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ウィーンからの半日旅行、温泉の町バーデンをゆったり散策
オーストリアの温泉街ってどんな感じだと思いますか?
ウィーンからアルプスにかけては、多くの温泉が湧いている上、ローマ人が入浴の習慣を持ち込んだため、温泉文化が花咲きました。
今日ご紹介するのは、そんな温泉で栄えたウィーン郊外の町バーデンです。
<バーデンを見下ろして>
バーデンの歴史
「パンノニアのテルメ」として知られたバーデンの温泉は、古代ローマ人が現在のオーストリアに入植したころからの歴史があります。中世にはハンガリーやトルコなどの攻撃を受けましたが、皇帝フランツ一世がここを夏の避暑地として以来、王侯貴族がこぞってヴィラを持ち、芸術家のサロンが開かれました。
1812年に大火の影響で多くの建物が焼失しましたが、おかげでビーダーマイヤー調の建築物が多く建てられ、現在のかわいらしく、ほっこりする街並みが産まれました。
<カフェの窓から眺めた、バーデン市庁舎>
バーデン(Baden)は英語のBath(お風呂)の意味ですので、地名がそのまま「温泉」ということになりますね。バーデンという名は、ドイツ語圏の温泉地によくある地名ですので、区別するため、通常バーデン・バイ・ヴィーン(Baden bei Wien、ウィーンのそばのバーデン)と表記されます。
ここには、湯治と避暑の町として、ベートーヴェンやシュトラウス、シューベルト、ランナーなどが訪れています。また、モーツァルトの妻コンスタンツェもここで度々湯治のために滞在し、モーツァルトもこの地に何度も足を運びました。
ベートーヴェンは第九を、モーツァルトはAve Verum Corpusを作曲した、名曲の舞台になった町でもあります。
バーデンへの行き方
ウィーンから南26kmにあるバーデン。ウィーンからのアクセスもよく、ふらっと日帰り旅行には最適です。
バーデンへは、近郊列車(Regionalzug)と路面電車(Badner Bahn)の二種類の行き方があります。近郊列車はプラーター、ミッテ、中央駅などのウィーンの主要駅から約30分。バーデン駅から町の中心までは12分ほど歩きます。路面電車はウィーンの観光の拠点の一つである、地下鉄カールスプラッツ駅から出ていて、所要時間は1時間。バーデンの中心近くに終点駅があります。
<ウィーンからの路面電車の発着地、ヨーゼフ広場。奥の建物は、元浴場を改装した美術館>
近郊列車からの車窓からは、ウィーンの森とワインの名産地Gumpoldskirchenを眺めることができますので、ウィーンから進行方向右側に座るのがお勧めです。森やワイン畑、古城や教会など、変わりゆく風景を見ているうちに、すぐにバーデンに到着します。
車窓風景が楽しめるのは近郊列車、観光地からのアクセスが良いのは路面電車、どちらも便利ですので、片道ずつ乗ってもいいかもしれませんね。
バーデン散策
それでは、バーデンの町を散策してみましょう。コンパクトな街ですので、半日ほどのんびりするのにピッタリです。
バーデンは今でも湯治の町として有名で、ウィーンから遊びに来る人も多く、気軽な骨休めといった雰囲気が漂います。
まず、路面電車の発着点ともなっているヨーゼフ広場から、市庁舎や三位一体記念塔のある広場へと足を運びます。
<三位一体記念塔>
この市庁舎の手前の道を入ってすぐのところに、ベートーヴェンが1823年に第九を作曲した時に住んでいた「ベートーベンハウス」があり、内部は資料館になっています。オレンジ色の壁が素朴で、親しみやすい雰囲気の建物です。このほかにも、バーデンはベートーヴェンが暮らした建物が複数残されていますので、街歩きの合間に探してみてくださいね。
<ベートーヴェンが第九を作曲したベートーヴェンハウス>
ここから2分ほど歩いたところに、レーマーテルメ(Römertherme、ローマ人の温泉)という名の巨大温泉施設があります。
<レーマーテルメ入り口>
ここで温泉に入ることができるのですが、日本とはかなり雰囲気が異なります。屋内と野外に大きな温水プールがあり、水温も36-39度とぬるめですが、無理せず長湯を楽しむことができます。水着やタオルを持参しなくても、現地で購入やレンタルが可能です。ローマ人が愛した硫黄の温泉を堪能してみてくださいね。
ここから少し北に行ったところに、豪華なカジノの建物があり、その後ろには広大なクアパークが広がっています。
<カジノ・バーデン>
<クアパーク。中央の像はシュトラウスとランナーの二人の音楽家>
この公園の後ろは山になっていて、散策というよりハイキングといった感じですが、天気のいい日に広大な敷地を散策するのはのんびりします。この公園には、数々の音楽家や著名人の像や記念になる建物が隠されています。探してみるもの楽しいですよ。
まとめ
ウィーンから1時間以内で行けて、日帰り旅行にピッタリの町バーデン。
ぜひ、天気のいい日に、のんびりした温泉街の街並みと、音楽家の足跡巡りに訪れてみてくださいね。
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。