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ギターセンター・ハリウッドがリニューアル Rock Walk式典&スペシャルコンサート
ハリウッドのサンセットストリップにある老舗楽器店「ギターセンター」が、この度1年の歳月をかけて2018年11月3日にリニューアルオープンしイベントが開催された。また今回シーラE、ドラムメーカーdwの創始者Don Lombardi氏とJohn Good氏がRockWalk殿堂入りを果たした。さらにサンセットブルバードを閉鎖しDJのA-Trak 、アンダーソン・パークによるパフォーマンスが繰り広げられた。ギブソンギター復活という嬉しいニュースも入り、ハリウッドはまた音楽旋風が吹き返してきている。
目次
ヒストリー
ギターセンターの始まりは、1959年創始者のWayne Mitchellがオルガンストアーを購入したところから始まる。その後1972年にサンフランシスコ、3店舗目はサンディエゴにオープンさせ、現在はアメリカに290店舗ほどとなり、全米で一番の楽器店へと成長した。
ハリウッドのサンセットストリップにあるこの店は1985年に1,600平米という広さでオープンしたが、現在は世界で一番大きな楽器店として2,800平米まで拡大、今回のリニューアルオープンには500万ドルが投資された。
また、ここは世界中から沢山の人々が訪れる観光名所としても有名な場所だ。これまでロックンロールのレジェンドを称える「RockWalk」もそのひとつ。エアロスミス、アリス・クーパー、チャック・ベリー、ジェームス・ブラウン、ドゥービー・ブラザーズ、B.B.キング、スティーヴィー・ワンダー、エディー・ヴァン・ヘイレン、アイアンメイデン、コーン、メタリカ、デフ・レパード、スラッシュ、ジェフ・ベック、モトリー・クルー、オジー・オズボーン、B'z 他沢山のレジェンドロックスター達が殿堂入りしており、彼らのハンドプリントとサインがそこにある。
新しくなった外観や展示物
入り口正面には、これまでエディー・ヴァン・ヘイレンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンの使用済みギターや機材、衣装等が展示されていたが、今回一転して全てショーケースはレジェンドギタリスト達の使用済みギター、ベースが1本1本展示されることになった。
ザック・ワイルド(オジー・オズボーン、BLS)、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、マイケル・アンソニー(チキンフット、ex.ヴァン・ヘイレン)、エディー・ヴァン・ヘイレン(ヴァン・ヘイレン)、ロン・ウッド(ローリング・ストーンズ)、スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼズ)、ニタ・ストラウス(アリス・クーパー)、ジョン・リー・フッカー、オリアンティ、ギーザー・バトラー(ブラック・サバス)、John5(ex.マリリン・マンソン、ex.ロブ・ゾンビ), セイント・ヴィンセント、カーク・ハメット(メタリカ)、カルロス・サンタナ、ディック・デイル、B.B.キングのギターが展示されている。
また中に入るとすぐ左手にエリック・クラプトンのフェンダー ストラトキャスター"BLACKIE" と右手にはギブソンES-335"Cream"が展示されている。
外観はこれまでと変わり、ジミ・ヘンドリックスをはじめとしたカラフルな壁画が印象的だ。この壁画は三人のストリートアーティストによって描かれた。
見て触って体験型
今回このリニューアルで特にこだわっているポイントは、実際に来店した人達に体感してもらうという点だ。
例えば、照明やスピーカーのセクションですら、実際にコンサートで使用するライトが、ワークショップやショーケースを行うステージ上に取り付けられており、実際の動きをそこで見ることが出来る。
またスピーカーもどんな音がするのか、モニターから選べて自分の好みの音がどれを選べば適しているのかチョイス出来、その場で様々な音を試して聴くことが出来る。
シュアーやゼンハイザーのマイクやヘッドホンは、気楽に手に取って大きさや重さなども確認が可能だ。
中でも特に注目したのがギターエフェクターのセクション、あらゆる数のエフェクターをこちらで実際に試して音を確認することが出来るのだ。まるでそこは、キャンディーストアーの様に数々のエフェクターが並んでいる。これは前代未聞の新しい形で、まさに見て触って試して気に入ればお買い上げというスタイルだ。
ドラムセクションでは、幾つかのドラムや電子ドラムをそこで実際に演奏することが出来る。シンバルやスネアの数もハリウッド店だからこその品揃えだ。
ヴィンテージルーム
正面玄関をそのまま、真っすぐ突抜け、マーティンとテイラーのアコースティックギタールームを通り過ぎた奥には、ギターセンターハリウッド、最大の見どころヴィンテージルームがある。
ヴィンテージルーム入り口には、ポール・マッカートニーの使用したサイン入りアコースティックギターMitchell MD100が左手に、またジョニー・キャッシュの1925年マーティンアコースティックギターも右手に展示されている。
ヴィンテージルームの責任者の説明によると、「180のプラチナムギター、260のヴィンテージギターとベースを販売している。ここには、ハリウッドにしかないコレクションだったり、スパークリングのテレキャスター、ギブソンコレクションのレスポールやフライングVの状態の良い物が揃っている。ESPのカスタムギターもあるんだ。ジミー・ペイジやエリック・クラプトン、サンタナなどがこれまで来店しており、去年はジョー・ボナマッサも来たよ、彼らとは一緒にプロモーションを行ったり良い関係を築いているんだ。」と話してくれた。
今回本記事の為に特別にジョー・ボナマッサが売却したギター、そしてヴィンテージマイクを見せてくれた。
「これは1959年の2ピックアップ、ギブソンカスタムレスポールで、25年私はこの仕事をやってきたけど、こんな珍しい物は見たことがない。これはもう既に買い手が決まったんだけどね。」
「こちらはヴィンテージAKG-C24(1960年代のビンテージコンデンサーマイク)で16,000ドルというお値打ちもんだ」
この様にヴィンテージルームでは中々市場に出て来ない貴重な機材が取り揃えられている。また倉庫にはさらに200本程のヴィンテージギターが保管されているので日本からこのギターが欲しいというリクエストがあるなら、事前に何年物のどこの何ギターが欲しいのか問い合わせてくれれば、用意することも可能とのこと。
2Fはスタジオに
これまでドラムコーナーとして存在していた2Fが全てレッスンスタジオとして生まれ変わった。全く楽器を触ったことの無い人でも体験出来るフリークラスや、ワークショップも開催されている。
旅行中に一日だけアメリカ本場でのレッスンを受けることも可能だそうだ。ぜひ旅の合間にチャレンジしてみよう。
RockWalk殿堂式典&コンサート
今回RockWalkへ殿堂入り式典が開催された。殿堂入りしたのは、プリンスの元婚約者&バンドメンバーとしても有名な女性パーカッション奏者のシーラ・Eが受賞した。彼女は1996年に安室奈美恵のバンドメンバーとしても来日している。
そしてドラムメーカーdw(Drum Workshop)の創始者Don Lombardi氏 とJohn Good氏だ。DonとJohnの関係は元々ドラムの先生と生徒という関係で粗末なドラム教室兼ドラム店から出発して現在の53,000平方フィートの巨大な施設を持つまで、Drum Workshop社は世界でも影響のあるドラムメーカーに成長し、長年音楽業界に貢献しているため今回受賞となった。
特別にシーラ・Eから日本のファンの皆さんへのメッセージをもらうことができた。
「日本の素晴らしい皆さんこんにちは 長年に渡っていつもサポートしてくださりありがとうございます。また皆様に再びすぐ御逢い出来ることを楽しみにしています」
この日はリニューアルを記念として、サンセット・ストリップを閉鎖させ巨大スタジオがお目見え。やることが普通の楽器屋の規模ではない、公共のストリートを閉鎖させる凄さは、流石に名所だけある。
ローリング・ストーン誌の「EDMの最も重要な人物50人」にも選ばれたカリスマDJのA-TRAKのDJプレイでオーディエンスは盛りあがりをみせた。
そしてニュー・アルバム「Oxnard」を11月にリリースしたばかりの、ラッパー兼ドラマーのアンダーソン・パークがサプライズゲストとして登場!「ギターセンターには、良くドラムを練習しに来たよ」とアンダーソン・パークならではのMCに会場は沸いた。
まだまだ見どころがたくさんあるギターセンター。ハリウッドに来る際は必ず訪れてほしい。
Guitar Center Hollywood ギターセンター・ハリウッド
■住所:7425 Sunset Blvd, Hollywood, CA 90046
■電話:(323)-874-1060
■営業時間:月ー土 10:00-21:00、日 11:00-20:00
■HP:https://stores.guitarcenter.com/hollywood
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Sayaka Shiomi
- ロサンゼルス在住、音楽ジャーナリスト&コーディネーター。現地ならではの情報を御届けします。