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地震直後の北海道を訪れて。最高に楽しめた今回の旅、北海道に行くことが復興支援です
たびこふれ編集部のnishiurashiです。2018年9月14日~9月18日の5日間、少し遅めの夏休みということで、旅行に行ってきました。行き先は、北海道です。
目次
北海道旅行に行くことを決めるまで
この旅行の1週間前の2018年9月6日、北海道胆振(いぶり)東部を震源とする震度7の大地震が発生し、大規模な土砂崩れ、液状化、停電、ガソリンスタンドに行列する多数の車などなど、甚大な被害の様子が連日テレビで報じられていました(地震発生直後の様子は、こちらの記事の冒頭でも少しまとめています)。
搭乗予定の航空会社からは、出発当日でも取消料免除で予約がキャンセル出来ると案内も来ましたので、キャンセルすることも少し検討しました。しかし、ずっと楽しみにしていた北海道旅行。やはり行きたい気持ちが非常に強かったため、ウェブ等で現地情報を収集すると共に、出発2日前の9月12日に宿泊予定のホテルに電話で状況を聞いてみました。すると、「大きな被害もなく通常営業しているので、是非お越しください」と仰っていただき、予定通り旅行することを決めました。
また、私たちは今回、北海道の真ん中から東、いわゆる道央・道東に行く予定でしたので、震源からかなり離れていることも、大丈夫だろうと判断した理由のひとつです(震度7を記録した厚真町(あつまちょう)から私たちが行った網走市までは直線距離で約240km。これは東京~名古屋間(約260km)と同じぐらいの距離です)。
実際、北海道の様子はどうだったのか?
実際に行ってみての感想としては、観光することには全く支障はなく、不自由を感じることは何もありませんでした。ただし、北海道全土で節電の協力要請が出ていたことで、各レストランやホテルにて節電の取り組みが行われていました。北海道電力による節電協力要請のテレビCMも、今回の旅でよく目にしました。
こういった張り紙をよく目にしました。少し照明を抑えていたり、エアコンを切っていたりするところが多かったです。宿泊先のホテルでは、私たちも出来る限り、節電に協力しようと心掛けました。
こうして営業時間を短縮するガソリンスタンドも見受けられました。また、特に釧路市内の道路では、街灯の明かりが少し間引かれていて、街全体で節電に取り組む様子を目の当たりにしました。
しかし、経済産業省により発表された資料(※)によると、「9月18日、北海道電力苫東厚真1号機の安定的な定格運転が可能な状態が確保されたことにより、需要減1割確保のための節電の要請については、必要がなくなりました。」「これに伴い、今後については、例年のように、冬に向けて「無理のない範囲での節電」にご協力をお願いします」とのことで、街中では以前の明るさが取り戻されたようです(札幌市内繁華街のネオンも明かりが戻ったようですね)。
(※)経済産業省 資源エネルギー庁「北海道における節電の取組について」(平成30年9月21日)より
話題になったセイコーマート
北海道で1,100店舗(※)展開するコンビニチェーン「セイコーマート」。北海道以外には茨城(85店舗(※))と埼玉(10店舗(※))にしかないようですので、初めて耳にする方も多いかと思います。(※)2018年8月末現在/公式サイトより
そのセイコーマートの地震直後の対応が素晴らしいと、メディアでよく目にしていました。停電により休業するコンビニが多い中、セイコーマートはほとんどの店舗で営業を続けることが出来たようですが、車から電力を供給したり、店内キッチンのガス釜でご飯を炊いて、おにぎりや温かいお弁当を作って提供したりと、食料を求める多くのお客さんの助けになったとのことでした。
この店内キッチンは「HOT CHEF(ホットシェフ)」と呼ばれ、現在は900店舗以上に導入されているようです。
この旅行中にもセイコーマートはあちこちで見かけ、何店か立ち寄りました。富良野の店舗のスタッフの方に少しお話を伺ったところ、「物流に影響があり商品がなかなか届かない中、ホットシェフがあったからまだ良かった」と仰っていました。普段でさえ、コンビニで手作りの温かいご飯が食べられるのはとてもありがたいことだと思いますが、こういった震災時では、そのありがたみがより一層感じられたことだと思います。
このときもまだ店内には空っぽの棚も見受けられましたが、飲み物やお菓子などはある程度揃っていました。セイコーマートでは「Secoma」というプライベートブランドを展開しており、この日は少し暑かったので、Secomaの冷たいドリンクを購入しました。右のエナジードリンクは炭酸強めでとても美味しかったです。
今、北海道へ行くこと。メディアとして現地の姿を伝えること。
今回の地震の影響で、北海道の観光への損害も非常に大きく、宿泊者のキャンセルが約94万人、観光全体の損失額が約292億円とも言われています。実際、どの観光地に行っても人はまばらで、観光しやすい面もありましたが、やはり寂しい印象でした。
旅行先が直接大きな被害を受けたり余震が怖かったりで、キャンセルされる方もいらっしゃったかと思いますが、今回私たちが訪れた場所のように、全く問題なく観光できるところが大半だと思います。冒頭で述べた通り、震度7を記録した厚真町から私たちが行った網走市までは、東京~名古屋間と同じぐらいの距離です。北海道は広いのです。
テレビでは、被害が大きかったエリアの映像がよく報じられます。それを見て、北海道全体が大きな被害を受けたという印象を持ってしまう方もいるかと思いますが、それがいわゆる風評被害に繋がります。
また、こういった大震災のあった場所に旅行に行くなんて、「不謹慎だ」とか「自粛すべき」という意見もあるようですが、北海道の皆さんは「是非来てほしい」と思って旅行者を待っています。それは今回、実際に北海道を旅して、現地で感じることが出来ました。テレビのニュース番組でもアナウンサーの方が、「北海道への旅行を控えるのではなく、むしろ来てくれることで、北海道の皆さんが元気になる」と仰っていたのが強く印象に残っています。
今回の北海道の旅、最高に楽しめました。本当に、行って良かったと思っています。現地の今を自分自身で体感し、それを「是非伝えたい」という気持ちを持って情報発信することこそ、メディアに必要なことだと考えています。今回の旅の様子はこちらの別記事にまとめていますので、是非ご覧ください。そして今、北海道に行くことこそが、北海道の皆さんを元気にする復興支援の一助になると強く感じています。
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nishiurashi
- たびこふれ編集部員。人生初の海外渡航先であるラスベガスに衝撃を受け、海外旅行が好きになりました。年末年始にロンドン一人旅をしてサッカー観戦したこと、ナスカの地上絵遊覧飛行前にビールを飲み、セスナ機内で激しく酔ったこと、九寨溝から成都まで訳あって2人の中国人と丸一日乗用車で移動したこと、どれも良い思い出です。