青空カウンターで食べる本場の麺料理「ラクサ」

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東南アジア料理が手軽な値段で、しかも本格的に楽しめるのも香港の良さ。中には"香港風"にアレンジされているのもありますが、全体的に選択肢が多いのは嬉しいところでしょうか。

ベトナム、タイ料理に並んで多いのが、マレーシア、シンガポール料理。香港人は麺を日常的に食べるのが普通ということもあり、中でも人気があるのがラクサ。日本語で説明するならココナッツ風味のカレー味麺ってとこでしょうかね。ちなみに香港での表記は 叻沙(laksa) 。知らないと解読が難しいかもしれません。

香港にいくつも存在するラクサの店ですが、本格的な味を楽しめるという未開拓の店を発見。なんでもここのオーナーはマレーシアで生まれた華僑の方とかで、元コックさん。なんとシンガポールのマンダリンオリエンタルの副料理長も務めたこともあるすごい方なんですって。その後今の香港人の奥様と知り合い、香港に定住することになったとか。最初はコックの経験を活かしレストランで働いていたそうですが、承知の通りレストランは過酷な労働条件。家族と一緒に過ごせる時間もままならない日を送っていましたが、結果的に自分の店を持とうと決意したそうです。その店があるのは屯門。陸続きではないですが、空港からほど近い場所に位置する古い街ですよね。

地下鉄でも行ける屯門ですが、あいにくここは更に路面電車に乗り換えないと到着しません。照りつける日差しの下、初めての駅で降りて初めての道を探して歩くことおよそ10-15分。でも複雑な場所ではなかったので何の問題もなく到着ですよ。

ところがここで意外の意外、なんとこのお店「お持ち帰り専用」だったんです。なんかいやに細長い店舗だな、とは遠目に見た時に感じたのですがまさかまさかそんなこととは。

住所とか営業時間ばかりチェックしてこういうとこまで気が回りませんでしたわ。でもここまで来たのですもの、ここで帰るなんてもったいない。

店内ではなく店外の壁に貼られる美しいメニューの写真たち。あぁあれも食べたい、これも食べたいという喜びが溢れてきますが、それと同時にいっこうにクールダウンできない汗も溢れてきちゃいます。幸いお店の場所は直射日光が当たらないのでね、吹き抜ける風に当たりながらメニューを眺めましょう。

メニューを見ているとお店の方が「電話で先に注文してくれれば待たなくていいわよ」とアドバイス。なるほど、ここは近所の人がそうやって注文するのが常なんでしょうね。

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幸いお店の壁に一応カウンターがあったので、そこでいただくことにしました。周辺で座って食べれる場所を探してみたんですが、あいにく座れる場所は100%太陽の下。

あそこで日差しを浴びながら座って食べるくらいなら、店のそばで立って食べるほうがマシ。しかもここは一応日陰、クールダウンすると吹く風も感じられて程よく気持ちがいいのです。

ラクサは基本的に麺が普通ですが、実はご飯で食べることもあるんですよ。今回はカウンターで立って食べるという状況を考慮して、ご飯をセレクトしてみました。麺より食べやすい気がしますのでね。

一応お持ち帰り仕様なので、ご飯とスープは別々にセットされています。これなら多少時間が経っても大丈夫ですよね、そうじゃないと食べる前に麺伸びちゃいますから。洋服に飛ばないように細心の注意を払いながらゆっくりゆっくりスープをかけていきます。こういうぶっかけご飯、世界共通で食欲をそそられるものです。

巴東鶏柳飯。

思いのほか辛さが効いていて、まさに暑い国の料理という感じ。

飲み物がついて42-48ドルという、香港では安いほうに入るお手軽価格。お持ち帰り用容器に入っていますが、味はちょっといいレストランの味に引けをとりません。こんな本格的な味をこんな値段で楽しめるのが、逆に申し訳ないくらいの美味しさなんです。

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その美味しさに感激して、でもさすがにもうひとつご飯系が食べれないので小さいものを追加オーダー。実際はあれもこれもとメニューを前に目移りしていたのですが、お腹と相談して2品に決定です。

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私が気になった露露炸蛋、見た目のままで揚げ卵です。でも揚げ具合といい、ついているソースといいなんとも絶妙な味なのです。ご飯かパンがあったらあのソースつけて食べたいくらい。

今年開店したのでまだ1年も経っていない新しい小さなお店。夫婦で頑張って開いたお店、きっと予算的にこのスペースからスタートしたのでしょう。でもこの味、きっとテーブルが置けるもう少し大きな店を持てるのは確実な気がします。

自分の腕で頑張っているお店、いいですよね。到着した当初は外で食べるということに愕然としたけれど、食べ終わればそんなことは小さなこと。香港の公共団地というローカル色が強い場所で、店内テーブルではなく青空の下で楽しむ本格ラクサ。こういうミックスした異国情緒もこれまた香港の魅力なのかもしれません。

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香港人と結婚して数年、猫2匹と香港在住。現在“猫が暮らす香港”をテーマに 水彩イラストを中心に活動中。

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