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北八ヶ岳の「天狗岳」に初めて登ってきました。
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
自称山好きの私ですが、基本は日帰り圏低山を主戦場(?)にしています。泊まりの山行は年1回程度で、昨年は大雪渓で有名な北アルプスの白馬岳に登りました。その時の記事はこちら→
北アルプス「白馬岳」の大雪渓はまるで天然クーラーのようでした。。。
さて2018年度の今年は北八ヶ岳の「天狗岳」に8/18~19の1泊2日で登ってきました。
目次
- 北八ヶ岳 天狗岳のコースタイム
- JRとバスを乗り継いで登山口へ
- ここから登山開始!
- 岩場が続く登山道
- 賽の河原に佇む守り神
- 高見石からの眺望
- 本日泊まりの黒百合平に到着
- 山小屋・テント泊での一番の楽しみといったら・・・食事です
- ご来光を拝むためには早起きもなんのその
- 私が山をやめられない3つのポイント
北八ヶ岳 天狗岳のコースタイム
メンバーは山登り集団「チームK」の山男たち5名。
K隊長お手製のコースタイム表がこちらです。ちなみにK隊長は実際は90分かかる道を60分で組んだりする(わざと?)ことがあるので隊員は注意が必要です(笑)
JRとバスを乗り継いで登山口へ
8:56 登山拠点はJR中央本線の長野県茅野(ちの)駅です。
茅野駅には各方面に向かうバス乗り場が並んでいて、夏休み後半の土日ということもあり多くの登山者で賑わっていました。
私たちは先頭の1番乗り場から「渋の湯」行きに乗ります。他の乗り場に比べたら比較的空いていて待っている人全員が座ることができました。こちらが私たちが乗るバスです。
運転手さんが人数確認をしています。風貌や帽子が昭和チックでとってもいい感じです。実際気さくでお話上手な運転手さんでした。
バスに揺られること約50分で終点 奥蓼科温泉郷「渋の湯」バス停に到着です。こちらには「渋御殿湯」というしぶ~い旅館があります。前を流れる川に硫黄の匂いが立ち込めるいかにも温泉っぽい風情のある気持ち良い場所でした。
ここから登山開始!
10:30 渋御殿湯を右に進んだところから登山開始!登山届を忘れずに提出します。
岩場が続く登山道
この歩きにくそうな岩場を見てください。結論から言えば、天狗岳はほぼ岩場が続く足場の悪いコースでした。ただ標高差は700メートル程度で急登の道はそれほど多くありません。登山口から最短ルートを登れば約2時間30分位で黒百合ヒュッテに到着できるのも嬉しいところです。
木の橋を渡ります。清流の音が爽やかで気持ちいいです。
この清らかな水を見てください。思わず手にすくって飲みたいほどの透明度です。
今回、私たちは宿泊地の黒百合平への直行ルート(約2時間半)ではなく、眺望の良い高見石を回っていく少々ハードなルート(約5時間)を行きました。自分、不器用な山男ですから。。。
樹林帯の中は苔むした石や木が広がり、山の神が住んでいるような神秘的な世界でした。今回5名の内、私はテントを持っていないので山小屋泊ですが、他の4人はテント泊です。その為、ザックは60~85リットルの大型で重量は20キロ近くにもなるものを背負って登ります。
樹林帯を抜けたところで視界は広がります。が、岩場はひたすら続きます。
ふと後ろを振り返ると。。。
賽の河原に佇む守り神
賽の河原(さいのかわら)に到着です。ここには登山者を見守るお地蔵さんが鎮座しています。このルートは冬でも登れる為、毛糸の帽子を被っておられました。
ひたすらひたすら岩の道。。。
再び樹林帯に入っても岩の道。
高見石に到着。山小屋があり、ここで昼食休憩を取りました。各自持ってきたおにぎりやパンをほおばります。ビール350ml缶が550円。こういう場所ですからしかたありません。こういう所で冷えたビールが飲めることに感謝です。
高見石からの眺望
小屋の横に高見石展望台があり、そこからの風景です。前に見える池は白駒池です。
こういう景色と空気を味わえるから山登りは病みつきになります。
昼食休憩後、今日の宿泊場所「黒百合平」に向かいます。
眺望の良い中山展望台に到着です。
天狗岳山頂(東天狗)が見えてきました。明日ご来光を拝みに行くよ~
本日泊まりの黒百合平に到着
16:00 今日の宿泊地 黒百合ヒュッテの山小屋とテント場に到着。途中道を間違えて時間をロスしてしまいましたが、ぎりぎりセーフ。山小屋には遅くとも16:00には到着するというのが山のルールです。
こちらが女性に人気の黒百合ヒュッテです。人気の理由は、カフェやスイーツや軽食が充実していることとトイレの清潔さです。昔の山小屋のトイレは汚いのが当たり前でしたが、最近では清潔なトイレが増えてきたのは嬉しいですね。
宿泊受付場です。ここの山小屋には150人泊まれます。
山小屋では何が一番貴重かというとそれはやっぱり"水"です。
畳に置いてある白いポリタンクは雨水を煮沸したものです。宿泊者には無料で提供されます。2リットルのペットボトルのミネラルウオーターはなんと1,000円します。下から持って上がるんですからね。山で水がどれだけ貴重かおわかりいただけるでしょう。
山小屋、テントでの一番の楽しみといったら・・・食事です
夕食は自炊です。これも山泊の楽しみのひとつです。今宵の献立は燻製です。鶏肉、ウインナー、チーズ、うずら卵、ささかまなどを燻してウヰスキーや焼酎でやります。これぞ山泊の極上の晩餐、至福のひとときです。
そんな夕べを過ごしながらふと仰ぎ見ると。。。
山登りが病みつきになるのがおわかりになるのではないでしょうか。写真には撮れませんでしたが、満天の星も私たちを迎えてくれました。
山小屋内ではフルートとギターの夕べが催されていました。とてもお上手だったのももちろんですが、この場所でこの雰囲気で聴くとこれ以上の贅沢があるか~というくらい幸せな時間を過ごすことができます。そして夜も更け、9時には消灯です。山小屋の夜は早いのです。
ご来光を拝むためには早起きもなんのその
朝は山頂からご来光を拝む為、3時起床、3時半出発です。周りは当然真っ暗な為、ヘッドライトをつけて登山開始。眠いのと起き抜けに登り始めて体がきついので写真を撮ることをすっかり忘れていました。
そして約1時間半登って山頂での至高の一枚がこちら!
天狗岳は東天狗と西天狗の2つの峰から成っています。今回は東天狗からご来光を拝みます。標高2640m
4:50頃、太陽が顔を出します。
では東天狗山頂からの360度の眺望をお楽しみください。
山頂は風が吹きさらしている為、長時間居るのは厳しいです。気温も夜明け時、放射冷却で0度近くまで下がります。山頂から少し下って、風のない場所でお湯を沸かし、コーヒー、カフェオレ、ポタージュスープとパンなどで朝食です。もう何度でも言っちゃいますが、こういう至福のひとときを味わうことができるから、山登りはやめられないのです。
北アルプスや南アルプスなどの日本を代表する連峰を見渡すことができました。
東天狗から黒百合ヒュッテまで下りは1時間です。テントを片づけ下山します。バス停のある「渋の湯」(登山口と同じ)まで下りで約2時間。登りと同じく岩場が続きます。下りも似たような風景だったのと、疲れで写真をほとんど撮りませんでした。渋の湯には10時に着き、渋御殿湯旅館でお風呂に入れてもらいました(1,000円)。露天はありませんが、内湯は木の浴槽で硫黄の匂いに包まれた東北の秘湯のような風情のあるお風呂でした。昨夜は汗をかいても山では入浴は出来ないので下山後の温泉に浸かった時の恍惚の気分といったら。。。もう一度言いたい、これだから山登りはやめられません。風呂上りはもちろんビール。渋御殿湯では350mlの缶ビールは350円。御の字です。いいです、いいです。飲めるなら。
そしてバスに揺られること約50分でJR茅野駅に到着です。時間は12:30でちょうどお昼の時間です。JR茅野駅の駅そばが評判というので食べました。
一番高いメニュー極上かきあげ玉子山菜そばを注文。610円也。そばはさすが信州、食感、香りとも秀逸です。つゆは甘めで東京の辛いつゆに慣れた人は合わないかもしれませんが、私は大好きな味です。かきあげ天は具がたっぷり詰まっていました。そして何より私が感動したのは山菜です。普通立ち食いそばの山菜で使われるのは業務用のあまり美味しくない山菜が入ることが多いのですが、ここのは日本で取れたちゃんとした山菜でした。食感がクキクキいって本当に美味しい山菜でした。合格!
私が山をやめられない3つの理由
いかがでしたか?今回のルートは正直、登山道は岩場続きでしんどいものでした。でも今回は私が山をやめられない3つの理由を改めて痛感した山行でした。
- 都会ではまず観ることのできない風景。それを360度全身で感じることができるから(展望台、山頂、雲の上など)
- 山での食事。下界では到底味わえない旨さだから(自炊の愉しさ、山頂での温かい飲み物)
- 下山時の入浴。口では表現できないほどしあわせな気分に浸れるから
これらを体験した人は、山から離れることはできないでしょう。
また私も登りますよ。皆さんも都会では味わえない、山の魅力、全身で感じに出かけませんか?
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。