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美味しいブリ?でもしょせんは養殖でしょ?私、そう思っていました・・・

そう、この話を聞くまでは。。。
鹿児島県長島町は養殖ブリ生産"日本一"です。
ん?ブリ?鰤?
ブリといえば富山県じゃないの?そう、寒ブリ。
それは天然?
ああ養殖?なるほどね。
鹿児島?日本の南の?
そもそもブリの旬って冬じゃないの?
日本海の冷たい荒波で育つから美味しいんじゃないの?
えっ、鹿児島では1年中獲れるって?
南の暖かい海で育つブリ。 養殖で過保護に人工的に作られたブリ。
そんなブリって美味しいの?
「美味しいんですっ!それが!すっごく!」
さあ、これが鹿児島県長島町のブリです。
名前を"鰤王"(ぶりおう)といいます。
私は勘違いしていました。
養殖って何か二級品のイメージがありませんか?(私にはありました) 狭い生簀に押し込められて人工的に餌を食べさせられ、不健康にブクブク太り、脂をまとわせて出荷される。
ブリの養殖は、卵からの完全養殖が難しい為、稚魚(天然)を獲って育てていきます。 ブリの稚魚はモジャコといいます。 ブリの養殖はモジャコ漁から始まります。 そもそもなぜ鹿児島で養殖なのか? 鹿児島は入り組んだ内湾が多く、モジャコがよく獲れるそうです。 しかしこのモジャコ漁にはたいへんな苦労があるそうです。
夜明け前に出航、東シナ海の荒波に揉まれながら漁に出ます。 漁師が海面を何時間も何時間もじっと見つめ漁場を探します。 レーダーも使いますが、最後は漁師の経験と勘がものをいう世界だそうです。一度の漁で経費が数十万円かかる為、モジャコが獲れるまで陸に帰れません。 時には遠く種子島や屋久島まで足を延ばすこともあります。
漁から戻ったら、獲れた数十万匹のモジャコを1匹づつ選別していきます。 気の遠くなる作業ですが、鯵や鯖が紛れていると、鯵の尖った背びれでモジャコを傷づけてしまったり、鯖により寄生虫がついたりしてしまうからだそうです。
養殖といっても単に巨大水槽の中に餌をやるだけではないのです。 魚の中でも特にブリの養殖は手間暇がかかる為、世界でも養殖をやっているのは日本だけだそうです。 長島町がブリの養殖に向いているのは、モジャコが獲れるのに加え、入り組んだリアス式海岸、 海峡の早潮、年間の平均水温19度が養殖環境には最適な状態だという理由もあるようです。
1gにも満たないモジャコは3年かけてブリに(5kg以上)大切に育てられます。 徹底した衛生管理(餌、水温、病気予防など)で均一の品質を保ち1年365日出荷できる体制をとっているのです。
天然ブリは虫がつくこともありますが、養殖はモジャコの時からコンピュータを使って徹底的に管理している為、安定した品質で維持することが出来ます。 値段も養殖だから安いというわけではなく、ブランドである寒ブリ以外では養殖のブリの方が高いことも。 つまり天然、養殖という分け方というよりも、ブリの魚そのものの価値が高いということです。 その高い品質のブリを1年中いつでも食べられるのはこの鹿児島県長島町の養殖のおかげと言えるのです。
こちらは長島大陸市場食堂の鰤王定食です。ちなみにこの長島大陸市場食堂、観光客だけでなく地元の人たちにも人気の食堂だそうです。
こちらはブリデカ弁当です。
デカっ!濃厚なタレに負けないしっかりした歯ごたえとコクです。
鹿児島県長島町の鰤王、
この鰤は"ホンモノ"でした。
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シンジーノ
- ローマと北京に駐在歴あり。海外渡航歴は36か国。日本は47都道府県踏破。「お客さんが”笑顔”で買いに来る商品」を扱う仕事がしたいと旅行会社に入って三十余年。今はその経験を基により多くの人に「旅の魅力」を伝えるべく“たびこふれ”にいます。モットーは「その土地の温度が伝わるような血の通った記事を書く。」旅はカタチには残りませんが生涯忘れられぬ宝物を心に残してくれます。たびこふれを通じて、人生を豊かに生きる力を秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきます。




























