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ナポリのシンボル「ヴェスヴィオ山」を120%楽しもう!登山や観光のポイントも紹介します
ナポリの風景といえば、必ずと言えるほど登場するのがヴェスヴィオ山。有名なナポリ民謡にもうたわれるなど、地元のナポリっ子にとっても馴染み深い存在です。
この記事ではナポリに行ったらぜひ見てほしい、ヴェスヴィオ山の概要と登山のポイント、そして周辺のおすすめ観光スポットをご紹介します。
ヴェスヴィオ山とは
ヴェスヴィオ山(Il monte Vesuvio)は、南イタリアのカンパニア州(カンパーニャ州)、ナポリにある活火山。2つの峰からなっており、高い方が火口をもつ峰で標高約1,277mほどです。歴史上何度も噴火を繰り返し、現在でもときどき煙が出ていることがあります。
一方の低い峰は標高約1,132m。これはヴェスヴィオ山をとりまく古い火山体で、ソンマ山(Il monte somma)と呼ばれている噴火によってできた山です。
雄大にそびえるヴェスヴィオ山の麓にはナポリの町並みとナポリ湾が広がり、独特の風光明媚な風景をつくり出しています。この美しい風景から、有名なことわざ「ナポリを見てから死ね(Vedi Napoli, e poi muori)」と言われるようになったと言われています。
ポンペイやエルコラーノを埋めた、ヴェスヴィオ山の大噴火
ポンペイ遺跡は、79年に起こったヴェスヴィオ山の大噴火で埋まった遺跡として有名。日本ではあまり知られていませんが、エルコラーノ(Ercolano※)という町もポンペイと同じく噴火によって埋まった町の一つです。
広大な敷地のポンペイ遺跡に比べると、エルコラーノ遺跡は小さな町ですが保存状態が非常によく、世界遺産にも登録されています(※2)。
※註:エルコラーノ遺跡は、厳密には「ヘルクラネウム(ラテン語:Herculāneum)」と呼ばれるもので、エルコラーノ自体は現在もコムーネとして機能しています。
※註2:正式名称は「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」とされます。区分は文化遺産です。
エルコラーノの町を歩いていると遺跡の入り口となる門が現れ、その向こうには人々の息づかいが聞こえてきそうな古代の町が広がっています。床のタイルや壁の装飾まで綺麗に残っており、まるでタイムスリップしたような感覚になります。
ナポリからも近く、ヴェスヴィオ周遊鉄道を使ってアクセスできます。遺跡が好きな方は、ポンペイと併せてエルコラーノ遺跡も見てみてはいかがでしょうか。
エルコラーノ遺跡(ヘルクラネウム)基本情報
場所:Via Mare, 75, 80056 Ercolano NA, イタリア
サンタ・ルチア地区から雄大なヴェスヴィオ山の風景を堪能
ナポリ民謡「サンタ・ルチア(Santa Lucia)」でも歌われている美しい風景は、人気の観光名所の一つ。ヴェスヴィオ山はナポリ市内からも眺めることができますが、特に美しい風景を見たいならサンタ・ルチア地区がおすすめです。
サンタ・ルチア地区はナポリ湾に面しているため、海岸沿いに長い歩道が続いており、ナポリ湾とヴェスヴィオ山を一望できます。海岸沿いの道は歩行者専用になっており、運転の荒いナポリっ子の車やタクシーを気にせずのんびりと歩けます。
お天気の良い日は、カラっと晴れた青空と真っ青なナポリ湾が広がる爽やかな景色、夕暮れ時にはヴェスヴィオ山や空がピンク色に染まりなんともロマンチックな景色に。
ヴェスヴィオ山と反対方向には、ナポリの新市街にあたるヴォメロの丘(Vomero)が。時間帯や季節によって、さまざまな表情の景色を楽しむことができます。
道なりにホテル、レストラン、ピッツェリアなどが軒を連ねており、お店選びに迷ってしまうほど。観光客も多いので、英語を話せるスタッフや英語メニューも多く、食事には困りません。
ホテルも3つ星以上の立派なホテルが並んでいるため、比較的治安が良い地区とされています。夜遅くまでホテルやレストランの明かりが灯り、人通りもあるので安心です。
サンタ・ルチア地区に来たら外せない!美味しい魚介料理
海に面しているカンパニア州では、魚介料理が豊富。特にサンタ・ルチア地区はナポリ湾のすぐそばというだけあって、魚介メニューが充実しています。
ナポリでよく食べられる魚介料理といえば、「ズッパ ディ コッツェ(Zuppa di cozze)」。ムール貝のスープという意味です。シンプルにムール貝だけをワインなどで蒸したものや、魚介を盛りあわせたものなどバリエーションはお店によって様々。キリッと冷えた地元ナポリの白ワインと一緒にどうぞ。
サンタ・ルチアは、ナポリ中心地やナポリ中央駅からは離れているので、アクセスに少し時間がかかります。しかし、治安が良くレストランにも困らず、またヴェスヴィオ山やナポリ湾など、いわゆるナポリらしい風景が目の前に広がっていることを考慮すれば、多少アクセスが不便でも行ってみる価値はあると思います。
見るだけじゃない!ヴェスヴィオ山に登ってみよう!
日本人にはあまり馴染みのない「ヴェスヴィオ登山」ですが、実際に登ってみると世界中の人々が登山に挑戦していることが分かります。登山途中も、イタリア語より英語などの他言語の方が多く聞こえてくるほど。
それもそのはず、頂上からはナポリの町並みやポンペイを見下ろす雄大なパノラマが広がっており、旅行者にとってはたまらないスポットなのです。天気の良い日は、真っ青な空と海が美しく、遠くにはイスキア島なども見ることができます。
登山ルートは途中地点(約1,100m辺り)まで、バスまたはタクシーで行くことが可能です。この地点には小さな売店やトイレ、駐車場があります。そこから頂上の噴火口までは徒歩で登って行きます。
頂上付近や火山口は、ゴツゴツとした火山岩で覆われています。噴火口付近は階段が多く、細い道しかない場所もあり少しきつい道のりですが、頂上から眺める風景は絶景。ナポリ市内の喧騒が嘘のように、壮大なパノラマが広がります。ここでの写真撮影もお忘れなく。
また、頂上付近にはお土産屋を兼ねた小さな売店があります。ここでは、キリストの涙という意味の「ラクリマ クリスティ(Lacryma Christi)」という地元ワインや、生フルーツを絞ったジュースなどを飲むことができます。
ヴェスヴィオ山を登るときの注意
登山道は手摺りなどが設置されていますが、砂利道の斜面が続くので、運動靴と動きやすい軽装が必須です。また日差しをさえぎるものがないため、帽子も用意しましょう。山頂は比較的涼しいですが、日焼け対策や水分補給などはこまめに行ってくださいね。
ヴェスヴィオ国立公園 (Parco Nazionale del Vesuvio)
入山時間:11~2月9:00-15:00、3・10月9:00-16:00、4~6月・9月9:00-17:00、7・8月9:00-18:00
入場料:10.00ユーロ
公式サイト:http://www.guidevesuvio.it/index.php
※各種情報は執筆時(2017年7月)のものです。
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La luce del Sud
- 人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。