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イスタンブールでシリアスイーツ
アラビア語が溢れるイスタンブール
昨今の中東情勢は、日本でも報道されていることと思いますが、トルコはこの数年大きく変わりました。トルコ全土に数百万人のシリア人が難民として入ってきましたが、イスタンブールは大きくその影響を受けている都市です。
昔から観光地などでは、アラブの旅行者用のアラビア語の看板などは多少はあったものの、その数がこの数年で激増しました。これは、アラブからの観光客がこの数年増えたこと(ビザの撤廃により来やすくなったこと)もありますが、やはりシリア人が増えたことが大きく関係しています。
観光向けだけではなく、一般的な居住区でもアラビア語の看板が増えていて、いかにアラブ人のお客が多岐に渡っているかが見て取れます。
タクシムやファティなどでは、トルコ語はなくアラビア語オンリーの看板が多くなり、ここはどこ?と思わずにはいられない場所も。我が家の近所でも、バスに乗ればアラビア語で話す人たちが増えていて、トルコ全土に広がっているのだなと感じます。
アラブ料理の流入
当然のことながら、食文化の流入も大きくシリア料理屋、アラブ料理専門店も増えてきました。トルコ料理でも、アラブ人に人気のケバブ屋やトルコスイーツ店が以前にも増して、かなり増えたように思います。
元々、トルコとアラブの料理は、オスマントルコ時代の統治地域がかぶることから大元が同じということで、類似したものが多いのです。双方、食の好みが極めて似ていますから、根付いていくのも時間の問題かもしれません。
シリアスイーツ
さて、今回は最近人気のシリアスイーツをご紹介します。シリア料理店が増えるとともに、シリアスイーツのお店も幾つかできました。一見、トルコスイーツととてもよく似ているのですが、違うものもちらほらあり、興味深いのです。
こちらは、シリアではハマロールと言われているもので、シリアで一番美味しいと言われているお菓子なのだとか。トルコでは、ペイニルヘルヴァやペイニルタトゥルなどと呼ばれている模様。ペイニルはチーズという意味で、その名の通り、中のクリーム状のものは甘いクリームチーズです。丸々一本ごとで売っています。
お店は、お客がアラブ人が多いせいか、アラビア語しか表示していないのでさっぱりなのですが、店員さんはトルコ語もアラビア語もOKです。持ち帰りがメインのお店ですが、店先にもテーブルがあるのでその場で食べることもできます。
こちらは、トルコにもあるバクラヴァに似ていますが、もっと小ぶりでサクサクとしています。中にはピスタチオが入ってます。
バクラヴァはパイ生地のような薄い皮を何重にも重ね、間にナッツやピスタチオを挟んで焼き上げたものにシロップをかけた甘い菓子です。こちらは、表面がパリッとしていて甘みも抑えめなな上に小さいサイズなので、食べやすそう。
オススメのものを混ぜて持ってきてもらいました。
トルコのスイーツと似ていますが、全体にトルコのものより甘さ控えめで食べやすいです。ほぼピスタチオ入りというあたりが、アンテプ地方などのトルコ南東部のものと似ていて地理的にやはり繋がりがあるのだなと思います。
そして、こちらハマロールも。
表面は米粉のような餅のような柔らかさで、中は甘いクリームチーズに上には蜂蜜とピスタチオがかかっています。これは、シリアで一番美味しいスイーツと言われるのがわかります。美味しい!餅のような食感も日本人好みです。二皿合わせて20リラ程(600円)。
SANIORA
Molla Gunari Mah. Sarı Musa Sok. Fındıkzade / Fatih İstanbul
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河合亜希子
- 1998年よりトルコ・イスタンブール在住。トルコ雑貨のお店Anatolian Art店主。コラムやコーディネートも担当。