デザイナーズレストランを侮るなかれ!ミラノとフィレンツェで見つけたスペシャルなお店

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イタリアはファッションの都のうちのひとつ。産業としても、重要なシェアを占めています。ブランドのなかには衣類のみならず、ライフスタイルをトータルで提供しているものも。

食を重要なものだと考えるイタリア人は、衣食住のすべてにおいて美意識を追求したいのかもしれません。日本人からすると「餅は餅屋」というイメージで、ファッションブランドが経営するレストランと聞くと「本当に美味しいの?」と思ってしまいがち。

しかし、私が訪れたレストランはどれもオシャレなだけでなく、美味しく、インテリアもスタイリッシュで大満足でした。今回は、実際にどんなブランドが、どのようなレストランを運営しているのか、2軒ご紹介したいと思います。

ミラノの高級ブティックによる「イル・リストランテ・トラサルディ・アッラ・スカラ」

ミラノはスカラ座の横に位置するトラサルディ。

ブランド自体の創立は1910年で、ベルガモの手袋メーカーとして生まれました。彼らの製品は王室の御用達となり、社交界でも人気が出たそうです。

日本でもグレイハウンドのシンボルマークでおなじみですが、このマークがブランドアイコンとして設定されたのは1970年代と比較的最近だそうです。現在は創業者一族のガイア・トラサルディがブランドCEOを務めています。

Italyii-01-トラサルディレストラン.jpg<トラサルディのレストラン内装>

ミラノに行く方にぜひ、訪れていただきたいレストランのうちのひとつと言っても過言ではないのが、このトラサルディが運営するレストランです。1階には緑がふんだんに使われたカフェもあるのですが、2階のレストランとは別物です。

時間があまりないときはカジュアルに楽しめるカフェでも、軽食やデザートを楽しむことができます。しかし、例えばティラミスをオーダーしても、1階のカフェと2階のレストランではまったく別のものが出てくるのです。

私は最初にレストランで食べたティラミスが忘れられませんでした。その後の時間がないイタリア滞在の時に、「もしかしたらカフェでもあのティラミスを食べることができるのかも......」と思ってオーダーしたのですが、まったく違うものが出てきたという経験があります。

カフェのティラミスもそれはそれで美味しいんですけどね。

そんな忘れられないトラサルディのレストランのティラミスがどのようなティラミスだったかは......。写真を載せない方が、これから訪れる皆様への楽しみになるかもしれませんね。

トラサルディのレストランでは変わった食材も

メニューの内容は季節によって変わるのですが、私が行った時は「鶏のトサカのパスタ」が出てきました。鶏のトサカなんて食べたことがなかったので思わず「コレ、何?」と困惑。

尋ねてはみたものの、聞いたことがないような単語(※)で、なんのことやらさっぱり分かりませんでした。「内臓系?」などと主人とコソコソ話していたのですが、スタッフが英語やイタリア語、最終的にはジェスチャーまで加えて、鶏のトサカであることを説明してくださいました。

※注:鶏のトサカは、イタリア語では「creste di gallo」と呼ばれるそうです。イタリアでは、鶏のトサカやモミジ(足)も臓物料理の食材として使われています。

Italyii-02-パスタ.jpg<トラサルディで食べた鶏のトサカ入りパスタ>

有名ブランドが運営しているだけあって、気取ったオシャレなレストランなのではないかという先入観を、いい意味で覆されたエピソードです。リラックスしながら、楽しい食事の時間を過ごすことができました。

メニューの内容としては、品数の少ないビジネスランチからシェフのおすすめコースまでさまざまですが、今回はちょっと奮発して130ユーロのコースをオーダーしました。ランチなのにこんなに贅沢をすることに多少のためらいはありましたが、味のレベルも素晴らしく、結果的にとても満足。

イタリアの思い出としても申し分がないのでまったく後悔していません。一皿一皿の美しさも印象深いですね。

フランス料理などで使われる「エスカルゴ」の一皿も

海藻で作られたパリパリの薄焼きが載せられたスープは、エスカルゴが具材となっていました。日本に住んでいると、エスカルゴを日常的に食べることなんてそうはありませんよね。

ドキドキしながら食べてみましたが、プリンとした食感で、歯ごたえでいうと貝の一種という印象でした。どの料理も完成されていて、驚きに満ちあふれています。

Italyii-03-トラサルディスープ.jpg<トラサルディのスープ>

オペラの鑑賞前などには、きっと華やかにドレスアップした男女がこの空間に集うのでしょうね。私も次回はディナーで訪れてみたいと思います。リピートしたいレストランのうちのひとつです。

ちなみに予約はカンタン。オフィシャルサイトから、日本語でもできます。ぜひ予約して訪問してみてくださいね。

なお、オシャレなレストランでよくあることですが、案内係の女性が超絶美人でした。

店舗情報

名前:イル・リストランテ・トラサルディ・アッラ・スカラ(Il Ristorante Trussardi alla Scala)
住所:Piazza della Scala 5, 20121 Milan,
公式サイト:https://www.trussardiallascala.com/
営業時間:[ランチ 月-金] 12:30~14:30 [ディナー 月-土]20:00~22:30
定休日:日曜日
想定予算(ランチ):15,000~20,000円※ユーロのレートによって変動します。

フェラガモが運営するフィレンツェの「ボルゴ・サンヤコポ」は、比較的リーズナブル

以前、下記記事にてご紹介した、フェラガモ一族が経営するホテルに併設されているレストランです。サービスの質が高く、ホスピタリティに溢れています。

イタリアのグルメガイド「ガンベロ・ロッソ(Gambero Rosso)」でも話題となった「ボルゴ・サンヤコポ」のシェフは、私が訪れた当時は女性でした。

シェフコートに身を包み、オシャレなフレームの眼鏡と、弾ける笑顔が印象的でした。

※関連記事:フィレンツェ有数のエレガントなホテル「HOTEL LUNGARNO」の魅力とは?

Italyii-04-ボルゴサンヤコポ内装.jpg<ボルゴ・サンヤコポ内装>

ホテル「ルンガルノ」のロビーからも行けますが、レストラン専用の入り口もあります。場所は、ポンテヴェッキオからほど近い、素敵なトラットリアや小さくて可愛いショップが並ぶ裏通りの「サンヤコポ通り」。

ゴージャスな雰囲気に反して、ランチのメニューは30ユーロ程度と気軽に楽しめる価格です。フィレンツェの思い出に、ぜひオシャレして出かけてみてくださいね。

アルノ川が眺められるロケーションの席がなんといっても最高ですが、ロマンチックでシックな内装で川が見えない席でも満足度が高いこと間違いなしです。

フィレンツェらしい肉料理やパスタも充実しています。牛肉のタルタルは見た目も美しくてフォトジェニックですよ。

Italyii-05-ボルゴサンヤコポタルタル.jpg<牛のタルタル>

添えられているのは紫芋のチップスとオリーブオイルのアイスクリーム。

甘みのある牛肉のタルタルに、アイスクリームの冷たさの相性がピッタリと計算されています。紫芋のチップスのパリパリとした食感がアクセントになっています。

絵画のような一皿は、ウフィッツィ美術館やストロッツィ宮殿でのインスタレーションを観た後のランチやディナーにも最適。一流のアートに触れて美意識が高まった目にも大満足させてくれるはずです。

特に夏場は20時頃が日没なので、夕焼けにキラキラに輝くアルノ川を見ながらディナーを楽しむことができます。なお、テラス席もロマンチックですが、イタリアの蚊はけっこうな勢いで襲ってくるので要注意です。テラス席をリクエストする場合は虫除けスプレーを塗っていくこともお忘れなく。

魚介の煮込みスープ「ブロデット」とは

こちらのレストランのスペシャリテは、肉食が主なフィレンツェにおいて意外なことに魚介。13種類の魚介を煮込んだ「ブロデット」というスープです。海老やイカ、ムール貝がトマトベースのスープで煮込まれており、深い味わいに心まで癒されます。

フィレンツェのみならず、イタリア全土で言えることですが、基本的に肉料理よりも魚料理の方が高価格な傾向が見られます。原材料費が魚の方が高いからなのですが、日本人には不思議に感じるポイントのうちのひとつかもしれませんね。

Italyii-06-ボルゴサンヤコポスペシャリテ.jpg<ブロデット>

こちらも人気の高いレストランなので予約必須です。ホテルに滞在されている方は、チェックインする時にレストランの予約を同時に頼んでおくと安心です。

サンヤコポ通りからレストランに入る場合は、特に看板が目につくわけではないので、通りすぎないように気をつけてくださいね。

また、こちらの雰囲気をさらに気軽に味わいたい方は朝食の利用もおすすめです。その場合はボルゴ・サンヤコポとしての利用ではなく、ホテル「ルンガルノ」の朝食利用というかたちになりますが、朝食の味わいもとても印象的です。素敵な旅の思い出になること間違いなしですよ。

特に、こちらでいただいたモッツァレラチーズの美味しさは日本では味わうことができないフレッシュでクリーミーなものでした。

みなさんも、ミラノやフィレンツェを訪ねたときはデザイナーズレストランも候補に含めて、グルメを楽しんでみてくださいね。

店舗情報

名前:ボルゴ・サンヤコポ(Ristrante Borgo San Jacopo)
住所:Borgo San Iacopo 62/R - 50125 Firenze
想定予算(ランチ):30ユーロ(約3,900円)2017年8月時点のレート換算です。

写真撮影:yukako

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yukaco

17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。

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