多様な文化が混在する「シチリア島・パレルモ」のおすすめ観光地4選

ローマやフィレンツェなどに比べ、日本では馴染みの薄いシチリア島の州都「パレルモ」。パレルモといえばマフィアや治安が悪い......などのマイナスイメージを抱きがちですが、実際はさまざまな民族の文化や様式が入り交ざった独特の雰囲気を持つ町。

他のイタリアの都市には無い、この土地ならではの魅力がたくさんあります。そんな国際色豊かなパレルモのおすすめ観光地をご紹介します!

パレルモってどんなところ?

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撮影:La luce del Sud

パレルモは、イタリア南部に位置するシチリア島の州都。イタリアで5番目に多い約68万人もの人口を擁する大都市。かつて、地中海世界で繁栄したシチリア王国時代から首都として栄えていた歴史ある都市です。

また多民族からの征服を受けた歴史から、多様な文化が混在する魅力が詰まった都市でもあるのです。強い日差しが照りつけ、ヤシの木が揺れ、イスラムやバロックなどの様式が混在する町を歩いていると、その文化の多様さやパレルモならではの独特の雰囲気を肌で感じることができます。

名所の宝庫! パレルモの観光地、厳選4ヵ所をご紹介

そんなパレルモへ来たら、ぜひ訪ねていただきたい観光地があります。この記事では4つに絞って、それぞれの概要や魅力をご紹介しましょう。

1.パラティーナ礼拝堂(Cappella Palatina)

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撮影:La luce del Sud

パレルモに来たら外せない名所の一つ、「パラティーナ礼拝堂」。一歩足を踏み入れると、まるでイスラムの世界に入り込んだような、黄金のモザイクが美しい礼拝堂です。

イスラムとビザンチンの文化が融合した独特の様式は、国際色豊かなパレルモを象徴しています。長さ32m、幅12.4mという縦長の礼拝堂は、天井から壁や柱に至るまでモザイクで覆われ、見逃せません。

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撮影:La luce del Sud

静粛な空気が流れる中、キラキラと輝く金のモザイク画に包まれていると、イタリアにいることを忘れてしまうような不思議な感覚になります。

北イタリアの豪華な教会や聖堂とは全く趣の異なるパラティーナ礼拝堂。イタリアの新たな一面を垣間見ることができます。

2.カテドラーレ (Cattedrale) / パレルモ大聖堂

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撮影:La luce del Sud

パレルモといえば、必ずといっていいほど登場するのがこの壮大なカテドラーレ。アラブ・ノルマン様式などの各時代の建築様式が織り成す壮大な佇まいに、ヤシの木が揺れるその外観はとってもエキゾチック。

カテドラーレは、元はキリスト教の教会として建設されました。しかしその後、イスラム帝国のモスクとして使われ、その後に続くシチリア王国時代に再びキリスト教の教会に戻ったという長く深い歴史を持っています。

その長年に渡る増改築によって、折衷様式となったカテドラーレが生まれたのです。

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撮影:La luce del Sud

外観以外にも見どころがいっぱい。新古典様式でつくられた内部も見逃せません。正面奥の主祭壇の右側には、パレルモの守護聖人「サンタ・ロザリア」を祀る礼拝堂があります。その他に宝物庫・納骨堂などもあるので、ゆっくりと時間をかけて訪れたい場所です。

3.クアットロ・カンティ(Quattro Canti)

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撮影:La luce del Sud

パレルモ旧市街の中心に位置する、バロック様式の装飾で飾られた四つ角の交差点。クアットロ・カンティとはイタリア語で「四つ角(4=クアットロ・角=カンティ)」という意味。

その名前の通り、メイン通りであるコルソ・ヴィットリオエマヌエーレと、マクエダ通りが交差しています。

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撮影:La luce del Sud

スペインの支配を受けていた17世紀初頭に完成したクアットロ・カンティ。それぞれの角ごとに、上中下でデザインが分かれた彫刻や噴水があります。

上段は4人のパレルモの守護聖人、中段は歴代のスペイン王や神聖ローマ皇帝の彫像、下段は四季をモチーフにした噴水、となっています。市内の交差点というだけあって、教会や美術館などのように時間制限もないので、好きな時に好きなだけ見物できます。

旧市街地の中央にあるので、観光のついでにぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

4.マッシモ劇場(Teatro Massimo)

出典:マッシモ劇場公式Facebookページより

1897年に建てられたマッシモ劇場は、イタリアで1番大きなオペラ劇場。ヨーロッパ内では、ウィーンのオペラ座、パリのガルニエ宮のオペラ座に次いで3番目に大きいオペラ座です。

外観はシンプルな装飾が特徴的な新古典様式、内部はアール・ヌーボー様式で装飾されています。内部は外観とはうって変わり、天井まである深紅のボックス席や、シャンデリア、天井画などとても優美な空間になっています。

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撮影:La luce del Sud

マッシモ劇場は、マフィア一家を物語にした有名なイタリア映画のロケ地としても有名です。ラストシーンに登場する大階段は劇場の正面にあり、この映画のファンならば誰もが立ってみたい憧れの場所と言われています。

まだ映画を見たことが無い人は、旅行前に見てみるとさらに楽しめるかもしれませんよ!

パレルモの治安

マフィアのイメージが強いパレルモ。筆者自身も、初めてパレルモを訪れる際は少し心配でした。しかし、実際にパレルモに着いてみると町の人々は親切で優しく、観光地であるため外国人にも慣れている感じがしました。

とは言っても、ぼんやりとしていればスリや置き引きにあう確率は増えるので、バスや人が集まる場所では、カバンや貴重品にはご注意を。また他の都市と同様に、できる限り人通りの多い通りを歩くようにしたり、夜の女性の一人歩きは避けたりするなど、最低限の注意は必要です。

パレルモの気候

パレルモの気候は、夏は暑く冬はあまり冷えない地中海性気候。年間の気候の変化が比較的少ないため、冬でも訪れやすい人気のリゾート地でもあります。

観光メインの旅行なら、まだ暑くなり過ぎずバカンスの混雑も避けられる5月頃や、少し日差しの落ち着く9~10月頃がおすすめ。日差しが強いので、夏季でなくても帽子や薄手の長袖・サングラスなど着脱して体温調節できるものあれば便利です。

ただし、日中は暑くても朝晩は冷えるので、ストールや羽織るものもあると安心です。

シチリア島に来たら、パレルモもおすすめ!

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撮影:La luce del Sud

パレルモの魅力的な観光スポットはいかがでしたか?

シチリア島といえば、タオルミーナやシラグーザなどのリゾート地が有名ですが、パレルモにもたくさんの見所が溢れています。名所めぐりももちろんですが、クアットロ カンティのように町中にも様々な様式が混合した建物や噴水がたくさんあります。

町を歩いているだけでも、たくさんの発見がある奥深い町、パレルモへ出かけてみてはいかがでしょうか。

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人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。

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