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香港のどこか懐かしい街、西貢を街歩き
「西貢」この町の名前を聞いて多くの人が思い浮かぶのは、やはり海鮮でしょうか。たしかに埠頭付近には色とりどりの海鮮が入った生簀が並ぶレストランがたくさんありますし、パフォーマンス的に楽しい、船上での海鮮販売の様子なども見れますものね。
地元では西貢といえば、海鮮よりもアウトドアのイメージが強い場所。エリアでいうとここの範囲は非常に広く、観光で訪れる埠頭付近一帯はごくごく一部に過ぎないのです。言い換えれば埠頭付近は西貢の都会、スーパーや銀行、レストランなど必要なものが一通り揃っていますでしょ。
広東語ではサイゴン、英語だとサイクン。前者の広東語読みだと、ベトナムのサイゴンと全く同じ発音&漢字表記となります。およそ95%以上の「その他の西貢エリア」は、自然がそのまま残っている場所か、人が住んでいても小さな村がいくつか集まるという感じ。小さな商店があったとしても、日常的な買い物や用事は別エリアに移動してというのが日常的なことなのです。
西貢の中の都会の都会。でも他の場所に比べたら独特な緩い空気が流れている、やはり郊外の街。週末こそは多くの観光客で溢れかえりますが、平日に至っては長閑な時間を満喫できます。
ここの街のもうひとつの特徴は外国人とワンコの多さでしょう。一概には言えませんけど、欧米人の方などは街の中心部よりこういう郊外を好む方が多いですよね。自然溢れ、環境が良ければ自然に増えるワンコの数。なのでここではワンコ同伴でのカフェやレストラン、そして一緒に散歩する姿はまさに日常の一部分なのです。
なかなか洒落ている壁画。こうやってこちら側から見ると、風船持ったおじさんが手すりの上を歩いているように見えるのですから。見るのは簡単ですけど、描く時にはそれなりに計算をした上で始めたのでしょうね。思わず心が温かくなる景色です。
郵便局に用事に行くと、入口外でご主人を待っているであろう大きなワンコ。いい子ですね、バフバフしたくなります。
開店前のお店のシャッターにもカラフルなイラストが。ここ西貢に限らず、最近はこういうシャッターイラストをよく目にします。たしかにこのほうが宣伝にもなりますし、そして何より華やかで楽しい気分になりますよね。
そして海鮮レストランでもなく私がよく足を運ぶのがこちらのレストラン。レストランというよりは茶餐廳って呼ぶほうがやはり一等似合いますけどね。その名も龍船餐廳、英語だとそのままでドラゴンボートレストラン。
店内の壁画もドラゴンボート。ここ西貢で40年近い歴史があるお店なのですが、何でもオーナーはかつてドラゴンボートの選手だったとか。端午節に行われる国際試合にも参加した経験をお持ちだそうですよ。なのでレストランもそれにちなんでこの名前なんだとか。西貢も端午節にはドラゴンボートレースが開催されますが、なるほどご自身の経験から付けた名だったんですね。
まだ午前中ということもあり、オーダーしたのは朝食メニュー。
通常セットは珈琲か紅茶が含まれていますが、ここは10ドル追加で紅豆冰か菠蘿冰を選ぶのが可能。どちらとも香港を代表する、ちょっと昔懐かしい飲み物なんです。ということで私も今日は奮発して菠蘿冰をセレクト。お店の人が思わず「(あんた朝から)菠蘿冰??!!」というリアクションに出ましたが、久々に頼みたくなったんですってば、ボーロービン(菠蘿冰)!
2種類の具からセレクト可能なサンドイッチセット29ドル+トースト代1ドル+菠蘿冰10ドル。結果的に40ドルとなってしまい、43ドルくらいでいただけるランチセットと肩を並べる結果と相成りました。でも求めていたのはちょっとレトロな感満載の朝食セット。サンドイッチが乗ったお皿の模様もなかなかいい味出してますでしょ。
Dセット(サンドイッチセット)+菠蘿冰 = 40ドルはい、間違いありません。
10月後半になり、やっとやっと秋らしさが感じられてきた香港。まだまだ涼しいと暑いが隣り合わせという感じですが、長い夏もこれでようやく終わり。まさに西貢で見つけた小さな小さな秋。コスモスの花を思い浮かべつつ、家路につくといたしましょうか。
龍船餐廳
西貢萬年街94號地下
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mangonaoko
- 香港人と結婚して数年、猫2匹と香港在住。現在“猫が暮らす香港”をテーマに 水彩イラストを中心に活動中。