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【南アフリカ世界遺産】ロベン島
ロベン島行きの船
ロベン島はアパルトヘイト時代に政治犯を収容した刑務所がある島。
1991年までの30年間、約3000人がここに収容されました。
ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領も約20年間、
ここに収容され重労働を課されました。
今この島は人種差別を乗り越え、民主主義と自由を勝ち取った平和の象徴として
1999年世界遺産に指定されています。
そんなロベン島へついに行って来ました!
島までのツアーは毎日4回あり(9時、11時、1時、4時)、所要時間は約3時間。
休日はかなり込んでいるので事前に予約が必要です。
私は予約なしで3回行きましたが、チケットが取れず行けませんでした。
そして今回4回目。ネットで予約し、ようやく行くことができました。
島までは、ウォーターフロントから出る高速船に乗り約30分。
時期にもよりますが、周囲は海流が強く、船はかなり揺れます。
これもロベン島が刑務所に選らばれた理由のひとつ。
この強い海流が脱出を困難にさせるそうです。
船酔いに耐えること30分。船はロベン島に着きます。
天候が悪かったせいか島はどんよりした雰囲気。
入り口には、当時ロベン島到着した囚人の様子が分かる写真が展示されています。
囚人は裸足。足には足かせが...
そして今度はバスに乗ります。
アパルトヘイト時代の刑務所の様子や歴史について
ガイドさんの説明を聞きながら島を一周。
当時囚人がこの島でいかに過酷な状況におかれていたのかが分かります。
刑務所内
そしてバスを降り刑務所内に入ります。
今度はここで当時政治犯として収容されていた人から話を聞きます。
窓には太い鉄格子が...
彼は、自己紹介した後こう話します。
「 私はこの刑務所に9年間収容されました。
私の罪状はテロリストです。 」
彼は当時の状況について詳しく話してくれました。
収容所には黒人だけでなくインド人やカラードなどもいましたが、
刑務所内にも差別がありました。
カラードやインド人が靴下や靴を履くことや、
長そでを着ることを許されていたのに対して、
黒人は冬でも裸足、半そでしか着ることが許されていませんでした。
差別は服だけにとどまらず、食事や労働などにもおよんだそうです。
私がここを訪れたのは、4月(秋)でしたが、窓枠には窓もないのでとても寒く、
当時いかに厳しい状況だったのかが分かります。
部屋での会話はすべ盗聴されていた
ネルソン・マンデラ元大統領が収容されていた部屋も見ることができますが、
部屋は約2畳ほどの広さしかなく、
1枚の毛布とトイレ用のバケツしか置いてありませんでした。
そんな独房で耐えながら、差別解放への情熱を燃やし続け、
南アフリカの自由と平等を勝ち取ったのかと思うと胸が熱くなります。
今でこそ「自由」は当たり前のものですが、
過去には多く人の犠牲と努力があります。
それを忘れてはいけない、そう考えさせらる場所でした。
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はなだゆい
- 南アフリカ歴5年。南アフリカの学校を卒業後ロボスレイルに就職。1年半の勤務後、結婚退職。現在は南アフリカで心理学を学びながら、アフリカ流「明るく楽しく生きる方法」とアフリカ情報をブログ、メルマガなどで配信中。