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パスタの本場でラーメン!?ミラノで「MISOYA」のラーメンを食べてみた!
今や世界中で大人気のラーメン。海外に支店を次々とオープンしている日本の店舗も多いようです。
そんな中、同じ麺類でもパスタの本場・イタリアではどんなラーメンが食べられているのか、気になりませんか?ラーメンのコシのある麺はパスタに通じるものがありそうですよね。
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- パスタ王国、イタリアでラーメンがウケている!?
- まずはお店探し!
- ミラノにある「ラーメンミソヤ」への行き方
- 壁面にカンパリが並ぶ、バーのような内装
- ラーメンを頼んだらパンが付いてきた!?
- いざ実食!気になるお味は......
パスタ王国、イタリアでラーメンがウケている!?
20年ほど前から、パリやロンドン、ローマなど日本人観光客が多く訪れるヨーロッパの都市にはラーメンを扱う日本食店がちらほらありましたが、ラーメン専門店はまだほとんどありませんでした。その頃はまだお客さんの大半は日本人。現地に住んでいる日本人の方や、観光の合間にホッと一息つきたいという人が多かったのです。
ところが、最近になってその流れが大きく変わってきているという情報を、現地に住む友人からよく聞くようになったのです。そこで私は早速、調査に出向いてみることにしました。
私は海外旅行の際にはほとんど日本食は食べず、その国の食文化をとことん味わいたいと思っています。そのため、イタリアでラーメンを食べるなんて考えてもいませんでした。
イタリアは、国民一人当たりの年間パスタ消費量が25キロ〜30キロという世界一のパスタ王国。ですがある時、イタリア人の友人が「僕、ラーメンが本当に好きなんだよね」と言ってきたのです。それがきっかけで私は、「パスタ王国の国民をとりこにするラーメン」を一度確認しておかなければ!と思ったのです。
いま流行りの食べ物なら、ハイファッションの街・ミラノで調べるのが最適だろうと考え、私は早速ミラノエリアで情報収集を開始しました。
まずはお店探し!
まずは口コミを調べてみようと思い、旅行口コミサイトでイタリアのラーメン店を検索してみました。すると、「ちゃんとしたラーメン」を作っているお店が多いということ、そしてラーメン専門店が思っていたよりも多いということに驚きました。
いくら海外で日本食が流行っているとはいえ、あくまでも「日本食のコピー」というくらいのものじゃないのか、と私は思っていたのです。けれども旅行口コミサイトで見つけたお店は、言われなければ海外のお店のものだと分からないほど、日本のラーメンそのものといった写真もたくさんありました。
日本人、それ以外の国の人からの口コミも熟読したうえで、一番バランスよく高い評価を得ていると感じた店を選択し、実際に食べに行きました。
お店の名前は「ラーメンミソヤ」。味噌ラーメンの専門店のようです。ちょうど冬の時期だったので、味噌ラーメンを食べたらきっと体が温まることだろうなと思いながら、地下鉄を乗り継いでお店へ向かいます。
ミラノにある「ラーメンミソヤ」への行き方
「ラーメンミソヤ」へ行くには、「Moscova」駅で下車します。この辺りは日本食のお店が多いエリアです。「Via della moscova」(モスコヴァ通り)を歩いていると「Via solferino」(ソルフェリーノ通り)に出ます。
そこを曲がってまっすぐ歩くと、その通りだけでも数軒のラーメン専門店を見つけることができます。お腹がすいていたらハシゴ、ということもできますね。
「zaza ramen」、こちらも人気がありそうなラーメン店でした。ウィンドウのディスプレイにはラーメン鉢が吊り下がっており、日本にはないようなデザインが新鮮ですね。まだ早い時間帯でしたが、ミラネーゼがどんどん店内に入っていっていきました。
ありました。「RAMEN MISOYA」です。調べていくうちに知ったのですが、千葉に本拠地を置く「田所商店」が「RAMEN MISOYA」のブランド名で世界にラーメンを展開しているのが、このお店なのです。
2008年にブラジルサンパウロに初の海外店舗をオープン、その後台湾、アメリカ、カナダ、タイ、ベトナム、スリランカ......と、次々にお店をオープンしています。そして海外の店舗はフランチャイズが多い中、イタリアは直営店舗。これはますます期待が高まります。
壁面にカンパリが並ぶ、バーのような内装
入ってみると内装はこのような雰囲気です。日本のラーメン店とはずいぶん違い、オシャレなカフェのようです。カンパリが並んでいるラーメン店なんて見たことがないですよね!さすがミラノのラーメン店、と驚きを隠せません。
カウンターに座ると、ガラス張りのオープンキッチンから調理している様子をしっかり見ることができます。調理を担当していたのはインド人の男性とイタリア人の女性。奥の方には日本人の店長らしき方もいたようです。
日本人にラーメンを作るのはちょっぴり緊張するのか、しきりにチラチラこちらの様子をうかがう様子のお二人でしたが、とてもフレンドリーに接してくださいました。
ラーメンを頼んだらパンが付いてきた!?
さて、ラーメンミソヤのメニューはこのようになっています。
最初に、「味噌の世界へようこそ!」とイタリア語で書かれた文章が目に入ってきます。味噌や麹について細かく説明されており、米味噌、豆味噌、麦味噌の種類があるなど、日本人でも知らない人が多いようなことも記載されています。
私が注文したのは「北海道味噌たまごラーメン(14.5ユーロ)」です。ワクワクしながら待っていると、目の前に突然、パンが置かれました。
なんでパン......?と思ったのですが、小麦文化の根付くイタリアではパンと麺を一緒に食べるのは普通のこと。イタリアでは「コペルト(Coperto)」といって、席料としてパンが出されて数ユーロを支払うお店が多いのですが、それと同じようなものだと思います。このお店も、イタリア文化の影響を受けているのでしょう。
その後いよいよ、味噌たまごラーメンが運ばれてきました。
えっ?!ポテトフライが乗っている......と思ったのですが、実はポテトフライは札幌ラーメンの人気トッピングなのですね。日本でもあまり本格的な札幌ラーメンを食べる機会がないので、ひとつ勉強になりました。
※註:国内ブランドの田所商店でも、北海道味噌のメニューにポテトフライがトッピングされているとのことです。
いざ実食!気になるお味は......
そして、まずはスープをひとくち。きちんとレンゲが用意されているので、違和感なくいただくことができます。私は、スープを飲んですぐに驚きました。日本で食べるラーメンとほとんど同じだったのです。
香ばしく優しい味噌の味。目の前できちんと計量されていたのを見ていたので、美味しいバランスを計算して作られているということは分かりました。
美味しい!と言うと、目の前で作業を続ける二人も嬉しそうでした。日本で食べたラーメンだとしても、美味しいスープだと言えるでしょう。
麺は茹で過ぎということもなく、歯ごたえがちゃんとあって感動しました。さすがアルデンテの国。さらに食べ進めていくうちに、ふと横に置いたままになっていたパンに目が留まりました。
「もしかして、コレをスープにつけたら美味しいんじゃないだろうか?」
そう思ってパンを小さくちぎり、そっとスープにつけて食べてみました。これは......塩気の薄いイタリアのパンを濃厚な味噌スープに浸すと、食べたことのない新しい味わいが口の中に広がります。イタリアだからこそ成り立つ、この土地ならではの食べ方ですね。ぜひ試してみてください!
今回は美味しい味噌ラーメンを堪能できて大満足でした。特に冬のミラノは底冷えするので、味噌ラーメンの美味しさは体の芯まで沁み渡ります。このときの体験は、海外に行って日本食なんて食べるものか、という私の思い込みを大きく覆すことになりました。
海外でラーメンを食べてみると、日本のラーメンとまた違った楽しみを発見できます。皆さんも海外に行った際は、あえてラーメンを食べてみてはいかがでしょうか。
ラーメンミソヤ 基本情報
住所:Via Solferino, 41, 20121 Milano MI, イタリア
公式Facebookページ:https://www.facebook.com/misoyamilano/
撮影:yukaco
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※本記事は2018年8月に公開しましたが、2021年9月に一部修正しました。
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yukaco
- 17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。