ロシアの生活が感じられる素朴な土人形

ディムカヴァ、コヴロフ、フィリモーナヴァ。この地名を聞いてすぐに共通点を答えられる方はかなりのロシア通です。これらの場所は、素朴な土人形の産地として知られています。

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まずは、蛍光色のようなビビッドカラーが新鮮なフィリモーナヴァ土笛人形からご紹介します。この土人形の特徴は、細長い形、長い首、小さな頭です。ラズベリーピンク、黄色、緑という3色を使って彩られています。また多くのものは土笛仕様になっています。

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トゥーラ州にあるフィリモーナヴァ Филимоновоという村で作られていて、その歴史は700年とも1000年ともいわれている、息の長い伝統工芸です。油分の多い土で形成し、乾くとヒビが入りやすいので、何度も濡れた手で土をなでつけ、ツルツルに仕上げます。かつては、女の子がお婆さんから作り方を教えられ、上手に作れる女の子は将来、お嫁入りの時によい条件で嫁げたといいます。驚きですね。素朴な中にも、歴史が息づく土人形です。

コヴロフ土人形は、ウラジーミル州2番目の町であるコブロフ(ロシアの発音でカヴローフ)Ковровで作られている、クリッとした目がかわいらしい土人形です。

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長い間この地で陶器が作られることはありませんでしたが、1925年に陶片が発掘されたことがきっかけで、12~17世紀にコブロフで陶器がたくさん作られていたことがわかりました。良質な土を生かし、19世紀に陶器、20世紀にかわいらしい土人形が作り出されるようになりました。かわいらしい動物や、ロシア民話などを題材にしたファンタジー感のある作品が多いのが特徴です。

ロシアの土人形の中で一番有名なのは、400年の歴史があり、キーロフのディムカヴァ Дымково地方で作られているディムカヴァ土人形です。

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素焼きの陶器に着色して作られる、この土人形の特徴はつぶらな目とカラフルな色彩です。インパクトのあるニワトリをはじめ、イヌや馬など独特な雰囲気の動物や、家族などを題材にした作品が多く見られます。また、美しい衣装を着た女性の人形も多く作られています。

民話をモチーフにした人形や適度にデフォルメされた動物たちから、ロシアの生活を垣間見ることができます。鮮やかな色合いの作品は、部屋のインテリアにもぴったりです。

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花井景子

ロシア・リャザン大学で日本語教師を務めた後、2011年ロシア人男性と結婚しました。

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