういった滋味豊かな地元産食材を関西フレンチの巨匠・石井之悠さんが手がけて供されます。

ダイニングの入口はこちらです。(夕食、朝食ともこちらです)古民家の雰囲気が充満しています。

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ダイニングからは中庭を見渡せます。

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夕食

今回いただいた夕食はこちらです。(メニューは季節に応じて約2か月毎に変えるそうです)

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地元野菜のガルグイユ

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ガルグイユとは、素材に一番合う調理方法(生、焼き、マリネなど)で調理した料理だそうです。薄味で素材の味と歯ごたえが良いです。過剰な味付けやソースはありません。これからの宴のはじまりを予感させるシンプルでレベルの高い逸品です。

鱈と白子 柚子ジャム、カブのヴルーテ

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ヴルーテとは「ビロードのように滑らかな」という意味だそうです。ねぎの甘味と食感がとても良かったです。白子は濃厚のひとことです。

アマゴのカダイフ包み 春菊(バター)のソース

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アマゴの腹の中に黒豆と米が詰められています。カダイフとはコーンの粉のことだそうです。

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個人的にはこの料理が一番美味しかった。カダイフのさくさくした食感が食欲を誘います。アマゴはタンパクな魚でバターソースがとても合います。私は実は春菊が苦手なのですが、特有の青臭さは感じられずまろやかなソースでした。はらわたに軽い苦みが感じられ大人の料理という感じがしました。キリっとした白ワインが合います。

・但馬牛ロースのステーキ 北村わさびを添えて

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ボリュームたっぷりで、炭火の香りが上品なワイルドさを添えていました。肉は赤身なので重くはなく、しっかり歯ごたえで肉らしいお肉でした。ピンクペッパーで肉の味を存分に引き出し、そこに千切りの北村わさびがきゅっと味を引きしめます。北村とは人の名前だそうです。付け合わせの野菜はかぶ、しいたけ、にんじん、さつまいも、小松菜。私は正直にんじんがさほど得意ではないのですが、これまで食べたにんじんの中で一番美味しかったかもしれません。ごぼうみたいな歯ごたえで旨みが凝縮していました。

・本日のデザート

これぞフレンチのデザートという、女性が喜びそうな華麗なデザートです。抹茶クリームヨーグルト風味チーズケーキ。上の透明な蓋は水あめです。篠山盆地に立ち込める霧のイメージだそうです。

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チョコに山椒を効かせて少しぴりぴりした、大人のデザートという感じです。チョコに山椒は意外に合います。これまでシェフが料理もデザートも作っていたそうですが、最近パティシエが来られたそうです。

・食後のお飲物と小菓子

ドリンクはコーヒー、紅茶、ほうじ茶の中から選べます。迷わずほうじ茶をチョイス!

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小菓子は味間(あじま)ほうじ茶「くずきり」少しニッキの味。(見えにくいですが器の中に入っています)上品で甘さ控えめで口の中がさっぱりします。

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小さな丸いのは白味噌を練り込んだブールドネージュ。和菓子のようでアーモンドの味がしました。

朝食

続いて朝食をご紹介しましょう。朝は中庭の雰囲気も夜と違って清々しい印象です。

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朝食は和定食です。

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・デカンショ米(丹波篠山産コシヒカリ)

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お米は「東の魚沼、西の丹波篠山」と言われるそうです。甘くてジューシー、炊き方も秀逸です。このつやを見てください。酒井市長が「私のイチオシはお米!」と仰っていたのも納得です。

・みそ汁

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黒豆味噌を使っており、香ばしさとコクが特徴です。豆腐がしっかり固めで私好みでした。

・サーモンポワレ 

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和風膳でありながらフレンチテイストの逸品。サーモンの皮がパリッとしています。(恐らく皆さんが思っておられる以上にパリッとしています。)身も脂がのっていて一番良い状態の魚を使っているのがわかります。

・玉子スフレ 

こちらも玉子焼きではなくフレンチです。中にわさびマヨネーズが入っていて、料理というよりはケーキのような食感です。

・こんにゃく煮(地元産)

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舌にブチブチざらざら感が「手作りこんにゃくだなぁ」と感じさせます。お代りしたいほど美味しかったです。

・大根煮と油揚げ

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薄味です。朝にぴったりの優しい味。
 
・ねぎぬた

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ねぎの柔らかさ、しっとり感と味噌がベストマッチング。何もコメントありません。おそれいりました。

・食後のドリンク

コーヒーか黒豆茶のチョイスです。せっかくですので黒豆茶を。

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香ばしい香りで朝の目覚めと一日の始まりにぴったりです。

<食事全体を通した私の感想>

私はフレンチといえば「ソース」というイメージを持っていました。濃いめの味つけと見た目の華麗さでインパクトを与える反面、日本人にはやや重く、胃に持たれるというイメージで正直私はあまり得意ではありません。今回頂いた料理はフレンチをベースにしながら、素材の味を充分に引き出す和食との融合、バランスが秀逸でした。

地産地消とはよく言われますが、今回感じたのは、地産地消とは言い換えれば「覚悟」ではないかと思いました。地産地消の料理は全体的に薄味の料理が多いのではないでしょうか。素材の味を充分に引き出し、味わえるように極力薄味にされるのでしょうが、これには食べる人間の味覚も大いに関わってくると思います。

外食の濃い味つけや調味料に慣れた人には地産地消の繊細な味つけは物足りなく感じるかもしれません。地産地消でやっていくとは、作る側の覚悟であり、それを受け止める側(食べる人)の覚悟も必要であるように感じました。

今回のディナーの「地元野菜のガルグイユ」や、朝食の「大根煮と油揚げ」は薄味で繊細な味でした。食べる側の味覚が研ぎ澄まされていないと本当の美味しさを感じられないかもしれません。私なども普段は早く安く手軽にお腹を満たせる料理に浸っていますので、たまにはこういうきちんとした食事をしなければいけないなあと思いました。

ONAE棟には以前このお屋敷にお住まいだった元銀行頭取の方の表札が今もかかっています。

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「400年の歴史の中に溶け込むように泊まる」というコンセプトがこういう所にも表れていますね。

篠山城下町ホテルのスタッフの方たちの気配りがさりげなく柔らかく、出すぎることなく且つ適切。そして丹波篠山の街と人と共生していこうという姿勢が随所に感じられました。こちらがチーフの沖田美咲さんです。

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>>篠山城下町ホテルに泊まってみたくなった方、 宿泊プランはこちらから

>>NIPPONIA 公式サイト

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丹波篠山という街に滞在して感じたこと

日本にはまだまだ知られていない素敵な街があるなあ~と思いました。

駅と街の中心地が離れているのはヨーロッパの街と似ているように思いました。駅付近(新市街)が新しく便利に変わっていくのに対し旧市街はタイムスリップしたかのように昔の佇まいのまま生き続けています。時代の開発の波に飲み込まれることなく、しっかりと地に足をつけ、独自の文化や歴史を守りぬいてきた人々。世間から、田舎だの時代遅れだの色眼鏡で見られることに振り回されず、まっすぐに歩いてきたからこそ、今や類をみない独自の風景と文化が花開いたのかもしれません。

今は地方都市がまるでミニ東京のように、作り変えられています。駅からショッピングセンターからお土産から どこも似たようなコピーの街に。外国人が東京や大阪など大都市を旅行した後、もっと日本らしい文化や風景を見たいと地方に目を向けてきてい るようですが、地方がみなミニ東京やミニ大阪になってしまったら、外国人もがっかりするかもしれません。その土地らしい街であった方が喜ばれることは間違いないでしょう。外国人が丹波篠山を訪れてどう感じるか、とても興味深いところです。

昔からの街並み景観や文化を守ることは簡単ではありません。ミニ東京やミニ大阪であることの方が便利で安価で効率的なことも多いでしょう。その土地の文化や歴史を守るには、覚悟と努力と相互の協力、そして継続が不可欠でしょう。そういった人たちによって守られた街に訪れることは、私たち旅人にとって大変意義のあることではないかと思います。

丹波篠山は山奥とか田舎とか言われていますが、実はJR大阪駅から一時間程度で到着します。意外に近いのです。

もし、あなたが丹波篠山にまだ訪れたことがないとしたら、ぜひ一度お出かけください。

きっと私のように驚くでしょう。そして日本にまだこんな素敵な場所があったことを嬉しく思うことでしょう。

>>>Go To トラベル対象の旅行を探してみる

【丹波篠山ひとくちメモ】

丹波篠山にはこの記事の内容以外にも「ささやまの暮らし、歴史文化、伝統芸能」に関するさまざまなイベント、体験などをすることができます。丹波篠山についてもっと詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。

>>一般社団法人 ウイズささやまのサイトはこちらから

>>>丹波篠山 観光情報公式サイトはこちらから

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シンジーノ
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記事投稿日:2019/02/14最終更新日:2020/10/12

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