ナポリの下町で最高のピッツェリア巡り。オススメの4店を紹介します。

ナポリの名物と言えばピッツァ。下町で地元の人々が食べる気取らないピッツァは、観光客が口にしても絶品! この記事ではライターが実際に食べ歩いた、本場ナポリの下町ピッツァが楽しめる名店をご紹介します。

※編集部註:2020年11月、加筆修正いたしました。一部写真はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブ・コモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)

目次

<1. 南イタリアのソウルフード「ピッツァ」を味わう>

<2. ピッツァ・マルゲリータを味わうならDa Michele(ダ・ミケーレ)で!>

<3. 種類豊富なピッツァが楽しめるTrianon(トリアノン)>

<4. 伝統と革新の味を楽しめるGino Sorbillo(ジーノ・ソルビッロ)>

<5. 地元の人で賑わう穴場Starita(スタリータ)>

1. 南イタリアのソウルフード「ピッツァ」を味わう

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<写真はイメージです。Photo by sammy joonhee on Unsplash

洗濯物のはためく路地裏、いくつもの薄暗い小路、行きかう人や車の喧噪。突如現れる教会の門を潜ると、そこには静謐で美しい別世界が広がって......。 ナポリの下町は時として猥雑で、混沌としていて、けれど何だか魅力的。

"ナポリを見てから死ね"という有名な言葉通り、美しい風景が広がるサンタルチアやヴォメロの丘もナポリ観光のハイライトですが、この雑多な下町だって立派なナポリの顔

人とモノと熱気に溢れる本物のナポリにピッタリなのは、気取ったシーフードでもなく、オシャレなパスタ料理でもなく、庶民の味方B級グルメのピッツァなのです。ピッツァはナポリで誕生したソウルフード。さあ、めくるめくナポリの下町に、最高のピッツァを探して彷徨いましょう。

1_1. 知っておきたい、ピッツァの成り立ち

ピッツァはもともと、メインの料理に添えるパンでした。オリーブオイル、塩、アンチョビのみを使ったシンプルなピッツァ・ビアンカ(白いピッツァ)が、この世で最初に生まれたピッツァとされています。

じきに南米からトマトがもたらされると、ピッツァのバリエーションは格段に増え、これだけで一品が成り立つようになったのです。これは16世紀後半頃のことなのだそう。そのため、ピッツァとして確立してから、実に4世紀以上の歴史を持つこととなります。

1_2. ピッツァ・マルゲリータはナポリ発祥

いたる所にピッツェリア(ピッツァ専門店)が立ち並ぶナポリの街で、最もよく見かけるのが「ピッツァ・マルゲリータ」。実は、これこそがナポリで生まれたピッツァの代表格なのです。 かつてイタリア国王妃マルゲリータがナポリを訪れた際、王妃は庶民の食べているピッツァに興味を示しました。そこで命を受けた街一番のピッツァ職人ラファエレが作ったのが、トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑でイタリア国旗を表したピッツァ。これには王妃も大喜び。

こうして、ピッツァ・マルゲリータが誕生したというエピソードがあります。なお、このエピソードは1889年のこととされているため、こちらはおよそ130年ほどの歴史があります。

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2. ピッツァ・マルゲリータを味わうならDa Michele(ダ・ミケーレ)で!

引用:Flickrより
L'Antica Pizzeria Da Michele

そんなピッツァ・マルゲリータの超有名店が、こちらのピッツェリア。1870年創業の老舗、ダ・ミケーレです。雑多な店内には、絶えることなく人が流れ込んでいきます。 行列は必至ですが、その分回転が速いので、思ったよりも待ち時間は長くありません。

ここで出すのは定番のピッツァ・マルゲリータ(トマト、モッツァレラ、バジル)とマリナーラ(トマト、にんにく、オレガノ チーズは不使用)のみ。いずれも4~5ユーロほどです。

「ピッツァは元々庶民のB級グルメでしょ? ならその上に、高価な魚介や洒落たトッピングをするのはおかしいに決まってる」というのが、創業以来の頑固な店主のこだわり。 そんな頑なにも思えるポリシーに頷いてしまうのは、ダ・ミケーレの実力なのでしょう。もっちりとした生地の香ばしさ、小麦の豊かな風味。シンプルだからこそ素材が重要なダ・ミケーレのピッツァは、まさに究極のナポリの味なのです。

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<こちらがピッツァ・マルゲリータ!シンプルな見た目に味わいを秘めています。撮影:Italyii(イタリィ)編集部ライター>

引用:Flickrより。ピッツァ・マリナーラは、よりシンプルな見た目です。
Pizza Marinara

基本情報

名前:アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ(L' Antica Pizzeria da Michele)
住所:Via Cesare Sersale, 1 / 3 80139 Napoli
公式サイト:http://www.damichele.net/
Googleマップ:

3. 種類豊富なピッツァが楽しめるTrianon(トリアノン)

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<トリアノンはダ・ミケーレの近くに建つ名店です。撮影:Italyii(イタリィ)編集部ライター>

ダ・ミケーレの近くにあるため、その陰に隠れがちなピッツェリアですが、実はこちらも美食家を唸らせる腕前をもつお店。さながらピッツァ工場を思わせる3階建ての店内は広く、座席数も十分あります。

ダ・ミケーレが頑なに2種類だけを作り続けているのに対し、ここは種類豊富なのが売り。けれどナポリのピッツァはどれも巨大で、一枚食べるのも至難の技。気に入ったメニューを全て味わうには何日もかかってしまいそうなほどです。

3_1. 1枚で8枚分!?欲ばりピッツァをいただく。

この店の売りである様々なトッピングを楽しみたい、そんなあなたにおすすめなのが、Pizza Gran Trianon(ピッツァ・グラン・トリアノン)。なんと、8種類のピッツァを一枚で楽しめるようになっています。

ピッツァの上にはオリーブ、マルゲリータ、ペペロー二(ピーマン)、サルシッチャ(ソーセージ)、リコッタ、プロシュート(ハム)、フンギ(きのこ)、サラミ。この8種類が一度に味わえるピッツァとは嬉しい限り。公式サイトでどのようなビジュアルかもご確認いただけます。

参考:Pizzeria Trianon da Ciro公式サイト-Pizza Gran Trianon写真ページ(外部サイトに遷移します)

もちろん、定番のピッツァ・マルゲリータも絶品。なにより、モッツァレラのミルク感がたまりません。D.O.P.(厳しい生産地指定)の認定を受けたマルゲリータは、正統派水牛のミルクを使用。ひとくち頬張れば、お口の中にまるで牛乳を飲んでいるかのようなミルキーさが広がります。こちらも試す価値ありの一枚です。

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<お店ごとのマルゲリータを食べ比べる、そんな旅も良いのでは。撮影:Italyii(イタリィ)編集部ライター>

基本情報

名前:ピッツェリア トリアノン(Pizzeria Trianon da Ciro)
住所:Sede di Napoli | Via Pietro Colletta, 44
営業時間:[毎日]12:00~15:30、19:00~24:00
公式サイト:http://www.pizzeriatrianon.it/
Googleマップ:

4. 伝統と革新の味を楽しめるGino Sorbillo(ジーノ・ソルビッロ)

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<大賑わいの店内。この熱気がナポリらしさ。撮影:Italyii(イタリィ)編集部ライター>

1935年の創業以来、下町スパッカ・ナポリで絶大な人気を誇る名店。溢れる下町の活気に合わせるように、ここも連日長蛇の列です。 家族、親戚合わせて21人全員がピッツァ職人になっているという、もはや遺伝子レベルのピッツァ大好き一族が店を切り盛りします。

そんな彼らが作り上げるのは、伝統と革新のピッツァたち。 家伝のピッツァは重厚に見えて実は繊細。具材との絡みが計算し尽くされた生地は思いのほか軽く、消化にも優しいのが特徴。頬張るほどにジューシーな具やチーズと、ものの見事なマリアージュを見せてくれます。

味わうべきは、やはりここでも定番のマルゲリータ(3.5ユーロ)。そしてナポリに古くから伝わる、リピエーノ(カルツォーネとも)と言われる揚げピッツァです。揚げた生地に包まれているのは、たっぷりとしたリコッタチーズ、甘いトマト、そしてコッテリとしたパンチェッタ(豚の頬肉ベーコン)。

お腹一杯食べてもしばらくするとまた恋しくなる、リピエーノはそんな魅惑のピッツァなのです。

基本情報

名前:ピッツェリア ジーノ ソルビッロ(Pizzeria Gino Sorbillo)
住所:Via dei Tribunali, 32, 80138 Napoli NA, イタリア
営業時間:[月-土]12:00~15:30、19:00~23:00
休業日:日曜日
公式サイト:https://www.sorbillo.it/
Googleマップ:

5. 地元の人で賑わう穴場Starita(スタリータ)

「Starita(スタリータ)」は1901年創業。ナポリの中心部からは少し離れてはいるものの、ここは知る人ぞ知る穴場の名店です。その味の確かさは、客席を埋める舌の肥えた地元ナポリっ子の多さに表れています。ナポリでタクシーの運転手にオススメの一軒を挙げてもらうなら、まずここを薦める人が多いのだとか。 ナポリっ子たちが口を揃えて「とろけるよう!」と形容するピッツァは、大きすぎず女性にもオススメ。シンプルなマルゲリータも甲乙つけがたい美味しさながら、ジューシーなプロシュート(ハム)と、歯ごたえのあるフンギ(きのこ)をトッピングしたMargherita con Proschutto e Fungi (6.5ユーロ)や、クルミやブロッコリーのペーストを合わせた変わり種もおススメです。

基本情報

名前:ピッツェリア スタリータ(Pizzeria Starita)
住所:Via Materdei, 27-28, 80136 Napoli
営業時間:[火-日]12:00~15:30、19:00~24:00
休業日:月曜日
公式サイト:https://www.pizzeriestarita.it/
Googleマップ:

腹持ちが良くて安く食べられるナポリのピッツァは、まさに庶民の食生活に深く根付いてきたソウルフード。一枚食べればお腹も心もいっぱいになる本場のピッツァを、ナポリっ子に交じって頬張ってみてはいかがでしょう?

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