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春夏秋冬、どのシーズンのスペインに来る?
太陽のイメージがあるスペイン。これまで何度か「スペインにも雪が降るの?」と驚かれたことがありますが、日本と同じように四季のある国です。春夏秋冬、それぞれに違った魅力が。スペイン旅行をお考えの方、どのシーズンにしますか?
花であふれる春には大きなお祭りも
<パティオ祭りの時期は町中に花が飾られるコルドバ>
北と南、低地と高地では気候も少々変わりますが、だいたい3月になると春めいた陽気になります。私が住むバレンシア地方では、それに先立ちアーモンドの花が開花し、春の訪れが近いことを教えてくれます。3月の最終日曜日にサマータイムが始まると、一気に日の入り時間が遅くなり、なぜか心はうきうき。町ではバルコニーや窓際などあちこちで花が咲き始め、テラス席も賑わい始めます。
春にはバレンシアの火祭りやセマナサンタ(聖週間)、セビリアの春祭り、コルドバのパティオ祭りなどスペインを代表するお祭りも。秋と並び、春は観光にはもってこいのシーズンと言えるでしょう。
太陽が照りつけ、もっともスペインらしいのが夏
夏は暑いです。北部の一部を除き、雨もほとんど降りません。気温が40度を超えることも珍しくありませんが、日本のような湿気がないことが救い。夜の9時を過ぎても空が明るいので、1日が長い。ビーチにはスペイン人だけではなく、北ヨーロッパからも多くの観光客が押し寄せて賑わいます。
日本でも夏はお祭りのシーズンですが、スペインでもパンプローナの牛追い祭り、ブニョルのトマト祭り、アリカンテの火祭り、マラガのフェリアほか、大小さまざまなお祭りやイベントが開かれます。夏がもっともスペインらしい季節かもしれません。
7月になると全国的に夏の大セールが始まるので、ショッピングも楽しめます。ただ、観光名所は混みあうので、あらかじめネットで入場券の予約ができるところであれば、買っておくことを強くオススメします。
芸術の秋を堪能するにも実はオススメのスペイン
<秋の味覚ロベジョン(ニスカロ)>
段々日が短くなり、ブドウの収穫が終わり10月ともなると秋の気配を感じます。なんとなく悲しさを感じるのは日本と同じでしょうか。暑さもひと段落した秋晴れの青空の日は、まさに観光日和となります。
スペインで芸術の秋を堪能するのはいかがでしょう? マドリードには世界有数の美術館であるプラド美術館をはじめ、ピカソの大作ゲルニカを展示するソフィア王妃芸術センター、ティッセン=ボルネミッサ美術館のほかにもいくつもの美術館が、バルセロナにはピカソ博物館やガウディの建築物群などがあり、時間が足りないほどです。またほかの都市の美術館や宗教施設でもアートを楽しむことができます。
ワイン産地に足を延ばせば、美しく紅葉したブドウ畑を目にすることもできるでしょう。旬のキノコを使った料理もぜひ口にしたいところ。秋のお祭りとしては、バルセロナのメルセ祭りやサラゴサのピラール祭りが有名ですが、ワイン好きならワイン産地の収穫祭にも足を伸ばしたいですね。
冬のスペインならクリスマスシーズンに
太陽の国スペインでも冬は寒く、スキー場もあります。首都マドリードではなんと雪が降ることも。日が暮れるのも早く気分も沈みがちな冬ながら、町でクリスマスのイルミネーションが始まると、心が躍りだします。町のショーウィンドーにもクリスマスデコレーションが施され、プレゼントやご馳走の材料を買うために人々は寒さも厭わず外出します。イルミネーションやクリスマスツリー、ベレンやナシミエンと呼ばれる、キリスト生誕シーンを再現した人形や飾りがあちこちにお目見えするので、それを見て回るのがこの時期の楽しみです。トゥロンやポルボロンといったクリスマス菓子をお土産に買って帰るのもいいですね。
ちなみに、スペインのクリスマスは1月6日まで。年末年始の旅行でも、しっかりとクリスマス気分を味わえます。1月7日からスペイン中で冬の大セールが始まるのも見逃せません。日が短く寒い冬にスペインに来るならば、12月の頭から1月6日頃までがオススメですね。
さあ、あなたはどのシーズンを選びますか?
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。