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岩手県花巻の夜空にスカイランタンが舞い上がった。
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
2018年2月18日。東北は岩手県花巻の夜空にスカイランタン(天燈)が舞い上がりました。
スカイランタン(天燈)とは?
台湾などで行われている無病息災を祈るお祭りです。ランタンに願い事を書き、熱気球の原理で空高く打ち上げられます。夜空にオレンジ色の優しい光を放つランタンが一斉に打ち上げられる幻想的な風景は感動ものです。このスカイランタン上げイベント「はなまき星めぐりの夜~願いを込めて、星空へ~」は花巻市と阪急交通社の共同開催で行われました。
今シーズンは3回(2/18、2/25、3/4)開催され、合計で約600名のお客さまが参加する予定だそうです。私はその第一回(2/18 84名様参加)に参加してきました。
打ち上げ会場はスキー場のゲレンデ
ランタンが打ち上げられる会場は花巻市の「鉛(なまり)温泉スキー場」のゲレンデです。当日17時頃から花巻温泉郷の各ホテルにお泊りのお客さまが続々と会場に集まってこられました。
「そもそもランタンってなに?」「どうやったら上がるの?」というお客さまが大半の為、参加者は、スキーハウスの2階でランタンの打ち上げ方のレクチャーを受けます。
イベント司会は地元FM局アナウンサーのきれいなお姉さんでした。
みなさん、真剣に打ち上げ方手順の説明を聴いています。
願い事をランタンに書きます。
今回は二人でひとつのランタンを打ち上げます。それぞれ思い思いの願い事を書きこみます。
「何をお願いしようかな~」
準備が出来たらランタンを持ってゲレンデに移動します。
この日は風もなく、それほど寒くもなく、スカイランタン打ち上げには絶好のコンディションでした。
特大ランタンでデモンストレーション
スタッフが特大ランタンでデモンストレーションを行います。ほんと熱気球みたいです。
いよいよ打ち上げスタンバイに入ります。ランタンの下部にバーナーで火をつけ空気が温められて浮力が生まれるのを待ちます。
できるだけ地面に近いところに構えることで冷たい空気が入ることを防ぎ、早く空気を暖める(浮力を高める)ことができるそうです。
準備が出来たらカウントダウンが始まります。5・4・3・2・1・ゼロ!
ブオーッ!
列車の汽笛が鳴り響きます。
まさに銀河鉄道が空に向かって発車していくかのようです。
ランタンは暖まった空気で空にふわりと上がっていきます。優しいオレンジ色の灯りがふわっ、ふわっとゆっくり浮き上がっていきます。
一斉に上がったランタンは風を受けてそれぞれが近づいたり、遠くなったり、螺旋形に回転したりさまざまな軌道を描きながらゆっくり上がっていきます。まるで「ランタンの天ノ川」が創られていくようです。ランタンの灯のゆらめきが神聖でドラマチックな世界を醸成し、その夢のような空間で人々はただ舞い上がる灯を見つめていました。
※動画の音声はカットしておりますのでご了承くださいませ。
ランタンのサイズにもよりますが、火は約4分間燃え続けるそうです。燃え尽きたら落ちますが、ランタンは紙と竹で作られているのでやがては土に返るそうです。もちろん住宅街や町なかでは火事になる恐れもありますので、ランタンを上げることが出来るのは限られたエリアのみで今回は消防団の方々も会場に来られていました。
ランタン上げ終了後は、再びスキーハウスに戻ります。冷えた身体を温めてくれる甘酒がふるまわれました。
その後は、もうひとつのイベント、花巻の伝統芸能「鹿踊(ししおどり)」が行われました。
鹿踊とは?
鹿の頭を模した鹿頭とそれより垂らした布により上半身を隠し、ささら(※)を背負った踊り手が、鹿の動きを表現するように上体を大きく前後に揺らし、腹につけた太鼓を叩きながら激しく飛び跳ねて踊る。由来は諸説あるが 、念仏踊りと共通する点が多く、命を失ったものの怨霊を鎮魂し、祖霊精霊の供養の為を思われる。(Wikipediaより引用)
※ささら・・・竹に白い紙を巻き付けたもので、天に向かって伸び、そこに神様を下すという役割が あるようです。
鹿は獅子舞の獅子にも似ており、踊り手の衣装は全部で15kgもあるそうです。太鼓をどんどんと鳴らしながら激しく舞い続ける、とても迫力のある踊りでした。最後は踊り手と写真撮影を行い、約1時間のイベントはあっという間に終了しました。
第一回スカイランタン打ち上げイベントの参加者は84名、ランタンの数は40個とやや小規模でしたが、十分楽しめました。第二回は約170名、第三回は約300名とランタンの数は初回の4倍近くになるそうですので、さらに鮮やかに雄大に舞い上がることでしょう。
夜空に人々の願いを携えて、優しく美しく舞い上がるスカイランタン、花巻の空に「東北のしあわせを祈る冬のイベント」が誕生しました。
花巻観光協会のサイトはこちら
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。