鉄道にも歴史がある。「四国の鉄道ばなし」

車掌かんちゃんです。今回は、私の人生そのものである鉄道のお話です。先日、5月10日出発のツアー添乗で行ってまいりました四国が舞台です。

鉄道の起源は、神社仏閣への参拝者輸送!

明治22年5月23日、讃岐鉄道(現在のJR 予讃線、土讃線)の丸亀~琴平が四国で2番目に開業しました。江戸時代中期以来、お伊勢参りと共に、一生に一度は参りたいと言われたのが、讃岐の金比羅宮参りです。
・金比羅宮公式サイト:http://www.konpira.or.jp/

多くの参拝客を運ぶ為に、本州からの船着き場である港町の丸亀と門前町の琴平を結ぶために、鉄道が敷設されたのです。最盛期には、4つの鉄道会社の琴平駅がありましたが、現在は2つとなりました。

JR「琴平(ことひら)駅」

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香川県にあるJR「琴平駅」。1922年開業した3代目の駅舎の外観を復元しました。門前町の駅らしく、駅前には狛犬と灯籠が参拝客を出迎えます。この駅舎には貴賓室はないですが、出雲大社参拝駅のJR大社駅(路線は廃止)や伊勢神宮参拝駅の近鉄宇治山田駅は貴賓室があって、駅舎も立派です。鉄道好きだけでなく、建築に興味がある人も駅舎巡りは楽しいですよ。

高松琴平電鉄「琴平駅」

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東京の京浜急行で活躍した車両が、四国に来て、第二の人生を頑張っています。車両には金刀比羅宮の独特の文字が書かれています。この車両だけでなく、東京で活躍した、東急、京王、西武、小田急の車両たちが、日本各地で第二の人生を頑張っています。電車も頑張っているので、もちろん私も駅舎見物の前に、785段の石段を上がって、しっかり金刀比羅宮お参りしてきました。ここで初めてお参りしたのは、小学校2年生の時でした。当時は姉と従兄弟と4人で競争して、かけ上ったけれど、今はとても無理。案内人さんの話を聞きながら、ゆっくり上がっていきました。

小説の中に登場する汽車

明治21年10月28日に開業した、伊予鉄道の愛媛県松山~三津が四国で最初の鉄道です。当時、汽車に乗った夏目漱石が小説「坊っちゃん」の中で、「乗ってみるとマッチ箱のような汽車だ」と書きました。

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現在、車両を復元して、坊っちゃん列車として、道後温泉~松山市駅まで運行されています。乗車して、夏目漱石の世界に浸るのも良いですよ。私自身、今までの人生の愛読書は時刻表だったので、小説は読んだことないのですが。

日本初の山岳鉱山専用鉄道

1893年12月、住友別子上部鉄道が開業しました。世界一とも言われた別子銅山の鉱石を運ぶためです。活躍したのがドイツ製機関車。当時、伊予鉄道の機関車が火事で燃えた時、ここの機関車を譲渡したそうです。1911年に廃止になった後も、住友金属鉱山下部鉄道は1977年に廃止になるまで物資輸送を行いました。

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現在、線路跡を利用して廃坑になった鉱山を見学に行く観光客の為に、トロッコ列車を運行しています。開業時に建設されたままのドイツ製の鉄橋やトンネルを通っていくので、当時の技術や鉱山の繁栄ぶりを思い起こせます。

旅を変えていく観光列車の登場。

日本経済新聞が2015年に行った、おすすめの観光列車の第一位に選ばれたのが、JR 四国「伊予灘(いよなだ)ものがたり」です。車内では、湯布院の旅館で研修を受けたアテンダントさんが、観光案内やケーキの提供などのサービスを行います。
・伊予灘ものがたり公式サイト:http://iyonadamonogatari.com/

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観光列車の代表格、JR 九州のクルーズトレイン「ななつ星in 九州」の列車コンセプトは「新たな人生にめぐり逢う、旅」。
JR九州は列車の旅で、乗客に次のような3つの出逢いの提供を考えています。
①乗客自身の人生との出逢い
②乗客同士のバートナーとの出逢い
③列車に乗務するクルーやスタッフ、地元の人々との出逢い

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まさに3つ目のクルーとの出逢いに当てはまる出来事がありました。それは今年の5月12日、私の誕生日です。その日は、観光列車「伊予灘ものがたり」に乗車しました。車内放送でアテンダントさんから「2号車4番A席のお客様は、今日がお誕生日です」と紹介されました。添乗員になって本当に良かった。去年の誕生日はJR 九州の観光列車「いさぶろう,しんぺい」と「はやとの風」に乗車していたので、2年続けて「いい仕事してますねぇ。」来年の誕生日は何処の観光列車に乗っているのかな。

時は過ぎても名曲です

1988年4月10日、瀬戸大橋線が開業しました。快速マリンライナーの四国側の停車駅である「坂出駅」は列車到着時にホームで小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」が流れます。ずっと聞いていると「これから瀬戸内海を渡って行くんだ」と気分が高まっていきます。これは1972年の曲ですが、当時は瀬戸大橋の建設も始まっていませんでした。


いかがでしたか?鉄道は単なる移動手段だけではありません。人生はもちろんのこと、世の中の全てのものと同様に、鉄道にも歴史があることを少しでも知っていただけたらと嬉しいです。次回は何処の鉄道の歴史を話そうかな。車掌かんちゃんでした。

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親からの最初の本は時刻表。いろんな列車に乗れて、給料ももらえるからと添乗員になりました。日本の鉄道路線、全て完全乗車の乗り鉄。住んでいる家も電車がよく見える線路沿い。鉄道が人生そのものです。

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